今日から我が家は騒がしい 第4話 「笑うしかない夜も、案外悪くない ドラマ

真澄と、京子にそそのかされ、京太郎は嫌々出会い系を始める事になった「出会い系」を通じて接触した相手が実は…。最悪な縁に翻弄される京太郎を傍目に、子供達の内面にも大きな波紋が広がる。親友への秘めた恋心に苦悩する長男・渉、そして長女・さくらはコンクールに出した作品が選出されず一人悔し涙を流していた。騒がしい隣人の介在が、森川家の隠された本音を少しずつ、残酷に、そして温かく引き出していく。
あゆむ。 33 0 0 01/31
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第一稿

〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇望月颯
〇森川さくら
〇桂川斗馬
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子

〇喫茶店・「Rin」・中
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〇登場人物

〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇望月颯
〇森川さくら
〇桂川斗馬
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子

〇喫茶店・「Rin」・中
   前回の続きから
京太郎「はぁ!!!!何で?昨日あんな事あって、今日また出会い系やってるって何で?」
京子「何でって、やっぱ私は生涯共に過ごす人が必要なのよ」
   呆れて声が出ない京太郎。
京太郎「昨日のアレは何だったんだよ…」
京子「アレはアレ。いつまでも泣いてなんてらんないわよ。こちとら二十代みたいに時間が有り
 余ってる訳じゃないのに」
   頭を抱える京太郎。
真澄「京子さん、頑張れ!」
京太郎「ちょっと!そこ!何焚き付けてんの」
真澄「焚きつけてるとか、聞こえが悪い。俺は純粋に応援してるんだから!」
京太郎「もう止めて、本当に止めて…」
京子「京太郎」
京太郎「何だよ」
京子「アンタも出会い系してみなさいよ」
京太郎「何で?何で俺が?今は出会い求めてない!」
京子「凛ちゃんの事忘れられないのもあるかもしれないけど」
真澄「凛ちゃん?誰ですか?」
京子「あ、京太郎の奥さん。一年前に事故で亡くなったんだけどね」
真澄「あぁ…」
京子「凛ちゃんも、きっと天国で京太郎の新しい出会いを祈ってるはずよ。それに新しい彼女出 
 来たら、その怒りっぽいのも無くなるかもしれないし」
真澄「あぁ、それはあるかもしれないですね」
京太郎「何ですか!あるかもしれないって。あのね、私は高校生と中学生の子供がいる父親なん
 ですよ。姉貴や真澄さんみたいに一人で自由に何でも出来るって訳じゃないんですよ」
真澄「こういう人間はすぐそうやっていいわけするんですよねぇ。ってかお二人本当に姉弟なん
 ですか?性格が違いすぎません?(笑う)」
京子「私もそれは思ってるの。昔から、真面目臭いって言うか面白みがないって言うか」
京太郎「悪かったな!こんなパッパラパーな姉が居たら弟はしっかりしなきゃいけなくなるん
 ですよ」
   京子が京太郎の目を盗んでスマホを奪い出会い系アプリをダウンロードする。
京太郎「あ、こら!何やってんだ!」
京子「アプリ、ダウンロードしたのよ。真澄さんもこの子の為に何かいい出会い系アプリダウン
 ロードしてあげて」
   京太郎のスマホを真澄に渡す京子。
真澄「そうですねえ」
   真澄がスマホを見ると待ち受け画面に京太郎と凛の笑顔のツーショットが待ち受けにされ
   ている。
真澄「(少しの間から笑顔を作り)…分かりました入れときますわ!」
京太郎「本当にアンタ達はなんなんだ。馬鹿なのか?」
真澄「まぁ、とりあえずやってみたらいいじゃん。やってみて本当にいい出会いあるかもしれな
 いだろ!」
   京太郎の肩を叩く真澄。
京太郎「痛い…分かったよ。やればいいんだろ。そうでもしないとこの人達落ち着かない」
京子「私のは、heartsyncってサイトね」
真澄「俺のは、paletteってサイト。ゲイ向けの」
京太郎「何で、ゲイ向けのなんか入れるんですか!ゲイでもないのに余計な事しないで」
真澄「いいじゃん、もしかしたらもしかするかもだし」
京太郎「もしかしなくてもいいんですよ!もしかしなくて!」

