AppaRition GraveMarker 第1話 ドラマ

AppaRition GraveMarker 妖怪の墓標。 日々、夢を断片的に見る良心寺善は 父・福弥津の寺、良心寺を修復する為、 タブレットを使い、 相棒の傘お化け Rainと共にSNSで奇妙な事件の依頼を受ける。 妖怪の仕業だと確証して 地獄へ落とす。 父からの教え「良心ある者、邪心を持たず」をモットーに? 口癖は「ここがお前の墓標だ」の妖怪ハンター。 そんな中、全ての点と点が繋がった時、思いもよらない真実を 目の当たりにする。
非露亞貴(令和2年8月5日開業届。脚本執筆、シナリオ代行) 16 0 0 09/23
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第一稿

【登場人物】

良心寺前《りょうしんじぜん》(19) 妖怪ハンター

Rain《れいん》 相棒。傘お化け

良心寺福弥津(44) 《ふくみつ》 ...続きを読む
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【登場人物】

良心寺前《りょうしんじぜん》(19) 妖怪ハンター

Rain《れいん》 相棒。傘お化け

良心寺福弥津(44) 《ふくみつ》住職、父親。
皿木部長 (21)《さらきぶちょう》 演劇部長。
ろくろ首
部員1・2・3
化け狸(部員3)
自転車に乗る、母親と男の子

サブタイトル「ここがお前の墓標だ」

 ○山間(濃霧)
夢を見る。
地が揺れている。岩や土砂が降り注ぐ。

良心寺善「(避けながら)噴火じゃない・・・」
Rain 「凄い力を感じるぞ。傘が折れそうだ」

 傘が開く。夢が途切れる。

 ○良心寺(朝)
 全景・山がある。
 点景・山門、良心寺

 ○同・善部屋
Rain 「起きろ。善、朝だぞ」
良心寺善「(欠伸)ふわぁ〜」


○同・外
朝のお勤めをする。山門前で掃き掃除。

Rain 「コラッ、善、私を箒にするな。ガリガリする、痛いっ」

  ○同・廊下
  雑巾掛けをする。

Rain 「雑巾被って寝るな善」

 ○同・リビング食卓
Rain 「飯はしっかり食うんだな」
良心寺善「ぼ、僕はな、お、おむすびが好きなんだな」
良心寺善N「俺、良心寺善。ここの跡取りの息子にして、相棒の傘お化けと・・・」

 タブレットに通知が来る。

Rain 「Kaitterか?」
良心寺善 「ああ。依頼だ」

 SNSを開く。
『アカウント名・AppaRition GraveMarker @Zen卍』

 Kaieet欄
『奇妙な事件解決しますリプ下さい』
『初めまして。大学で演劇サークルをやってる者です。話ししたいです。
 大学は阪西大学です。お待ちしております』
 
  障子が開く。

良心寺福弥津「善、副業か」
良心寺善 「ああ親父、決まってんだろ」
良心寺福弥津「ったく、住職の跡取りが」
良心寺善 「しゃあねえだろう。うちの寺、檀家も来ないくらいボロなんだからよ」

 山門は板で継ぎ接ぎをしている。
 本堂の畳にキノコが生え、仏像は錆び埃と蜘蛛の巣。

良心寺福弥津 「うっ、しかしだな、お前はな、会っては・・・」
Rain 「父上、足怪我してますよ」

 白足袋が破けている。廊下の床板真ん中2枚分に穴。

良心寺善 「何だよ?会うよ。(味噌汁を一気に啜り)行くぞ、Rain」

 ○同・山門
良心寺善 「お前、樹脂サンダルかよ」
Rain 「下駄なんて古いって。あっ草履」
良心寺福弥津 「行くのか。作務衣着て」
Rain 「でも、お寺の為に」
良心寺善 「ほっとけ。行くぞ、準備しろ」
Rain 「あいよっと。かささのさっ」

