探偵の恋人が既婚者 ドラマ

探偵の明智耕助(28)は、ある日、恋人の丸山夏美(27)が実は既婚者であることを知る。一方、夏美の夫である丸山隆平(28)は「夏美は誰かと浮気している」と疑っており、耕助のもとを訪れ、彼に浮気調査を依頼する。
ペンゼル 94 0 0 06/01
本棚のご利用には ログイン が必要です。

第一稿

〈登場人物〉
明智耕助(28)探偵。
筒井美桜(27)耕助の助手。
丸山夏美(27)耕助の恋人。
丸山隆平(28)夏美の夫。


〈本編〉

◯夏美のアパート・寝 ...続きを読む
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
 

〈登場人物〉
明智耕助(28)探偵。
筒井美桜(27)耕助の助手。
丸山夏美(27)耕助の恋人。
丸山隆平(28)夏美の夫。


〈本編〉

◯夏美のアパート・寝室(夜)
床に男女の衣服が散乱している。
ベッドの上では、明智耕助(28)と丸山夏美(27)がキスをしている。どちらも下着姿である。
夏美「ねえ?」
耕助「ん?」
夏美「明日も仕事あるんでしょ?」
耕助「あるよ」
夏美「今夜は早く帰ったほうがいいんじゃない?」
耕助「今何時?」
夏美「8時」
耕助「まだ帰るには早いよ」
夏美「10時くらいまでには帰ったほうがいいんじゃない?」
耕助「…なんで10時?」
夏美「…なんとなく」
耕助「それかさ、今夜はここに泊まろうかな」
夏美「え? 泊まるの?」
耕助「名案だと思わない?」
夏美「…ちょっと、お水とってくる。あなたは?」
耕助「もらおうかな」
夏美、寝室を後にする。

◯同・キッチン(夜)
夏美、キッチンにやって来る。
そして、コップに蛇口の水を注ぐ。
丸山隆一(28)、帰宅してくる。
夏美「(隆一を見て)⁉︎」
隆一「ただいま」
夏美「もう帰ってきたの? 今日は夜の10時まで残業じゃなかったの?」
隆一「それがさ、思ったよりも仕事が早く終わってさ」
夏美「そ、そう…」
隆一「ていうか、なんで下着姿?」
夏美「…ああ、ほら、今日暑いから。それより、シャワー浴びてきたら?」
隆一「…うん」
隆一、少し腑に落ちない様子でシャワーを浴びに行く。
夏美「…」

◯同・寝室(夜)
耕助、ベッドに寝転んでリラックスしている。
夏美、寝室に入ってきて、ドアを閉める。耕助のそばへ行く。
夏美「悪いんだけど、今すぐ帰ってくれない?」
耕助「え?」
夏美「今すぐ、ここから出て行って欲しいの」
耕助「え、何? どうしたの急に?」
と、起き上がる。
夏美「事情は後で説明するから」
耕助「いや、今説明してよ」
夏美「それはできないんだけど、とにかく、今すぐ帰って欲しいの」
耕助「急に帰れって言われても、何で帰って欲しいのか説明してくれないと」
夏美「…分かった」
夏美、耕助の隣に座る。
夏美「…実はね、私…結婚してるの」
耕助「え?」
夏美「ずっと黙ってたんだけど、私…既婚者なの」
耕助「…ウソでしょ」
夏美「…ホントよ」
耕助「え、つまり…君は、旦那さんがいるけど、僕と付き合ってたってこと?」
夏美「…うん」
耕助、衝撃のあまり言葉が出ない。
夏美「本当ごめんなさい、ずっと黙ってて」
耕助「この事、旦那さんは知ってるの?」
夏美「多分バレてない。それでね、私の夫が、今仕事から帰ってきたの」
耕助「えっ! 今この家にいるの?」
夏美「そう。だから、夫に気づかれる前に早く帰って欲しいの」
耕助、床に落ちている自分の衣服を急いで拾う。
夏美、ベランダの窓を開け
夏美「ベランダから出て」
耕助、ベランダから出て行く。
夏美、窓とカーテンを閉める。
隆一、寝室のドアから覗く。
隆一「なんか物音したけど、何の音?」
夏美「いや、何でもない」