〇××高校・三年一組・中
   終業のチャイムが鳴る。
   授業が終わり、教科書を机にしまう渉。
颯「渉―」
渉「何?」
颯「今日帰りって、時間ある?」
渉「あぁ、あるけど…何かあんの?」
颯「いや、ちょっと買物付き合ってほしくてさ」
渉「買物?あぁ何買うの?」
颯「いや、今度さぁデートする事になって」
渉「デ、デート?」
颯「そ!この前一緒に帰った隣のクラスの子と、。それでデートだから少しカッコよく決めたいじ
 ゃん」
渉「(俯いて)う、うん…」
颯「だから服とか、新しいの買って、デートに挑みたいんだ。それで渉にちょっと付き合っても
 らいたいんだ」
渉「(笑ってごまかし)あ、あぁ分かった」
颯「よろしく!」
   溜息を付く渉。

〇喫茶店・「Rin」・中
   カウンターでスマホを触っている京太郎。
京太郎「今日、お客さん少ないなあ…」
   スマホ画面は出会い系の登録画面になっている。
京太郎「ったく、あいつらうるさいから登録だけしていい人が居なかったって事にしとこ」
   スクロールして掲示板を見ている京太郎。
京太郎「ん?」
   気になる掲示板を見つける京太郎。
京太郎「一人御飯に飽きました。特別な出会いは求めてなく人と食事して、帰りに今日もいい一
 日だったなと思えたら…へぇこんな人も居るんだ。あからさまに会いたいとか体の関係とか言 
 ってるのが多数かと思ったけど…」
   返信ボタンを押し、メッセージを送る京太郎。
京太郎「まぁ、返事なんて来ないだろうけど…」
   京太郎が送信ボタンを押すと同時に着信が掛かって来る京太郎。
京太郎「(驚き)あーっ!!!びっくりした!(着信画面を見て)あぁ渉」
   冷静を取り戻し電話に出る京太郎。
京太郎「もしもし…あぁ渉。うん、あぁそうか…分かった。でも、あまり遅くならないように
 な。じゃあ」
   京太郎が電話を切ると先程出会い系にメッセージを送った者から返信が来る。
京太郎「ん?返信…来た?」

〇本屋・中(夕)
   さくらが小走りで来る。
   絵画雑誌のコーナーへ行き本を手に取るさくら。
さくら「いざ…勝負」
   ページを開き公募情報のコンクール結果を見るさくら。
さくら「…」
   顔を雑誌に近付け、自分の名前がないか探しているさくら。
さくら「…」
   雑誌から顔を離すさくら。
さくら「無い…私の負け…」
   雑誌をそっと棚に戻し後にするさくら。
   さくらの淋しそうな後姿。

〇マンション・佐田家・真澄の部屋・中(夕)
   真澄がベッドの上でスマホを触っている。
   隣に斗馬が居てスマホを触っている。
斗馬「真澄さん」
真澄「何?」
斗馬「いつ新作書いてくれるんですか?」
真澄「俺は書かない」
斗馬「どうしてですか」
真澄「どうしてってお前が一番知ってるだろ」
   真澄は出会い系アプリでメッセージが来て返事をし送信ボタンを押し起き上がる。
真澄「しかしお前も暇だなあ…他に担当居ねぇのかよ」
斗馬「俺は真澄さん専属の担当なんで」
真澄「それで、良く給料もらってんな」
斗馬「俺思うんすけど」
真澄「は?」
   起き上がる斗馬。
斗馬「真澄さん、もうすぐ書くと思います」
真澄「は?」
斗馬「(笑顔で)全く根拠ないですけどね」
   なんだこいつみたいな顔で斗馬を見る真澄。

〇同・森川家・ダイニングキッチン(夜)
   京太郎がおでんを作っている。
京太郎「渉も、さくらもどしたんだ。遅いなあ」
   出会い系からのメールが来て内容を確認する京太郎、ふと笑みがこぼれる。
   顔を上げると廊下の隅でさくらが立っている。
京太郎「(絶叫)さ、さくら…おまえはどうしていつも…」
さくら「何か、スマホを見てニヤついてたので声かけられませんでした」
京太郎「べ、別にニヤニヤしてないけど」
さくら「そうですか」
京太郎「そっちから聞いてきといて」
   渉が帰って来る。
渉「ただいま」
京太郎「おぅ、お帰り」
   溜息を付き席に座る渉。
京太郎「ん?渉、どうかしたのか?」
渉「いや、別に…」
京太郎「さっ二人共、丁度おでん出来たから食べよう」
   さくらも席に座る。
京太郎「外、寒かっただろ。これ食べて温まって。ここで風邪引いたりしたら受験に差し支える
 からな」
   さくらも渉も微妙に反応するが京太郎は気付いていない。
京太郎「じゃ、頂きます(渉とさくらを見て)何だ、食べないのか?渉の好きな玉子もさくらの
 好きなはんぺんも入ってるぞ」
渉「うん、食べる」
さくら「私も、頂きます」

