カーツ惑星調査団 ♯2『遺跡と神 in 惑星ソムン』 SF

ナサマチ・F・ダラ(17)ら調査団一同は、エネルギー補充の引き換えとして遺跡調査の仕事に赴くことになる。 一方、タノク・M・イリウス(20)は宇宙船内にある「立入禁止」の部屋に、自身の失った記憶のヒントを求める。
マヤマ 山本 17 0 0 08/01
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第一稿

<登場人物>
タノク・M・イリウス/影タノク(20) カーツ惑星調査団団員/影の巨人
ナサマチ・F・ダラ(17)同
テシ・Y・ケルナー(8)同
ナサマチ・F・ルギエバ(46 ...続きを読む
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<登場人物>
タノク・M・イリウス/影タノク(20) カーツ惑星調査団団員/影の巨人
ナサマチ・F・ダラ(17)同
テシ・Y・ケルナー(8)同
ナサマチ・F・ルギエバ(46)同団長、ダラの父
ラヤドケ・S・リオト(33)同副団長

矢浦(26)宇宙探偵

局員     #2ゲスト
和平神・岩神 同敵



<本編>
○惑星ソムン・外観
   宇宙空間に浮かぶ藍色の惑星。
   T「惑星ソムン」

○同・入星管理局
   岩神という神をまつる石像がある。
   制服姿の局員達と向かい合うナサマチ・F・ダラ(17)とナサマチ・F・ルギエバ(46)。局員は何かを喋っているが、全く聞き取れない。ヘルメットを外し、耳を澄ませているダラ。
ダラ「(局員の言葉を聞き)……カツサ方面の言葉やな。オトン、ダイヤル61811に合わせぇや」
ナサマチ「了解や」
   ヘルメット脇のダイヤルを調節するダラとナサマチ。ラジオのチューニングが合ように、徐々に局員の言葉が明瞭に聞こえてくる。
局員「……すか。我々の言葉、通じますか?」
ナサマチ「いやぁ、お待たせしました。我々はカーツ惑星調査団の者です」
ラヤドケの声「惑星ソムン」

○ツエーツ号・共同スペース
   作戦机を囲むタノク・M・イリウス(20)、テシ・Y・ケルナー(8)、ラヤドケ・S・リオト(33)
ラヤドケ「入星管理局まで整備されている事からもわかる通り、宇宙船の往来も活発な惑星ですね」
タノク「って事は、宇宙船の燃料も割と簡単に手に入っちゃう訳か。いいねぇ、疲れなくて」
テシ「でもさ~、こういうのはちゃんと汗水流して手に入れないと、ありがたみが無いよね」
タノク「どこで覚えんだよ、そういう台詞」
ラヤドケ「ですがね、テシ君。時間をかけずに手に入れるのも大事な事なんですよ?」
テシ「そうなの?」
ラヤドケ「妙な人間に絡まれる可能性も抑えられますからね」
タノク「あ~、この間のヤツの話ね」
矢浦の声「小生、名を矢浦という者」

○(回想)惑星テンボシ・村(夕)
   ツエーツ号の前、対峙するタノク、ダラ、テシ、ナサマチに向けてレーザー銃を構える矢浦(26)。
矢浦「其方達の状況、一言で現すなら……油断」
   レーザー銃を発砲する矢浦。タノク達の後方、気配を消して近づくデノンの子(体長はタノクらと同程度)に命中する。
   デノンの子に気付き、レーザー銃を構えるタノク、ダラ、テシ、ナサマチ。
   何かを吼え、飛び去って行くデノンの子。それを追って行くデノンの子の兄弟と思しき影。
タノク「あのデカブツの子供か……」
   振り返り、再び矢浦と向かい合うタノク、ダラ、テシ、ナサマチ。
ナサマチ「いや~、助かったで。感謝します」
ダラ「この星の人ちゃうな? 旅人?」
矢浦「まぁ、そのような者」
ナサマチ「せや、何かお礼を……」
矢浦「いや、結構。今日の件、一言で現すなら……貸し」
テシ「貸し?」
矢浦「また会えると期待している、次なる星で」
   その場を立ち去る矢浦。
タノクの声「変な奴だったよな~」

