〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・涼風アキラ
・古川紘
・長谷川なつき
・聖川琉華
・乾椿
・ツバサ
〇『PART7』・中・ホール(夜)
宗介と千秋。
宗介「付き合って…みるか?」
千秋「(大声)付き合う???」
宗介「声でけょ!何だよ!千秋は元々これが狙いだったんだろ?」
俯く千秋。
千秋「ねぇ、本当にいいの?」
宗介「あ、あぁ」
千秋「本当に?」
宗介「しつけぇなぁ。俺の気が変わっても知らねぇぞ」
徐々にF.O。
〇シェアハウス・一階・千秋の部屋・中(夜)
千秋がベッドの上でもだえるように、何度も寝返りを打ってい
る。
千秋「嘘でしょ、嘘でしょ?まさかの宗ちゃんから告白されるなんて
思ってみなかったし…え?これ、どうなるの?宗ちゃんと付き合
う事になっちゃっていいの?こんなに上手く行っちゃっていい
の?」
勢い良く立ち上がる千秋。
千秋「どうしよ、まじでどうしよ!」
ドアの方を見ると七緒が千秋を見ている。
千秋「!!!」
七緒「すみません、何度もドアノックをしたのですが…」
力が抜けベッドに座り込む千秋。
× × ×(時間経過)
千秋と七緒。
七緒「え?宗介さんから、言ってきたんですか?」
頷く千秋。
七緒「これはまた、意外な展開に…」
千秋「ねぇ、これって受けていいのかなあ?」
七緒「受けて…いいのではないでしょうか?まさかの宗介さんから付
き合ってみるかと言われたんだし」
千秋「そうだよね…でも、何か無理に言わせちゃったんじゃないかな
って思ったりもしてさ…」
七緒「千秋さん、結構悩んでしまうタイプですか?」
千秋「え?」
七緒「折角、事がいい方に好転したのです。その運命に従ってみるの
もいいと思いますが」
千秋「七ちゃん…ありがとう」
笑顔で頷く七緒。
〇『STARLAIGHT』・中・ホール(夜)
琉華が客の女を連れてきて席に座る。
少し離れた所でアキラが女性客とホストに囲まれてシャンパン
タワーにシャンパンを注いでいる。
琉華「何飲む?」
女「赤ワインでいい?今日、給料前だから、ちょっと余裕なくてさ
…」
琉華「んなの、無理しなくていいって」
ヘルプが琉華の所に来る。
琉華「こちらに、赤ワインを」
ヘルプ「はい」
琉華がアキラ達の様子を見ている。
ヘルプ「何か最近、アキラさん調子づいてますよね…」
琉華「あぁ、何か凄ぇな」
ヘルプ「感心してる場合じゃないっすよ。琉華さん、このままだと抜
かれますよ…俺応援してるんすから」
琉華「サンキュ。おいそれより早くワイン」
ヘルプ「あっ、すみません、直ぐ持ってきます」
アキラ達の様子を見ている琉華。
〇同・休憩室・中(夜)
仕事終わりの琉華が入ってくる。
溜息を付く琉華。
酔っぱらったアキラと同僚が入ってくる。
アキラ「おぅ、琉華お疲れ」
琉華「お疲れ」
アキラ「いやぁ今日は何かツイてたなぁ。女にメール送ったら殆ど来
てくれるし、シャンパンも入れてくれるし」
同僚A「最近アキラ勢いづいてるよな。もしかしてトップ取れるんじ
ゃねぇの?」
アキラ「いやいや、それは言いすぎだろ(笑う)」
琉華「じゃ、お疲れ」
琉華が休憩室を出て行くのをバカにしたような目で見送るアキ
ラ。
〇同・廊下(夜)
琉華が歩いていると、向かいから椿が来る。
椿「おぅ、琉華」
琉華「お疲れ様です」
椿の横を通り過ぎる琉華。
椿「琉華」
琉華が立ち止まる。
椿「琉華も気付いてると思うけど、アキラが勢いづけて来てるぞ」
琉華「…」
椿「抜かれるなよー」
無視して出て行く琉華。
アキラが休憩室から出てくる。
アキラ「椿さん…」
椿「おぅ、お疲れ」
〇ラーメン屋・中(夜)
琉華がラーメンをすすっている。
隣で七緒もラーメンをすすっている。
七緒「何故、私が呼ばれたんでしょうか?」
琉華「何故って、セブン位しか居ないだろ?この時間、この付近
に居るのって」
七緒「まぁ」
琉華「いいじゃんかよ。ラーメン奢ってやってんだからさ」
七緒「はい…」
琉華「ここの、いつ食ってもうめぇなあ」
七緒「それで、どうしたんですか?」
琉華「何が?」
七緒「もしかして、何か悩みでもあるのではないかと…」
琉華の顔を見る七緒。
琉華「悩み?別に」
七緒「そうですか…」
琉華「何だよ」
七緒「ちょっと顔に出てたので」
黙ってラーメンをすする琉華。
七緒「まぁ、言いたくないのであれば私は聞きません。ただ…いつ
