今日から我が家は騒がしい 第7話 「恋はまだ始まってすらいない」 ドラマ

二日酔いの果てに真澄と添い寝で朝を迎えるという、相変わらずの騒動から始まる。亡き妻への義理を通し続けてきた京太郎だったが、姉・京子の強引な勧めで10歳年下の女性とお見合いをすることに。スーツに身を包み、不慣れな婚活に挑む京太郎を、真澄や子どもたちが複雑な心境で見守る。家族の再生と個人の幸福、そして真澄との奇妙な友情が「新たな異性の影」によって揺らぎ始める、シリーズ後半の重要回。
あゆむ。 18 0 0 02/21
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第一稿

〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇望月颯
〇桂川斗馬
〇天野美由紀
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子


〇マンション ...続きを読む
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〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇望月颯
〇桂川斗馬
〇天野美由紀
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子


〇マンション・森川家・京太郎の部屋・中(朝)
   ベッドで眠っている京太郎…の隣に真澄も眠っている。
   目を覚ます京太郎。
京太郎「ん?どこ…?あっ自分の部屋か…いつ帰って来たんだ」
   隣で京太郎の方を向いて眠っている真澄が目に入る
京太郎「ん?(真澄と気付いて)え…何で」
   ウーンと、言いながら真澄の手が伸び京太郎の頭を叩く。
京太郎「イッテェ!」
   今度は足が伸び京太郎を足で押し出す真澄。
京太郎「ちょ」
   ベッドから落ちる京太郎。

〇同・同・ダイニングキッチン(朝)
   憮然とした顔でコーヒーを作っている京太郎。
   テーブルでピザトースト、プレーンオムレツ、カリカリベーコンを食べている渉とさくら。
   さくらの隣で死んだような顔をしている真澄。
   真澄の前にコーヒーを置く京太郎。
真澄「ありがとう」
   京太郎と真澄が溜息をつく。
京太郎「どうしてそちらが溜息つくんですか」
真澄「は?」
京太郎「人の頭叩くわ、蹴飛ばしてベッドから落とされるわ、朝から散々なんだけど。ってか何 
 で?何で隣に寝てたんですか」
さくら「お父さん、そんな事言ったら失礼ですよ」
京太郎「失礼?何で?」
渉「お父さんデロンデロンに酔っぱらって帰って来たのを真澄さんがちゃんと連れて帰ってくれ
 たんだよ」
京太郎「そ、それは…送ってもらった事は感謝しますけど、だからって何で一緒にベッドに寝る
 事になるの?おかしいだろ?」
渉「それはお父さんが悪い」
京太郎「何で?何でお父さんが悪いになるの?」
渉「真澄さんが」
真澄「渉…言ってやってくれ。このおっさんに!」
渉「真澄さんと、俺とさくらも全員でお父さんをベッドに運んだ後…」

〇回想・京太郎の部屋・中(夜)
   酔った京太郎をベッドに寝かせる真澄、
   渉、さくら、三人とも肩で息をしている。
渉「何か、すみません」
さくら「ありがとうございました」
真澄「いいんだって。二人とも礼を言わなくて。しかし…まぁいいや。今日はゆっくり寝させて
 やってくれ。それじゃ」
   京太郎が起き上がり、真澄の腕を掴み引っ張る。
真澄「!!!」
   京太郎が真澄を抱きしめる。
   渉とさくらが唖然としている。
京太郎「何で帰るんだよー」
真澄「はぁ?」
京太郎「淋しいんだよ。一緒に寝ようよ」
真澄「何、言ってるんだよ」
   起き上がる真澄だがすぐ京太郎に押し倒されてしまう。
京太郎「今日は、一緒に寝るんだよ。寝るんだよ!」
渉「真澄さん…」
真澄「俺が何とかするから、二人共寝ていいぞ」
渉「はい。じゃあ、おやすみなさい」
さくら「おやすみなさい。ごゆっくり」
真澄「ちょ、ごゆっくりって何だよ」
京太郎「はい、ごゆっくり寝ましょう」