〇同・同・渉の部屋・中(夜)
   ベッドで横になっている渉。
渉「…」

〇渉の回想・洋服屋・中
   颯が服を見て回っている。
   後ろから付いている渉。
颯「渉!」
渉「ん?」
   自分の体に服を当てている颯。
颯「これなんか、どうだ?」
   笑顔で渉に聞いて来る颯。
渉「(顔を逸らし)いいんじゃない?」
颯「おい、渉。ちゃんとこっち見て言ってくれよ」
   颯の方を向き笑顔を作る渉。
渉「似合ってる」
颯「そうか?渉とはさあ付き合い長いから、お前の言う事なら信用出来るからなぁ。じゃあこれ
 にするわ」
渉「うん」
   嬉しそうにレジに服を持って行く颯を見ている渉。
渉「…」

〇回想戻り
   渉が溜息を付き目を閉じる。

〇同・同・さくらの部屋・中(夜)
   椅子に座り肩を落としているさくら。
さくら「…」

〇さくらの回想・公園・中(夜)
   公園のベンチに座っているさくら。
   コンクールに落選しショックで泣いているさくら。
   手には、コンクールで描いた絵の作品を持っている。
   さくらが泣きながら作品を破っている。
さくら「…」

〇回想戻り
   机の上に、公園で破った作品が置いてある。
   少し作品を見つめ手に取りゴミ箱に捨てるさくら。

〇同・同・京太郎の部屋・中(夜)
   ベッドの中で、出会い系アプリを使っている京太郎。
京太郎「何だよ、思ってたより面白いかもしんないな…(返信が来て)え?会ってみませんか?
 えっ?会うの?会っちゃっていいの?」

〇同・佐田家・真澄の部屋:中(夜)
   ベッドの上で出会い系アプリを使っている真澄。
   メール送信をし、スマホを軽く投げて溜息を付く真澄。
真澄「…」

〇同・森川家・ダイニングキッチン(朝)
   朝食を取っている、京太郎、渉、さくら。
京太郎「渉、さくら。父さん今日ちょっと夜出るから、晩御飯は用意しとくから、戸締り忘れな
 いようにな」
渉「え?そんなに遅くなるの?」
京太郎「なるべく早く帰るようにはするけど万が一遅くなったらいけないから」
さくら「何かあるのですか?」
京太郎「うん。ちょっと人と会わなきゃいけなくなって」
渉「人?誰?もしかしてお隣さん?」
京太郎「違う違う。んな訳ないでしょ。ちょっとお店に新しいコーヒーメーカー入れようかと思
 ってその相談に」
さくら「そうですか。スマホ見てニヤついてる人かと思いました」
渉「スマホ見てニヤけてる?何それ?誰?」
京太郎「ニヤけてない!さくら何言ってんだ」
さくら「これは失礼」
渉「まさか、女の人?」
京太郎「だから、違うって(時計を見て)ほら、二人共時間だぞ!」
さくら「行ってきます」
京太郎「はい。行ってらっしゃい」
渉「ねぇ、お父さん」
京太郎「ん?」
渉「(少し間を取り)いや、何でもない…行ってきます」
京太郎「あぁ、行ってらっしゃい」
   渉の後姿を見て、首を傾げる京太郎。

〇沼袋駅・前(夕)
   京太郎が来る。
京太郎「普通に会って飯食うだけだからな。何にもないよな」
   改札口を見ると中に入っていく真澄の姿が見える。
京太郎「あら…」
   真澄が立ち止まり後ろを振り返ると同時に京太郎が物陰に隠れる。
   首を傾げ中に入っていく真澄。
京太郎「危ない。見つかったら大変だ」

