カモナシェアハウス 第四週「灰色に包まれた恋」#17 ドラマ

前回のお話です。 http://film-buyer.jp/scenarios/2872
あゆむ。 21 0 0 02/04
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第一稿

〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・涼風アキラ
・矢吹郁夫
・聖川琉華
・乾椿

〇新宿(夜)
   七緒が水晶玉に手を当て占っている。
   七 ...続きを読む
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〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・涼風アキラ
・矢吹郁夫
・聖川琉華
・乾椿

〇新宿(夜)
   七緒が水晶玉に手を当て占っている。
   七緒と郁夫が見つめ合っている。
七緒「今見えてるもの言わせていただきますね」
郁夫「はい!」
   水晶玉から手を離す七緒。
七緒「近くに、運命の人が居ると出ています…」
郁夫「近くに?」
七緒「そう…。それも結構近くに」
郁夫「そうなんだ…」
七緒「運命の人は近くに居ます。その人が誰なのかはまだ出てきてませ
 んが、貴方の周りに居る人を良く見て出会いのチャンスを逃さないよ
 うにして下さいね」
   いつの間にか郁夫の手を握っている七緒。
郁夫「は、はい。分かりました…」
   郁夫の手を握っていた事に気付き慌てて手を離す七緒。
七緒「す、すみません…つい」
郁夫「いえ…」
七緒「鑑定は以上になります」
郁夫「あ、ありがとうございました。じゃ鑑定料を…」
七緒「いえ、鑑定料はいりません」
郁夫「え?何で?」
七緒「前に途中で切り上げて帰ってしまったお詫びです」
郁夫「でも…」
七緒「いいんです…いいですから」
   お金を出そうとする郁夫の手を押さえている七緒。
七緒「あっ、また触ってしまった…」
郁夫「あ、じゃあ何かご飯食べに行きません?ご馳走しますから」
七緒「え?」
郁夫「って、言ってもあんまお金ないから大したもの奢れないけ
 ど、それでどうっすか?」
七緒「本当に私でいいんですか?」
郁夫「いいっすよ!あっでも今すぐはまずいっすよね?」
  郁夫が振り返ると何人も七緒に鑑定してもらいたい客が並んで
  いる。
七緒「では、後日改めてにしましょう」
郁夫「ですね。じゃ連絡先交換しません?」
   スマホを差し出す郁夫。
七緒「え、いいんですか?」
郁夫「いちいち許可取らなくていいですから(笑う)早く出して下
 さい。お客さん待ってますから」
七緒「はい」
   スマホを出す七緒に郁夫のスマホを合わせ赤外線通信をす
   る。
   嬉しい七緒。
郁夫「よし、これで完了。じゃあまた連絡しますね。それじゃあ」
   立ち上がり待っていた客に礼をし去っていく。

〇ホストクラブ・『STARLIGHT』・ 中(夜)
   各ホストが接客している。
  琉華も接客している中、椿が入ってくる。
琉華M「椿さん…」
   目で椿を追う琉華に椿は目で合図をする。
客「ねぇ、どこ見てんのよー」
琉華「お、おぅ悪りぃ…」
   手が空いてたアキラの所へ行き話をする椿。
琉華「…」
   アキラの笑顔を見て、二人が楽しそうに話しているように見
   える琉華。
客「ねぇ、どうしたの?」
琉華「ごめん。ちょっとだけ待ってて」
客「えー」
   席を立ち椿の所へ行く琉華。
琉華「椿さん」
椿「おぅ、琉華」
アキラ「琉華、いいのか今接客中だろ?」
椿「それは、良くないだろ。琉華またランキング一つ上げたんだ
 ろ?お客様粗末にしたらまたランク下がるぞー」
琉華「あの…」
椿「話はまた聞く。早くお客様の所に戻れ」
琉華「はい…」
   客の所へ戻っていく琉華を含み笑いしているアキラ。
      
〇同・事務所(時間経過)
   椿が、売り上げの帳簿を見ている。
   ドアノックの音。
椿「はい」
   琉華が入ってくる。
椿「どした、まだ仕事中だろ?」
   何も言わず椿を抱きしめる琉華。
椿「おい…」
琉華「会いたかったです」
椿「まだ仕事中だろ?」
琉華「だって、最近店にも顔出してくれなかったじゃないですか」
椿「俺の経営はここだけじゃないんだから、他の所も見て回らなきゃい
 けないからな」
   椿を見る琉華。
椿「どした?」 
   椿にキスをしようとする琉華の唇を手で制す琉華。
椿「職場だぞ。どした琉華。様子おかしいぞ」
琉華「椿さんの為に頑張ってランク一つ上げたんですよ。キス位」
   椿の手を払いのけ、キスをする琉華。
琉華「椿さん。俺だけを見てて下さいね」
   琉華の腰に手を回す椿。
椿「分かってるよ…」
   椿の胸で安心して目を閉じる琉華。
椿「(琉華の頭を撫で)よし。まだ仕事だろ?しっかり稼いで来い」
琉華「はい」