〇回想戻り
   話を聞き、開いた口がふさがらなくなっている京太郎。
京太郎「嘘でしょ」
真澄「嘘じゃないよ」
渉「うん、嘘じゃない」
さくら「事実です」
京太郎「…」
真澄「まぁ、こうやってコーヒータダで飲めるからいいけども」
渉「良かったら、毎朝飲みに来て下さいよ。お隣なんだし」
京太郎「ちょっと、渉」
さくら「よかったら、一緒に住んでも」
京太郎「はぁ?さくら!それは言い過ぎだろ。何で一緒に暮らすって話になるんだよ」
真澄「あぁ、さくらなかなか良い事言う」
京太郎「良い事言うじゃないんだよ!」
真澄「何ならさ、うちの部屋とここを行き来出来るように壁をバンッと壊してさあ」
京太郎「ほんと、勝手な事ばっかり!」
   立ち上がりキッチンへ行こうとしている京太郎が立ち止まり
京太郎「大体ね、真澄さん貴方が私に酒を飲ませるのがいけないんですよ。いっつもこんな展開
 なんですよ。それに渉とさくらと仲良くなったからって二人まで取り込んで。渉とさくらもア 
 レだぞ、あんまり調子に乗ってると」
  振り返る京太郎。渉とさくらは学校へ行き、真澄だけが残っている。
京太郎「え?」
真澄「渉もさくらも学校へ行きました!」
   真澄がのんびりとコーヒーを飲んでいる。
   歯ぎしりをする京太郎。
京太郎「本当に人の事なんだと思ってるんだ。貴方が来てから、こちらの生活は乱れっぱなしで
 すよ」
真澄「って、言いながらも、そういうのも悪くないって思ってたりして」
京太郎「え…」
   真澄のスマホに斗馬から着信が来る。
真澄「ゲッ斗馬だ…じゃあ帰るわ」
   コーヒーを飲み干し席を立ち出て行く真澄。
京太郎「あぁ、何か良く分からないけど腹が立つ!」

〇喫茶店「Rin」・中
   カウンターで仕込みをしている京太郎。
   コーヒー豆をミル部分に入れている京太郎。
   急に京子が裏口から入ってきて驚きコーヒー豆を零す京太郎。
京太郎「あぁっ!もうっ!」
京子「京太郎おはよう」
京太郎「おはようじゃないよ!豆零れただろ!」
京子「あぁあ、ほんと不器用なんだから」
京太郎「姉貴が急に入って来たからだろ」
京子「すぐ、そうやって人のせいにする」
京太郎「どうして、こんなのが姉なんだろう。父と母を怨みたい」
京子「ねぇ、京太郎」
京太郎「何だよ」
京子「あのさぁ」

〇マンション・佐田家・書斎・中
   真澄が原稿を書いている。
   真後ろで真澄が書いている原稿を見ている斗馬。
真澄「あのさ…」
斗馬「はい」
真澄「何か気が散るから、帰ってくんない?」
斗馬「えっと…(間)嫌です」
真澄「嫌ですって何。気が散るって言ってるだろ。ちゃんとこうやって書いてるから心配するな」
斗馬「そう言いながら、昨日書いてなかったじゃないですか。昨日の分も含めて今日は二日分お
 願いしますよ。それまでここに居ますから」
真澄「(溜息)だったらもうちょっと離れてくれない?こんなピッタリ真後ろとか」
斗馬「離れたら、文字読めないじゃないですか」
真澄「斗馬。最近やってんの?出会い系アプリ」
斗馬「はい。それで先週会いました」
真澄「おぉ、やるじゃん」
斗馬「でも、一回きりです」
真澄「え?何で?(笑っている)フラれたの?」
斗馬「こっちが断りました」
真澄「ほんとかよ」
斗馬「年上の素敵なお姉さんだったんですけど、何か違うんですよねえ…この波長って言うか価
 値観って言うか…上手く言葉に出来ないですけど」
   無視して、キーボードを打っている真澄。
斗馬「ちょっと聞いて下さいよ」
真澄「何だよ。お前が早く書けって言うから書いてるんだろ」
斗馬「どうなんだって聞いて来るからでしょ」
   二人ともお腹が鳴る。
斗馬「あ、もうお昼ですね」
真澄「飯でも食いに行くか」
斗馬「どこ食いに行きます?」
真澄「あそこしかないだろ」