○ツエーツ号・共同スペース
   作戦机を囲むタノク、テシ、ラヤドケ。
タノク「何がしたかったんだろ? 副団長、どう思う?」
ラヤドケ「私は直接お会いしていないので、何とも。ただ……」
テシ「ただ?」
ラヤドケ「(物音がして)おや、ナサマチ団長とダラさんが戻られたようですよ」
   入ってくるナサマチとダラ。
ナサマチ「おう、ただいま戻ったで」
ラヤドケ「お帰りなさい」
   それぞれ作戦机の空席に腰を下ろすナサマチとダラ。
テシ「ねぇ、エネルギーは貰えそう?」
ナサマチ「あぁ、バッチリや」
タノク「よっしゃ、さっさと出発しようぜ」
ダラ「オトン、ちゃんと説明せいや。そう簡単に貰える訳ないんやから」
ラヤドケ「と言いますと、交換条件に何か仕事でも依頼されましたか?」
ナサマチ「あぁ。遺跡調査や」
タノク&テシ「遺跡調査?」

○メインタイトル『カーツ惑星調査団』
   T「♯2 遺跡と神in惑星ソムン」

○惑星ソムン・マサパ遺跡・外観
   周囲に柵が敷かれた地上一階の遺跡。周囲には岩神の石像がある。
ラヤドケの声「マサパ遺跡」

○同・同・一階
   特に壁画等もない、暗く平凡な遺跡。ヘッドライトを頼りに歩くダラ、テシ、ナサマチ。
ラヤドケの声「百年程前に発掘された地上一階、地下二階の遺跡だそうですが、作られた理由、時代等、未だ不明との事です」
タノクの声「そんなんを、何で俺らが?」

○同・同・地下一階
   一階と同じような構造。周囲を見回すダラ。
ダラの声「『惑星調査チームなら、たやすいでしょう』言われてもうてな」
   落ちている石ころを見ているテシ。
テシの声「でも僕、惑星調査なんてした事ないよ?」
   壁に付いた砂を払うナサマチ。
ナサマチの声「そりゃあ、あの事件以降、ワイらはただ帰路を急いでるだけやからな」
   ナサマチの元にやってくるダラ。何かを話している。
ダラの声「せやのに、オトンが安請け合いしよって」
ナサマチの声「まぁまぁ。何とかなるやろ」

○同・同・地下二階
   他階と同じような構造。行き止まりの前に立つダラ、テシ、ナサマチ。テシはラジコンの操縦機のような物を持っている。
ラヤドケの声「とにかく、引き受けてしまったものは仕方ありません。各自、全力を尽くしましょう」
ダラ&テシ&ナサマチの声「了解」
ダラ「……コレで、行き止まり?」
ナサマチ「何もあらへんな」
   天井付近を動くソフトボール程の大きさの球体のカメラ。操縦機で操作するテシ。タブレット端末を取り出すダラ。カメラが撮影した映像が映る。
ダラ「せやな」
   映像にダラとナサマチが映る。振り返るとテシが勝手にカメラを動かしている。
ダラ「こら、ケルナー。オモチャちゃうで」
テシ「へへっ」
ダラ「まったく……ん?」
   タブレット端末の映像、ダラとナサマチの足下に何かが映っている。
ダラ「何コレ?」
   実際に足下を見るも、何もない。
ダラ「カメラに映ってるのに……あ、全員ライト消しぃ」
テシ「え?」
ナサマチ「何や?」
   ヘッドライトを消すダラ、テシ、ナサマチ。暗闇の中、ダラとナサマチの足下に文字らしきものが浮かび上がる。
ダラ「これ、何かの文字やろか……?」

○ツエーツ号・共同スペース
   入ってくるダラ、テシ、ナサマチ。
ダラ「結局、手がかりはあの文字だけやな」
ラヤドケ「お帰りなさい」
ナサマチ「おう、ただいま戻ったで」
ダラ「ん?」
   コクピットに座るラヤドケと、作戦机に突っ伏して爆睡しているタノク。
ダラ「イ~リ~ウ~ス~!」
   タノクの頭を思い切り引っ叩くダラ。目を覚ますタノク。
タノク「っ痛ぇな。お疲れ、どうだった?」
ダラ「何が『お疲れ』や」
タノク「いいじゃねぇかよ。俺は『不測の事態に備えてココで待機』って任務に忠実に従ったまでだ。『休むのも仕事のうち』ってな」
テシ「そうなんだ~、覚えとこ~」
ダラ「コラ、ケルナー。変な言葉ばっかり覚えたらあかん。意味もよう知らんくせに」
テシ「はーい」
ダラ「言葉の意味、か……」

