天使と死神 出会いは霊安室で ファンタジー

婚活に失敗した医師の小西優花が買い物帰り、 事故にあった。 飯山田悠二の慶應北大整形外科医師と 先輩の黒木圭は重症ではなかった 優花が亡くなってしまい、落ち込む。 そばに死神が死亡者リストを持ち、優花の 魂を案内するため待っている所で、 時を止めた天使が現れ、死亡者リストを拾い、 イタズラを思いつく。 優花の両親小西雄三と京子が到着し、 飯山田が案内すると霊安室の扉を開け ようとすると優花が生きていた。 びっくりしている所へ、優花とのお見合い の話が進行していく。
祥天音 10 1 0 01/08
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第一稿

 人 物

小西優花(32) 東上大医学部心臓外科医師
飯山田悠二(28) 慶應北大整形外科医
        優花の手術執刀医師
死神 (年齢不詳)
天使 (年齢不詳 ...続きを読む
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 人 物

小西優花(32) 東上大医学部心臓外科医師
飯山田悠二(28) 慶應北大整形外科医
        優花の手術執刀医師
死神 (年齢不詳)
天使 (年齢不詳)
黒木圭(38) 飯山田の先輩医師
鹿山賢治(26) 飯山田の後輩医師
小西雄三(72) 優花の父 慶應北大名誉教授
小西京子(57) 優花の母 専業主婦


○三宿交差点・横断歩道(夜)
小西優花(32)がスーパーライフのビ
ニール袋を持ち、歩いている。

優花「婚活で無理なら、やっぱ見合いかなぁ? 
父さんに、頼むってのが嫌だなぁ」

信号を無視した暴走した金色のス
ポーツカーに優花は引かれ、血がわ
き腹から流れ出ていく。
同時に杖をついていた老人も引か
れていて、野次馬が集まって来る。

○三宿病院救急受付・外観(夜)
    救急車で、担ぎ込まれる優花。
看護師「小西さーん、小西優花さーん、聞
こえますかー?」

○三宿病院内・廊下(夜)
    意識の無い優花は、ストレッチャー
で、手術室に運ばれていく。
 
○優花の視野
    病院の廊下の天井が見えている。

優花心の声「私・・どうして・・」
 
○手術室前・手洗い場
    当直の医師、飯山田悠二(28)が手を洗
ってると、先輩医師黒木圭(38)が来る

黒木「同時に二件だ。もう一人の老人
の方が重傷だから俺はそっちから行く。 
女性は、小西教授の一人娘さんらしいぞ」
飯山田「はい、死ぬ気で頑張ります!」
黒木「教授と奥さんは、旅行先からだから、
かなり遅れるらしい。 責任重大だぞ」
飯山田「はい!」

○手術室内
    手術室内で飯山田と後輩の研修医鹿
    山賢治(26)が揉めている。
 
鹿山「心拍停止です。」
飯山田「完璧に縫った。 切れている所な
  んて無いはずだ。 なのに、どうして?」
鹿山「先輩!意識、脈拍ともにありません」
    
機器の警戒音がずっと鳴っている。
 
鹿山「ご臨終です。 先輩、死亡診断を・・」
  
茫然としている飯山田。
   モノクロになり、時が止まり、死神
だけがカラーで白シャツ、黒いスー
ツを着て、腕を組み現れる。
死亡者リストの紙を持っている。
 
死神「悪いね、飯山田君が悪いわけでは無
いんだが、彼女、天命でね……浮上まで
 あと少し待つか……」
    
カラーに戻り死神は消え、時が動き
    始め、茫然としている飯山田の後ろ
に、1枚の紙が落ちている。
またモノクロに変わり、死神と同じ
く壁から現れた白いスーツを着た
天使が紙を拾って、ニヤリとしてる

天使「この前のお返ししちゃおっかなぁ」
    
天使が笑いながら、その紙を破き
    消えると、カラーになり、止まって
    いた病院スタッフたちが動き出す。 
優花の指先がぴくんっと、動く。

○霊安室
    集合霊安室に入れられる優花

飯山田「しくったなぁー」
鹿山「レアケースですし、仕方ないっすよ」
 
○医師事務室
    飯山田は、カップめんをデスクに置
き、死亡診断書に死因不明と記入し
て、デスクに突っ伏して寝る
菓子パンを持ち、黒木が入ってくる

黒木「食わないの? じゃ、貰うよ」
飯山田「先輩の切り替えの早さ、見習いた
 いです」
  
カップめんをすすり始める黒木。

黒木「気にすんなって! レアケースは、
時々あんだろ?」
飯山田「初めて・・なんで」
黒木「レアケース?」
飯山田「いえ、亡くなられるのが…」
黒木「初めて? 患者が亡くなるのが?
 そりゃ、飯山田、今まで がラッキー
 だったんだよ」
飯山田「…ラッキーだったんですかね?」
    