〇喫茶店[Rin]・中
   京子が京太郎に見合い写真を見せる。
京太郎「何これ」
京子「何これって、見て分からない?食べ物じゃないでしょ?」
京太郎「分かってるよ!どういうつもりで」
京子「渉もさくらも、いずれ家から出るんでしょ?そしたら京太郎一人になるのよ」
京太郎「そんな先の話」
京子「じゃないのよ。もう目の前まで来てるんだから。そりゃ凛ちゃんが居るのなら夫婦二人で
 いいけど…一人になるのよ?どうするの?」
京太郎「どうするって、バツ二の姉貴に言われたくないな」
京子「何よ。私は一人にならないように一生懸命出会い探してるんじゃん。京太郎はこのまま一
 人でもいいの?」
京太郎「よ、良くはないけどさ…でも、これからまた新しい出会い探すってのもなんだかねえ」
京子「取りあえず会うだけ、会ってみたらいいじゃない。もうセッティングしたんだし」
京太郎「はぁ?セッティングした?はぁ?」
   真澄と斗馬が入って来る。
真澄「京ちゃん、腹減ったー」
斗馬「こんにちは。あっ京子さん!」
京太郎「また、ややこしいのが来た」
真澄「何か言った?」
京太郎「いえ、何も」
真澄「ややこしいのが来て悪かったなあ」
   席に座る真澄。
京太郎「聞こえてんじゃん!」
   足をダンッと鳴らす京太郎。
斗馬「京子さん、元気にしてました?」
京子「はい、元気よー(あまり相手にせず)」
   斗馬が見合い写真を見つける。
真澄「京ちゃんの特製オムライスおねがーい」
京太郎「かしこまりました」
斗馬「これって、見合い写真ですか?」
京子「そうだよー」
斗馬「えっ!京子さんお見合いするんですか?」
京子「私じゃないわよ(京太郎を指さし)こちら」
斗馬「あ、京太郎さんですか。なぁんだ」
京太郎「なぁんだって、何ですか。なぁんだって」
   真澄が京太郎の顔を見る。
斗馬「どんな人なんですか?」
京太郎「知らない。まだ見てない」
斗馬「(京子に)ちょっと見てもいいですか?」
京子「どうぞ」
   斗馬がお見合い写真を開くと、奇麗な女性、天野美由紀(30)が座っている。
斗馬「奇麗な女性じゃないですか」
   京太郎も気になり、お見合い写真を見ようとする。
   真澄も気になり斗馬の後ろに立っている。
斗馬「いくつの方なんですか」
京子「三十」
京太郎「三十?三十歳?」
京子「そうよ」
京太郎「ちょっと、待って。いくら何でも歳離れすぎだろ?親子並みに離れてるじゃん」
京子「それくらい、今の時代別におかしくないでしょ」
真澄「へぇ、京ちゃんが見合いねえ。面白そうじゃんやっちゃいなよ」
京太郎「面白そうって。そしてやっちゃいなじゃないんだよ。貴方ねいっつも言ってる事が
 軽…」
真澄「ん?何?」
京太郎「いや別に…」
京子「あっお見合いって言っても堅苦しい形式にこだわらず、ここでやる事にしたから、明日」
京太郎「あ、明日?」
京子「そう。善は急げって奴よ」
京太郎「どこの何を思っての善なんだよ」
   少し切ない表情になる真澄だが京太郎は気付いていない。
京子「とにかく、一回会うだけ会って、それで決めてよ。たまにはお姉ちゃんの言う事も聞いて
 よ」
京太郎「言う事聞ける事を言ってくれよ…」

〇××高校・廊下
   学校終わりで教室から渉が出て来る。
   隣を颯が通り過ぎる。
渉「あっ」
   立ち止まる颯。
颯「(振り返って)何?」
渉「いや…」
颯「…」
渉「颯って進学するのか?」
颯「お前に関係ねぇだろ」
颯の彼女の声「颯くーん。帰ろう!」
颯「おぅ!(渉に)俺に話しかけないでくれ」
渉「ごめん」
   颯、渉に悪いと思いつつ、彼女の元へ行ってしまう。
渉「俺は…何がしたいんだろ」
   渉の後姿。

〇××中学校・校門・前
   さくらが走って出て来る。
   一直線に走っていくさくら。

〇コンビニ・中
   さくらが入ってきて本のコーナーへ行く。
さくら「あった!」
   少女雑誌を手に取るさくら。
   表紙にさくらの憧れのコミック作家まゆ原すず子新作巻頭掲載と書かれている。
   さくらの顔が笑顔になり本を持ってレジへ行く。