○同・ダラの部屋(夜)
   女性らしいものは何もなく、様々な言語の辞書やサンドバックが置いてある。
   机の上のパソコンに向かっているダラ。遺跡で見つけた文字を解読しようとしている。パソコンの画面に表示される「NO DATA」の文字。
ダラ「データベースに載ってない文字、となると……」
   三千ページ程の分厚い辞書を手に取るダラ。
ダラ「こん中から探すしかないんか……」
   横に目をやると、同じ辞書の二~一二巻が積んである。
ダラ「……よし。休むのも仕事のうちや」

○同・安置室・前(夜)
   コーヒーを飲みながら廊下を歩くダラ。
ダラ「地道に一ページずつ見ていくしかないんやろうけど……そんな事しとったら日ぃ暮れてまうわ。もう暮れとるけど。……ん?」
   ドアの前に立つタノク。
ダラ「珍しいな。イリウスが夜更かしやなんて」
タノク「おう、ダラ。何か目ぇ冴えちまってな」
ダラ「あんな時間から爆睡しとるからや」
タノク「まぁ、いいや。ちょうど良かった。この部屋、何?」
ダラ「ん?」
   ドアに貼られた「関係者以外立入禁止」の紙。その脇のカードリーダーに自身のIDカードを翳すタノク。エラー音。
タノク「俺のIDじゃ入れねぇんだけど、俺って関係者じゃねぇの?」
ダラ「あ~、ココはウチもよう知らん」
   カードリーダーに自身のIDカードを翳すダラ。エラー音。
ダラ「ほら、ウチも入られへん」
タノク「ダラって、関係者じゃなかったのか?」
ダラ「やかましいわ。多分、オトンとリオトさんくらいしか入れんのとちゃう?」
タノク「団長に頼めば入れてもらえっかな?」
ダラ「理由次第ちゃう? 何で入りたいん?」
タノク「入った事ねぇから」
ダラ「却下されるやろな」
タノク「だってよ、俺が記憶失くしてから、この船で入った事ねぇ部屋、ココだけだぜ?」
ダラ「だから、何や?」
タノク「少なくとも他の部屋では、俺は記憶を取り戻せなかった。あと可能性が残ってんのは、この部屋だけ」
ダラ「『記憶』いうんは、部屋に入れば戻るもんちゃうと思うけどな」
タノク「闇雲に探してたら、記憶なんていつ戻っかわかんねぇだろ? だったら、ソレっぽい所から順番に、可能性潰してった方が早ぇと思わねぇ?」
ダラ「そういうもんやろか?」
タノク「そういうもん。ダラもいつ記憶失くすかわかんねぇんだから、覚えとけよ」
ダラ「……なぁ、イリウス」
タノク「ん?」
ダラ「もしウチが記憶失くしたら、今の会話も忘れてんと違うか?」
タノク「それは言えてんな」

○同・ダラの部屋(夜)
   机に向かうダラ。
ダラ「(辞書の山を目にし)さてと、どこから手を付けたらええもんか……」

○(フラッシュ)同・安置室・前(夜)
   ドアの前に立つタノクとダラ。
タノク「ソレっぽい所から順番に、可能性潰してった方が早ぇと思わねぇ?」

○同・ダラの部屋(夜)
   机に向かうダラ。
ダラ「ソレっぽい所、か」
   遺跡内の写真を手に取るダラ。
ダラ「行き止まりの場所に書く文字いうたら、『ゴール』とか、あとは……」

