【1話完結】ステキな名前 コメディ

独り歩きキャラのある日の話。
凛音 12 0 0 02/01
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第一稿

〇 大豪邸・全貌
ナレーション「これは、
某財閥の後継者であるおぼっちゃま、いえお嬢さまのある日を描いたお話となっております」

〇 リムジン内
  後部座席に足を組んで ...続きを読む
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〇 大豪邸・全貌
ナレーション「これは、
某財閥の後継者であるおぼっちゃま、いえお嬢さまのある日を描いたお話となっております」

〇 リムジン内
  後部座席に足を組んで化粧をしている縦ロールに巻いたがっしりした女性?が座っている。
運転手「おぼっちゃま」
女性「お嬢さまですわよ!」
運転手「失礼いたしました。もうすぐご自宅につきますので、お降りのご準備をお願いいたします」
女性「ええ、わかりましたわ」
  化粧道具をしまい、鏡を見てニッコリ微笑む女性。
  香水を取り出し、シュッシュっと大量にかける女性。

〇 大豪邸・外
  数人の執事たち、集まっている。
  後部座席の扉が開き、ヒョウのファーを巻いた女性?が降りてくる。
執事A「おかえりなさいませ、おぼ……お嬢さま」
女性「言い間違えないでくださるかしら?」
執事A「大変申し訳ございません」
女性「アタクシは、先日より本当の女性として生まれ変わったんですわ」
  ポーズを決め、
女性「これからは、美咲とお呼びいただけるとうれしいですわ」
執事B「三つに咲くと書いて、三咲さま。とてもステキなお名前だと思います」
三咲「え? 美しいと書いて美咲ですわよ」
執事B「そうなのですか? 奥さまが書かれた書類には三咲と書かれておりましたが」
三咲「まあっ! お母さまが!?」
執事C「ええ、そのようにお伺いしておりましたが」
三咲「大変ですわ! お母さまは今、どちらに?」
執事D「アメリカのほうに……」
  三咲、携帯を取り出し電話をする。
三咲「お母さまあああ、出てくださるううう!?」
母親「あらー、ヒロちゃんじゃなくて、三咲ちゃん。どうしたの」
三咲「出ましたわ!!!!!」
母親「ん?」
三咲「アタクシの名前の登録の件でお電話いたしましたわ」
母親「ああ、ちゃんと出しといたわよ。執事に頼んだけど」
三咲「美しい咲くで美咲とお願いしたと思うのですが」
母親「ん。三つに咲くで、三咲じゃなかったかしら?」
三咲「まあっ!!!」
母親「違ったの? でも、もうそれで登録しちゃったし。三咲も美咲もどっちも一緒でかわいいしいいじゃない」
三咲「そういう問題じゃありませんわよ!」
母親「そうなの?」
三咲「そうなんです!」
母親「私は三咲もかわいいから、気に入ってるわよ」
三咲「お、お母さま……」
母親「それに、玲ちゃんもいいと思うっていってたし」
三咲「お姉さままで!?」
母親「ええ、で。要件はそれだけ?」
三咲「え、ええ……」
母親「私これから、ファッションショーがあって忙しいから切るわね」
三咲「ちょ、え!?」
母親「またねー」
  電話を切られる三咲。
三咲「……」
執事たち「おぼ、お嬢さま……?」
三咲「なんてことかしら!!!!」
  三咲、盛大に倒れる。
執事たち「お嬢さま!!!」
ナレーション「パシャ―ン」
執事たち「え?」
三咲「つめたっ!」
  三咲、水をかけられたせいで目覚める。
フランソワ「きーきー♪」
  美しいサル・ドゥクラングールのフランソワが立っている。
三咲「ふ、フランソワ!」
フランソワ「キーキーッ」
  フランソワ、お尻を叩いている。
三咲「また、アタクシにイタズラをしましたわね! 今日こそ許しませんわよ」
  フランソワ、楽しそうに家の中に逃げていく。
  三咲、濡れたまま追いかける。
執事B「あ……」
執事C「濡れたままの状態で動きまわったら、風邪をひいてしまいますが」
執事D「おぼっちゃまは、鋼の身体をしていますから大丈夫ですよ」
執事たち「僕たちもそう思います……」
  執事たち、ため息をつく。
執事A「……転職しようかな、あははっ」

おわり

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