◯道(夜)
耕助、衣服を抱えながら下着姿で歩いている。
誰かの視線を感じ、立ち止まる。
見ると、ゴミ出しをしているおばさんが耕助のことをじっと見ている。
耕助「…こんばんは」

◯タイトル「探偵の恋人が既婚者」 

◯雑居ビル・外観(日替わり・朝)
ビルに「明智探偵事務所」のテナントが入っている。

◯明智探偵事務所・中(朝)
筒井美桜(27)、テーブル席に座っている。
美桜「まず聞いてもいい? パンツ一丁で家に帰ったの?」
美桜の対面に、耕助が座っている。
耕助「いいや。“こんばんは”って言った後、すぐ服を着た」
美桜「じゃあさ、アパートのベランダから、どうやって一階に下りたの?」
耕助「夏美の部屋が一階にあるんだ。そんな事どうでもいいだろ」
美桜「ごめん、次は真面目な質問。夏美さんとは、半年くらい付き合ってるんでしょ? どうするの? これから」
耕助「…分からない」
美桜、テーブルにある本を持ち、席を立つ。そして、その本を棚に収納する。
美桜「それにしてもさ、ホント笑えるよね。自分の彼女が既婚者だったなんて」
耕助「全然笑えない」
美桜「私は笑える」
ドアのノック音。
耕助「どうぞ」
ドアから、隆一が入室。
耕助、イスから立ち上がり、美桜、彼の横に来る。
隆一「あの、探偵の明智さんですか?」
耕助「はい、明智耕助と申します。こっちは助手の筒井です」
美桜「(隆一に)どうも」
隆一「明智さんに、ちょっと依頼したい事がありまして」
耕助「どうぞお座り下さい」
一同、テーブル席のイスに座る。
美桜「まずはお名前を伺ってもいいですか?」
隆一「丸山隆一です」
耕助「私に依頼したい事、というのは?」
隆一「実は、浮気調査をお願いしたくて」
美桜「浮気というのは、奥さんの?」
隆一「そうです」
耕助「奥さんの顔が分かる写真とかはありますか?」
隆一、ジャケットの胸ポケットから一枚の写真を取り出す。
隆一「こちらなんですけど」
と、耕助たちの前に写真を置く。
写真は、夏美の顔写真。
耕助・美桜「⁉︎」
隆一「名前は“夏美”っていいます」
耕助「…」
美桜「(隆一に)実は私たち、浮気調査得意なんですよ」
隆一「へえー、得意なんですか」
耕助「(美桜を見ながら)⁉︎」
美桜、耕助にニッコリ笑う。
隆一「ここ半年くらい、妻の様子が変なんです。やっぱり、他の男と浮気してるんですかね?」
美桜「(耕助に)どう思う?」
耕助「いや、何ていうか…その…」
隆一「調査が終わるまでは、浮気しているかどうかなんて分からないですよね」
美桜「いや、意外とそんな事ないですよ。例えば、最近ご自宅で、物音を聞いたことありませんか?」
隆一「あ、あります。ちょうど昨日の夜、寝室で変な物音がしたんです」
美桜「そのとき奥さん、下着姿でしたよね?」
隆一「! そうです! 下着姿でした!」
美桜「それ、男を家に連れ込んでる証拠なんですよ」
耕助「ちょっといいかな? 悪いけど、あっちへ行って、コーヒーを淹れてくれるか?」
美桜「…了解」
と、コーヒーを淹れに行く。
耕助「あの、丸山さん。浮気調査なんですけど、必ずしも丸山さんがご想像されているような結果にはならないということを予めご了承いただきたいんですが」
隆一「大丈夫です」
耕助「…そうですか」
隆一「それで、浮気調査はしていただけるんでしょうか?」
美桜、コーヒーを淹れる手を止め
美桜「もちろんです!」
耕助「何で助手の君が決めるんだ?」
隆一「それと、もう一つお願いがありまして」
耕助「何でしょう?」
隆一「もし仮に妻が浮気をしていたら、その浮気相手のことも調べていただきたいんです」
耕助「浮気相手…ですか?」
隆一「一体どこの誰と浮気をしているか知っておきたいんで」
美桜「意外と近くにいるかもしれませんよ」 
耕助「黙ってコーヒー淹れてくれ」