○(フラッシュ)同・安置室・前(夜)
   ドアに貼られた「関係者以外立入禁止」の紙。

○同・ダラの部屋(夜)
   机に向かうダラ。
ダラ「立入禁止……」
   辞書を手に取るダラ。
ナサマチの声「わかったんか?」

○同・共同スペース(朝)
   作戦机を囲むタノク、ダラ、テシ、ナサマチ、ラヤドケ。机に広げられた遺跡内の文字の写真と辞書のコピー画像。両者は同じ文字。
ダラ「まぁな。アレは古代ソバキ文字。意味は『ここより先、立ち入るべからず』や」
テシ「ダラちゃん凄~い」
ナサマチ「まぁ、ワイの娘やからな」
ラヤドケ「となると、あの遺跡には『ここより先』がある、という事になりますね」
ダラ「せやけど、壁の向こうに何かある気配はせぇへんかったんですよね」
ラヤドケ「どちらにせよ、再調査が必要なようですね」
タノク「よーし、みんな頑張れよ」
ラヤドケ「いえ、今回はタノクさんも一緒に行って下さい」
タノク「え、俺も? 何で? 面倒くせぇ」
ラヤドケ「同じメンバーで向かっても、同じ結果になる恐れがありますからね」

○惑星ソムン・マサパ遺跡・外観

○同・同・地下二階
   文字の付近に立つ四人
タノク「……で、こっから先って、どこよ?」
テシ「(一番奥の壁側を指し)アッチじゃないの?」
ダラ「(残りの三方向を指し)いや、コッチかも、ソッチかも、アッチかもしれへんで?」
ナサマチ「とりあえず、片っ端から調べてみるしかあらへんな」
   それぞれの壁を叩く四人
ダラ「どう思う?」
タノク「立ち入れそうな空間が無さそうな音」
ダラ「同感や。オトンは……?」
   球体カメラを操作するナサマチと、それに飛びついて遊ぶテシ。
ナサマチ「ほれほれ」
テシ「(飛びついて)えいっ、えいっ!」
   耳を澄ませるタノク。
ダラ「二人とも、遊ぶんやないっ!」
テシ「……ごめんなさい」
ナサマチ「ま、まぁ、そんな怒らんでも」
ダラ「ケルナーはともかく、オトンはいい歳して何やって……」
タノク「いや、ダラ。ちょっと待った」
ダラ「え?」
   床を数度踏みつけるタノク。
タノク「これだ」
ナサマチ「これって、どれや?」
ダラ「(気づいて)……まさか」
テシ「え、何なに?」
ダラ「ウチらは地上から地下に降りてきた。つまり『この先』いうのは……」
タノク「地下三階」
ナサマチ「まだ下がある言うんか?」
タノク「(床を数度踏み)少なくとも、一番下の階の床の音じゃねぇ」
ナサマチ「……いや、違いがわからんわ」
ダラ「ウチはイリウスの感覚を信じるで。理にもかなっとるし」
テシ「でも階段ないよ?」
タノク「床、ぶっ壊しゃいいだろ?」
ダラ「この星の重要文化財を壊してえぇ訳ないやろが」
タノク「じゃあ、どうすんだよ?」
ダラ「せやな……あ、せや。ケルナー」
テシ「え、僕?」
    ×     ×     ×
   両手で包むように球体カメラを握るテシ。粒子状の光となり、石の中に吸い込まれるように消えて行く球体カメラ。
ダラ「よし、次や。下に、やで?」
テシ「うん」
   今度は石を握りしめるテシ。粒子状の光が床下に続いて行く。
タノク「……コレで行けんのか?」
ダラ「行けるとえぇな、いう話や」
テシ「出たよ」
   タブレット端末に目をやるダラ。映像を受信する。
ダラ「オトン!」
   操縦機を操作するナサマチ。
ナサマチ「どや?」
ダラ「大成功や」

○同・同・地下三階
   床から天井までの高さは四〇メートル以上ある、巨大な空間。球体カメラが一台、空中を移動している。
テシの声「コレが、地下三階……」

○同・同・地下二階
   ダラの持つタブレット端末の映像を覗き込むタノク、テシ、ナサマチ。ナサマチはカメラの操縦機を持っている。
   タブレット端末に映る地下三階の様子。
タノク「何か、めっちゃ広いな」
ダラ「ん? 今、何か映らんかった?」
   タブレット端末に映る怪獣のミイラ。
タノク「怪獣!?」
ダラ「オトン、下がり」
   その場で一歩下がるナサマチ。
ダラ「ちゃうわ。カメラの位置を後ろに下げ、言うてんねん」
ナサマチ「おう、すまんすまん」
   タブレット端末に映る怪獣のミイラの引きの画。動く気配がない。
テシ「ねぇ。怪獣さん、動かないよ?」
ダラ「確かに。もしかして……オトン、前進」
   その場で一歩前に出るナサマチ。
ダラ「……もうツッコまんで」
ナサマチ「冷たいわ~。親の顔が見てみたいで」

