カモナシェアハウス 第四週「灰色に包まれた恋」#19 ドラマ

前回のお話です。 https://film-buyer.jp/scenarios/2878
あゆむ。 82 0 0 02/06
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第一稿

〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・矢吹郁夫
・古川紘
・長谷川なつき
・聖川琉華

〇カフェ・店内(夕)
七緒「さぁ、話してみて下さい」
郁夫「 ...続きを読む
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〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・矢吹郁夫
・古川紘
・長谷川なつき
・聖川琉華

〇カフェ・店内(夕)
七緒「さぁ、話してみて下さい」
郁夫「分かりました」
   郁夫を見る七緒。
郁夫「実は、運命の人の話なんですが」
七緒「はい」
郁夫「誰だか分かっちゃいまして…」
   見つめ合う七緒と郁夫。
七緒「それは…?」
郁夫「僕の運命の人は…青森に居る彼女です」
七緒「え…」
   拍子抜けして腰が抜けそうになる七緒。
七緒「そうなんですか…」
郁夫「はい。彼女が昨日こっちに上京してくれて、話し合ったんです。
 そしたら、やっぱお互いが好きなんだって分かって…」
七緒「…」
郁夫「これからも、喧嘩も沢山するかもしれないけど、その時は一回落
 ち着いてちゃんと話し合おうって…彼女が泣いてたのを見て、俺がこ
 いつ守んなきゃいけないんだなって思って」
七緒「そうですか…」
郁夫「俺も、いつまでも子供っぽいとこ直さなきゃなって思いました。
 俺ずっと、七緒さんに運命の人はすぐ近くに居るって言われた時ず
 っと考えてたんです。住んでる距離は遠いけど俺の心の中にはやっ
 ぱ彼女しか居なかったんですね。だから七緒さんの占いが導いてく
 れたんだと思ってます」
   郁夫が七緒の手を握る。
郁夫「本当にありがとうございます」
七緒「ど、どういたしまして…」
郁夫「俺、今度こそ彼女と幸せになります」
   頷く七緒。
郁夫「それで、七緒さんの話って」
七緒「え?」
郁夫「七緒さんも、何か大事な話があったんじゃ?」
七緒「あっ、はい…」
郁夫「七緒さん?」
七緒「実は、郁夫さんの運命の人の話をしようと思ったのですが、今
 郁夫さんが言った通り青森に居る彼女さんとの相性が最高だったの
 でそれをお伝えしようと…」
郁夫「そ、そうだったんですか」
七緒「でも、私が伝える前に、自分で気づいた事。そして彼女さんと
 話し合って分かり合えた事。良かったと思います。占いはあくまで
 導きやアドバイスをするものです。大切なのはお互いの気持ちだと
 思います。それをこれからも大事にしてくださいね」
郁夫「はい。大事にします」
   軽く微笑む七緒。
郁夫「よし。じゃあ、これから何か食べに行きません?」
七緒「これからですか?」
郁夫「えぇ。何か俺こうやって七緒さんと話をして気持ちがすっきり
 したっていうか彼女とまた再スタート出来る事が嬉しいし何よりも
 七緒さんのおかげでもあるって思ってますから」
七緒「はぁ」
郁夫「だからそのお祝いしましょ!あっ心配しなくても今日は僕がご
 馳走しますから!何か食べたいものありますか?」
七緒「…」
郁夫「七緒さん、どうかしました?」
七緒「いえ、今日はこれで失礼します」
郁夫「えぇ…」
七緒「ちょっと、急用があるのを思い出したので…でも、良かったで
 す。彼女さんとちゃんと仲直りが出来て」
郁夫「ありがとうございます…」
   笑顔で頷く七緒。

〇シェアハウス・リビング(朝)
   宗介が起きてくると、紘となつきがソファーで眠っている。
宗介「何で、二人してここで寝てんだよ」
   紘となつきが目を覚ます。
紘「あ、おはよう」
なつき「宗ちゃん、おはよう…っていつの間にか寝てたね」
宗介「何でソファーなんかで寝てんだよ」
紘「七ちゃん待ってたんだよ」
なつき「僕達寝ちゃってたけど、七ちゃん帰って来たかなあ」
千秋「帰ってきてないみたいだねえ」
なつき「ちーちゃん、おはよう」
千秋「おはよう。今部屋ノックしたけど返事ないし、ドア開けたら七
 ちゃん居なかったしね」
宗介「じゃ、朝帰り?」
紘「って事は、もしかして上手く行ったのかなぁ?」
なつき「じゃ、彼ゲイだった?」
千秋「上手く行ってたのならいいんだけどさ…」
宗介「何、違うかもしれないのか?」
千秋「いや、分かんないけどさ…」

〇シェアハウス近くの公園・前(朝)
   仕事帰りの琉華が公園を見るとブランコに乗っている七緒を見
   かける。 
琉華「(目を凝らして)あ?セブンか?」
   公園の中に入っていく琉華。

