ゲリベンウォーズ/part2~ゲリベン紳士の最期の晩餐~ ギャグ

怪優として知られるゲーリー・オールマイティーメンは、新作映画のプロモーションで来日中であった。 取材を終えたゲーリーは、通訳の戸田フユコを連れて夕食に高級寿司屋を訪れる。 初めて口にする本場の味に感激するゲーリーだったが……。
富ヶ谷 菅太郎 23 1 0 03/16
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第一稿

【登場人物】
ゲーリー・オールマイティーメン(69)
戸田フユコ(83)
寿司屋の大将、職人ら
リッチな客ら

○回らない高級寿司屋・外観(夜)
高級感溢れるいかにも ...続きを読む
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【登場人物】
ゲーリー・オールマイティーメン(69)
戸田フユコ(83)
寿司屋の大将、職人ら
リッチな客ら

○回らない高級寿司屋・外観(夜)
高級感溢れるいかにも老舗な雰囲気が漂う寿司屋。

○同・店内(夜)
とても綺麗な店内。カウンターやテーブル席には割りと歳のいったセレブな雰囲気漂う客が点在している。
中央の調理場で気難し気な大将が華麗なフォームで寿司を握っている。
傍で下っぱの職人らが、せかせかと下ごしらえや洗い物をしている。
と、引戸が開いて客らしき人影が見える。
大将「へい、らっしゃい!」
下っぱの職人ら「(食い気味)ヘーラッシャイッ!!」
引戸の奧の暖簾を両手合わせの手刀でシュッと突き刺し、そのまま両側にズバッと開く客。
一同「!!!」
その客こそ、どんな役柄でもいとも容易くこなしてしまい、特にキレた役柄に定評のあるカメレオン俳優こと、ゲーリー・オールマイティーメン(69)であった。
タラ~ンとおちゃらけて暖簾をくぐるゲーリー。
後に続いて入ってくる通訳の戸田フユコ(83)。巧みな英会話でゲーリーを店内へ誘導する。
フユコ「ゲーリー、カウンターにしましょう。お寿司を握る姿がよく見えるわよ」
ゲーリー「オー、ファンタスティック、エン、エキサイティング!」
カウンターに座るフユコとゲーリー。
リッチな客ら、リッチの上をゆくセレブな客のゲーリーの存在感に圧倒されている。
ゲーリーとフユコにお茶を出す下っぱの職人。
フユコ、お品書きをゲーリーに見せる。
フユコ「まずは何からいただきましょうか?」
ゲーリー「ワーオ、アンビリバボー、デリシャスバラエティーフィッシィズ!」
目移りして悩みに悩むゲーリー。
見かねたフユコ、大将に向かって
フユコ「大将、オススメってあります?」
大将「へい、大トロがオススメです!」
フユコ「じゃあ大トロニ人前下さい」
大将「へい、まいど!」
大将、華麗なフォームで二人前の大トロをスピーディーに握り上げる。
フユコ、受け皿に醤油を注いだりして食前のセッティングフォローをデキる家政婦のように完璧にこなす。
ゲーリー「オー、センキューフユコ」
大将「へい、おまち!」
提供された大トロは脂がたっぷりと乗っていて、まるで宝石のような艶やかさで、とても美味しそうである。
ゲーリー「ワーオ、イットルックスベリーグーッド!」
目を輝かせたゲーリー、拙い箸使いで大トロを醤油に浸けてパクっと食べる。
ゲーリー「オー、 ディスオスシ、トッテモオイシー!!!」
喜ぶゲーリーに満足気な大将と下っぱの職人ら。
ゲーリー「ディスオスシ、モアプリーズ!」
次から次へと大トロを注文するゲーリー。
ゲーリー「モア、アンド、モア、プリーズ!」
大忙しで大トロを握る大将。
即座に提供する下っぱの職人。
モリモリ大トロを食べるゲーリー。
傍らで食べ終えた皿の整頓に励むフユコ。
ゲーリーの豪快な食べっぷりと最上級の大トロばかりを頼むセレブとの格の違いを見せつけられて目が点のリッチな客ら。
ゲーリー「オー、ディスジャパニーズオスシ、アイギブアカデミーアワード!」
× × ×
カウンター上にそびえ立つ皿の山。
お茶をじっくりと味わって飲んでいる満足気なゲーリー。
フユコ、バッグから長財布を取り出して会計の準備をする。
と、顔面蒼白になるゲーリー。
ゲーリー「ガッ、デメッ!」
フユコ「ホワッツハプン?」
ゲーリー「アイアマフクツー、アイワナゴートゥートイレッツ!」
フユコ、キョロキョロしながらトイレがある方を指差す。
ゲーリー「トイレッツゴーゴー!!!」
内股で駆け込むゲーリー。

○同・トイレ・内(夜)
慌ただしく入ってくるゲーリー。
すぐさま下痢便をブチかます。
ゲーリー「オ~、ヘブン! イッツァ、ヘブン!」
心置きなくビートの利いた下痢便音を奏でるゲーリー。
トイレットペーパーで尻を拭うゲーリー。(×10回)
何気なく水を流すゲーリー。
ペーパーが詰まって便器から下痢便が溢れ返ってくる。
ゲーリー「オーマイガー!!!」
床一面がゲーリーの下痢便で埋め尽くされてしまう。
ゲーリー「ファッコォフ! 」
自身の下痢便に囲まれて、呆然と立ち尽くすゲーリー。
ゲーリー「オーノー……」
床下から這い上がってくる下痢便臭に苦悶するゲーリー、再度下痢便意が呼び起こってきてしまう。
ゲーリー「ア……アイム…… カミン!」
豪快に下痢便をブチまけるゲーリー。
トイレの個室は下痢便地獄絵図。
気が触れるゲーリー。

○同・トイレ前(夜)
ドアの下の隙間から流れ出てくる下痢便をモップで塞き止めている下っぱの職人ら。
職人1「くせえ!」
職人2「きたねえ!」
職人3「きもちわりい!」
絶望の表情の大将、職人らを掻き分けてドアを手荒に幾度もノックする。
大将「ゲーリーさん! 大丈夫ですか!?」
大将と職人らの背後で惨劇を傍観しているフユコ。不安気な表情でハンカチを取り出すと、お上品に鼻を押さえる。
ドアの奥でなにやらゲーリーが喚いている。
ゲーリー「ヘイ、ヘイヘイヘイ!」
一同「?」
と、ドアが開く。
一同「!?」
全身下痢便まみれのゲーリー登場。
一同「!!!!!」
気が触れた役柄が十八番のゲーリー、本当に気が触れてヤケクソで叫ぶ。
ゲーリー「スカトロイッチョウオマチ!!!」
ゲーリーの華々しい役者人生、呆気なく崩壊。

(終)

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