Last Sex 恋愛

分目遥斗(21)は、その女性経験の豊富さに目を付けられ、飯吉舜(29)の同人アダルトビデオ制作に協力させられる事となる。そして女優候補として宇野沢葵(21)と出会い……。
マヤマ 山本 5 0 0 02/11
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第一稿

<登場人物>
分目 遥斗(12)(21)大学生
宇野沢 葵(21)大学生
飯吉 舜(29)大学院生
安西 星羅(12)(21)分目の元恋人、AV女優

女子学生
マネ ...続きを読む
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<登場人物>
分目 遥斗(12)(21)大学生
宇野沢 葵(21)大学生
飯吉 舜(29)大学院生
安西 星羅(12)(21)分目の元恋人、AV女優

女子学生
マネージャー
スタッフ 声のみ



<本編>
○別荘・外観
   海岸近くの大きな一軒家。

○同・寝室
   下着姿でベッドに並んで腰掛けている分目遥斗(21)と宇野沢葵(21)。
分目M「人を嫌いになる事は簡単だ」
   おもむろに下着を脱ぎ始める葵。
分目M「どこか一つでも悪い所を見つけ、ソコを徹底的に嫌えばいい」
   裸になった葵を見つめる分目。
分目M「だからきっと、彼女の事も……」
   葵を抱きしめる分目。

○大学・外観
   T「一ヶ月前」
分目の声「AVを作る?」

○同・研究室
   それぞれの席に座る分目と、VRゴーグルを着けた飯吉舜(29)。
分目「舜さんが、自分で?」
飯吉「おう。俺も古今東西老若男女、色んなAVを観てきたけど、コレといったもんにはまだ出会えてなくてな」
分目「だから、自分で理想のAVを作ってやろう、って? ハハ、さすが舜さん。考え方エグいわ」
飯吉「だろ? 名刺も作ったんだぜ?」
   と言って分目に「映像監督 シュン イイヨシ」と書かれた名刺を渡す飯吉。
飯吉「(VRゴーグルを外して)どうも、AV監督のシュン・イイヨシです」
分目「この名刺のクオリティといいさ、舜さんって控えめに言って天才だよね。で、どんなAV作んの?」
飯吉「おう。企画書見るか?」
   分厚い企画書を分目に渡す飯吉。
分目「うわっ、コンセプトがエグ……」
   空欄になっている女優欄と「分目遥斗」と書かれた男優欄。
分目「は? 俺が男優やんの?」
飯吉「え? 何か問題あった?」
分目「……いや、全然全然。ヤッちゃうよ、抱いちゃうよ、ハメちゃうよ」
飯吉「さっすが、遥斗」
分目「で、相手は誰なの?」
飯吉「ソコなんだよな。ほら、コンセプトがコンセプトだろ? で、だ。遥斗の豊富な人脈を頼りてぇんだ」
分目「俺の人脈?」
飯吉「遥斗が今まで抱いた女の中から、このコンセプトに合いそうな娘を二、三人ピックアップして……」
分目「いやいや、ちょっと待ってよ。俺さ、連絡先なんて一人も知らないよ?」
飯吉「え、嘘だろ? あんなに抱いといて?」
分目「舜さんも知ってるでしょ? 俺さ、同じ女を二度も抱かない主義なの」
飯吉「ふざけんなよ」
   自分の席に置いてあった箱の中身を分目の机の上にぶちまける飯吉。中身はレシートの山。
飯吉「俺がセッティングから支払いまでやってやった合コンの数々、何のためだと思ってたんだよ」
分目「金額エグっ。その節はゴチでした」
飯吉「誰も『奢った』なんて言ってねぇぞ? あくまで貸しだ、貸し」
分目「は?」
飯吉「働いて、返してもらうぜ?」
分目「ガチか……。脅し方エグっ」
   企画書のタイトル欄に書かれた「Last Sex」の文字。