  Rainが飛行機に変身。

良心寺善N 「此奴は俺の一言で、変身するのだ」
Rain 「お前何ぶつぶつ?乗れ」

 跨ぎ乗る。

良心寺福弥津 「待て。良心ある者、邪心を持たず。だぞ」
良心寺善 「分かってるって。行くぞ出発だ」

 大学へ飛んで行く。

良心寺福弥津M 「必ずだ。お前は、その昔・・・」

タイトルバック『AppaRition GraveMarker』

 ○阪西大学(昼)
 着陸。

良心寺善 「着いた。遅っ」
Rain 「お前の、所為だろう」
良心寺善 「悪かった。彼方此方風景撮らないよ・・・ん?」

 学内を歩く学生が青ざめる

学生1 「ひっ」
学生2 「飛んで来た、あれ」
学生3 「お化けの傘・・・コンビニか」

 スマホを翳す者もいる。

Rain 「いやぁ私モテてます?」
良心寺善 「行くぞ」
Rain 「あっ走るな。ぴょんぴょんするだけだから」

 ○同・演劇部室
 席に座り机に珈琲。
 弁当を食べる部員。
 作務衣からタブレットを出し

良心寺善 「(リプを見せ)貴方がリプくれた依頼主様」
皿木部長 「はい。部長の皿木です」
Rain 「コラッ男子、箸でお祓いすなーー。女子海苔を顔に貼らないで」
皿木部長 「稽古中に・・・」

         xxx

 稽古。旅館が舞台。

皿木部長 「じゃあ、ラブシーン行くよ。よーーいアクション」
 
 カチンコを鳴らす。

部員1 「女将さん」
部員2 「お客様駄目ですわ」

 二人が抱き合う。部員2に・・・皿木が騒めく。

皿木部長 「何だ白い靄が首に」
部員2 「あがっ、ぐるしい、たた、だずけて」

 泡を吹き倒れる。駆け寄る部長と部員

皿木部長 「かか、カットーー。大丈夫か、おい」
部員1 「ひっ、俺何もしてねえ」
部員3M 「誰か救急車ーー。先生呼んでこいってかククククク」

          xxx

 ○戻って同・演劇部室
良心寺善 「それでも絞められた後は無いと」
Rain 「なんちゅうシーンや。大学生がやるもんちゃいまっせ」
皿木部長 「はい。だろ?」
部員2 「(首を見せ)はい、ほら」
良心寺善 「だな」
Rain 「だな」
皿木部長・部員「だな?」
良心寺善 「妖怪の仕業ですね」

 部員3が掃除機を向ける。

Rain 「太っちょ!私を吸おうとするな」
良心寺善 「一度、やって頂けませんかまた・・・」
皿木部長 「えっ、あっ、いいですが、この後授業なので」
良心寺善 「待ちます」

 ○同・演劇部室(夕)
 全景・夕陽、大学の上を鴉が飛ぶ
 部室の扉が開く。

Rain 「善、動画止めろ」
皿木部長 「お待たせしました」
良心寺善 「お願いします」
部員1・2・3 「(口々に)本当にやるの?かよ部長」
良心寺善 「大丈夫です」
Rain 「妖気感じたら開くから」
皿木部長 「『禁断旅館』よーーいアクション」
部員3 「オメェ温泉、マジで入らないのか」

 部屋での会話シーン。布団で寝ている。

部員1    「ああ。パス。酔ってそれどころじゃねえよ・・・」
部員3 「そうかよ。折角・・・じゃあ行かしてもらうぞ」

 部屋を出る。障子が閉まる。
 稽古を見ている二人

Rain 「まだだな」
良心寺善 「ああ。カメラ起動と」

 タブレットのカメラをタップする。

部員2 「お客様失礼致します」

 障子が開く。部屋に入る女将役・部員2のシーン

部員2 「お客様大丈夫ですか。大変、辛そうにお部屋に戻られたので」
部員1 「大丈夫です・・・」
部員2 「そうですか。では失礼致します」

 部屋を立ち去ろうとする。

部員1 「なんて女将、豊満なんだ」
Rain 「そろそろだぞ。あのシーンだ」
良心寺善 「ああ」

 鼻血を垂らしている善。

良心寺善 「皆んな震えてる(鼻を拭う)」
部員1 「女将さん」
部員2 「お客様駄目ですわ。私とお客様の関係はそんな事・・・」

 Rainの傘が開く。

Rain 「妖気を感じたぞ」
皿木部長 「出たっ!白い靄だ」

 又もや部員2の首に靄が掛かる。

部員1・3 「ひいいいいっ」
Rain 「撮れ!シャッターチャンスを逃すなよっ。一発勝負だ」
部員2 「あがっ、ぐるしい、なんで私ばかり、おねがいだずげて、はやぐ」

