『HERO-1グランプリ』スピンオフその2 オムニバス

第4話『説明しよう、アンドロイド39号は己の存在意義を解析するのだ』 第5話『説明しよう、演奏戦隊オトレンジャーの武器は楽器なのだ』 第6話『説明しよう、オトレンジャーロボには必殺技があるのだ』
マヤマ 山本 8 0 0 04/14
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第一稿

<登場人物>
戦闘用アンドロイド39号(25) 第4話主人公、女性型アンドロイド
オトレッド 第5、6話主人公
オトイエロー 同
オトブルー 同
オトグリーン 同
オト ...続きを読む
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<登場人物>
戦闘用アンドロイド39号(25) 第4話主人公、女性型アンドロイド
オトレッド 第5、6話主人公
オトイエロー 同
オトブルー 同
オトグリーン 同
オトピンク 同
オトシルバー レッドらの仲間

魔法少女ルナ(14) 39号の知人のヒーロー
銭湯用アンドロイド40号(25) 39号と同型、銭湯の番台
川上 恭太郎(18) バンドマン
ノイズ怪人



<本編>
○商店街
   古き良き商店街に似つかわしくない銃撃音が響き渡っている。
   T「第4話 説明しよう、アンドロイド39号は己の存在意義を解析するのだ」
   モンスターと交戦中の女性型戦闘用アンドロイド39号(25)。39号は腕から弾丸を放っている。
39号M「私には名前がない」
   互いの攻撃が中央で相殺し合う。
39号M「あえて言うなら『戦闘用アンドロイド39号』がそれに相当する」
   39号の目が光る。
39号「右後方、生命反応、二体確認。接近中、解析開始」
39号M「私の機能は二つ。破壊と、解析」
39号「解析終了。敵意皆無。共闘」
   39号の後方からやってくる魔法少女ルナ(14)と犬ほどの大きさの怪獣(名前は花子)。ルナの手にはステッキ。
ルナ「イベント発動。援護射撃!」
   ルナのステッキから光線が放たれ、モンスターの攻撃と相殺し合う。その隙にモンスターの懐に入り込む39号。
39号M「ただ、私にも唯一、解析できないものがある」
   左腕が変形したバズーカ砲を放つ39号。爆発四散するモンスター。
39号M「私自身だ」
   39号に駆け寄るルナと花子。
ルナ「お疲れさまでした〜。いや〜、花子が急に走り出すから何事かと思ったら……。あ、私の事覚えてます?」
39号「解析終了。魔法少女ルナ。本名、光木陽菜。一四歳。出身地……」
39号M「私は知りたい。誰によって私は作り出されたのか」
ルナ「良かった〜。あ、そうそう。インスタ用に写メいいですか?」
39号M「いつ、どこで作られたのか」
   2ショット写メを撮る39号とルナ。
39号M「何の為に生み出されたのか……」
    ×     ×     ×
39号「40号、発見?」
ルナ「そうなんですよ〜。花子の散歩の途中で。いや〜『39号さんに似てるな〜』と思って声かけたら、やっぱりで……」
39号「(ルナの腕を掴み)居場所、案内希望」
ルナ「? 39号さん?」
39号M「同様にナンバリングされたアンドロイド40号。ソイツに会えれば……」

○銭湯・外観
   昔ながらの銭湯。
39号M「何かわかるかもしれない」

○同・入口
   番台に立つ銭湯用アンドロイド40号(25)。姿は39号に瓜二つ。
40号「(客に)はいよ、コーヒー牛乳。(39号達に気付いて)おや、39号じゃないか。久しぶりだな」
   その姿を呆然と見つめる39号と、ルナと花子。
ルナ「(40号を指して)40号さんです」
   頭部から煙を発する39号。
39号「解析不能、解析不能……」

○ライブハウス・外観(夜)
   T「第5話 説明しよう、演奏戦隊オトレンジャーの武器は楽器なのだ」
   バンドマン達の悲鳴。
ダンN「世界から、音楽が消えた」

○同・中(夜)
   謎のブラックホールに吸い込まれていく川上恭太郎(18)らバンドマン達。その周囲にはノイズ戦闘員達。
ダンN「邪音教団ノイズによって、バンドマン達が次々と襲われたのだ」