○メインタイトル『Last Sex』

○大学・構内
   行き交う学生達。その様子を、ベンチに並んで座って眺める分目と飯吉。
分目「あの娘とか、どう?」
飯吉「何か違うな」
分目「あ、あの左の娘とかさ、舜さんのタイプなんじゃない?」
飯吉「俺のタイプかどうかは関係ねぇの」
分目「もう、全然見つかんないじゃん」
飯吉「そう簡単に見つかるかよ」
分目「っていうかさ、ギャラ出すんでしょ? だったらガチの女優とか呼べないの?」
飯吉「遥斗の好きな、市後アンとか?」
分目「は……? いや……」
飯吉「どっちみち、プロの女優じゃこのコンセプトに合わねぇだろ」
分目「そっ、そうだよねそうだよね。(時計を見て)あ、そろそろ講義だ。俺行くわ」
   立ち上がり、逃げるように歩き出そうとする分目。歩いてきた葵とぶつかる。この時点での葵は髪型、服装、メガネ着用等、かなり地味な装い。
葵「きゃっ」
分目「あ、ごめん。怪我ない?」
葵「別に」
   一瞥し歩き出す葵。その行く手に立ちふさがる飯吉。
飯吉「ねぇ、お嬢さん。お時間ある?」
葵「はい?」
飯吉「学部と名前だけでも教えてもらえないかな?」
葵「いや、それは……」
分目「宇野沢葵」
葵「(驚いて)何で私の名前を?」
分目「同じ学部同じ学年の女子の名前を覚えるなんてさ、男のマナーでしょ」
飯吉「葵ちゃんか。いいね、イメージ通りだ」
分目「っていうかさ、宇野沢で行くつもり? 無理だって。むしろ一番イメージ遠いわ」
葵「あの、何の話ですか? 私、もうすぐ講義始まるんですけど」
飯吉「わかった。じゃあ単刀直入に聞くぜ?」
分目「聞くな」
飯吉「AVに出ない?」
   周囲の学生達の視線が分目達に集まる。
分目「(頭を抱え)あーあ……」
葵「……はい?」
飯吉「だから、今度俺が撮るAVに出ない?」
   と言って葵に名刺を渡す飯吉。
葵「(飯吉を指し)この人、部外者?」
分目「ごめんね。ウチの大学、馬鹿でも院生になれちゃうみたいでさ」
飯吉「どうかな?」
葵「あの、ごめんなさい。そういうの、別に興味ないんで。他の人あたって下さい」
   立ち去る葵。その後ろ姿を見送る分目と飯吉。
分目「意外だね。舜さんって、宇野沢みたいなのがタイプだったんだ」
飯吉「だから、俺のタイプかどうかなんてのは関係ねぇんだって」
分目「そうだった。とにかく、また別の娘探さなきゃね」
飯吉「見つかるといいけどな。逃した魚は大きい、って言うぜ?」
分目「宇野沢がそんな大物には見えないけど」
飯吉「逃した時点では、そういうもんだろ。そういうことはむしろ、遥斗の方がよくわかってんじゃねぇのか?」
分目「……俺も講義行ってくるわ」
   歩き出す分目。

○アパート・外観(夜)

○同・分目の部屋・前(夜)
   帰ってくる分目。ポストを開けるとDVDの入ったクッション封筒。
分目「そっか、今日発売か」

○同・同・中(夜)
   1K程度の部屋。
   封筒を開ける分目。中から出てくる市後アンの新作アダルトDVD(ただしこの時点ではパッケージの顔写真はわからない)。封を切らずにそのDVDを棚に入れる分目。棚にはずらりと市後アン作品がデビュー作から順番に並んでいる一方、他の女優作品は皆無。
女子学生の声「ねぇ、何で見てくれないの?」

○大学・外観
女子学生の声「何回もLINE送ってたのに」

○同・研究室
   女子学生と面談する分目と飯吉。
女子学生「もう私の事なんて、忘れちゃってるんだと思ってた」
分目「あー、うん、まぁ、その……」
女子学生「だから、今日声かけてくれてうれしかった。私はあの夜の事、一度も忘れた事なかったから」
分目「そりゃどうも。で……」
女子学生「(飯吉に)遥斗君とまたHできるんなら私、AVでもなんでもやります」
分目の声「学内で抱いた女はこれで全部」
    ×     ×     ×
   それぞれの席に座る分目と飯吉。
分目「あとはもう、連絡取りようがないね」
飯吉「にしてもよ、俺はとんでもねぇバケモンに餌やってたんだな。揃いも揃って『また遥斗君とHできるなら……』だぜ?」
分目「見る目あった、って事でしょ。でさ、そんな舜さんのお眼鏡にかなった娘、あの中に居た?」
飯吉「いいや」
分目「だと思った。で、次はどうすんのさ」
飯吉「とりあえず……飯だな」
分目「あ~、そんな時間か。何食う? 俺はがっつり肉食いたい気分かな」
飯吉「今日は魚」
分目「魚か~、まぁいいけどさ。刺身系? 焼いちゃう系? 揚げちゃう系?」
飯吉「いいや」

○同・構内
   多数の学生が行き交う中、目立たないように歩いている葵。
飯吉の声「逃した魚、かな」
   その先に立っている分目と飯吉。
葵「(二人に気づいて)あっ……」
飯吉「ランチ、一緒にどう?」