でも、何でも話せる人間が傍にいる事だけは忘れないで下さい
ね」
琉華「へいへい」
ラーメンをすすっている琉華の顔を見て何かを感じている七
緒。
自分の器に入っていた煮卵を琉華の器に入れる七緒。
琉華「おい、何だよ」
七緒「あげます」
琉華「い、いいのかよ?煮卵、セブン好きだろ?」
七緒「今日は特別です」
琉華「特別…(笑って)サンキュ」
〇シェアハウス・リビング(朝)
朝ごはんを食べているシェアハウスメンバー。
宗介が周りを見ている。
なつき「どしたの、宗ちゃん」
宗介「いや、なんか…珍し…」
紘「宗ちゃん、おかわりいい?」
宗介「あぁ…」
紘のご飯を寄そう宗介。
琉華「何か、珍しいよな。朝から皆集合って」
宗介M「俺が言いたかった事を!」
千秋「言われてみればー!って大体琉華が居ないんでしょいっつも」
琉華「仕方ねぇだろ。。夜の仕事なんだからさあ。だから、たまには皆
が居る時に俺も朝一緒にって思ってさ」
なつき「(紘に耳打ち)何か琉華様子変じゃない?」
紘「だな」
千秋「あれ、七ちゃん食べて無くない?どうかした?」
宗介「体調悪いのか?」
七緒「いえ、琉華さんと数時間前ラーメン食べたのがまだ残ってるよう
で…」
七緒が琉華の顔を見る。
琉華「ん?」
七緒「よく、ご飯入りますね…」
琉華「あ?入るだろ?全然入るだろ?」
ご飯をかきこんで行く琉華。
七緒「え…」
むせながらもご飯をかきこんでいる琉華。
宗介「何があった…」
首を傾げながら醤油瓶を取ろうとする宗介と千秋の手がぶつか
る。
宗介「あ…」
千秋「あっ」
妙に意識をしてしまう宗介と千秋。
紘「(なつきに耳打ち)こっちはこっちで、何かあった?」
なつき「うん、まぁ…」
七緒が一人含み笑いをしてご飯を食べている。
〇道
お店に向かっている宗介と千秋。
千秋が宗介の隣に付き宗介の手に触れようとしているが上手く行
かない。
千秋「…」
もう一度、宗介の手に触れようとする千秋。
千秋「…」
宗介の手に千秋の手が触れる。
宗介「!」
驚いて千秋の手を思い切り、跳ねのける宗介。
宗介「あっ…(気まずくて)ごめん…」
千秋「い、いや…こっちがごめん」
宗介「え?」
千秋「宗ちゃんと、手を繋ぎたいなって思って…」
宗介「手、つ、繋ぐ?いやぁちょっとそれはどうなんだ?手、繋ぐ
ってありえなくね?いい歳した者同士、しかも男同士で…」
俯いている千秋。
宗介「あ、ごめん…俺何か…言い過ぎた」
千秋「いや、ほんとごめん。何か、ダメだよねこういうの。宗ちゃんの
気持ち全然考えてなかった」
宗介「いや…」
千秋「今のは忘れて、ごめん」
宗介「…」
千秋「早くお店行こう。皆待ってるよ」
宗介「おぅ」
〇『ブルースカイ』・中(夜)
カウンターで飲んでいる千秋。
ツバサ「今日は珍しく一人なのねぇ」
千秋「たまにはねぇ」
ツバサ「でも…いいお酒ではなさそうね」
千秋「そう?」
ツバサ「私に隠し事しようなんて無理なのよぉー!!」
苦笑いする千秋。
ツバサ「私も、貰っていいかしらお酒」
千秋「え?飲むの?」
ツバサ「飲むわよ。それが、私の仕事だもの」
千秋「はい、どうぞ」
ボトルをツバサに差し出す千秋。
ツバサ「いっただきまぁす」
お酒をグラスに入れていくツバサ。
ツバサ「ねぇ、宗介ちゃんと何かあったの?」
千秋「え?別に」
ツバサ「私に隠す事無いでしょう」
千秋「…」
ツバサ「言ったでしょ?私に隠し事するのは無理だって!」
溜息を付く千秋。
ツバサ「もしかしてさぁ、宗介ちゃんと付き合う事にでもなった?」
お酒を吹き出す千秋。
ツバサ「はい、図星ー!」
千秋「占い師かよ…」
ツバサ「七緒の占いには引け取らないわよ。んで付き合ってるの?」
千秋「まぁ…」
ツバサ「ひゃー!本当に付き合ってるんだ!よくもまぁ、ノンケを
落としたわね!私ですらやり遂げた事無いのに!!」
千秋「しかも宗ちゃんから告って来たんだけど」
ツバサ「何!何なのよそれは!!!何でそんな展開になってんのよ!!!」
悔しくて地団駄を踏むツバサ。
千秋「ちょっと…宗ちゃんには二人だけの秘密にしてるんだから言わな
いでよ」
ツバサ「あそこのシェアハウスで秘密なんて出来る訳ないじゃない!
でもさ、折角付き合う事になったのに、何で元気ないの?」
千秋「うん…」
続。
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