    急に元気になり、先輩の菓子パン
    を食べ始める飯山田。
    勝手に菓子パンを食べられてしまう
    黒木。

黒木「全部食べちゃうの?あー、まー、
 仕方ねぇかぁー」

○優花の夢の中
    優花が水の中で漂っている。
    過去が走馬灯のように、水に映って
    渦のようになっている。
    渦の出口かのように、スピードが上
    がっていく。
 
○手術室
    他の手術が行われている。
    指音(ぱっちん)が鳴るとカラーか
    ら、モノクロで静止空間へ。
    死神が現れ、1人カラーで動き出す
 
死神「あれー、どこへ移動したのかな?
 ちゃんと確認したんだけどなぁー」

○乳児室前 
    天使が微笑みながら、乳児室の
    赤ちゃんを見ていたが、上を向いて呟く
 
天使「あら、早い。 もう気づかれちゃった?」

○霊安室の中
    優花は真っ暗な長方形の中で目が覚
    め、水で溺れた人のように咳き込む

優花「・・ここ、どこ?」
   狭い空間を見回している優花。

○優花の視線
   長方形の四角い中に、居る事を確認
   する優花。息が白い。

優花心の声「寒っ、私、スーパー行って夜
 食買って、それからどうしてたっけ?」
   
   狭い中で、体を見回し、血に気づく。

優花心の声「血? え、事故? 下手くそ
 な縫い方誰だよ!」
  
   壁を探し、下の方へずり下がる

優花心の声「あ、冷静に。 密室だし、空
 気を大事にしなくちゃ。 壁を蹴るしか
 ない?」
  
○霊安室
    霊安室ロッカーの扉が、ドンドンッ
    と音がし始めるが誰も居ない。

○医師事務室
    黒木が内線電話を取り飯山田を見る

飯山田「教授? 早いな・・すぐ行く」

○病院内・ロビー(深夜)
    上質なコートを着た小西雄三(72) と
    しまうらの服装の小西京子(57)が、
    受付前でウロウロしている。
 
飯山田「主治医の飯山田です」
京子「娘は? 優花は?」
    
    飯山田は、首を振り、京子泣き出す

飯山田「今、準備をしていますので・・」
小西「霊安室でなくてもいい、早く娘に」
飯山田「全力を尽くしたのですが・・」
小西「(怒って叫ぶ)早く娘に会わせろ!」
 
○霊安室
    死体安置扉がドンドンと揺れている。
    飯山田が素早く気づき、扉を開ける。
 
小西両親「優花! 生きてる!」
飯山田「あ・・ありえないんですけど・・」
優花「(両親に向かって)復活! 
 (飯山田に)あなたが縫った?ってか独身?」
飯山田「…そうですけど、あ、そこは先輩が」
優花「じゃあ、こっち縫ったの、あなた?」
飯山田「はぁ、そうですけど……」
優花「ここ、丁寧に縫い直して!で、
 もしかして…あなた次男とか三男?」
飯山田「はぁ、一応そうですが・・」
優花「合格!ね、パパ?」
小西「飯山田君なら……いいな、母さん?」
京子「そうね、そうね…これも、
 ご縁かもねー」 
    
    うんうんと頷いている小西両親

飯山田「はぁー? ちょっちょっちょっ
 何か押し寄せて来たー…?」
    
    飯山田が腰を抜かし、優花を見上げ
    て呟く。優花はしたり顔で笑ってる。

○乳児室前 
    天使が微笑みながら、赤ちゃんを見
    て呟く

天使「この前のお返しですよー」

    死神が現れる

死神「僕の悪魔さまへの手土産奪わないで
 下さいよ?」
天使「このじゃじゃ馬の女医さんが
 将来作られるお子さんのお嬢さんも
 見てみたくなりましてね?
 それだけです(笑)」
死神「本当に?それだけの理由で?
 僕の手土産の魂~取らないで下さい
 よぉ」

    天使高らかに笑っている
    死神めちゃくちゃ困っている



END

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