 タブレットのカメラの卍型フォーカスを部員2に合わせる。
シャッター音が鳴る。

皿木部長 「なんだあれは」
部員1・3 「うわっ出たぁーー化け物女」
ろくろ首 「何と? 見えるのか私が」
良心寺善 「バッチリ見えるぜ。くびなが」
ろくろ首 「お前・・・」

 傘お化けを見るろくろ首。舌を出している。

ろくろ首 「そうか、我もあの山から降りてきたのか。そりゃそうであろう。人間の味方
        か」
良心寺善M 「えっ?山・・・って」
ろくろ首 「其方、何者だあ。おい」
良心寺善 「・・・お、俺の名は、良心寺善。お前を成仏いや、お祓いに来た」
ろくろ首 「面白い。やってみろ。もうこの女に必要なんぞない。見当違いだ」

 気絶する部員2。絞められた跡がくっきりと見える。

皿木部長 「大丈夫か!おい運ぶぞ」

 部員1・3と担いで運び出す。

ろくろ首 「若いの。お前の首根っこ絞め舐めてやるわ」

 舌を出して向かってくる。

良心寺善 「絞め舐めて?やってみろよ。刃に変身だRain」
Rain 「任せとけって。かささのさっ」
良心寺善 「な、WaT?」

 刃が折れる。元に戻るRain。

Rain 「(頭を押さえ)あてててて」
良心寺善 「バカヤロウ!なんで竹槍なんだよ」
Rain 「いや、竹槍も刃だから先端が。調べてみたら。OKグルグルっと」
良心寺善 「出来るかい! こんな時に。アホ!ビニール傘ーー」
Rain 「それを言うなーー。茶色塗ってあるだけって。コンビニに売ってねえからな」
良心寺善 「皆んなとっくにわかって・・・」
皿木部長・部員1・3「あ、危ない」

 首を絞められる。良心寺善の首に絡まるろくろ首。

良心寺善 「ぐおっ、ぐががががうおっ」
ろくろ首 「葬り去られるのは、お前だ」
Rain 「や、やばい」

 苦しみながら指を指す良心寺善。

Rain 「そうか。頼む。協力してくれ」
ろくろ首 「くそ、其方は完璧的外れか・・・。欲しい、欲しいわ。ああ、あぶ・・・ら」
Rain 「何やってんだ! 早く繋げろ。こ、コードレスじゃねえのかよ」
ろくろ首 「こどれす?」
皿木部長・部員1「すいません。業務用で!できましたーー」
Rain 「押せ!太っちょ」

 掃除機にスイッチが入る。

ろくろ首 「これは何者じゃーーうおおおお〜顔が、風が吹く、息苦しい、
      蛸の様な化け物め〜」

 顔が揺れ、頬っぺたが渦を巻いたかの様に、真空管が張り付く。
 吸い寄せられたろくろ首。
 噎せる良心寺善。

ろくろ首「(床に倒れ込み)今のは・・・あんな物見たことない。現世の物か」
良心寺善 「ハァハァ、(深呼吸して)Rain今度こそ、ちゃんと刃に変身しろよ」
ろくろ首 「くそ〜、堕ちるがよい」
Rain 「かささのさっ」
ろくろ首 「ぐあっ」

 閃光が放たれる。

皿木部長 「(手で遮りながら)まぶっ、すげっ」
部員1・3 「火刀・・・だ」
 
 部員2の意識が戻る。火刀を前へかざし持つ良心寺善。

ろくろ首 「其方も本気。ならば私もよ。閉じ込めて堕としてやるわ」

 巨大なろくろを吐く。

皿木部長・部員1「うわわわわっ」

 部員3が2を身を呈し守る。刀を振る良心寺善。
 メラメラ燃え、ろくろが粉砕し床に飛散する。

ろくろ首 「ぐあっ熱い、(体が焼けて湯気が出る)ろろくろ〜目に入った〜」

 タブレットを開く良心寺善。
 ホーム画面『Zigoku okuru Map』をタップ起動。
カメラも連動し辺りを映し出す。

良心寺善「墓標は何処だ!」

 墓の形をしたピンがセットの障子に止まる。
障子が開くと、突如セット裏が変化し、十六小地獄が現る。
 チェーンを振る鬼とその周りに数多の蛇が待ち構える状態。
 南無阿弥陀仏とお経が聞こえる。
 沢山の卒塔婆が突き刺さっている岩盤。

