〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太
・松本一樹
・長谷川なつき
・中島英二
・聖川琉華
・竹野内亮
・乾椿
・ツバサ
〇シェアハウス・リビング(朝)
琉華が鞄に自分の荷物を詰め込んでいる。
宗介が起きてくる。
宗介「おはよう…」
琉華「はよ」
宗介「退院おめでとう」
琉華「おぅ、サンキュ」
宗介「昨日帰ってくるの、遅かったし琉華寝てたから、今日になって悪
い」
琉華「気にすんなって…」
荷物を入れ終わる琉華。
宗介「んで、何やってんの?」
千秋が起きてくる。
千秋「おはよう…あっ琉華!お帰り!」
琉華「ただいま!」
千秋「(琉華の様子を見て)あれ、琉華。どしたの?」
琉華「あっこれ?」
千秋「そう」
琉華「俺、今日病院なんだけど、終わったらそのまま旅に出てくる」
廊下で琉華達の話を聞いている七緒。
宗介「旅?旅ってどこ行くんだよ」
琉華「決めてない」
千秋「決めてないって…」
琉華「大丈夫だよ。俺の体の事は俺が一番知ってるから。んで、その後
どこかフラッと旅してこようかなって」
千秋「ちょっと、仕事は?」
琉華「辞める」
宗介「え?何で?」
琉華「まぁ色々考えてんだよ。じゃ、俺行ってくる」
宗介「待てよ。今日の夜琉華の快気祝い使用って話してたのに」
琉華「折角だけど今日はいいや。別にそんな事してくれなくてもいい
よ。迷惑かけた上にお祝いまでされたら居心地悪りぃ」
宗介「でも…」
琉華「どうしても、宗介達がやりたいって言ってくれるんなら…じゃ俺
が旅から帰って来た時頼むわ。じゃあ行ってくる」
荷物を持ちリビングを出て行く琉華を見て顔を見合わせ首を傾げ
る宗介と千秋。
〇同・廊下(朝)
荷物を持った琉華が来て七緒と目が合う。
琉華「おぅ、おはよう」
七緒「おはようございます]
琉華「じゃ、行ってくるな」
七緒「あの…」
琉華「ん?」
七緒「帰ってきてくれますよね?ちゃんと…ここに、帰ってきてくれ
ますよね?」
琉華「(笑って)当たり前だろ?」
心配そうに琉華を見ている七緒。
琉華「俺が帰ってくるところはここしかねぇの(頭ポンポンして)じゃ
あな、行ってくる」
玄関へ行き靴を履いている琉華の後姿を見ている七緒。
琉華「(振り返り)じゃあな」
七緒「行ってらっしゃい…」
〇『STARLIGHT』・事務所・中
椿が事務作業をしている。
ドアノックの音。
椿「はい」
ドアを開け、琉華が入ってくる。
琉華「お疲れ様です」
椿「琉華…」
椿の所へ行き退職願を書いた封筒を机の上に置く琉華。
琉華「お願いします」
椿「琉華…やっぱり気持ちは変わらないのか?」
琉華「はい…」
退職願を手に取り封筒を眺めている椿。
椿「こんなもの…」
両手で退職願を破ろうとする椿。
琉華「ちょっと!」
破る真似だけで終わる椿。
椿「なんてな…」
溜息を付く琉華。
椿「ここ辞めて、これからどうするんだ?」
琉華「どこか、旅にでも出ようと思って」
椿「旅?」
琉華「色々な事忘れていったんリセットしようかなって」
椿「そうか…」
琉華「色々とお世話になりました。椿さんとは恋人同士にはなれなか
ったけど…でも、楽しかったです」
笑いながらソファーに座る椿。
椿「俺の事好きなやつって今まで、何人も居たけど…フラれたのは琉
華が初めてだ」
琉華「…」
椿「言い寄ってくる男には付き合ってるように見せかけて利用して…
飽きたら捨てて…でも、琉華だけは違った」
琉華「椿さん…」
椿「遊びすぎた罰が下ったのかな」
力なく笑う椿。
琉華が、椿の肩に手を添えようとするが、首を横に振り留ま
る。
琉華「本当にお世話になりました…それじゃあ」
事務室を出て行く琉華。
天井を見上げる椿。
目にうっすらと涙が浮かぶ。
〇同・前
琉華が事務室のドアを見ている。
涙がこぼれてくる琉華。
礼をして、後にする琉華。
〇『ブルースカイ』・中(夜)
カウンターの中で仕事をしているツバサとなつき。
宗介と千秋が来る。
ツバサ「あらー!宗ちゃーんいらっしゃーい!」
千秋「ちょっと…俺も居るんだけど」
ツバサ「(わざとに)千秋ー(手を振る)」
千秋「…」
ツバサ「何よそのリアクション。手振ったの損したわ!」
カウンター席に座る宗介と千秋。
なつき「いらっしゃい、何飲む」
宗介「ウーロン茶」
ツバサ「はいはーい!宗ちゃんのウーロン茶、アタシが作るからなつ
きは千秋の飲み物作ってあげて」
千秋「俺ビールで」
なつき「はいはーい」
ツバサ「二人揃ってなんて、珍しいわね」
