〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・村田唯(30)松書房編集員
・三柴雄太
・松本一樹
・古川紘
・長谷川なつき
・竹野内亮
・ツバサ
〇シェアハウス・二階・なつきの部屋・中(朝)
スマホが鳴り手に取るなつき。
なつき「メールか…あぁ気持ち悪っ…」
メールを確認するなつき。
なつき「えぇっ!」
飛び起きるなつきだが、ふらついて倒れてしまう。
〇同・同・宗介の部屋・中(朝)
二日酔いで、苦しそうに眠っている宗介。
廊下から、なつきの走る足音が聞こえる。
宗介「あぁ、もう、うっせぇなぁ!」
気持ち悪くてえづく宗介。
〇同・一階・リビング(朝)
なつきが走ってきて、ホワイトボードに殴り書きをしている。
ホワイトボードに出版社に行ってきますと書いてある。
× × ×(時間経過)
二日酔いの宗介が来る。
宗介「ったく、目が覚めちゃったじゃんかよ…うっ気持ち悪っ」
千秋が来る。
千秋「宗ちゃんおっはよー」
宗介の肩を叩く千秋。
宗介「痛いなあ。何でそんなに元気なんだよ」
千秋「ぐっすり寝たら二日酔いも無くなってたからねえ。宗ちゃんま
だ 、二日酔いなの?」
宗介「誰か知んねぇけど、バタバタ走る音がして目が覚めたんだよ」
千秋「誰が…(ホワイトボードを見て)あぁ…もしかしてなっちゃん
かも」
千秋がホワイトボードを指さし宗介が見る。
宗介「あいつ…」
千秋「お腹すいたぁ。何か食べる?」
宗介「食欲ねぇ」
千秋「でも、何か口に入れた方がいいよ。待ってて」
宗介「作ってくれんの?」
千秋「いつも作ってもらってるからねえ」
× × ×(時間経過)
宗介と千秋が食事を取っている。
宗介「このうどん、うめぇな」
かきたまと鶏肉が入ったうどんをすすっている宗介。
千秋「これ、結構二日酔いに効く食べ物だってネットで見てさ前にやっ
てみたら美味しかったから」
宗介「うん、うめぇ」
宗介を見ている千秋。
千秋「ねぇ、宗ちゃん」
宗介「ん?」
千秋「なんかさ、二人きりでこうやって食べてると、恋人同士みたいだ
よね」
宗介「はぁ?二日酔いの時にそんな冗談言うなよ」
千秋「…」
千秋を見る宗介。
宗介「なぁ、そんなに俺の事好きなの?」
千秋「え…」
宗介「俺のどこがいいんだ?」
千秋「それは…」
紘「おはよう」
紘を見る宗介と千秋。
紘「え?何?」
千秋「何でもない…お昼食べる?」
紘「おぅ、食べる食べるー」
宗介の隣に座る紘。
〇同・キッチン
千秋が来て、流しに手を付き溜息を付く。
〇松書房・会議室・中
なつきと編集員の村田唯(30)が話をしている。
なつき「え?僕の作品が掲載されるんですか?」
唯「そう。ちょっと穴が開いちゃって、急遽で申し訳ないんだけど…」
なつき「いえ。久しぶりの掲載なんで頑張ります」
唯「そう言ってもらえると助かる。内容としては短編の読み切りでいい
から。後、もう一ついい知らせがあるの」
なつき「いい知らせって…?」
唯「これを機に、うちの出版社でなつき君をプッシュして売り出したい
なって思ってるの」
なつき「マ、マジですか?」
唯「うん。それで、前にうちで単行本出したでしょ?それを電子版で
出してみたいんだけどいいかな?」
なつき「はい。是非お願いしたいです」
唯「取り合えず、それで評判が良ければもっと仕事回せるかもしれない
から」
なつき「はい!頑張ります!」
〇『ブルースカイ』・中(夜)
ツバサ「なつきの描くBL作品本になるの?やったじゃない!」
なつき「はい!って言っても、穴が開いた所を短編で描くんですけど
ね」
ツバサ「いや、それでも凄いじゃなぁい!発売したら宣伝しなくちゃ
ね」
なつき「それで、明日から製作期間に入りたいんで、お店少しの間おや
すみ貰えたらと」
ツバサ「あぁ、それだったら気にしないで。うちはなんとかなるから。
それよりも折角のチャンスでしょ?頑張って!」
なつき「はい!」
千秋と『PART7』メンバーが来る
ツバサ「あらぁ。いらっしゃーい。皆で遊びに来てくれたの?」
千秋「まぁね。七ちゃんの時結構うちでお酒入れてくれたから、少しで
も恩返しでもって思って」
ツバサ「まぁ、それはどーも!何飲む?」
雄太「ビールお願いします」
一樹「じゃ、ジントニックで」
亮「ママーモスコミュールお願い!」
千秋「俺、ウーロン茶で」
ツバサ「あら、飲まないの?ってか宗ちゃんは?」
千秋「お酒飲まないし、疲れたから先に帰らせてくれって…」
ツバサ「あぁー…だから、元気ないの?」
千秋「え?」