〇新宿駅・東口・前(夜)
   キョロキョロしながら京太郎が来る。
京太郎「(時計を見て)丁度時間だな…どんな人が来るんだろう…」
   横を向くと真澄が居る。
京太郎「!!!!!」
真澄「何してんの?」
京太郎「な、何してんのって…そっちは」
真澄「まぁ、ちょっと」
京太郎「はぁ」
   真澄が出会い系アプリのメッセージに送信をすると京太郎のスマホに着信音が鳴る。
真澄「え?」
京太郎「え?」
   京太郎が出会い系アプリを開きメッセージを確認する。
   京太郎が返信をし送信ボタンを押すと真澄のスマホに着信音が鳴る。
   お互いのスマホを見せあう。
京太郎「何で?」
真澄「相手が京ちゃんなの?」
京太郎・真澄「えーっ!!!!」
京太郎「何で?何でこの出会い系に登録してんの?」
真澄「それはこっちの台詞、これゲイ向けの出会い系アプリなんだけど」
京太郎「は?」
   スマホを確認する京太郎。
   画面にはpaletteと書いてある。
真澄「ほら、俺が使ってるのもpaletteって書いてるだろ?」
京太郎「あぁ、間違えた…」
真澄「え?何?やっぱ京ちゃんってゲイなの?」
京太郎「違いますよ!ってかね大体貴方がどさくさに紛れてゲイ向けのサイトを入れるからこん
 な事に」
真澄「人のせいにするんじゃないよ。ちゃんと確認して登録すればよかっただけだろ」
   二人の言い合いを怪訝そうに見ながら通り過ぎる人達。
京太郎「貴方って本当に謝らない人だな。大体ね…}

〇ゲイバー「ブルースカイ」・中(夜)
   カウンターで憮然として座っている京太郎、隣に真澄が居る。
   タカコとツバサが爆笑している。
タカコ「ちょっと、ほんとウケるんだけど」
ツバサ「ヤバい、お腹ちぎれる!」
真澄「二人共笑いすぎだって」
タカコ「ごめんごめん、でもなかなかこういうの無いよね」
ツバサ「ほんと。ノンケが間違えてゲイの出会い系アプリに登録するわ、出会ってみたら隣同士
 だわで。あーお腹痛い!」
京太郎「…」
ツバサ「もう面白すぎるから一杯奢っちゃう。二人とも何にする?」
真澄「じゃあ、俺はビール。京ちゃんは?」
京太郎「いいです。いらないですよ」
真澄「折角奢ってくれるって言うんだから、飲みなよ。じゃあ日本酒?」
京太郎「ダメ!日本酒はダメ!」
真澄「じゃあ何すんの?」
京太郎「じゃ、じゃあ…ビールで」
ツバサ「はいはい、お待ち下さい」
京太郎「あの、ここ…ゲイバーですよね」
真澄「そうだよ。ってか(笑って)何固まってんの?」
京太郎「だって、こういう所…初めてだから」
タカコ「(ガハハと笑って)本当に面白いね―」
真澄「いいじゃん、こういう世界もあるんだから楽しんでったら」
ツバサ「はい、どうぞビールです」
   京太郎と真澄の前にジョッキビールを出すツバサ。
真澄「はい、じゃあ乾杯」
京太郎「か、乾杯」
   グラスを持ち合わせる京太郎と真澄。
真澄「よーし今日も飲むか!」
京太郎「ダメ!明日仕事ありますから。それにね真澄さんと飲むと絶対酷い二日酔いになるんで
 すよ。だからもうこれ以上飲みません!」
タカコ「大丈夫よ。酔いつぶれたら真澄がホテルで休ませてくれるよ」
ツバサ「ゲイ向けのラブホ、この辺あるし」
京太郎「だから、私はゲイじゃないんだって!」
真澄「まぁまぁいいじゃん」
京太郎「良くない!全くもって良くない」
真澄「出た出た。周りの場をしらけさせるしらけチャンピオン」
ツバサ「何なの!そのしらけチャンピオンって」
真澄「(京太郎を指して)この人の事。俺がつけたあだ名なんだけど、こういう楽しい場を全部壊
 すから“しらけチャンピオン”なんだよ」
京太郎「またその話ですか。またその話するんですか!」
真澄「もうさぁ、こういう事があった時はね、笑うんだよ。皆で笑ってネタにすんの!
 アンタみたいにねそんな地蔵みたいに固まって難しい顔してて何が楽しいんだよ」
京太郎「…」
真澄「少しは京子さん見習った方が良いよ」
タカコ「京子?誰よ?京さんの奥さん?」
京太郎「姉です」
真澄「面白い人なんだよ。同じ姉妹に全く見えない」
ツバサ「何よ何よ。その面白い人今度連れて来なさいよー」
真澄「そだね。今度連れてくるわ。それでさぁ京ちゃん」
京太郎「何ですか」
真澄「出会い系アプリ使ったって事は、何か出会い探してたの?」
京太郎「いや…そうだ、貴方とパッパラパーな姉がやってみろってしつこいから登録してみただ
 けですよ。登録だけでもしとかないとまたうるさいですからね…登録したついでにどんな人が  
 居るんだろうって思って掲示板見て見たんですよ。意外に皆淋しくしてる人が多いんだなって 
 思いました。もちろん体目当ての掲示板も多々ありましたけど…」
真澄「そっか。それで俺の掲示板のどこに惹かれたの?」
京太郎「俺となんか同じ思いしてるなって思ったから」
真澄「ほぅ」
タカコ「なぁに、貴方達やっぱり実は相性いいんじゃないの?」
ツバサ「そうよねえ。なんだかんだ言い合ってるけど、本当に嫌いだったり相性悪いってなった
 ら、ここまでならないもんねえ」
真澄「京ちゃん、ごめん。俺ノンケには興味ないんだ」
京太郎「分かってますよ!こっちだって興味ないですよ!どうして俺が言いたかった事をいつも
 先に言うのかなあ」
真澄「先手必勝!言ったもん勝ち!」
   苦虫をつぶしたような顔で真澄を見る京太郎。
真澄「はい、そんな顔しない。笑って。スマーイル」
京太郎「え?ス、スマイル」
真澄「そう、スマイル」
   ぎこちなく笑う京太郎にタカコやツバサが噴き出している。
京太郎「あっ、笑いましたね!今笑いましたね!」
タカコ「そりゃ、笑うわよ。こんな(京太郎のマネをして)笑い方だったら」
真澄「タカコ、あんまりいじめないで上げて。ただでさえ更年期なんだから」
京太郎「またそうやって嘘を言う!」
ツバサ「アタシ、京さん気に入った!」
京太郎「えぇ!」
ツバサ「だってこんな面白い人、なかなか居ないってこれは逸材よ!」
京太郎「全くもって、褒められてるのか、けなされてるのか分かりませんけど」
真澄「分からない時は、褒められてるって思うの!良い方に取ったら気分も盛り上がるでしょ」
京太郎「ま、まぁ」
タカコ「アタシも気に入った!よし今度はアタシが奢るから。ママビールね」
ツバサ「はいはーい!」
真澄「京ちゃん良かったねえ二人にも気に入られたじゃん」
京太郎「良かったんですかね…」
真澄「嫌われるよりはいいでしょ」
京太郎「ま、まぁ」
   少し笑みがこぼれる京太郎。
真澄「皆、どこか淋しいけど、こうやって笑い合ってると、その時間だけでもそんなの考えなく
 て済むからいいんだよ」
京太郎「はぁ」
   ツバサが、京太郎の前にビールを差し出す。
京太郎「タカコさんもツバサ…ママもご馳走様です」
タカコ・ツバサ「どういたしましてー」
   ビールを飲む京太郎。
   暗転。