○同・学食
   食事をしている学生達。
   端の席で食事する葵。顔を上げると、向かい側の席で並んで食事する分目と飯吉。
葵「あの……断りましたよね?」
飯吉「だって、学食って席自由だから。何か問題ある?」
葵「迷惑です」
飯吉「そっか~、ごめんごめん。お詫びにデザートでも奢る?」
葵「別に。結構です」
分目「遠慮しなくていいのに。この人ガチの金持ちだからさ、デザート代くらいで『奢ったからAV出ろ』なんて言わないよ?」
葵「そういえば、ワケメ君もスタッフかなんかなの?」
分目「あ~、えっとね(学生証を取り出し)俺コレで『ワンメ』って読むんだよね」
葵「ワンメ……」
分目「そう。日本で一番出席番号が遅い苗字」
飯吉「随分今更な自己紹介だな」
分目「タイミング逃しちゃってたもんでさ」
葵「まぁ、うちの小学校の出席番号は生年月日順だったけど」
分目「四月一日生まれなんで、よろしく」
葵「なるほど」
分目「一本取られちゃった?」
葵「別に。道理で胡散臭いと思っただけ」
分目「ハハ、手厳しさがエグいな」
飯吉「ちなみに、遥斗が相手役の男優。あ、企画書見る?」
葵「別に」
飯吉「一応、遥斗はこれまで三百人以上抱いた猛者だからよ、安心していいぜ?」
葵「三百……!?」
分目「引いた?」
葵「……別に」
飯吉「へぇ、肝座ってんじゃん。やっぱAV女優とか向いてると思うぜ?」
葵「あの、何で私に拘るんですか? もっと美人な娘だったり、そういうのが好きそうな娘だったり、いるじゃないですか」
飯吉「葵ちゃんはHが好きじゃねぇの?」
葵「まぁ、別に」
飯吉「いいじゃん。ますます俺のAVに出てもらいたくなったぜ」
葵「だから……」
   ふと周囲の様子に気づく葵。多くの(主に男子)学生が分目達の様子を見ながら「AV?」「この間の……」などと話している。
葵「(恥ずかしそうに顔を伏せ)あの、とにかく、何度も言いますけど、他の人をあたってください。じゃあ」
   その場を立ち去ろうとする葵。
飯吉「君じゃなきゃダメなんだ!」
   足を止める葵。再び葵の前に立つ飯吉。
飯吉「とりあえず一回、話だけでも聞いてくんねぇかな?」
   と言って、企画書を葵に渡す飯吉。受け取り、無言で歩いていく葵。その背中を見送る飯吉の隣に来る分目。
分目「何でそこまで宇野沢に拘るかね?」
飯吉「『あの娘で行くべきだ』と俺の中のリトル飯吉が言ってたんだよ」
分目「本田圭佑か」
飯吉「ケイスケ・ホンダと呼んでくれ」
分目「何のプロフェッショナルなんだか」

○同・廊下
   企画書を手に歩く葵。ゴミ箱に捨てようとするも「Last Sex」の文字が目に入る。
葵「『Last』……?」
   企画書を読み始める葵。
飯吉の声「本作のテーマはその名の通り、最後のセックス」

○同・研究室
   並んで席に座り、飯吉のプレゼンを聴いている分目と葵(ただし、この時点ではまだ葵は映っていない)。
飯吉「二人にはコレが本当に『人生最後のセックスだ』という思いで挑んでもらいたい。ここまでで何か質問は?」
分目「(挙手し)むしろ質問しかないんだけど」
飯吉「何だ、遥斗。言ってみろ」
分目「まずさ、女優側だけじゃなくて俺も最後なの? まだ二一歳なのに、コレが最後 とかエグくね?」
飯吉「そりゃ、両方じゃなきゃ不公平だろ。なぁ?」
葵「別に」
分目「っていうかさ、何で宇野沢がここにいる訳? ガチか?」
葵「別に、話くらい聞いてもいいかなって」
飯吉「それでいいぜ。どうせ準備やら何やらで撮影は冬休みまで待つ事になるからよ、ゆっくり考えな」
葵「そうします」
飯吉「よし、じゃあ話続けるぜ」
分目「いやいや、俺の質問まだ終わってないんだけど」
飯吉「遥斗はいいだろ? 何質問したって、どうせやるんだからよ」
分目「そんな事、ガチで思ってんの?」
飯吉「当然。だって、やるだろ?」
分目「まぁ、やるけど……」
葵「やるんだ」
分目「やるんだよ」
飯吉「はいはい、じゃあ続きな。資料の次のページを……」
   再びプレゼンを始める飯吉。横目で葵を見る分目。真剣な表情。

○アパート・外観(夜)
分目の声「あれ~、どこやった?」

○同・分目の部屋(夜)
   DVDの棚、一番端にあるべき市後アンのデビュー作が無い。
分目の声「そんな変な場所にしまう訳ないんだけどな……」
   引き出しという引き出しを開けて探し物をする分目。
分目「さすがにココな訳ないし……」
   引き出しの中から封筒を見つける分目。中からは札束が出てくる。
分目「……」
   札束も封筒も元に戻し、引き出しを閉める分目。
分目「で、どこだ?」

