ちちんぷいぷい 恋愛

田舎に帰ってきた主人公(男)が幼馴染に再会するが……という話。 中学生の頃に書いた。
藤田 37 0 0 02/22
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第一稿

人物表
深山秋広(6)(29)サラリーマン
石田梓(6)(29)深山の幼馴染
田丸衛(32)銀行員
石田勘次(64)梓の父
深山雅(22)深山の妹

◯畦道
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人物表
深山秋広(6)(29)サラリーマン
石田梓(6)(29)深山の幼馴染
田丸衛(32)銀行員
石田勘次(64)梓の父
深山雅(22)深山の妹

◯畦道
   稲穂が光り爽やかな風の中、深山秋広(6)が笑顔で走っている。こける。
深山「……!(泣き出す)」
   深山に追いつく石田梓(6)。
梓「あっくん大丈夫?」
   泣き続ける深山。
梓「ちちんぷいぷい、痛いの痛いのとんでけ!」
   泣き続ける深山。
梓「……とんでけって言ったらとんでくの!」
   と深山の擦りむいた膝を手で覆う。
梓「あずさのまほうはさいきょうなの!」
   一緒になって泣き始める梓。

◯農道(夕)
   そびえ立つ色づいた山。飛ぶとんび。

◯同じ畦道(夕)
   歩いている深山(29)と梓(29)。
梓「あっくん、いつ東京に戻るの?」
深山「何、早く俺にいなくなってほしい?」
梓「そうそうさっさと消えて」
深山「うわー今まで会った女の中で最低」
梓「二十九になってようやく気づいたか」
   深山と梓、睨み合う。

◯深山家・石田家前(夕)
   隣り合う深山家と石田家。来る深山と梓。石田勘次(64)が出てくる。
石田「おお、秋広くん。久方ぶりだな」
深山「! お、お父さん、ご無沙汰です」
   と礼。深山を肘で突きにやつく梓。
梓「(小声)あんたのお父さんじゃないし」
深山「(小声)じゃあ何て呼ぶんだよ!」
   と深山家へ。手を振る梓。
石田「梓。……田丸さんは」
梓「今それ言う?」
石田「できるだけ早くしてくれ。次の融資が」
梓「わかってる。……わかってる」
   と石田家に入っていく。見送る石田。

◯深山家・玄関内(夕)
   靴を脱ぐ深山。見ている深山雅(22)。
雅「お兄、にやけてるよ」
深山「……は?」
   と頰をぱんぱん叩く。
雅「久々梓さんに会って嬉しいんでしょ」
深山「んなわけねえだろ。とっくの昔に見飽きてるよあんな顔」
雅「お似合いだと思うけどな。いぇーい」
   とピースし人差し指と中指をつける。舌打ちする深山。

◯深山家前
   自転車を押して家前の道に出る深山。隣、同じように自転車と出てくる梓。
深山「! ……真似すんなよ」
梓「そっちでしょ」
   深山、乗って走りだす。追う梓。

◯道
   田が広がる。並んで漕ぐ深山と梓。
深山「何だよお前、……可愛い服とか着て」
梓「今から人と会うの。あー、でもせっかくセットした髪、風で台無しだー!」
   とスピードを上げる。なびくスカート。
梓「あっくんは? どこか行くの?」
深山「……別に、ただのサイクリング」

◯石田製作所前の道
   漕ぐ深山と梓。
梓「暇だねえ、エリートサラリーマン」
深山「うるせえよ。……」
   深山、風を切る梓の横顔を見ている。
梓「ねえ、今から私が男に会いにいくって言ったらどうする?」
深山「……いや別に。止めませんけど」
梓「……だよね。止められたら逆に怖いし」
   石田製作所を通り過ぎる。
深山「久しぶりに見たな」
梓「……いつまで見られるかな」
深山「! どういうことだよ」
   スピードを上げる梓。背を見る深山。

◯交差点
   止まる深山と梓。
深山「じゃあな」
梓「え、何で?」
深山「いや俺は山行くから。お前は駅だろ」
梓「あ、そうそう……だね。じゃあ」
   深山、漕ぎ出す。
梓「ちょっと待って!」
   止まり振り返る深山。
梓「ちちんぷいぷい、あっくんが熊に襲われませんように」
深山「恥ずかしいからやめろ!」
   と漕ぎ出す。笑う梓。深山、荷物を抱えて歩く老婆を素通りしていく。

