カモナシェアハウス 第四週「灰色に包まれた恋」#16 ドラマ

前回のお話です。 http://film-buyer.jp/scenarios/2869 第四週「灰色に包まれた恋」 占い師の七緒が恐山で修業をした帰りに運命の出会いを。 果たして運命の出会いは成熟するのでしょうか…。
あゆむ。 29 0 0 02/03
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第一稿

〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・矢吹郁夫(20)
・古川紘


〇シェアハウス・リビング(朝)
   欠伸をし頭を掻きながら宗介が起きてくる。
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〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・矢吹郁夫(20)
・古川紘


〇シェアハウス・リビング(朝)
   欠伸をし頭を掻きながら宗介が起きてくる。
   ホワイトボードを見て驚く宗介。
宗介「何…」
七緒の声「恐山まで水晶玉を貰いに行ってきます!!」
   ホワイトボード全体を使って大きく書いてある。
宗介「何、また青森まで行っちゃったの?」

〇青森駅・ホーム
   七緒が大切そうに巾着に入れた水晶玉を持っている。
七緒「今度は割らないようにしておかなければ…」
   電車を待っている七緒に強い風が吹き
   体がよろけてしまう。
七緒「あ…」
   こけてしまいそうな七緒を後ろから抱き止めるマッチョな男。
七緒「あら…」
男「大丈夫ですか?」
   男の厚い胸で見つめている七緒。
男「?」
七緒「(我に返り)あっ…」
   男から離れる七緒。
七緒「すみませんでした」
男「いえ…」
   電車が来て、ドアが開き男が乗る。
   七緒は男を見ている。
男「あれ?乗らないんですか?」
七緒「あっ乗り…」
   電車のドアが閉まる。
七緒「!」
   電車が動き出す。
   目で電車を追いかける七緒。
七緒M「何だか、また会えるような気がしたのは…占いの導きだったの
 か…」

〇シェアハウス・リビング(朝)
   字幕「一ヶ月後」
   宗介と千秋が仕事の準備をしている。
宗介「よし、忘れもんないな」
千秋「オッケー」
宗介「じゃ、行くか」
千秋「ねぇ、宗ちゃん」
宗介「ん?」
千秋「ここで暮らして、結構時間経ってきたけど、どう?」
宗介「どうって?」
千秋「いや、住み心地とか…皆と暮らしてみてどうかなとか…改めて聞
 いとこうかなって…だって、やっぱり出て行きたいって思ってるかも
 しれないから」
宗介「何の心配してんだよ。いい所に住ませてもらって仕事も紹介して
 くれてさ、まぁ住人や周りの人達は奇特な奴ばっかだけどさ」
千秋「奇特…」
宗介「そんな生活もまぁ悪くないかなって思ってるし、金もまだまだ溜
 めなきゃ部屋借りるのも無理だしさ。まぁ当面はまだお世話になる
 よ」
千秋「あぁ…やっぱ、このシェアハウスから出る事は考えてるんだ
 ?」
宗介「まぁ、一応。でも、例え出たとしてもさ、会えなくなるって訳で
 もないし…何、俺が出てったら淋しいの?」
千秋「そりゃ…」
宗介「(壁時計を見て)あぁ!ほら、遅刻するぞ!もぅ出勤前にこ
 んな話するから」
   慌てて玄関へ行く宗介の後姿を見ている千秋。
千秋M「いじわる…」

〇新宿・街(夜)
   七緒が占いをしている。
七緒「では、以上になります」
   報酬を受け取る七緒。
七緒「これからの人生良き事が沢山ありますように。また何かありまし
 たらお待ちしております。では次の方」
   青森駅であった矢吹郁夫(20)が席に着く。
七緒「いかがいたしましたか?(郁夫の顔を見て)あっ!」
郁夫「え?」  
七緒「いえ…」
郁夫「あっ…」
   七緒の顔をまじまじと見る郁夫。
   恥ずかしくなり顔を逸らす七緒。
郁夫「あぁ、やっぱり!あの時の」
七緒「あの時の…人です」
郁夫「何か凄い偶然っすね。占い師さんだったんですね」
七緒「はい…それで、今日は?あっその前にお名前は?」
郁夫「あぁ。郁夫。矢吹郁夫です」
七緒「はい。私は星と申します。宜しくお願いします」
郁夫「宜しくお願いします」
七緒「それで、お悩み事は?」
郁夫「俺、彼女と遠距離恋愛をしてて彼女が青森に居たんすけど、フラ
 れちゃったんすよ」
七緒「それはご愁傷さまで…」
郁夫「初めて本気で好きになった人で、簡単に別れるって嫌だったから
 青森まで行って話してきたんだけど…やっぱダメで…それだったらい
 っその事新しい恋を探すのもどうかなあって思って恋愛運を見てもら
 いたくて」
七緒「恋愛運ですか?」
郁夫「占ってもらうなんて初めてだから良く分かんないけど、たまたま
 通りかかって見かけて占いで鑑定してもらうのもありかなって」
七緒「かしこまりました。では、見てみましょう」
   水晶に手をかざし念を入れる七緒。
   七緒の仕草に興味津々の郁夫。
   水晶の中は灰色に包まれている。
七緒「…」
   灰色の煙から少しずつ名前が見えてくる。
   「ナ、ナ…」と、見えてくる。
七緒「え…」
郁夫「何、何か見えたんですか?」
七緒「郁夫さんの、運命の相手の名前が見え たのですが…」   
郁夫「見えたのですが?」
   水晶の中で「ナ、ナ、オ」と見えそうになる所で水晶を手で隠す
   七緒を見て驚く郁夫。
七緒「今日はこれで、おしまいにします」
郁夫「え?おしまい?終わるんですか?結果聞いてないのに」
七緒「鑑定料いりませんので」
郁夫「え、でも」
   慌てて片づけをする七緒。
七緒「本当にごめんなさい」
   荷物を持ち走っていく七緒。
郁夫「えぇ…」
   走っている七緒がこける。
七緒「…痛い…」