○大学・外観

○同・構内
   葵から袋を受け取る分目。
葵「コレ、ありがとう。分目君に返せばいいんだよね?」
   袋の中を確認する分目。中身は市後アンのアダルトDVDだが、この時点でもパッケージの顔写真は映らず『芸能人・市後アン 元アイドルAVデビュー!』というタイトルのみがわかる。
分目「……何で宇野沢が持ってんの?」
葵「え? 舜さんから、分目君は『こういうタイプが好きだから、参考に』って」
分目「(小声で)あの野郎……っていうか、どうやって俺の部屋に?」
   並んで歩き出す分目と葵。
葵「この市後アンって人、有名な人なの? 私、知らなかったけど」
分目「まぁ、ガチなファンなら知ってるってレベルかな? そもそも芸名変わってるし」
葵「そっか。でもまぁ、AVって初めて観たけど、なかなか凄いね」
分目「嫌になっちゃった?」
葵「別に。一本だけだと、まだ何とも判断できないし。他の女優さんの作品とか、どっかで借りてみようかな」
分目「そんな事しなくたってさ、断っちゃえばいいと思うけど」
葵「え?」
分目「迷ってるくらいならさ、やんない方がいいって」
葵「へぇ、意外。分目君の立ち位置、ソッチ側だったんだ」
分目「宇野沢さ、わかってる? AVだよ? Hするとか、そういう話じゃなくて、その映像が全国にバラまかれんだよ?」
葵「わかってるよ」
分目「舜さんの事だからさ、ガチで利益出るくらいまで売るつもりだよ? そしたらもう消えないよ? 一生残るよ?」
葵「だからわかってるって」
分目「簡単に『わかってる』とか言うなよ!」
葵「え……ごめん」
分目「あ、いや……ごめんごめん。何ガチになってんだろうな、俺」
   サークル勧誘のポスターなどが張られている掲示板の前で立ち止まる葵。
分目「? どうかした?」
葵「……分目君って、三百人以上の女の子としたんだよね?」
分目「まぁね。全員ワンナイトラブだけどさ」
葵「それって、相手は誰でも良かった?」
分目「う~ん、基本、合コンで出会ってお持ち帰りして、って感じだったんだけどさ、ぶっちゃけ、その相手が隣の席の娘でも問題なかったよね」
葵「そっか」
分目「今度こそ、引いた?」
葵「別に。世の中なんて、そんなもんだし」
   ポスターに書かれた「未経験者歓迎」「経験者優遇」といった文字を指す葵。
葵「私の代わりなんていくらでもいるし、私なんて誰かの代わりにすぎない。そう思ってたし、そう思ってる」
   歩き出す二人。
葵「だから『君じゃなきゃダメなんだ!』って言われたのが、響いてるんだよね。割と」
分目「あんなの、俺は口から出まかせだと思ってたけどさ。そうは思わない?」
分目&葵「(分目は葵に合わせるように)別に」
   いたずらっぽく笑う分目に目をやる葵。
葵「……真似した?」
分目「怒った?」
分目&葵「(分目は葵に合わせるように)別に」
   あきれたように笑う葵と、それにつられて笑う分目。

○アパート・外観(夜)
   電話の着信音。

○同・分目の部屋(夜)
   電話に出る分目。
分目「あ、舜さん? どうしたの? 久々に合コン組んでくれたとか? ……あぁ、ソッチか。……そっか」

○走る車
   高速道路を走るレンタカー。
分目の声「宇野沢、決めたんだ」
飯吉の声「いやぁ、葵ちゃんなら引き受けてくれると思ってたぜ」

○別荘・前
   門の前に立つ分目、葵、飯吉。表札には「飯吉」と書いてある。
飯吉「いい作品、作ろうな」
   中に入っていく飯吉。
葵「ココが飯吉さん家の別荘……」
分目「言ったでしょ? 舜さん、ガチの金持ちだ、って」

○同・廊下
   飯吉の後に続いて歩く分目、葵。大勢のスタッフが挨拶してくる。
分目「(挨拶しながら)この人達、誰?」
飯吉「撮影スタッフに決まってんだろ?」
分目「どっから連れてきたの?」
飯吉「本物のAV作ってるメンツを雇ったんだよ。俺だって、ノウハウなしでいきなりAV作るなんて無謀なことしないぜ?」
分目「ハハ……(葵に小声で)訂正。ガチでエグい金持ちだ」
葵「同感」
飯吉「じゃあ、遥斗はそっち。葵ちゃんはメイクするから奥の部屋ね」