〇マンション・森川家・ダイニングキッチン(夜)
   京太郎、渉、さくらで鍋を囲んでいる。
   京太郎がさくらが買ってきた少女雑誌を見ている。
京太郎「へぇ、これがさくらが憧れているまゆ原すず子さんの作品かあ」
さくら「はい!そしてこの先生が今アシスタントを募集しているのでそれに応募するのでありま
 す!」
渉「俺も、この先生の作品BLだけどさ、読んだ事あるけど話も面白いよな。笑ったり切なくな
 ったり、丁度バランスが良くてさ」
さくら「すず子先生は、絵はもちろん話も自分で作ってますから、そこも勉強したいのでありま
 す」
京太郎「(苦笑いして)ほんと、さくらは自分が好きな事になると話すのが止まらなくなるな」
さくら「ごめんなさい」
京太郎「いや謝らなくていいんだよ。さくらの顔いい顔してるぞ」
さくら「はい。これが私なので」
京太郎「あ、あのなちょっと話を変えて悪いんだが…」
渉「何?何かあるの?」
京太郎「いや、京子姉がな…俺に見合い話を持ってきたんだ」
さくら「えっ、キョンさんがお見合いでなくお父さんがお見合いするんですか?」
京太郎「そう。じゃないとうるさいからさぁ姉貴が」
渉「何かそれ分かる」
京太郎「だろう。まぁ姉貴の顔立てるだけなんだけど、二人共お父さんがお見合いをしても大丈
 夫か?」
   京太郎を見る渉とさくら。
京太郎「いや、顔を立てるだけなんだけどさ、子供からしたらお見合いするのってもしかして嫌
 だなとか思ったりして」
渉「いや、別に嫌ではないけど」
京太郎「(少しがっかりで)あ、嫌じゃないんだ」
渉「そりゃ俺のお母さんはたった一人だけど、お父さんがキョンさんの付き合いでお見合いし
 て、もし本気でそのお見合いの人と一緒になりたいのなら、なってもいいよ」
京太郎「ちょ、渉。話が飛んでない?そういう意味で言ったんじゃなくて」
さくら「私もお母さんはたった一人です。お兄ちゃんが言ってくれて安心しました。お父さんが
 幸せになるなら、お母さんもきっと喜んでくれるはずです。」
京太郎「いや、だから…」
渉「お父さんが、この人と一緒に居たいって人が見つかったら天国のお母さんも少しは安心する
 かもしれないね」
    溜息を付く京太郎。

〇ゲイバー「ブルースカイ」・中(夜)
   いつものようにカウンターで真澄とタカコが飲んでいる。
   ツバサがビールを二つ持って来る。
ツバサ「はい。お待たせー」
タカコ「ありがとう」
真澄「はい、じゃあお疲れー」
   三人でグラスを合わせる。
タカコ「真澄。どうよお隣さん達と面白おかしくやってる?」
真澄「まぁ、それなりに」
ツバサ「何か面白いネタ無いの?ちょっと最近爆笑ネタが切れちゃっててさあ」
真澄「爆笑ではないんだけど。京ちゃん、お見合いするんだって」
ツバサ「へぇお見合いするんだ。どんな人なんだろう」
真澄「まぁまぁ奇麗な人だったよ」
タカコ「え?アンタ見たの?」
真澄「ちょっとだけね」
ツバサ「ふぅん」
   真澄の顔を見るツバサとタカコ。
ツバサ「ねぇ真澄さぁ」
真澄「何?」
ツバサ「もしかして京さんが見合いするのあんまりよく思ってないんじゃない?」
真澄「何でだよ。お隣さんが見合いしようがしまいが俺には関係ねぇもん」
タカコ「って言ってるけど、顔はそうじゃないみたいなのよねえ」
   真澄の頬を指でつつくタカコ。
真澄「止めろよ。二人も知ってるけど、俺はノンケには興味ねぇの」
ツバサ「今まではそうだったかもしれないけど、今回は違うかもしれないじゃん」
タカコ「そうよ、恋も人生も、どこでどう転ぶか分からないんだから!」
ツバサ「もし。本気なら応援するわよ」
タカコ「本気なら、私も応援する」
真澄「二人ともありがとう。でも本気ではないのでご安心下さい」
ツバサ「なぁんだぁ」
真澄「でもお隣さんからかってると結構面白いから。まぁそういう意味では嫌いではないかもな
 あ」
タカコ「ふぅん」
真澄「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」
   席を立ち、トイレへ行く真澄。
   タカコとツバサが顔を寄せ合う。
タカコ「真澄。もしかしたら京さんの事気になってるかもしれないわね」
ツバサ「もしかすると、ただの隣人だけでは終わらないかもねー」
タカコ「やだぁ、アタシも同じ事思っちゃった」
ツバサ「私達三人、何年の付き合いだと思ってのよねえー」
タカコ「まぁ、でも本人が言ってくるまでは様子見しときましょ」
ツバサ「そうね」

