「トップシーン脚本大賞」応募作品集第2弾 オムニバス

第2回開催記念。脚本のトップシーン(約140文字)のみの面白さを競った同賞の第1回に応募した20作品。
マヤマ 山本 82 0 0 03/09
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第一稿

『アオダモ』
○阪神甲子園球場・前
   ランニングする野球部員達の声。
新M「高校野球の聖地・甲子園」
   ランニングする新慶太(17)ら野球
   部員達。
新M ...続きを読む
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『アオダモ』
○阪神甲子園球場・前
   ランニングする野球部員達の声。
新M「高校野球の聖地・甲子園」
   ランニングする新慶太(17)ら野球
   部員達。
新M「僕達は、この甲子園を……」
   通り過ぎていく新ら野球部員達。
新M「目指さない」


『食パン咥えて走ってただけなのに』
○通学路
   食パンを咥えて走る田辺奈子(17)。
奈子「遅刻、遅刻~」
   角を曲がった時、何かにぶつかる。
奈子「痛った~。ちょっと、どこ見て……」
   奈子の眼前、男子高校生の遺体。
奈子「死んでる……!?」


『享年15歳』
○居酒屋(夜)
   「久しぶり」等と言葉を交わす三十代
   半ばの男女数十名。その中に混ざる石
   俣亨平(15)。
男「お~、石俣。お前、本当変わんねぇな」
   男の手は石俣の体をすり抜ける。
石俣「そりゃあ、死んでるからな」


『キスシーン』
○楽屋
   AD(22)の前で膝から崩れ落ちる
   俳優(30)。床に落ちる台本とフリ
   スク。
俳優「そんな……」
AD「すみません。相手事務所の意向で」
   台本には「キス」の文字。
AD「キスシーン、無くなりました」


『ケイサツ警察』
○大通り(夜)
   猛スピードで走る車を追い、サイレン
   を鳴らして走るパトカー。
警察Aの声「そこの車、止まりなさい」
   その後方、サイレンを鳴らして走って
   くるまた別のパトカー。
警察Bの声「そこのパトカー、止まりなさい」


『JANKEN』
○試合会場
   大観衆が見守る中、ステージに上がる
   日本代表のユニフォーム姿の三沢藍子
   (26)。同じく他国のユニフォーム
   姿の選手と対峙する。
藍子M「絶対に負けられない戦いが、ある」
藍子「じゃーんけーんぽん!」


『告白』
○高校・体育館裏(夕)
   対峙する吉良祐太(17)と三好愛
   (17)。
愛「ねぇ、話って何?」
吉良「えっと……」
愛「何もないなら、帰るよ?」
吉良「(意を決し)み、三好さん」
愛「(笑みを浮かべ)なぁに?」
吉良「僕、あなたが嫌いです!」


『オトナビタ小学校』
○小学校・教室
   前に立ち頭を下げる住谷友也(11)。
住谷「転校生の住谷友也です。よろしくお願
 いします」
   教室中から拍手。顔を上げる住谷。
   クラスメイトの大半は一〇代後半~三
   〇代にしか見えない。


『はじめまして、ご先祖様』
○墓地
   藤森家の墓の前にしゃがみ込み、手を
   合わせる袴田佳代(35)。上半身は
   作業着を着用。
佳代「では、始めさせていただきます」
   立ち上がる佳代。胸元には「墓参り代
   行 袴田」というバッジ。


『POCHI』
○少年の家・玄関
   靴を履く少年。
少年「さぁ、ポチ。散歩だ」
   出ていく少年。犬の鳴き声。
少年の声「あはは、よせよ。くすぐったいじ
 ゃないか」
   さらに犬の鳴き声。
少年の声「やめろよ……やめて、やめて~、
 ぎゃあああ!」


『同調圧力』
○高校・外観

○同・教室
   誰もいない。窓の外、屋上から飛び降
   りたと思しき生徒の姿が映る。しばら
   くすると一人、また一人、最後は雪崩
   のように生徒達が落ちていく。


『リア充が爆発した』
○由衣の部屋(夜)
   マンションの一室、やや高層階。
   スマホで同年代の女性のSNSを見て
   いる由衣(22)。そこに映し出され
   た、人生を謳歌する女性の姿。
由衣「けっ。リア充爆発しろ」
   窓の向こう、爆発が起きる。


『モテる男の三拍子』
○繁華街
   一人の男に集まる、女性達の視線。
茂木M「三高の男がモテる? そんな時代は
 もう終わった。今は……」
   女性達の視線の先、背が低く太ってい
   て薄毛の男・茂木(28)の姿。
茂木M「チビ、デブ、ハゲの時代なのだ!」


『キカタンにガチコイ』
○津村の部屋
   生田心夏(24)のポスターが貼られ
   た室内。軋むベッド。
津村の声「愛してるよ、心夏。結婚しよう」
   VRゴーグルを着け、心夏の抱き枕を
   相手に腰を振る津村隆明(35)。
津村「君は、僕だけのものだ」


『罪名:駆け込み乗車』
○駅
   間もなく発車せんとする電車に駆け込
   む岡夏海(20)。
夏海「乗ります~!」
   あと一歩で乗れそうなところで、警察
   官に腕を掴まれ阻まれる夏海。
夏海「え? ちょっ……」
警察官「駆け込み乗車の現行犯で逮捕する」
夏海「!?」


『リスタート』
○鶴見中継所
   中継所に向け、襷を握り締めて走る富
   樫諒(20)。意識朦朧とした様子。
   中継所で待つ先輩(22)。
富樫の声「先輩、何でそんな顔を? 何でも
 う襷を? 何で……」
   繰り上げスタートの号砲が響く。


『ole』
○事務所
   受話器に耳を当てる鷺沼(60)。こ
   の時点では顔は映っていない。
男の声「(電話口から)もしもし、オレオレ。
 事故っちゃったから、二百万振り込んでく
 れない?」
   どう見ても堅気に見えない鷺沼の顔。
男の声「もしもーし」


『似てない分身』
○研究所
   歩く博士(60)。年相応の外見。
博士M「私は、分身を作る事に成功した」
   博士の隣を歩く男の影。
博士M「しかし、一つ誤算があった」
   男の正体は分身(20)。イケメン。
博士M「私に似てないのだ」


『木に登れない猿は』
○森
   木から落ちるサル。嘲笑する木の上の他
   の猿達。
サル「くそっ。鬼の首獲ったような顔しやが
 って……」
桃太郎の声「なら、獲りに行くか?」
   振り返るサル。そこに立つ桃太郎と犬。
桃太郎「(きび団子を差し出し)鬼の首」


『かわいすぎるスーツアクトレス』
○撮影所
   怪人と戦うピンクのスーツの戦士。激
   しくかつ華麗なアクション。
監督の声「はい、OK」
   スーツの面を外すピンク。容姿端麗な
   音羽カナコ(27)が顔を見せる。
カナコ「ふぅ~っ」

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