○同・寝室
   花瓶に花を飾るなど、動き回るスタッフ達の様子を見ているバスローブ姿の分目。そこにやってくる飯吉。
飯吉「さすがの遥斗でも緊張すんのか?」
分目「いやいや、余裕余裕」
飯吉「安心していいぜ。撮影する時には、俺とカメラマン以外のスタッフは別室待機だ」
分目「だから、俺は全然……」
   そこに入ってくる葵。メイクや衣装のおかげで見違えるような姿。
葵「失礼します……」
飯吉「お~、葵ちゃん。いいじゃんいいじゃん。普通にかわいいぜ」
葵「そうですか?(分目に)変じゃない?」
分目「ガチでいい感じ。自分でも鏡観てそう思ったでしょ?」
葵「メガネしてないから、良く見えなくて」
分目「コンタクトしないの?」
葵「(大きく首を横に振り)無理無理無理無理。目の中にレンズ入れるとか絶対無理」
分目「ソコは断れんのね」
    ×     ×     ×
   せわしなく動くスタッフ達の様子を眺める分目と葵。葵の表情は硬い。
葵「AVの撮影現場って、こういう感じなんだね。私、初めて見た」
分目「それは俺もだけどさ。緊張感エグいな」
   しばしの沈黙。
分目「緊張してる?」
葵「別に。……ごめん、嘘ついた」
分目「だろうね」
   しばしの沈黙。
葵「そういえば、さっき市後アンについて調べてたんだけど、私達と同い年だったんだね。ビックリした」
分目「そう? 年下のAV女優が出始めちゃった方がもっとビックリしたけど」
葵「で、今度サイン会やるんだってね。分目君も行くの?」
分目「俺はそういうの行かないからさ」
葵「そっか、ソッチなんだ」
分目「っていうかさ、ソッチってどっち?」
葵「……ごめん、別に深く考えてなかった」
   と言ってわずかに笑みを見せる葵。その瞬間を待っていたかのようにやってくる飯吉。
飯吉「おっ、少しは緊張ほぐれたみてぇだな。じゃあ、始めようぜ」

○同・廊下
   寝室から退室するスタッフ達。

○同・寝室
   ベッドに並んで座る分目と葵。キスをしながら、徐々に葵の服を脱がしていく分目。
    ×     ×     ×
   ベッドの下に重なる二人の下着。
   分目の愛撫に喘ぎ声を漏らす葵。
    ×     ×     ×
   カメラの横で、分目と葵の様子を見ている飯吉。
飯吉「じゃあ、そろそろ始めようぜ。人生最後のセックス」
葵「(緊張しながらも)……はい」
   分目に目で合図を出す飯吉。
   横になっている葵に覆いかぶさる分目。
分目「最後なんだからさ、楽しもうよ」
葵「……うん」
   葵にキスしようと唇を近づける分目。

○(フラッシュ)分目邸・分目の部屋(夕)
   キスする分目(14)と安西星羅(14)のシルエット。

○別荘・寝室
   動きが止まる分目と、その様子をを心配そうに見つめる葵。
分目「何でこんな時に……」
葵「どうしたの?」
   と言って分目の手に触れる葵。

○(フラッシュ)中学校・教室(夕)
   分目の差し出した手を取る星羅。星羅の着ている制服はブレザー。

○別荘・寝室
   反射的に手を引っ込める分目と、その様子を心配そうに見つめる葵。
葵「分目君?」
分目「何でもない、何でもないからさ……」

○(フラッシュ)中学校・教室
   星羅に見とれる分目。

○(フラッシュ)通学路
   手をつないで歩く分目と星羅。

○(フラッシュ)同・校門
   泣きそうな顔で分目を見つめる星羅。やがて背を向けて歩き出す。

○別荘・寝室
   分目の様子を心配そうに見つめる葵と飯吉。
分目「くそっ、何で……?」
飯吉「カメラ一旦止めて。おい、遥斗。大丈夫か?」
分目「大丈夫大丈夫、余裕余裕」
   花瓶に飾られた花。しおれている。
分目「大丈夫だから……」

○同・外観(夜)

○同・寝室(夜)
   ベッドに腰掛ける分目。そこにやってくる飯吉。
飯吉「何だ、遥斗。ここに居たのか」
分目「……ごめん」
飯吉「まさか、遥斗で止まる事になるとは思わなかったぜ」
分目「撮影どうすんの? 他のスタッフも忙しいだろうし、時間もないしさ、別の男優探しちゃった方がいいんじゃない?」
飯吉「いいか、遥斗。『急いでる』とか『時間がない』ってのは、手を抜いていい理由にはなんねぇんだぜ?」
分目「やってる事がAV撮影じゃなければ、ガチでいいセリフなんだけどね」
飯吉「とにかく、だ。何が原因かは知らねぇけど、まずはお互い、もっと親睦を深めて来いよ」
分目「あ……そうだ、宇野沢は?」