良心寺善 「そこか!」
ろくろ首「(暴れながら)嫌だああああああ!! 行きたくないいいいいい」
良心寺善 「行け、Rain」
良心寺善 「ここがお前の墓標だ」
Rain 「かささのさっ」

 撞木(木魚を叩く棒)に変身する。

ろくろ首「頼む、助けてくれえええええーー」

 ろくろ首を弾き飛ばすRain。
 火刀で体を切る良心寺善。
 焦げ付いた切り傷。

良心寺善 「安心しろ。首の皮一枚は繋げてやる。お前にとってはなぁ、
     大事なものだろう。せめてもの救い、良心ある者邪心を持たず」
ろくろ首 「ひいぎゃあああああーー」

 地獄へ堕ちるろくろ首。鬼がチェーンで縛り
 蛇に至る所から体のパーツを丸呑みされる。
 長い首を鬼が達成感で掲げる。雄叫びを上げる。
 卒塔婆になる首。高鳴るお経。
 元の状態に戻るセット裏。
 障子が閉まる。

皿木部長 「あの・・・」
良心寺善 「(満面の笑みで)これで終わりました。皿木さん」
部員1・3 「(両手でハイタッチし)やったーー」
部員3  「もうなんともないよね?」
部員2 「ええないわ」
皿木部長 「首の絞め跡も消えてるね」
 
 元に戻るRain。

Rain 「毎度あり。では・・・」

 手を摩るRain。

Rain 「マニーマニーカネカネ。キンコキンコはナイナイ岡っちやべっちエフシー」
良心寺善 「やめろ!その仕草。それにお布施だ。お寺では」
Rain 「仏さんも仕方ねえべよ。埃まみれだし、罰なんぞあたらんて」

○良心寺(夕方)
 本堂で木魚を叩き、読経を唱える
 良心寺福弥津の姿。

良心寺福弥津「へっくっしょん。あーー、叩けば叩くほど埃が降って・・・
       遅いのう彼奴ら」

○阪西大学・正門前(夕方)

皿木部長  「いいえ。折角助けて頂いたのです。ちゃんとお渡ししますよ報酬」

 茶封筒を受け取る良心寺善。
 御礼と書かれている。

良心寺善 「お布施です・・・ありがとうございます」
皿木部長  「但し、大学生ですから。一人五千円の万券でハハ」
Rain 「万券・・・お、お前は」

 部員3を見る。汗を垂らす部員3沈黙している。

Rain 「贅沢は言えません。其れこそ罰が・・・では」
部員1 「でもさ、なんで妖怪が?学校の怪談ってやつかな?」
部員2 「私、霊感でも」

 重い口を開く良心寺善。

良心寺善 「貴女、香水を付けられてますね」
部員2 「えっ?それが何か」
良心寺善 「文化時代、遊女、今で言う、風俗の人でしょうか?
      行ったことないですけど・・・(恥ずかしそうに言う)
客の和紙を売る問屋の男と、添い寝をしてたのです。
      ところが、その客が心臓に持病があったのを知っていて
寝たのを、叩き起こし、首をするすると伸ばして行燈の
      油を舐めるところを見せて、恐怖にびびらせ発作を起こ
      させて殺したのが妖怪ろくろ首。遊郭旅館の部屋で・・・
      舞台は事実上一致したんでしょうね」
皿木部長 「吉原炎上?かな」
部員1 「さあ?文化時代、江戸後期か」
Rain 「うお、カッコいいぞ善」
良心寺善 「茶化すなって。拍手くらいはしろよ」
部員2   「わ、私は健康ですが、あんどんの油ではなく、香水の精油。
      それをわからず何度も襲ってきた・・・って事でしょうか」
Rain 「そうなんだな。現世に蘇った、ろくろ首は、電気を知らずに
      行燈がこの世に無かった。飢えていて、取り敢えず
      揮発する、貴女の香水を行燈の油と思い込み襲ってた」
良心寺善 「その通りです。(笑顔で)安心して下さい、
       僕達が、退治しました。では」
Rain 「カラスが鳴くから帰ろう!じゃ」