〇同・トイレ・中(夜)
   手を洗い鏡で自分の顔を見る真澄。
真澄「俺がノンケを好きになる理由…ないんだよ」
   溜息を付く真澄。

〇マンション・森川家・ダイニングキッチン(朝)
   京太郎、渉、さくらが朝食を取っている。
   京太郎はスーツを着ている。
渉「お父さんのスーツ姿久しぶりに見たかも」
さくら「なかなかのお似合いですお父さん」
京太郎「そ、そうか?ありがとう」
渉「今日のお見合いどうなるんだろうね」
京太郎「どうなるんだろうねって、ただ会うだけだから」
さくら「学校休める者なら、陰からそっと覗いてみたったです」
京太郎「こら、さくら。学校はちゃんと行かないとダメだぞ」
さくら「分かってます。ただ言ってみただけです」
   渉とさくらが話してるのを微笑ましく見ている京太郎。

〇同・同・京太郎の部屋・中(朝)
   凛の仏壇の前で目を閉じ手を合わせている京太郎。
   凛の遺影を見る京太郎。
京太郎「姉貴がうるさいから、お見合いって言っても会うだけだから。形だけだからね…じゃあ
 行ってきます」

〇同・同・玄関・前(朝)
   京太郎が出て来る。
   隣からうっすらとドアを開け京太郎を見ている真澄。
   京太郎は気付かずエレベーターへ行きボタンを押す。
   ドアが開き中に入っていく京太郎。
真澄「…」

〇喫茶店「Rin」・中
   京太郎がソワソワしながら右往左往している。
   京子が入って来る。
京子「京太郎おはようー」
京太郎「お、おはよう」
京子「あら、アンタスーツ着てきたの?」
京太郎「だ、だって見合いだろ?」
京子「見合いだけど、そこまで形式にこだわらなくていいって言ったのに」
京太郎「もういいよこれで、ラフだったらラフで、スーツ位着なさいよって言う姉貴だからな」
   無視してカウンターの中でお茶の支度をしている京子。
京太郎「聞いてねぇし…」
京子「よし、お茶の準備OK!相手の方外で待ってもらってるから」
京太郎「え?もう居るの?だったら中に入ってもらったら、寒いのに」
京子「彼女もちょっと、緊張してるみたいなのよ」

〇同・前
   店の前で待っている見合い相手の女性天野美由紀(30)
   そろりと現れる真澄。
   窓ガラスに張り付き、店の中を窺っている真澄。
美由紀「(真澄を見て)?」
   真澄は美由紀に見られている事に気付いていない。
   京子がドアを開ける。
京子の声「さぁ、どうぞ」
   礼をして中に入っていく美由紀。

〇同・中
   京子が美由紀を連れて来る。
   緊張な面持ちで立っている京太郎。
京子「はい、連れて来たわよー。紹介します。こちらが天野美由紀さん」
美由紀「初めまして。天野美由紀です」
   会釈をする京太郎。
京子「(京太郎の隣に立ち)こちらが弟の京太郎です」
京太郎「どうも、初めまして」
美由紀「宜しくお願いします」
京子「あ、じゃあお茶でも淹れますね」
美由紀「あの、すみません」
京子「え?」
美由紀「さっき、不審な人が、お店の窓ガラスに張り付いてたんですが」
   と、言いながら窓ガラスの方を見る美由紀。
京子「え?」
美由紀「あっ(振り返る)ダメです。まだ見てます。目を合わせない方が…」
   京太郎が窓ガラスを見ると真澄が見ている事に気付き目を見開く。
京太郎「あ…」
京子「あぁ、真澄さんじゃん」
   真澄も気付かれ、気まずい表情。
   京子が外へ行き真澄を中に入れようとする。
   真澄は遠慮するも京子が強引に連れて来る。
美由紀「あの、お知り合いの方ですか?だったらすみません。不審な人とか言ってしまって」
京太郎「いえ、それは…」
   京子が真澄を連れて来る。
京太郎「な、何で居るんですか…」
真澄「(とぼけて笑いながら)な、何でだろうなあ…アハハ…」
   状況が分からず戸惑っている美由紀。
京子「いいじゃない。京太郎。真澄さんにもアンタの見合い相手見て貰ったら」
真澄「え?いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」
京子「美由紀さんごめんね。この人怪しい人じゃないから。京太郎が住んでる家のお隣さんの佐
 田真澄さん」
美由紀「お隣さん…?」
京子「そう、色々と京太郎の子供も助けてもらった、良い人なのよ。だから心配しなくていいか
 らね」
美由紀「は、はぁ…」
京子「京太郎、お茶を用意して」
京太郎「あぁ、またややこしくなる…」
   溜息を付き肩を落とす京太郎。
京子「京太郎お茶―」




続。

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