〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太
・松本一樹
・古川紘
・長谷川なつき
・竹野内亮
・ツバサ
〇シェアハウス・玄関・中(夜)
紘となつきが床に倒れこむ。
千秋「ちょっと、どしたの?」
なつき「紘が店に来て、もう酷く酔っぱらっちゃって。ママに言って紘
連れて帰るから先に上がらせてもらったの」
千秋「何で、こんなに酔っぱらってるの」
宗介「また酔っぱらい…」
〇新宿・通り(夜)
歩道の片隅で占いをしている七緒。
七緒「今、貴方に女難の相が出ています。充分女性関係に気を付けて下
さい」
客が頷き鑑定料を支払う。
七緒「ありがとうございます。もし、また何かあればお寄り下さい」
客が立ち上がり礼をして去っていく。
七緒「女難の相…」
水晶を見て、息を飲む七緒。
七緒「なんか、嫌な予感が…シェアハウスにも女難の相が…見える」
〇シェアハウス・リビング(夜)
紘の両脇を宗介と千秋が抱えソファーに座らせる。
なつき「二人ともありがとう」
肩で息をしている宗介と千秋。
宗介「やっと、疲れが取れそうかなって思ったら」
千秋「紘、また筋肉付けて体重くなったよね」
なつき「タクシー拾うまで何度倒れたか…」
紘「なつきー水ー!」
なつき「はいはい」
コップに水を汲み紘に渡すなつき。
一気に水を飲む紘。
紘「はー…あれ、ここ家?」
なつき「そうだよ。ブルースカイで酔いつぶれて、タクシー乗るまで大
変だったし、ソファーまで宗ちゃんとちーちゃんが運んでくれたんだ
よ」
紘「そっか。皆悪い」
千秋「どしたの?紘、お酒弱いって訳じゃないけど、体づくりの為に
禁酒してたんじゃないの?」
紘「そうなんだけどさ、久しぶりにちょっと飲んでみようかなって思っ
て。久々だったからすぐに酔い回っちゃったのかも」
なつき「一杯飲んだ後にお替りのペースが急に早くなっちゃうから泥酔
しちゃうんでしょ」
紘「そうだっけ…」
なつきが紘の隣に座る。
なつき「それで、何があったの?」
紘「何がって、何もないよ」
なつき「本当に?」
紘「あぁ。皆に迷惑かけてごめん。俺寝るわ」
立ち上がる紘だが、ふらついてしまい宗介が支える。
宗介「部屋まで連れてくよ」
なつき「だったら、僕が」
宗介「あ、あぁ…」
宗介に代わり紘を支えるなつき。
紘「悪いな、なっつー」
紘が重くて、なつきが震えながら紘を支えリビングに出て行く。
宗介「なつき、一人で大丈夫か?」
廊下でなつきと紘がこける。
なつき「うわぁぁぁ!」
激しい物音。
千秋「やっぱ一人じゃ無理だった?」
宗介「だから、連れてくって言ったのに…」
〇同・二階・紘の部屋・中(夜)
なつきが紘を支え、入ってくる。
ベッドに紘を寝せるなつき。
紘「ありがと、本当にもう大丈夫だから」
なつき「うん…」
紘「おやすみ」
なつき「おやすみ…」
部屋を出て行くなつき。
〇同・リビング(日替わり・朝)
紘が起きてくる。
宗介が朝食の準備を終え、ご飯を食べようとしている。
紘「あ、宗ちゃんおはよう」
宗介「おはよう…二日酔い大丈夫か?」
紘「うん。昨日はごめん、迷惑かけた」
宗介「いや。でも、俺よりなつきの方がしんどそうだったけど」
紘「あぁ…さっきなつきの部屋ノックしたんだけど返事なかったから寝
てるかなって思ってそのままにしといたんだけど」
宗介「筋肉痛間違いないだろうな。あっ飯食う?」
紘「うん」
× × ×(時間経過)
紘「宗ちゃんってさ、今まで彼女って居た事あるでしょ?」
宗介「え?ま、まぁ…」
紘「もちろん、付き合ったりも?」
宗介「まぁ…この歳で女一人付き合った事無いって、おかしいだ
ろ…」
紘「そっかぁ…」
宗介「何、突然に。俺に女の事なんか聞いてどうすんの?それにそこ
まで経験ある方でもねぇし」
紘「だろうね」
宗介「あ?」
紘「いやいや…あんま経験ないって、どれ位なの?」
宗介「教えない」
紘「何で!ここまで話したのに。誰にも言わないから」
溜息を付き、仕方なく紘に耳打ちして教える宗介。
紘「(大声で)えぇっ!」
宗介「バカ!声でけぇ!」
紘「まぁ、人それぞれだもんな」
宗介「何だよそれ。何の慰めにもなってねぇんだけど」
紘「あぁ、俺仕事行かなくちゃ。飯美味かった。じゃ行ってきます」
立ち上がり振り返ると七緒が立っている。
紘「んのぉぉぉぉ!」
七緒「どこから声出してるんですか」
宗介「ほんと、いつの間に現れるんだよ」
紘「じゃ、行ってくる」
七緒「行ってらっしゃい(宗介に)何の話をしてたんですか?」
宗介「別に」
七緒「宗介さんの女性関係の話ですね」
宗介「知ってて聞くのは本当、タチ悪いぞ」
七緒「すみません…」
宗介「あっ!止めろよ」
七緒「何がですか?」
宗介「また、占いで人の心見透かすような事」
七緒「しませんよ…私シャワー浴びてきますので」
宗介「あぁ、どうぞ」