○浜辺(夜)
   波打ち際に立つ葵。肩をたたかれ、振り返ると分目が立っている。
分目「遠目で見たらさ、入水自殺する人みたいに見えちゃうよ?」
葵「別に、そんなんじゃないし」
    ×     ×     ×
   砂浜に並んで座る分目と葵。
分目「あのさ……」
葵「さっきの私、死にそうに見えた?」
分目「あ~……ごめん、気に障った?」
葵「別に。飯吉さんにも見抜かれてたみたいだし、何かオーラ出てるのかな?」
分目「『見抜かれてる』って?」
葵「私、死のうと思ってるんだ」
   波の音。
分目「……何があったの?」
葵「別に。何かがあって死にたい、みたいな突発的なものじゃなくて、もっとこう、慢性的な感じかな?」
分目「ごめん、ちょっとわかんない」
葵「ゲームとかやってて『あ、コレつまんないな』って思ってるのに、リセットボタンを押させてもらえないから、なんだかんだ続けてる、って感じ?」
分目「本当はリセットボタン押したいのに?」
葵「そう。だって『お腹が空いた』とか『眠い』とか、本当それくらいの感じで『死にたい』って口にしてるし」
分目「だからってさ……」
葵「コッチは、いつでもリセットできるように、印象も痕跡も残らないように生きてきたつもり。私が居なくなっても、私が居た事実が無かったことになるだけ」
分目「……」
葵「だから、誰にも迷惑かけたくないから、誰も知らない場所で、身元のわかるようなものを何も持たないで、身元不明の死体として処理されるようにするつもりだし」
分目「縁切り死、ってヤツか」
葵「へぇ、そう呼ぶんだ。……でも、そう思ってた時に、声をかけられて」

○(回想)大学・構内
   飯吉に声をかけられる葵。
葵の声「最初は驚いたし『何で私なんだろう?』って思った。でも……」

○浜辺(夜)
   並んで座る分目と葵。
葵「『最後のセックス』って言われて『私じゃなきゃダメ』な理由も納得したし。そりゃそうだよね。死ぬつもりなんだし」
分目「だからってさ、AVなんかに出たら、それこそもろに生きてきた痕跡残っちゃうけど?」
葵「それは自分でも不思議。何でだろうね? 多分、ずっと何も残さないように生きてきたから、逆に最後くらい何か残したくなったんじゃないかな?」
分目「残し方とか残すものなんてさ、他にいくらでもあると思うけど」
葵「ごめんね」
分目「いや、謝るような事じゃ……」
葵「そうじゃなくて。私、自分の事しか考えてなかったから。『君じゃなきゃダメ』なんて言われて調子に乗ってたのかな? 分目君からしたら、私なんかが最後の相手じゃ、迷惑だもんね」
分目「そんな事ない」
葵「別にいいよ、フォローしなくても」
分目「フォローなんかじゃない。宇野沢は、ガチで悪くない。俺の問題だからさ」
   しばしの沈黙。
分目「宇野沢はさ、凄いよ。裸になれて」
葵「別に。分目君も脱いでたし」
分目「そうじゃなくてさ。心というか、内面というか、さらけ出せてさ。凄いと思う」
葵「なら、分目君もさらけ出してみれば? いいよ、『宇野沢が最後の相手なんてごめんだ!』って」
分目「だから、ガチで違うからさ。俺は、宇野沢が人生最後の相手になっても、別に問題ない。ただ……」
葵「ただ?」
分目「……その前にさ、ケリをつけなきゃいけない事があっただけ」
葵「へぇ、どんな?」
分目「興味ある?」
葵「ある」
分目「(葵に合わせようとして)別に」
   しばしの沈黙。
分目「え、あんの?」
葵「うん、ある。凄くある」
分目「まぁ、大した話じゃないんだけどさ。……元カノの話」
葵「あれ? 抱いた女の子は全員ワンナイトラブだったんじゃ?」
分目「だからさ、付き合ったけど抱けなかった。中学の時の話」
葵「分目君が付き合った女子か。どんな娘だったの? 可愛い?」
分目「エグいくらい可愛い子だったよ。ガチで、アイドルかと思うくらいにさ」

○(回想)中学校・教室
   黒板に書かれた「入学おめでとう」の文字。
   窓際で他の女子生徒と話す星羅(12)に目を奪われる分目(12)。
分目の声「彼女の名前は安西星羅。中学一年の時に出会って……一目ぼれだった」
   分目の視線に気づく星羅。

○(回想)同・同(夕)
   向かい合う分目と星羅。
分目「俺と付き合ってください」
   頭を下げ、握手を求めるように手を差し出す分目。
   迷った末、その手を取る星羅。
星羅「よろしくお願いします」
分目「ガチで!? っしゃあ!」

