詩織はどことなく懐かしいにおいのする日本家屋の奥で休んでいた。
一方の春江は理人の祖父母になぜかありがたがられている。
少々戸惑っている春江は祖父母の話をずっと聞いている。
理人は浴衣を着て詩織の待つ和室にノックした。
理人「おはよ、高速バスしかなくってごめんね、春江さんも眠たそう」
あくびをする理人に眠い目をこすり詩織はつられてあくびをする。
二人ははにかみながら笑い、2階で休む親を心配したが案の定大きないびきが聞こえてきてうるさい。春江はいらいらして正雄をたたき起こした。
爆笑に包まれる霧島家。
祖父母は目に涙をためていた。
理人も祖父母に頭を下げてこういう。
理人「詩織さんとの交際、認めてくださいますか」
祖父母は深くうなづいた。
正雄も母も春江も嬉しそうにうなづいた。
理人「僕は家を守るために大学に行った。けどそこで知り合った詩織さんを見て泣きそうになった」
春江はずっと自分の息子がそう言っているように見えて仕方ない。目に涙を浮かべている。
詩織も理人の隣に座った。
詩織「よろしければ仏前にお参りさせてください」
正雄も正直おなかは空いていないし、この土地に興味を持っていた。
理人は詩織の手を握りしめたまま、ずっと何かをつぶやいている。
大丈夫大丈夫と。
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