〇喫茶店・「Rin」・中(朝)
   眠そうにコーヒーの準備をしている京太郎。
京太郎「ほんと、あの人と飲むのはダメだって言ってんのに…俺も学習しないなあ」
   コーヒー粉をコーヒーメーカーのペーパーフィルターにセットしようとするが、手がブレ
   て粉を零してしまう。
京太郎「あーっもうっ!」
   溜息を付き、丸椅子に座る京太郎。
   昨日の事を思い出し、笑ってしまう京太郎。
京太郎「でも、昨日の夜は…まぁまぁ面白かったな」
   思い出して肩を震わせながら笑っている京太郎。
   裏口のドアから京子が京太郎を見ている。
京子「あの子、大丈夫かしら?病気じゃないよね…?」

〇××高校・三年一組・中(朝)
   渉が授業の準備をしている。
颯「渉」
渉「おぅ」
颯「渉が選んでくれたコーディネートで、デートしたんだけど大成功だったよ。彼女も結構気に
 入ってくれててさ。だから礼をちゃんと言っておきたくて。ありがとな」
渉「う、うん…(嬉しい)」
颯「俺、今度のデートで彼女に告白するから」
渉「マジで?」
颯「あぁ。前のデートで感触は良かったから、成功すると思ってる…上手くいくよう渉も祈って
 てくれよ」
渉「あ、あのさ…颯」
颯「ん?」
渉「今日、学校終わったら時間作ってくれない?」
颯「あ、いいけど何かあんの?」
渉「ちょっと…話が」
颯「話?今じゃダメなのか?」
渉「今はちょっと…」
颯「分かった。じゃあ帰りにでも。今日は一緒帰ろうぜ」
渉「うん」
   始業のチャイムが鳴る。
颯「あぁこれから数学かあ。寝るな絶対に寝るな」
   と、言いながら席に着く颯。
   颯を見ている渉。




   続。

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