○(回想)同・廊下
   談笑する分目と星羅。周囲の生徒からは羨望のまなざし。

○(回想)同・校庭
   球技大会。サッカーの試合に出場している分目と、それを応援する星羅。二人の手首にはお揃いのリストバンド。

○(回想)通学路
   分目にチョコレート(見た目はややグロテスク)を渡す星羅。恐る恐る口に運ぶ分目。頷く。

○(回想)中学校・教室
   並んで座る分目と星羅。
分目「星羅、女子高志望なの?」
星羅「だってさ、あそこセーラー服じゃん? 私、着てみたくてさ」
分目「やめとけって。星羅は、セーラー服よりブレザーの方が似合うから」
星羅「そうかな? ……あっ、もしかしてさ、一緒の高校行きたいからそんな事言ってるんじゃない?」
分目「は? いやいや、全然、そんなんじゃないから」
星羅「素直じゃないな~」

○(回想)分目邸・分目の部屋(夕)
   分目に勉強を教える星羅。二人の顔が近づき、やがて見つめ合う。
    ×     ×     ×
   キスする二人のシルエット。
    ×     ×     ×
   頬を紅潮させたまま見つめ合う分目と星羅。ベッドに向かう。
   そこにお菓子を持って入ってくる分目の母親。
   上手くごまかせているようなごまかせていないような雰囲気の分目と星羅。

○(回想)通学路
   手をつないで歩く分目と星羅。
星羅「そういえばさ、『分目』って、日本で一番出席番号遅い苗字なんじゃない?」
分目「あ~、どうだろ? 調べてみるわ」
星羅「よろしく。いいな~、日本一か~」
   と言って分目に羨望のまなざしを向ける星羅。

○(回想)中学校・外観

○(回想)同・廊下
   教室の前に人だかりができている。

○(回想)同・教室
   多くの生徒に囲まれている星羅と、その様子を遠巻きに見ている分目。手元の雑誌は「日本一のアイドルオーディション」のページが開かれ、合格者の中に星羅の姿。
分目の声「何でさ、言ってくんなかったの?」

○(回想)同・廊下
   並んで立つ分目と星羅。
分目「俺ってさ、そんなに信用ない?」
星羅「そんな事ないよ? ただ、落ちた時に恥ずかしいと思ったからさ」
分目「けどさ、アイドルになったら、俺達の関係って……」
星羅「それは、大丈夫だからさ」

○(回想)分目邸・外観
   「分目」と書かれた表札。
マネージャーの声「アイドルというのは、イメージが命です」

○(回想)同・リビング
   テーブルを囲む分目と分目の両親、男性マネージャー。
マネージャー「現在はもちろん、過去にも恋人は存在しない方が望ましい」
   テーブルに札束の入った封筒と誓約書を出すマネージャー。
マネージャー「君と安西は、何の関係も無かった。そういう事にしてもらえませんか?」
   逡巡する分目。
マネージャー「安西のためにも」
   ペンをとる分目。

○(回想)中学校・校門
   マネージャーと共に出ていく星羅を見送る分目、振り返る星羅、泣きそうな顔で分目を見つめる星羅。やがて背を向けて歩き出す。
葵の声「それっきり?」
分目の声「あぁ」