○同・同・地下三階
   体長三〇メートル程の怪獣のミイラ。そこに近づいて行く球体カメラ。
ナサマチの声「コレ、多分生きてる怪獣やないな。剥製か、ミイラ……?」

○同・同・地下二階
   タブレット端末に映る怪獣のミイラ。
ダラ「確か、この星には怪獣なんて居らんかったハズじゃ?」
ナサマチ「歴史的な大発見かもしれへんな」
   何かの声が聞こえる。
タノク「なぁ、さっきから何か聞こえねぇ?」
ダラ「え?」
   耳を澄ます四人。何か喋っているようだが不明瞭。
テシ「聞こえるけど、わかんない」
ナサマチ「この星の言語とはまたちゃうな?」
ダラ「もしかして、古代ソバキの……? ダイヤル238や」
   ヘルメットのダイヤルを操作する四人。徐々に明瞭になる声。
岩神の声「……これが最後の警告である。我が封じ込めた、この忌まわしき怪獣どもの力を利用せんとする悪しき侵入者どもに告ぐ。今すぐこの場を立ち去れ」
タノク「……なぁ、コレ、やべぇんじゃね?」
テシ「僕もそう思う」
ダラ「同じく」
ナサマチ「そ、総員退避~!」
   逃げ出す四人。地鳴り
岩神の声「我は警告した。しかし、それを聞かない汝らに対し、我は力を行使する」
タノク「バカ、もうちょい待てっての」

○同・同・外
   出てくるタノク、ダラ、テシ、ナサマチ。体長三〇メートル程の全身岩で出来た巨人、岩神が出現する。
ナサマチ「何だ、アレ?」
テシ「怪獣さん?」
ダラ「いや……岩神」
タノク「岩神?」

○(フラッシュ)同・入星管理局
   岩神をまつる石像がある。
ダラの声「この地方に代々伝わる神様や」

○同・マサパ遺跡・外
   岩神を見上げるタノク、ダラ、テシ、ナサマチ。
ナサマチ「神様? どうするんや?」
ダラ「知らんけど……多分このままやとウチら、全員殺されるで?」
タノク「だったら、やってやっか」
   上空を飛ぶツエーツ号。

○ツエーツ号・共同スペース
   コクピットに座るラヤドケ
ラヤドケ「プワツナー砲、発射!」

○惑星ソムン・マサパ遺跡・外
   プワツナー砲で岩神を攻撃するツエーツ号。岩神が怯んだ隙に、サーゼボックスが降下してくる。
ラヤドケの声「今ですよ、タノクさん」
タノク「了解」
ダラ「怪獣と戦うのは嫌なくせに、神様ならえぇんか?」
タノク「勘違いすんな。俺は、俺が生き抜く為に戦うんだ。相手が怪獣だろうと、神様だろうと、人間だろうとな」
   ダラとグータッチをし、サーセボックスの中に入って行くタノク。