〇シェアハウス・七緒の部屋・中(夜)
   イケメンマッチョのポスターに囲まれながら部屋の真ん中で水晶
   を置き占っている七緒。
七緒「どうなってるの…」
   何度占っても同じ結果が出ている。

〇同・リビング(日替わり・朝)
   朝食を作った宗介がテーブルに置いていく。
   紘が慌ててリビングに来る。
紘「あぁ!寝坊した」
宗介「紘。おはよう」
紘「おはよ。宗ちゃん寝坊した」
宗介「あぁあ。飯どうすんの」
紘「これ、食う」
宗介「それ千秋の」
紘「ちーちゃんまだ起きてきてないからいいじゃん」
   ご飯をかきこむ紘。
宗介「朝からよく食うな。まぁいい事だけど」
紘「おぅよ。今日も仕事頑張ってその後仲間内で衣装打合せでさぁもぅ
 楽しみでさ」
宗介「そりゃ、良かった。千秋起こしてくるわ」

〇同・千秋の部屋・中(朝)
   宗介が入ってくる。
宗介「おぃ千秋起きろよ」
   千秋の体を揺らす宗介の腕を引っ張る千秋。
宗介「おい!」
   宗介を抱き寄せるような形になってしまう。
宗介「何やってんだよ」
   目を覚ます千秋。
千秋「うわっ」
   宗介を突き飛ばす千秋、宗介は尻餅をつく。
宗介「イッてぇなぁ」
千秋「ごめん。びっくりしちゃって」
宗介「(溜息)飯出来てるから早く食えよ」
   笑顔で頷く千秋。

〇同・前(朝)
   部屋から出てくる宗介。
   ドアを閉めると七緒が立っている。
宗介「あぁぁぁぁ!またこの展開!」
七緒「驚かすつもりはありません」
宗介「本当かよ…」
   千秋がドアを開け宗介の背中にぶつかる。
千秋「あ…」
宗介「イッてぇなぁ…」

〇同・リビング(朝)
   宗介、千秋、七緒が来る。
   テーブルには紘が朝ご飯を食べ散らかした状態になっている。
千秋「何、この状況…」
宗介「ったくどいつもこいつも… 」
千秋「紘が食べてったんでしょ」
宗介「あぁ。今用意するよ。セブンも食べるか?」
七緒「はい」
   × × ×(時間経過)
   ご飯を食べ終えた宗介達。
千秋「七ちゃん。今日も新宿出るの?」
七緒「はぁ…」
千秋「え?出るの?」
七緒「は、はい…」
千秋「どしたの?何か様子が変じゃない?」
七緒「いえ、私は大丈夫です。夜まで部屋に籠ってます。宗ちゃんごち
 そうさまでした」
宗介「お、おぅ」
七緒「お二人ともお仕事頑張ってきて下さい 」
   頭を下げる七緒がテーブルに額をぶつける。
千秋「大丈夫?」
七緒「大丈夫。大丈夫です私は」
   立ち上がり、リビングを出ようとする七緒が、今度はドアに体を
   ぶつける。
七緒「…」
   リビングを出て行く七緒。
千秋「ねぇ、宗ちゃん…おかしいよね?七ちゃんおかしいよね?」
宗介「おかしいって前からセブンはおかしい奴だろ?このシェアハウ
 スで一番おかしいって」
千秋「えぇ…」

〇新宿(夜)
   いつもの占い場所を物陰からチラチラと見ている七緒。
七緒「居ない…大丈夫かな」
   ゆっくりと歩きながら開店の準備を始める七緒。
七緒「よし…開店」
郁夫「失礼します」
七緒「いらっしゃいませ」   
   七緒が顔を上げると郁夫が座っていて七緒は椅子から落ちそうに
   なる。
七緒「あの…どうして」
郁夫「どうしてって…占ってもらった結果まだ聞いてないから」
七緒「あぁ…」
郁夫「一番大事な所聞く前に、今日は閉店ですって言って帰っちゃうん
 ですから」
七緒「…」
郁夫「今日はちゃんと聞かせてもらいますからね!」
   戸惑いながら水晶玉に手を当てる七緒。
   郁夫が七緒を見つめている。
七緒M「そんな…顔で…見つめないで…」
   水晶玉には、灰色の霧に包まれながら「ナ、ナ…」と文字が見え
   る。
七緒「今見えてるもの言わせていただきますね」
郁夫「はい!」 
   七緒と郁夫が見つめ合っている。

続。

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