○町中
   暴れているノイズ戦闘員達。
ダンN「しかし、一部のバンドマンが生き残り、新たなるバンド・演奏戦隊オトレンジャーを結成した!」
   ノイズ戦闘員達を、バンド形式で並び立ち待ち構える、それぞれの色の戦闘スーツを着た戦士、オトレッド、オトイエロー、オトブルー、オトグリーン、オトピンク。全員、楽器型の武器を持っている(担当楽器は後述の通り)。
   以下、軽く演奏しながら自己紹介。
レッド「燃えるドラム、オトレッド!」
イエロー「痺れるギター、オトイエロー!」
ブルー「流麗のキーボード、オトブルー!」
グリーン「堅実なベース、オトグリーン!」
ピンク「甘いボーカル、オトピンク!」
レッド「勝利のビートを響かせる」
五人「演奏戦隊オトレンジャー!」
レッド「さぁ、ファーストライブの開演だ!」
   それぞれ武器を持って走り出すレッド以外の四人。
    ×     ×     ×
   ノイズ戦闘員達に囲まれ、背中合わせに立つイエローとグリーン。
イエロー「付いて来れるんか? オッサン」
グリーン「多分、大丈夫だよ。クソガキ君」
イエロー「いくで、エレキギター!」
   電撃波で攻撃するイエロー。
グリーン「ウッドベース!」
   蔓を絡み付かせて攻撃するグリーン。
   爆発するノイズ戦闘員達を背にポーズを決めるイエローとグリーン。
    ×     ×     ×
   ノイズ戦闘員達から砲撃されるピンク。その前に立ち塞がるブルー。
ブルー「キーボード!」
   盾で砲撃を防ぐブルー。
ブルー「とりあえず、一旦安全な場所に退避した方が……」
ピンク「いいや、突っ込む!」
   ブルーの背後から飛び出すピンク。
ピンク「マイクスタンド!」
   棒状の武器を振り回し打撃攻撃を繰り出すピンク。
   爆発するノイズ戦闘員達を背にポーズを決めるブルーとピンク。
    ×     ×     ×
   ドラムセットの前でノイズ戦闘員達に囲まれるレッド。格闘術で応戦するも多勢に無勢。
レッド「くそっ。こうなったら、ドラムを、ドラムを……(ドラムセットを持ち上げられず、やむを得ず太鼓のみに手をかけ)必殺、太鼓投げ!」
   ドラムセットの太鼓を投げつけて攻撃するレッド。
   爆発するノイズ戦闘員達を背にポーズを決めるレッド。
   それを見ているピンク。
ピンク「いや、叩けよ!」

○ビル街(夜)
   ミサイルを抱え、空を飛んでいる銀色の戦士、オトシルバー。
   T「第6話 説明しよう、オトレンジャーロボには必殺技があるのだ」
シルバー「若者達よ、未来を頼んだ……」
   大爆発を起こすミサイル。
   それを見上げるレッド、イエロー、ブルー、グリーン、ピンク、ノイズ怪人。
レッド「オトシルバー!」
   煙が晴れるも、そこにシルバーの姿は見えない。
ブルー「そんな……シルバーさんが……」
レッド「俺たちはまた、仲間を……」
ノイズ怪人「フハハハハ。惨めな最期だったな、オトシルバー。ついでに、お前達も始末してやろう。出よ!」
   巨大モンスターが姿を現す。
ノイズ怪人「後は任せたぞ」
   その場を立ち去るノイズ怪人。
イエロー「待てや、逃がさへんで!」
グリーン「いや、先にあのモンスターを倒そう」
イエロー「ほな、じいさんの敵討ちはせえへん言うんか?」
グリーン「そうは言ってない。だが……」
ピンク「シルバーが身を挺して守ったこの街で、好き勝手させる訳にいかないでしょ」
ブルー「……どうする、レッド?」
レッド「……両方やる」
ブルー「え?」
レッド「ロボを呼んで、あのデカブツをさっさと倒す。それから奴を捕まえて、倒す」
イエロー「なら、ええ。さっさと行こか」
レッド「来い、オトレンジャーロボ!」
   五体のメカが空中で合体し、人型の巨大ロボ、オトレンジャーロボとなり、既に剣を振りかぶっている。

○オトレンジャーロボ・コクピット(夜)
   操縦席に座るレッド、イエロー、ブルー、グリーン、ピンク。
   以下、適宜カットバックで。
五人「クレッシェンドクラッシュ!」
   着地と同時にモンスターに切り掛かるオトレンジャーロボ。爆発四散するモンスター。
レッド「よし、次は奴を追いかけ……ん?」
   恐る恐る足を上げるオトレンジャーロボ。そこにはロボに踏みつけられ、絶命しているノイズ怪人の姿。
五人「……」
   ガッツポーズするオトレンジャーロボ。
   同じポーズをするレッド、イエロー、ブルー、グリーン。
レッド「正義は勝つ!」
ピンク「いや、勝ち方!」
             (その2 完)

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