○サーゼボックス・中
   中央に立つタノク。光に包まれる。

○惑星ソムン・マサパ遺跡・外
   伸びて行くタノクの影。
ダラ「オトン、サイズは?」
ナサマチ「三〇って所やな」
ダラ「サイズ三〇。サーゼシステム、起動!」
   影タノクが出現する。
影タノク「さて、神様とやら。どっちが勝っても恨みっこなしだ」
岩神「神に抗おうとは、無謀なり」
   戦う影タノクと岩神。岩神の固い体に苦戦する影タノク。
影タノク「固っ。おい、ダラ。寄越せ」
ダラ「はいよ」
   ミニサーゼに剣のフィルムを差し込むダラ。
ダラ「ミニサーゼシステム、起動!」
   出現した黒い剣を手に戦う影タノク。あまり効果はない。
影タノク「剣でもダメか……。おい、ダラ。だったらアレだ」
ダラ「アレいうんは、コレやな?」
   ハンマーのフィルムを取り出すダラ。ミニサーゼの先端に差し込む。
ダラ「ミニサーゼシステム、起動!」
   ハンマーの形をした影が実体化し、黒いハンマーが出現する。それを手に取る影タノク。
影タノク「よっしゃ、反撃開始だ」
   ハンマーで岩神に効果的にダメージを影タノク。
岩神「ぐっ。神にたてつくとは、愚かなり」
影タノク「なぁ、神様とやら。一個聞かせてくれよ。あの怪獣達、あんな風にしたのはお前か?」
岩神「いかにも、我である」
影タノク「何で?」
岩神「簡単な事。あの怪獣どもは我に逆らったからだ。それに比べて、人間は利口だ。我に従う。なのに、何故、何故汝らは~!」
影タノク「ふ~ん。神様って言うから期待したけど、随分傲慢なんだな」
岩神「汝、口を慎め。我が怪獣を封じ込めたからこそ、人間も平和に暮らしているのだ!」
影タノク「どこがだ? 見てみろよ」
   下を見下ろす岩神。逃げ惑う人々。
影タノク「今、人間が逃げ回ってんのは、誰のせいだ?」
岩神「汝らが我の忠告を無視したからだ」
影タノク「随分、自分本位な神様だ事。案外、気が合うかもな」
岩神「何?」
影タノク「俺からも忠告しとくぜ。おとなしく引き下がってくんねぇなら、神様とはいえ、俺も手加減しねぇぞ?」
岩神「神に忠告するとは、傲慢なり。そもそも汝が手加減しなかったとして、我はどうなるというのだ?」
影タノク「そん時は、そん時だ」
   ハンマーを振りかぶる影タノク。
影タノク「シャドーストライク!」
   ハンマーで下から殴り空へ吹っ飛ばされる岩神。空中で爆発四散。
    ×     ×     ×
   その戦いを遠くから見ている矢浦。
矢浦「収穫はなしか、この星でも。考えるとしよう、次の手を」

○ツエーツ号・共同スペース(夜)
   作戦机を囲み、マサパ遺跡地下三階の映像を見ているタノク、ダラ、テシ、ナサマチ、ラヤドケ。
ナサマチ「この映像を提供して、今回の調査は完了やな」
ダラ「向こうの人は何て?」
ナサマチ「満足してたで。この星の歴史も変わるし、残りの調査は自分達でやるんやと」
タノク「よっしゃ、じゃあ仕事終わりだな? お疲れさ~ん」
   と言って部屋から出ていくタノク。その後姿を目で追うダラ。

○同・廊下(夜)
   歩いているタノク。後方から追いかけてやってくるダラ。
ダラ「なぁ、イリウス。あれ、どういう意味や?」
タノク「あれって、どれ?」
ダラ「『怪獣でも、神様でも、人間でも』て」
タノク「そのまんまだろ。怪獣倒して、神様も倒してんのに、人間倒しちゃいけない理由って何かあんの? そん時は、そん時だろ?」
   歩き去るタノクの姿を立ち尽くすように見送るダラ。ダラが立っている場所は、安置室のドアの目の前。

○同・ナサマチの部屋(夜)
   料理本を読んでいるナサマチ。ノックし、入ってくるダラ。
ダラ「オトン、今えぇか?」
ナサマチ「どうしたんや、ダラ。珍しいな?」
ダラ「あ~、うん。何か、簡単に作れる料理の本、あらへんかな~思うて」
ナサマチ「お、ついにダラも料理に目覚めたんか? 任せとき。確か、おすすめの本がどこかに……」
   席を離れ本棚を漁るナサマチ。その隙に、机の上にあるナサマチのIDカードを手に取るダラ。
ナサマチ「コレで足りるか?」
   ナサマチから渡される料理本の山。
ダラ「……あ~、うん。一冊でえぇわ」

○同・安置室・前(夜)
   ナサマチのIDカードを翳すダラ。ロックが解除される。
   息をのみ、中に入るダラ。

○同・同・中(夜)
   恐る恐る中に入るダラ。懐中電灯を頼りに歩く。
ダラ「何や、気味悪い部屋やな……」
   しばらく歩くと懐中電灯が人の顔を照らす。
ダラ「わっ!?」
   ケースに、ウエットスーツを着た人間の遺体が入ったカプセルのようなケースが数十体並んでいる。
ダラ「な……何や、コレ……?」
              (♯3へ続く)

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