リビングを出て行く時に振り替える七緒。
宗介「何だよ」
七緒「覗かないで下さいね」
宗介「覗かねぇよ!そんな趣味ねぇよ!」
× × ×
廊下を歩いている七緒。
七緒「宗介さんの経験人数…まぁこれは、秘密にしておいてあげま
しょう…」
〇『PART7』・厨房
亮と宗介がオーダーの料理を作っている。
宗介「よし、完成。雄太君グリーンカレーセット、お願い」
雄太「はぁい」
亮「こっちも完成。一樹、ロコモコプレート頼む」
一樹「うっす」
雄太と一樹が客へ料理を運んでいく。
ツバサが来る。
ツバサ「お疲れ様ー」
亮「おぅ、ママいらっしゃい」
宗介「いらっしゃいませ」
ツバサ「相変わらず忙しそうねえ」
亮「お陰様で。何か食ってきます?」
ツバサ「いや、大丈夫。コーヒー貰おうかな 」
雄太「はーい。じゃ作ります」
ツバサ「ねぇ宗介君」
宗介「は、はい」
ツバサ「あれからちゃんと紘となつき家に帰ってきた?なつきにも千
秋にも電話しても出ないのよ」
宗介「紘は酷く酔っぱらって大変でしたけど、朝ちゃっかり仕事にも
行きましたよ。なつき達は疲れてて起きてないんでしょうね」
ツバサ「そっか。無事に帰ってたのならいいんだけど…紘の様子いつ
もと変りなかった?」
宗介「あぁ…朝は特に変わりなかったと思いますけど…やっぱ何かあ
ったんですか?」
ツバサ「うーん、アタシも久々だったからあれなんだけど、なぁんか
紘の様子がいつもと違う感じがしたのよね」
宗介「はぁ」
ツバサ「シェアハウスに新入りの宗介君に聞くのもあれかなって思っ
たんだけど、まぁ特に何もなかったのなら心配しなくてもよさそう
ね」
宗介「はい。一応紘にも伝えておきますね。お店にも迷惑かけたと思
いますし」
ツバサ「いやいや、店の方はいいのよ。それより…また宗介君お店
に遊びに来てね。イケメン君は大歓迎だから」
怯える宗介。
亮「ママ、あんまり宗ちゃんいじると店行かないってよ」
ツバサ「え?そうなの?またお店に来てほしいから程々にしとく。
私結構タイプなのよねぇ宗介君みたいな子」
宗介「そ、それは…どうも…」
雄太「ママーコーヒー冷めちゃいますよ」
ツバサ「はいはい。頂きます。宗ちゃん、じゃあね」
手を振るツバサに引きつりながら手を振る宗介。
〇道(夕)
買い物帰りの千秋となつき。
なつき「何かいろいろ買い込んじゃったね」
千秋「まぁ、日持ちするのも結構あるし大丈夫でしょ。それに最近宗
ちゃんが料理当番みたいになってるからたまには俺が作ろうかなっ
て」
なつき「ちーちゃん、本当に宗ちゃんがお気に入りなんだねえ」
千秋「そ、そんなんじゃないって…」
なつきが笑う。
千秋「なつきは、どうなの?最近、男の話聞かないけど」
なつき「うーん」
千秋「居ないって答えないとこ見ると、もしかして居るの?」
なつき「居ないよぉ。それよりも本職の方何とかしないといけないの
に」
千秋「漫画を描く方かぁ。俺に知り合いが居たら紹介とかしてあげた
いんだけどなあ」
なつき「ちーちゃんの気持ちだけで充分だよ。腐らずにコツコツ描い
てくから」
〇シェアハウス・前(夕)
女がゆっくりと歩いてきて、シェアハウスの前で立ち止まる。
女「ふぅ…」
スマホを見て、シェアハウスを見上げる女。
女「ここかぁ…やっと、見つけた」
シェアハウスから七緒が出て来て、女を見つける。
七緒「え?」
女「あ…」
七緒「あの…」
女「え?」
七緒「何か御用ですか?」
女「い、いやぁ…」
七緒「?」
何か言いかけたが、首を横に振りそのまま走っていく女。
七緒「何だったんだ…あっ千秋さんとなっちゃんに身の危険が」
柵を開け出て行く七緒。
〇道(夕)
千秋となつきが談笑しながら歩いている。
向かいから走ってくる女とぶつかってこけてしまう千秋
達。
千秋「イテッ!」
なつき「いったーい!」
女もこけて膝をついている。
千秋「ちょっと…何?」
なつき「誰なのこの子」
立ち上がり膝を払う女。
なつき「ちょっと、大丈夫?」
何も言わずに走り去っていく女。
千秋「何なんだよ…向こうからぶつかってきておいて、謝りも
しないで…ってなっちゃん?」
なつき「あの子…どこかで見たような…」
七緒が来る。
千秋「あぁ、七ちゃん」
七緒「大丈夫ですか?お二人共」
千秋「あ、あぁ…ってか見てたの?」
七緒「二人に身の危険を感じたので、来てみたのですが」
千秋「身の危険…」
七緒「二人がぶつかった女の子。さっきまで家の前で立ってた
んですが、何だったんでしょうか?」
千秋「そうなの?もしかして誰かの知り合いとか?」
七緒「うーん…」
千秋「なっちゃん知ってるの?」
なつき「うーん…」
宗介N「俺の知らない所で、何か色んな事が起こり始めようと
している…」
三週目『なぜか女にモテてしまう』へ続く。
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