〇シェアハウス・リビング(朝)
   朝食をとっている宗介と千秋。
千秋「ねぇ、宗ちゃん」
宗介「ん?」
千秋「今日仕事終わったら、どっかご飯食べに行かない?」
宗介「え?何で?」
千秋「何でって…お給料入ったし、たまにはいいじゃん」
宗介「給料入ったって、ここの家賃と貯金してたら、んな余裕ねぇよ」
千秋「貯金してるんだ」
宗介「当たり前だろ。千秋してねぇの?」
千秋「そ、そりゃ、してるよ多少なり…」
宗介「まぁ、仕事先が飯扱ってるから食費は結構抑えられてるけどな
 あ」
千秋「分かったよー。じゃあ奢るから何か食べに行こう」
宗介「お、奢り…?」
千秋「え?何か警戒してない?」
宗介「べ、別に」
   顔を背ける宗介。
千秋「あーやっぱ、警戒してる」
   宗介の脇腹をくすぐる千秋。
宗介「ちょ!止めろよ!飯食ってんだろ…(笑いだす)おい、止め
 ろって!」
千秋「警戒しないって言うまで止めない!」
宗介「ちょ!」
   ゲラゲラ笑いだす宗介。
七緒「お二人とも恋人同士みたいですね」
   宗介と千秋の動きがピタッと止まる。
宗介「何でそうなんだよ…」
七緒「お二人があまりにも仲良く見えたので」
宗介「だからって…セブンも食うか?飯」
七緒「いえ…」
千秋「どしたの。食欲ないの?」
七緒「そういう訳じゃないんですが、ちょっと困った事になって」
宗介「困った事?何だよ?」
七緒「私、占いを稼業にするのは向いてないのかもしれません」
千秋「え?何その突然の衝撃発言」
宗介「恐山まで行って修行してきて復活したって言ってたじゃん水晶玉
 落としちゃってたけど」
七緒「何度占ってみても、どうしても同じ結果が出てしまうのです。そ
 れが相手への本当に導きになってるかどうか…」
宗介「うぅん…占いの事は良く分かんねぇけど、それって自分が出した
 鑑定に自信がないって事なのか?」
七緒「まぁ、そう言った所でしょうか…」
宗介「だったら…もう占い辞めたらどうなんだ?」
千秋「ちょっと宗ちゃん」
宗介「だって、そうだろ?鑑定して客から金貰ってるのにさぁ…セブ
 ンの事信頼してきてもらってる客に失礼だぞ」
七緒「…」
宗介「俺達だってそうだろ?店で皆自信もって料理作って、提供して
 る訳じゃん」
千秋「そうだけど…」
宗介「そろそろ時間だな。千秋行こうぜ」
千秋「七ちゃん大丈夫?」
七緒「はい、大丈夫です。すみません二人きりでお楽しみな所に」
宗介「だから、そうじゃねぇって。じゃあな」
七緒「いってらっしゃい」
宗介「おぅ」

〇同・玄関(朝)
   宗介が来て、後から千秋も来る。
千秋「ちょっと宗ちゃん。何もあそこまで言わなくったって」
宗介「大丈夫だって。あれ位言って丁度いいんだよ。人の心すぐ見抜く
 から、そこは嫌だけど…セブンの占いは本物だって俺は思ってるから
 さ。だからこそ、あぁやってハッパかけたら、また自信取り戻してく
 れるかもしれないじゃん」
千秋「そうなってくれるといいけど…」
宗介「もう少し様子見てみようぜ。それで、セブンがまだ落ち込んでる
 ようなら、何かまた手を考えよ」
千秋「宗ちゃん。優しいんだねー!」
   宗介の腕に絡みつく千秋。
宗介「千秋…止めろ」
千秋「はい…」

〇同・七緒の部屋・中(夕)
   部屋はカーテンで閉め切られ、薄暗くなっている。
七緒「そろそろ出掛ける準備をしなくては…」
   七緒のスマホが鳴る。
   電話に出る七緒。
七緒「もしもし…」
郁夫の声「あ、もしもし…七緒さんのスマホですか?」
七緒「はい、そうですが。その声は…?」
郁夫の声「郁夫です!」
七緒「やはり…いかがいたしましたか?」
郁夫の声「いかがいたしましたかって…飯ですよ!飯行きましょ!」
七緒「はぁ」
郁夫の声「今日はお仕事あるんすか?」
七緒「あ、ありますけど」
郁夫の声「じゃあ仕事前か後でもいいんで飯食いに行きましょうよ-」
七緒「(少し考えて)分かりました…はい、はい…では後程」
   電話を切る七緒、そして溜息を付く。

〇フラッシュ
   七緒が自身の運勢をタロットカードで占っている。
   カードをめくると運命の輪のカードが出ている。
七緒「…」

〇フラッシュ戻り
   七緒。
七緒「これは、やはり運命に従うべきなのかも…」

〇新宿駅・前(夜)
   人ごみの中柱に隠れて郁夫を待っている七緒。
郁夫「あの、何やってんすか?」
七緒「ヒィッ」
   笑っている郁夫。
郁夫「何か、七緒さんの後姿見かけたから声かけようと思ったら、陰か
 ら首だけ出してあっちこっち見てるから何してるのかなあって」
七緒「お恥ずかしい…」
郁夫「七緒さん、マジ面白いっすね(笑う)俺、七緒さん好きですよ」
七緒「え…」
   固まる七緒。
郁夫「あ、な、七緒さん?大丈夫っすか?」
七緒「は、はい、大丈夫です。多分」
郁夫「じゃ、行きましょうか」
七緒「はい」
郁夫「何食いましょうかあ…」
   話しながら人ごみの中に入っていく七緒と郁夫。

続。

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