宗介「ちょっと色々あったけど、それも片付きそうだし、たまには行
ってみようかって」
ツバサ「色々?」
宗介「まぁ…色々…」
ツバサ「ふーん」
宗介「わりぃ、ちょっとトイレ」
席を立ちトイレに行く宗介。
ツバサ「ちょっと千秋、あれからどうなったのよ?」
千秋「どうって…」
ツバサ「千秋の元カレの事に決まってるでしょうが!」
千秋「宗ちゃんにもバレたし」
ツバサ「何やってんのよ」
千秋「でも、ちゃんと三人で話し合って、解決…したと思う」
ツバサ「思うって、それじゃダメじゃない。ちゃんと解決した。なら
分かるけど…」
宗介がトイレから戻ってくる。
ツバサ「これからの宗ちゃんと千秋の為にも」
千秋「ちょっとママ」
宗介が戻ってくる。
宗介「俺が、どうかしたの?」
ツバサ「え?(焦って)」
宗介「俺の名前出てたから、何かなって」
ツバサ「いや、それは…」
なつき「ママがまた宗ちゃん狙ってたから、ノンケの宗ちゃんにちょ
っかいかけないでって、ちーちゃんが言ってたとこ」
宗介「そ、そうなんだ」
千秋「そう!もうちょっと油断すると、ママ直ぐ狙ってくるから宗ち
ゃん気を付けて」
宗介「お、おぅ…」
〇シェアハウス・リビング(夜)
宗介と千秋が帰ってくる。
宗介「あぁ…疲れたなぁ」
千秋「明日も仕事あるし寝よう」
宗介「あぁ…もう皆も寝てるんだろうしな」
千秋「ねぇ…」
宗介の腕を掴む千秋。
宗介「何?」
千秋「今日さあ…一緒に…寝ない?」
宗介「え?」
千秋「だって、琉華もなっちゃんも居ないし七ちゃんと紘は…」
ホワイトボードを指さす千秋。
七緒も紘も仕事で家に居ないと伝言が書かれている。
千秋「家に誰も居ないし…」
宗介「で、でもさぁ…」
千秋「別に何もしてくれなくてもいい」
宗介「え」
千秋「隣で一緒に寝てくれるだけでいいから…それくらい、いいでし
ょ?俺達恋人同士なんだし」
宗介「…」
〇同・千秋の部屋・中(夜)
風呂上がりの宗介と千秋。
千秋が先にベッドに入る。
千秋「宗ちゃん。早く」
宗介「お、おぅ」
千秋の隣にベッドに入る宗介。
宗介「じゃ、おやすみ…」
千秋に背を向けて眠ろうとする宗介。
千秋「え、ちょっと」
宗介「あ?」
千秋「いや、何でそっちに?」
宗介「何でって…」
千秋「何もしないからさあ…せめてこっちに向いてほしいなって」
宗介「あぁ、もう…分かったよ」
千秋の方を向いて横になる宗介。
宗介「(目を閉じて)これで、いいだろ?」
千秋「うん。おやすみ…」
宗介「おやすみ」
〇『PART7』・中・ホール(朝)
雄太と一樹が、開店準備をしている。
千秋が来る。
千秋「今日、お昼の予約のお客様達、二人ともちゃんと把握できて
る?」
雄太「もちろんっす!」
一樹「はい、大丈夫です」
千秋「オッケー。会社の部署全員でランチに来てくれるみたいだか
ら。ここからまた先にお客さんを呼び込んでくれるかもしれない
からがんばろ!」
雄太「うっす!」
一樹「はい!」
厨房へ戻っていく千秋。
〇同・同・厨房(朝)
千秋が来る。
宗介と亮が仕込みをしている。
千秋「雄太も一樹もちゃんと今日の事確認できてるから大丈夫みた
い。今日のランチ宜しくお願いします」
宗介「オッケー」
亮「了解っす。宗ちゃんこれお願い」
宗介「うっす!」
亮から鍋を受け取る宗介。
宗介「じゃ、亮さんこっち、お願いします」
亮「あいよ!」
雄太が来る。
雄太「お店そろそろ開けてもいいっすかあ?」
千秋「オッケー。じゃあ今日も宜しくお願いします」
宗介「お願いしまーす」
〇同・同・ホール(朝)
雄太が来てドアを開けプレートをOPENに変えると雄太の背
後に英二が立っている。
振り返って、驚く雄太。
雄太「いらっしゃいませ…って貴方…」
英二「千秋…居るか?」
雄太「しょ、少々お待ち下さい…」
ドアを閉め、走って厨房へ行く雄太。
〇同・同・厨房(朝)
雄太が走ってくる。
雄太「あの…千秋さん!」
千秋「え?どしたの?」
雄太「あいつが…また、あいつが来ました… 」
千秋「あいつ?」
雄太「千秋さんの元…カレ」
宗介「はぁ、あいつまた来たのか?懲りないやつだなあ」
怒って厨房を出て行く宗介。
千秋「宗ちゃん!」
宗介を追っていく千秋。
宗介「千秋は来なくていい!」
千秋「え…」
宗介「俺が行ってくる。千秋はそこに居ろ!」
千秋「…」
〇同・入口(朝)
ドアを開け宗介が顔を出す。
宗介「何の用だよ」
英二「…」
英二を睨みつけている宗介。
続。
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