〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太
・松本一樹
・古川紘
・長谷川なつき
・聖川琉華
・竹野内亮
〇シェアハウス・中・リビング(朝)
なつきが宗介を抱きしめてはしゃいでいる。
千秋の声「宗ちゃん…何やってんの?」
宗介「え?」
宗介が振り返ると、怖い顔で宗介を見ている千秋。
千秋「何で、宗ちゃんとなっちゃんが抱きあってんの?」
宗介「あ?ち、違うって!」
なつき「ちーちゃん!やったよ!僕が書いた本のサイン会開かれる
事になった!」
千秋「え?マジで?」
宗介を押しのけ、なつきを抱きしめる千秋。
宗介「イッてぇなぁっ!」
千秋「なっちゃーんおめでとう!」
なつき「更に、新しい仕事も頂きました!」
千秋「うわぁー!更におめでとう!」
なつきと千秋が抱き合って喜んでるのを呆れた顔で見る宗介。
〇『PART7』・中・厨房
雄太と一樹が驚いた顔をし、亮はウンウンと頷いている。
雄太「え?お二人がですか?」
一樹「付き合う事になったんですか?」
宗介「ま、まぁな」
千秋「一応、そういう事になって…ちょっと前から付き合い始めてたん
だけど、皆には話しておこうってなったから…」
亮「いいじゃないですかぁ。二人、なかなかいいカップルに見えます
よ」
宗介「ちょっと、亮さん…(照れる)」
亮「何、宗ちゃん照れてんの?」
宗介「もぅ、亮さん!」
千秋「はい!じゃあこの話はここまで。あんまり言っちゃうと宗ちゃ
ん仕事してくれなくなるから(笑う)じゃ、改めて宜しくお願いし
ます」
宗介「宜しくお願いします」
亮達が拍手をしている。
〇シェアハウス・リビング
電話をしながら来るなつき。
なつき「はい。じゃあ流れはそんな感じで描いてみたいと思います。は
い…はい」
キッチンから紘が来る。
なつき「はい、じゃあまたこちらからも連絡させて頂きます。失礼しま
す」
電話を切るなつき。
なつき「あっ、紘居たんだー」
紘「おぅ。今日休みなんだ。これからコスプレの衣装とか見に行こうか
なって思ってたんだけど…なっちゃん一緒に…」
なつき「あぁ、ごめん。仕事入ってるから進めなきゃいけないんだー」
紘「だよなぁ」
なつき「遂に僕の時代がやって来たのかもー!サイン会もやる予定だ
から決まったら教えるし紘も来てよね!」
紘「もちろん」
なつき「じゃ、部屋に戻るわ。買い物気を付けて行ってきてねー!」
部屋に戻っていくなつき。
溜息を付いてソファーに座る紘。
気配を感じ、顔を上げると七緒が立っている。
七緒「何かお困りですね…」
紘「おぉ、七ちゃん」
七緒「いかが致しましたか?」
紘「いや、これからコスプレの衣装見に行こうかなって思ってなっちゃ
ん誘おうと思ったんだけど、忙しいみたいでフラれちゃった」
七緒「それは…」
紘「あっ…七ちゃん良かったら」
顔を上げると七緒は居ない。
紘「あれ?居ない…」
ホワイトボードを見ると、『占いの講習会の為付き合えずすみま
せん』と、書かれてある。
紘「七ちゃんいつの間に書いてたんだ…あっ琉華…」
〇同・琉華の部屋・前
ドアノックをする紘。
紘「おーい琉華ー?」
琉華の返事は無い。
紘「開けるぞー」
ドアを開け、部屋の中を見る紘。
琉華は鼾をかきながら眠っている。
紘「あぁ寝てるのか…起こしたら悪いな」
静かにドアを閉め溜息を付く紘。
紘「一人で行ってくるか」
〇『PART7』・中・ホール(夕)
満席に近い感じで雄太と一樹がホールを回している。
雄太「やっべ、また混んできたか?」
一樹「がんばろ…」
〇同・同・厨房(夕)
宗介がオムライスを作っている。
チキンライスを卵の上に乗せ奇麗に包んでいく。
宗介「よしっ」
皿に奇麗に盛り付けケチャップを盛り付ける宗介。
宗介「完璧…はい雄太ー、オムライス出来たー」
雄太「うぃっす」
宗介からオムライスを受け取る雄太。
〇同・同・ホール(夕)
雄太がオムライスを持って年配男性の所に持って行く。
雄太「お待たせしました。オムライスです」
客「どうも、ありがとう」
雄太「ごゆっくりどうぞ」
下がる雄太。
笑顔で頷きオムライスを食べる客。
雄太「なぁ、一樹」
一樹「ん?」
雄太「あの、お客さん最近、良く来てるよな?」
一樹「どのお客さん?」
雄太「ほら、あのオムライスのお客さん」
一樹がオムライスを食べている客に目をやる。
一樹「あぁ、そういえばよく見かけるような…」
雄太「いつも、決まってオムライスなんだよなあ。よっぽど気にいって
んだろうな宗介さんが作るオムライス」