ツバサ「私に、誤魔化しは通用しないのよぉ」
雄太「え?やっぱ千秋さん、宗介さんの事?」
一樹「雄太…」
首を横に振る一樹。
なつき「あ、ねぇーちーちゃん」
千秋「ん?」
なつき「あのね、実は数年ぶりに作品が雑誌に掲載されそうなんだ」
千秋「えぇ?本当に?だから出版社へ行くって書いてたんだ」
なつき「そう!まずは月刊誌で短編読み切りなんだけど、そこで人気
が出ればそこから次に…って」
千秋「そうなんだー!おめでとう」
なつき「おめでとうは、まだちょっと早いけど、ありがとう」
ツバサ「なつき。もういいから上がりなさいよ」
なつき「え?」
ツバサ「折角、本業の仕事来たんだからそっちに集中しなさい。つい
でに千秋も連れて帰って」
千秋「え?」
ツバサ「そんな暗そうな顔して、居られても困るもの」
千秋「別にそんな」
ツバサ「(なつきに耳打ち)宗ちゃんに会いたいのよ。早く連れて帰
ってあげて」
〇道(夜)
千秋となつき。
なつき「どんな作品にしようかなあ」
千秋「雑誌掲載のやつ?」
なつき「うん。短編だから、ちょっとした物語を入れる感じになると
思うけど」
千秋「何か、近くにいいネタないの?」
なつき「良いネタねぇ…」
ふっと千秋の顔を見るなつき。
千秋「?」
なつき「何でもない。早く家帰ろう。何だかお腹すいちゃったし」
〇シェアハウス・リビング(夜)
千秋となつきが帰ってくる。
風呂上がりの宗介が来る。
宗介「お帰り」
千秋「ただいま」
宗介「あれえ、帰ってくるの早くない?店の皆と飲んで帰るんだった
んだろ?ってかなつきも仕事じゃねぇの?」
なつき「ママが帰らせてくれたの」
宗介「何で?」
なつき「今日数年ぶりに出版社に呼ばれて」
宗介「あぁ、ホワイトボードに書いてたな」
なつき「うん。それで久しぶりに雑誌に僕の作品が掲載される事にな
りそうなんだ」
宗介「おっ、すげぇ!発売されたら買わなきゃな」
なつき「宗ちゃん。ありがとBLだけど、ノンケの宗ちゃんも楽しん
でらえると思うから楽しみにしててね」
宗介「あ、あぁ…」
千秋「なっちゃん、お腹すいたんでしょ?何か作るから」
なつき「って思ったんだけど、やっぱいい。それよりも創作創作」
千秋「えぇ…いらないの?」
なつき「宗ちゃんと、一緒に何か食べたらいいよ。じゃあ僕は部屋に
戻ります!」
ウキウキで部屋に戻っていくなつき。
千秋「なっちゃんがお腹すいたって言うから早く帰って来たのに…」
溜息を付きソファーに座る千秋。
宗介「なぁ、千秋腹減ってんの?」
千秋「うん。でも、なっちゃんがご飯いらないなら、俺もいらないか
なあ…一人分作るのも何だか億劫だし」
宗介「俺、ちょっと小腹空いたなあ…何か食べるか?」
千秋「え?作ってくれるの?」
宗介「あぁ」
千秋「やったーお願いします」
× × ×(時間経過)
宗介がテーブルに、にゅう麺を置く。
千秋「ありがとう。わぁにゅう麺とか久しぶりだなあ」
宗介「だろ?たまに食べたくなるんだよなあ…」
千秋「頂きます」
宗介「頂きます」
にゅう麺を食べる宗介と千秋。
千秋「ねぇ、宗ちゃん」
宗介「ん?」
千秋「ダメもとで、お願いしたい事がある」
宗介「何だよ?」
千秋「一度でいいから宗ちゃんとデートしてみたい」
にゅう麺を吹き出す宗介。
宗介「ちょ!!」
布巾を宗介に渡す千秋。
千秋「別に付き合ってほしいとか、言ってる訳じゃないのに…」
宗介「だって急に」
千秋「いいじゃん。二人きりでどこか出かけるくらいしてくれたって」
宗介「じゃ、別にデートって言わなくったって」
千秋「そうでも言わないと、宗ちゃん動いてくれなさそうだから…」
宗介「でもデートって…普通に遊びに行くとかでもいいだろ?」
千秋「やだ」
宗介「やだって…」
千秋「どうするの?デートしてくれるの?」
宗介に詰め寄り倒れてしまう宗介に覆いかぶさる千秋。
千秋「してくれるの?」
宗介と千秋が見つめ合っている。
宗介「(そっぽ向いて)わ、分かったよ…デ、デートだな」
千秋「やったー!」
宗介「でも、周りには一切言うなよ?」
千秋「え?ダメなの?」
宗介「当たり前だろ!だって俺ゲイじゃねぇし…」
千秋「…」
宗介「だから…周りには、二人で出掛けるって事でいいだろ?」
千秋「(少し考えて)分かった」
宗介「おぅ…」
〇同・二階・なつきの部屋・中(夜)
なつきが原稿作成をしている。
なつき「いい作品。作らなきゃなあ…頑張るぞ!」
続。
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