〇公園・中(朝)
   ブランコに乗っている七緒の所へ行く琉華。   
琉華「おい」
七緒「え?」
琉華「何やってんの?」
   七緒の隣のブランコに座る琉華。
七緒「え?あぁ…もう朝だったんですか?」
琉華「は?」
七緒「いえ…」
琉華「何、もしかしてずっとここに居たのか?」
   頷く七緒。
琉華「は?何でだよ。家すぐそこだろ?」
七緒「…」
琉華「ってか、セブン昨日、彼に会って気持ち伝えるんじゃなかった
 っけ?あっもう伝えたのか?」
七緒「それなんですが」
琉華「どうだったんだよ、上手く行ったのかよ?」
   俯いたままの七緒。
琉華「もしかして、上手く行かなかったのか?」
七緒「…」
琉華「なぁ、何とか言えよ」
七緒「伝える前に終わりました」
琉華「は?」
七緒「彼女とやり直すそうです」
琉華「なんだ、そうだったのか…一発大逆転にはならなかったか」
七緒「ですね」
琉華「よし。家に戻ろうぜ」
    ブランコから下りて立ち上がる琉華
七緒「え?」
琉華「家に帰るんだっつうの。いつまでも、ここで、ぼーっと座って
 るわけいかねぇだろ」
七緒「…」
琉華「ほら、立てって」
   琉華が七緒を立たせる。

〇シェアハウス・玄関・中(朝)
   琉華が入ってくる。
琉華「ただいま」
   奥からなつき、紘、千秋が走ってくる
琉華「な、何だよ」
紘「なんだ琉華かぁ」
なつき「七ちゃんかと思ったのに」
琉華「俺で、悪かったな。ってかここ俺の家」
千秋「七ちゃんがまだ帰ってこないんだよ」
   宗介が来る。
宗介「おぅ、琉華お帰り。セブンは…」
琉華「んだよ、皆でセブンセブンって」
   七緒が入ってくる。
千秋達「七ちゃん!」
七緒「ただいま帰りました」
なつき「お帰り!どして琉華と?」
琉華「帰り道に会ったんだよ」
紘「何も連絡なしに、朝帰りって事は、もしかして上手く行っ
 たのか?あの彼と…」
   首を横に振る七緒。
宗介「セブン?」
七緒「(笑って)ダメでした」
紘「えぇ…」
   七緒の表情を見て心配になる千秋。
七緒「すみません。今日はちょっと疲れたので休ませて下さ
 い」
なつき「え?七ちゃん?」
七緒「ごめんなさい」
   皆に頭を下げ部屋に入っていく七緒。

〇同・七緒の部屋・中(朝)
   七緒が入ってくる。
   テーブルには自身を占ったタロットカードが伏せて並べて
   ある。
七緒「そのままにしてたんだった…」
   一枚だけ、表を向いているタロットカードを手に取る七緒。
七緒「あ…」
   カードは死神のカード。
七緒「そういう事だったんですね…」
   カードをテーブルに置き、溜息を付きながら座り込む七緒。

〇同・リビング(朝)
   宗介、千秋、なつき、紘、琉華。
宗介「そういう事だったのか…」
紘「てっきり朝帰りだから、思ったより上手く行ってたのかなって思っ
 たけど…」
千秋「相手はノンケだよ?普通の男女の恋愛とは違うんだよ。だから
 もうちょっと冷静になってって言ったのに」
宗介「あの時は、セブンがうじうじ悩んでるように見えたからさあ…」
なつき「七ちゃん、結構ダメージ受けてるみたいだったよね」
琉華「そりゃそうだろうなあ。告る前に断られるようなもんだもんな」
なつき「ねぇ、七ちゃんを皆で励ますとかやらない?」
宗介「うーん今は少しそっとしておいた方がいいんじゃないか?」
紘「まぁ、それがいいかも」
千秋「…」

〇同・七緒の部屋・前(夜)
   千秋が来て七緒の部屋をノックする。
   ドアを開ける七緒。
七緒「千秋さん…」
千秋「大丈夫?」
七緒「えぇ…」
千秋「少しいい?」
   頷き千秋を部屋の中に入れる七緒。

〇同・同・中(夜)
   千秋と七緒。
千秋「大丈夫?」
七緒「えぇ」
千秋「そっか…」
七緒「千秋さん」
千秋「ん?」
七緒「今回の件で私は、本当にタイミングって大事なんだと痛感したの
 です」
千秋「タイミング?」
七緒「実は気持ちを伝える前にもう結果は出てたんです」
   死神のカードを千秋に見せる七緒。
千秋「死神?」
七緒「そう。私が恋愛を占う中でもっとも出てきてはいけないカードが
 出てたのです。それを見もせずに私は彼の元へ、もしかしたら結ばれ
 るかもしれないという淡い期待を込めて会いに行ったのです」
千秋「そうだったんだ…」
七緒「その前にはいい導きが出てたのでその時に気持ちを伝えてたのな
 ら、もしかしたら結ばれてたかもしれません…」
千秋「…」
七緒「これは自分が出した占いに向き合わなかった私の罰です…」
千秋「七ちゃん」
七緒「はい」
千秋「七ちゃんの占いは俺も信じてる。沢山の人を鑑定して定評がある
 のも分かってるんだけど…でも、占いでも分からない何かが動いてる
 ってのもあるんじゃない?」
七緒「…?」
千秋「それが、七ちゃんの言うタイミングの事なのかもしてないけど…
 まぁ元々は彼もノンケだったんだし、きっぱり忘れて…ってすぐには
 いかないかもしれないけどさ。また新しい出会いを探せばいいんじゃ
 ないかな」
七緒「千秋さん…慰めありがとうございます…」
千秋「ど、どういたしまして…」
七緒「慰めてくれたついでにお願いがあるんですが?」
千秋「え?お願い?何?」
   急に千秋に抱き着く七緒。
千秋「え?七ちゃん?どしたの」
   千秋の胸に顔を埋める七緒。
千秋「七ちゃん」
   体を震わせ、声を押し殺して泣いている七緒。
七緒「(泣きながら)すみません…少しの間だけ」
   七緒の背中にゆっくりと手を回す千秋

続。

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