一樹「いいじゃん。これでまた一人常連さんが増えたんだし」
雄太「まぁなぁ」
オムライスを食べている客を見ている雄太。
一樹「何か気になんの?」
雄太「いやぁ…」
一樹「何?タイプなの?」
雄太「ちげぇよ!」
〇シェアハウス・リビング(夜)
宗介、千秋、七緒、琉華が夜ご飯を食べている。
琉華「あぁ、うめぇ。美味しいもの食べてると、生きてるって感じする
よなあ」
宗介「大袈裟だなあ(笑う)」
琉華「大袈裟じゃねぇよ。俺は一度生死をさまよったんだぞ。そこから
無事生還してこうやって美味しいものが食べられる。幸せじゃ
ね?」
千秋「美味しいもの食べて隣には恋人がいて、本当に幸せだねー」
琉華「それは千秋もだろ?」
お互い顔を見て照れる宗介と千秋。
琉華「何照れてんだよ」
宗介「別に照れてねぇよ…そういえば、なつき飯食べなくて大丈夫なの
か?」
七緒「さっき、声をかけたんですが、原稿進めときたいって事で断られ
ました」
千秋「なっちゃん、大丈夫かなあ…根詰めすぎて体調崩したりしなきゃ
いいけど」
皆で二階を見上げる。
宗介「まぁ、あまり無理してるようだったら俺達で引き止めよう」
皆で頷く。
宗介「琉華。そう言えば新しい仕事。何か見つかりそうか?」
琉華「あぁ、色々見たりはしてるんだけどさ…なかなかいいのがなぁ」
宗介「まぁ琉華のペースもあるだろうけどさ…このままだとニートだぞ
まさかセブンのヒモになるつもりじゃ」
琉華「ならねーよ!ヒモになんか!ちゃんと探してるよ」
七緒「宗介さん、安心して下さい。琉華さんを占ったとこ、今光が見え
始めた所でもうすぐ、琉華さんに会った仕事が見つかりそうな予兆が
見えてますので」
琉華「ほら。七緒もそう言ってくれてるだろ ?」
宗介「はい、はい。上手く二人でやってくれ」
〇同・二階・廊下(時間経過・夜)
紘がコスプレ衣装の下げ袋とミートパイが入った紙袋を持ってく
る。
なつきの部屋の前へ行きドアノックをする紘。
紘「なっちゃん、起きてる?」
なつきの声「うーん」
紘「ちょっと、開けるよー」
ドアを開ける紘。
〇同・同・なつきの部屋・中(夜)
なつきが必死に絵を描いている。
紘「頑張ってんだな」
なつき「うん、まだキリがいい所までは時間かかりそうだけどね」
紘「ちょっと休憩したらどう?」
なつき「そうしたいけど…(少しイラついて)何?何かあったの?」
紘「いや…美味しいミートパイがある店に寄って買ってきたんだ。ちょ
っと休憩して食べたら?」
なつき「あーそこ置いといて」
紘「…」
なつき「ごめん、そこに居るとちょっと気が散る」
紘「お、おぅ。じゃあここ置いとくから。時間空いたら食べて。じゃあ
な」
ラックにミートパイが入った紙袋を置いて部屋を出る紘。
〇同・同・同・前(夜)
溜息を付く紘。
宗介が部屋から出てくる。
宗介「おぉ!びっくりしたー」
紘「宗ちゃん」
宗介「目が覚めちゃってよ。小便」
紘「…」
宗介「ん?どうした?何かあったか?」
紘「何でもない」
無理に笑顔を作り首を横に振る紘。
宗介「そうか?」
紘「はやく、トイレ行かないと漏らすよ?」
宗介「バカ。この歳になって漏らすとかありえねぇよ。じゃあ…トイレ
行ってくる」
紘「おやすみ」
宗介「おやすみ」
〇同・同・同・中(日替わり・朝)
原稿の上に突っ伏して眠っているなつき。
紘が置いて行ったミートパイの入った紙袋はそのままになってい
る。
なつきが涎を垂らし原稿に付いてしまう。
なつき「ん…」
目を覚ますなつき。
なつき「あ…寝てた…」
原稿を見るなつき。
なつき「あっ!あぁぁぁ!」
涎が付いた原稿を見るなつき。
なつき「また、これやり直しじゃん…」
〇同・一階・リビング(朝)
落胆したなつきが来る。
朝食を取っている紘、宗介、千秋。
千秋「あぁ、なっちゃんおはよう」
ショックでソファーに座り込むなつき
宗介「どした?顔死んでるけど」
なつき「うぅ…」
紘「なっちゃん?」
なつき「いつの間にか寝ちゃってたみたいで原稿に涎が付いちゃってた
…」
千秋「あぁあ…じゃあまたやり直し?」
うなだれて頷くなつき。
紘「なっちゃん…」
なつきの頭に触れようとする紘。
千秋「紘!」
紘「えっ?」
とっさに手を隠す紘。
千秋「仕事、時間じゃない?さっき今日は早いって言ってたし」
壁に掛けてある時計を見る紘。
紘「やっべ!行ってくる!」
宗介「気をつけてな!」
紘「うん」
なつきの事が気がかりなまま、リビングを出て行く紘。
続。
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