 お互い頭を下げる。(Rainは下げていない。手を挙げている)
 見送る、皿木部長・部員1・2・3だが、
 大きな夕陽で染まる。背中から映る面々。
 徒歩で帰る良心寺善とRain。
 影が伸びている全者達。皿木部長、部員1・2
 何故か3に至っては影に尻尾が生えている。

Rain 「ねえねえ、駅前にさ、美味しいケーキ屋さんが
       あるけど行かない?善」
良心寺善 「ダメだ。親父に怒られる。それに・・・」
良心寺善N 「俺、良心寺善。そう、相棒の傘お化けと退治する妖怪ハンターなのさ」
Rain 「誰に喋ってんの?わかってるってお寺の修復だろ」
Rain 「でも、ちょっとくらい・・・私甘いの好きっ」
良心寺善 「ダメだっつうの」

 鴉が鳴きながら空高く羽ばたく。
頭を下げながら横を見る皿木部長。

皿木部長 「なあ・・・あの人達何も言ってなかったけど」
部員2    「ええ・・・」
部員1 「もう、退治したってのは言ってたよな・・・」

 頭を上げる。振り返る3人。

皿木部長  「誰か、もう一人居たのかな・・・仲間が・・・太っちょだっけ」

 後ろに居るはずの部員3が透けて見えていない。(映像上では居る)
 不気味に笑みを浮かべる部員3。

        xxx
 ○阪西大学・演劇部室
 各シーンが異なって行く現象が起き始める事になる回想。
 
Rain    「太っちょ私を掃除機で吸おうとするな」

 あんぐりと口を開ける、皿木部長・部員1・2
 掃除機のみが置いてある。

部員1M 「・・・へっ?こっち見てる。俺、細マッチョですけど」

             xxx


             xxx

 部屋での会話シーン。

皿木部長 「『禁断旅館』よーーいアクション」

 実際に舞台上にいるのは部員1のみ。一人で布団で寝ている。

部員1     「ああ、パス。酔ってそれどころじゃねえよ・・・
         温泉ひとり旅、し失敗、 ムニュムニュムニュ・・・」

 暗転する舞台。皿木部長の役目。

              xxx


              xxx
 気絶する部員2のシーン。

皿木部長 「大丈夫か!おい運ぶぞ」

 すっと立ち上がり、筋肉を使い一人で部員2を
 運ぶ部員1。

              xxx

良心寺善N   「そう、俺はまだ知る由も無い・・・未熟者そう言っておこう」

 (回想了)

 ○戻って阪西大学・正門前(夕方)

部員1     「押せ!太っちょとも言ってたよな。それに・・・」
皿木部長     「ああそうだなぁ、さっ帰るべ。お前らもバイトだろう」
部員2 「ええ。一旦部室に戻りましょう。皆んなカバン」

 カバンを取りに大学内へ入っていく3人。

部員1      「俺、なんか掃除機と喋ってた感覚があったんすよね」
部員2 「まさか、ヤバい薬やってるとか」
皿木部長 「意外とお前が霊感あったりしてな」
部員1 「やってませんし、部長、やめてくださいよ。俺オカルト
          苦てっす・・・から〜」
部員2      「私なんか、空気に抱きつかれてたような感もあったけど」
部員1      「ハッ? だからぁ、やめろって。エアーセクハラかな」
部員2 「面白くとも何ともないわ」
皿木部長 「ハッハ、本当だな」

 部員3が、左を向いて3人を見ている。笑みを浮かべている。
 後ろから、1台のママチャリが走って来る。

部員3 「良心寺善、確かにだ。間違いねえ。奴があの山で・・・
          点と点が繋がった時、きっと後悔するだろうよ。
          それだけだったらなぁ・・・」

 ママチャリがベルを鳴らす。

子供       「あっ、ママ狸さんだよ」
母親       「あっ本当だ。珍しいわね。まだ居たんだこの町に」

 部員3の正体。化け狸。小走りで自転車とすれ違い去って行く。
 全景。山が見える。


第1話了


 









      






























 












 



















   

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