◯ショッピングモール・ベンチ
   入り口近くのベンチに座る田丸衛(32)。太っている。来る梓。
梓「すみません、お待たせしちゃって」
田丸「いや、全然待ってないよ。行こうか」
   と立ち上がり、梓の手を握る。
梓「……はい」

◯深山家・ダイニング
   麦茶をぐびぐび飲む汗だくの深山。台所で昼飯を作る雅。
雅「そういやお兄、昨日梓さんちに黒いベンツ停まってたでしょ」
深山「いや俺見てないけど」
雅「あれ、銀行の幹部が顔出しにきたらしい」
深山「……何で?」
雅「わかんないけど。でも何か梓さんとデブい男が外で話してるの見た」
深山「……」
雅「何となくきな臭いよねー。銀行の幹部て」
   深山の汗、床に落ちる。

◯ショッピングモール・通路
   買い物袋を提げる田丸と梓。
田丸「梓ちゃん、意外に買うよね」
梓「……ストレス溜まってるのかも」
   田丸、真剣な顔。
田丸「……梓ちゃん。その、僕たちが知り合ったのは、銀行と企業っていう利害関係からかもし
 れないけどさ」
梓「!」
田丸「きっかけがそうだっただけだね、って、いつかそうなればいいなって……思ってる」
梓「……」
   前方、荷物の多い老婆が歩いている。
田丸「あ……こういうとき、彼氏としては無視して彼女といた方がいいのかな」
梓「?」
田丸「ごめん。ちょっと」
   と荷物を梓に預け老婆に近づく。田丸、老婆の荷物を持ってあげる。
田丸「(梓に)駐車場に車あるから。戻ってて!」
梓「……」
   梓、頷き、小さく笑う。

◯深山家・ダイニング(夕)
   菓子を食べる雅。スマホを見る深山。画面、仏頂面の深山と笑顔の梓の高校時代の写真。
雅「昨日梓さんのお父さん入院したんだって」
深山「! ……」
雅「ねーこれチャンスじゃないの? お嬢さんは私が必ず守ります! って」
深山「黙れ」
雅「昨日寝言で何つってたか教えたげようか」
深山「!」
   「梓」から電話。飛び上がる深山。

◯石田製作所前(夕)
   人気はない。梓、看板を見上げている。深山、走ってくる。
深山「何だよ。急に呼び出して」
梓「お父さん、倒れたんだ。やばい、仕事」
深山「……うん」
   梓、深山を直視する。
梓「あっくんには、ちゃんと言おうと思って」
深山「何を」
梓「……結婚することにした」
深山「!」
梓「あれ、喜ばないの? 幼馴染のおめでた」
深山「……相手は」
梓「……私が好きになれそうな人」
深山「……」
梓「ま、話は以上です。じゃそういうことで。私ここを出ていくので」
深山「……俺だって明日東京に戻るよ」
梓「おお、じゃあちょうどいいや」
   と泣きそうになっている。
深山「……何で泣いてんだよ」
梓「何で乙女にそういうこと指摘するんだよ」
深山「……」
梓「もう石田梓なんて忘れてください」
深山「……おい」
梓「そうだ、私を忘れる魔法がいるよね」
深山「梓」
梓「ちちんぷいぷい、あなたは私を忘れる」
深山「そんなこと」
梓「私の魔法は最強だから!」
   深山、梓を抱きしめようとする。梓、深山を押しやる。
梓「だめ! ……絶対」
深山「……覚せい剤かよ」
梓「……(笑)そんなもんだよ。会ったらまた会いたくなる。家すぐ隣なのに。昔から。毎日毎
 日。私を苦しめて」
深山「……」
梓「でも何もしてこない! ……あっくんにそうさせる魔法は、持ってないんだよ私」
   抱きしめようとする深山。しかし拒否する梓、背を向ける。
梓「ちちんぷいぷい、あっくんを……忘れる」
深山「……」

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