○浜辺(夜)
   並んで座る分目と葵。
分目「それっきり星羅には会ってないし、それっきり彼女も作ってない」
葵「その娘は今もアイドルやってるの?」
分目「いや……」
   立ち上がる分目。
分目「芸人とバンドマンに二股かけてたのがバレてグループ脱退して、その後大物プロデューサーとの不倫が週刊誌にすっぱ抜かれて事務所クビになっちゃった」
葵「……え? ごめん、ちょっと展開が早すぎる」
分目「結局、俺が星羅の思う『イイ男』じゃなかった、って事なんだろうけどさ」
   海の方へ歩いていく分目。
分目「だから星羅は俺の事捨てて、俺との思い出を無かった事にしたんだろうけどさ」
   海の水を蹴飛ばす分目。
分目「無かった事にされた側の気持ちも、考えてほしいよな」
   苛立ちをぶつけるように何度も海の水を蹴飛ばす分目。
分目「俺が初めて付き合った娘は誰だったんだよ。お揃いのリストバンド買ったのは誰だったんだよ。バレンタインにチョコ作ってくれたのは誰だったんだよ。一緒にテスト勉強したのは誰だったんだよ。俺のファーストキスの相手は誰だったんだよ」
   立ち上がり、分目に歩み寄る葵。
葵「ちょっと、落ち着いて……」
分目「俺が今喋ってる相手は誰なんだよ」
葵「え……?」
分目「無かった事になる訳ない。だってさ、俺は星羅と付き合ってたんだよ。思い出全部共有してたんだよ。それに……」
   動きを止める分目。
分目「宇野沢とも出会った。こうして喋った。関係も持とうとしてた」
   葵の方に振り返る分目。
分目「あった事を無かった事にされちゃったらさ、無くなっちゃった分、心にポッカリと穴空いちゃうんだよ。その分の穴、何やっても埋まんないんだよ」
葵「分目君……」
分目「女抱けば埋まると思ったよ。百人抱けば埋められると思ったよ。三百人抱いても埋まんないんだよ」
葵「……」
分目「宇野沢がいくらリセットボタン押したところで、こっちはもうゲームデータセーブしちゃってんだよ」
葵「じゃあ、私にどうして欲しいの? 自殺はやめて、長生きしろって言いたいの?」
分目「俺にそこまで言う権利はないけどさ。少なくとも、今宇野沢が死んだら、俺は一生忘れないと思うから。多分、舜さんも」
   海に向かう分目。膝まで浸かる。
分目「それでも宇野沢が『どうしても死にたい』って言うなら止めないけどさ」
葵「(分目を追い)ちょっ、どこに……?」
分目「無かった事になんて、してやんないからな!」
   と言って葵に海の水をかける分目。
葵「きゃっ。冷た……何すんの!?」
分目「リセットってさ、日本語に訳すとしたら『水に流す』でしょ?」
葵「やったな……」
   分目に海の水をかけ返す葵。
分目「うわっ。は? 俺はリセットしようとしてないんだけど」
葵「別に。『水も滴るイイ男』にしてあげただけだし」
分目「この……」
   様々な言葉を叫びながら、海の水をかけ合う分目と葵。その表情は徐々に笑顔になっていく。

○別荘・外観

○同・寝室
   下着姿でベッドに並んで腰掛けてる分目と葵(=冒頭のシーン)。
   おもむろに下着を脱ぎ始める葵。
   裸になった葵を見つめ、抱きしめる分目。キスをする。
飯吉の声「はい、カット」
   二人の元にやってくる飯吉。
分目「どうしたの、舜さん。何か映り込んでた?」
飯吉「いや。そういう訳じゃねぇんだけどよ」
   葵を見つめる分目。
葵「私が、何か……?」
飯吉「気のせいかもしんねぇんだけど、葵ちゃん、何か雰囲気変わった?」
分目「何言ってんの、今更。プロのメイクで別人みたいに……」
飯吉「そうじゃなくて、だ。何ていうか、最後感が無くなっちまってんだよな」
分目「え……?」
飯吉「葵ちゃん、これが最後のセックスだって気持ち、無ぇんじゃねぇの?」
葵「それは……」
飯吉「……よし、撤収」
分目「は? ここまで来て何言ってんの?」
飯吉「仕方ねぇだろ。撮れねぇもんは撮れねぇんだ。また女優探しからやり直そうぜ」
   退室する飯吉。
葵「……なんか、ごめん」
分目「いや、まぁ、俺はいいけどさ」
葵「やっぱり、何かオーラ出てるのかな?」
分目「『リセットするのやめました』って? けどさ、大丈夫? 人生って鬼ゲーだよ?」
葵「別に。最悪、電源引っこ抜けばいいし」
分目「やり方エグっ」
   笑う分目と葵。
分目「俺も負けてらんないな」
葵「何が?」
分目「別に」
   服を着始める分目。

○DVDショップ・外観

○同・イベント会場
   多くの男性が並ぶ列。その中に居るマスク着用姿の分目。分目の視線の先には「市後アン 新作発売記念イベント」と書かれた看板と、男性ファンにサインをする市後アンの姿が見えるが、遠目のため顔まではわからない。尚、市後アンの服装はセーラー服のコスプレ。
    ×     ×     ×
   列の先頭に立つ分目。
スタッフの声「次の方」
分目「はい」
   歩き出す分目。目の前には市後アンこと星羅(21)。
分目「……初めまして」
星羅「初見さんですか? 初めまして。サインにお名前入れますか?」
分目「ぜひ」
星羅「(ペンをとり)お名前は?」
分目「……舜です」
   サインを書き始める星羅。この時、一瞬中学時代の星羅の姿が重なる。
分目「星羅……」
星羅「え?」
分目「いや、えっと……セーラー服、似合ってますね」
星羅「……ありがとうございます」
   書きあがったサイン色紙を分目に渡す星羅。
分目「応援してます。これからも」
星羅「よろしくお願いします」
   握手する分目と星羅。
分目「(小声で)さよなら」
   手を放し、スタッフに促されるままその場を後にする分目。しばらくして、手に持ったサイン色紙に目をやる。
分目「ガチか……」
   振り返る分目。星羅は既に次の客に対応中。星羅に背を向けて歩き出す分目。
   分目の持つサイン色紙。宛名には「遥斗さんへ」と書いてある。
                 (完)

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