◯カフェ・中 
夏美、テーブル席に座っている。
夏美「浮気調査?」
その対面に、耕助が座っている。
耕助「君が浮気してるかどうか調べて欲しいと言われた」
夏美「一回整理していい? 私が浮気をしてるって疑ってるの?」
耕助「疑ってる」
夏美「そして、浮気調査を依頼したの?」
耕助「よりよって僕にね」
夏美「…それで、どうなったの?」
耕助「浮気調査を引き受けることになった」
夏美「(驚き)何で引き受けたの?」
耕助「僕が引き受けなくても、きっと他の探偵が引き受ける」
夏美「でも、夫に何て話すの?」
耕助「僕たちが付き合ってることを正直に話そう」
夏美「そんなのイヤよ! 付き合ってることは隠しておきたい」
耕助「でも、僕は真実を隠すべきじゃない」
夏美「そりゃあなたはいいわよ。既婚者ってこと隠していた私が全部悪いんだから」
耕助「君、隠してばかりだね」
夏美「とにかく、付き合ってることを話すのは絶対ダメだから」

◯明智探偵事務所・中(夜)
美桜、ソファでくつろぎながら読書している。
ドアから、耕助が入室する。
そして、美桜のそばへ行き、座る。
耕助「君は気楽でいいよな」
美桜「夏美さん、何て言ってた?」
耕助「浮気のことは隠しておきたいんだってさ」
美桜「あなたは違うの?」
耕助「僕は隠したくない」
美桜「意見が割れてるのね」
耕助「だから困ってるんだ」
美桜、サイドテーブルの上にある封筒を手に取る。
美桜「ほい」
と、耕助に渡し、読書を再開する。
耕助「何これ?」
美桜「中身を見て」
耕助、封筒を開け、中身を見る。
耕助「⁉︎ (美桜に)マジかこれ⁉︎」
美桜「今度アイス奢ってね」

◯バー・中(夜)
夏美、カウンター席で酒を飲んでいる。
グラスの酒を飲み干す。
夏美「(バーテンに)すいません、もう一杯ください」
夏美の携帯の着信音が鳴る。
夏美、携帯を取り出し、電話に出る。
夏美「もしもし?」

◯市街地(夜)
耕助が電話している。
耕助「もしもし? 今何してる?」

◯バー・中(夜)
夏美が電話している。
夏美「今、バーでお酒飲んでる」
耕助の声「1人で?」
夏美「うん」
耕助の声「今からそっちへ行っていい?」
夏美「いいけど、何かあったの?」

◯市街地(夜)
耕助が電話している。
耕助「実は、君に話したいことがあるんだ」

◯明智探偵事務所・中(日替わり・朝)
美桜、小さい紙袋を持ちながら、ドアから入室する。
隆一、テーブル席に座っている。
美桜「もう少しお待ち下さいね」
隆一、美桜に軽い会釈をする。
美桜、デスク席へ行き、座る。
そして、紙袋からドーナツを取り出す。
隆一、美桜のほうを見る。
美桜、ドーナツを食べる。
美桜、視線を感じ、そちらの方を見る。
隆一が美桜のことを見ている。
美桜「ドーナツ、食べます?」
隆一「いや、結構です」
ドアから、耕助と夏美が入室する。
耕助「(隆一に)すいません、お待たせしました」
耕助と夏美、隆一の対面に座る。
隆一「何で妻がいるんですか?」
耕助「実は、彼女からお話がございまして」
夏美、黙っている。
耕助「(夏美に)さあ」
夏美「(隆一に)隆一くん、彼に浮気調査を依頼したんだよね?」
隆一「…うん」
夏美「私ね…彼と浮気してるの」
隆一「…え?」
夏美「半年くらい前から、彼と付き合ってるの」
隆一「…嘘だろ」
夏美「私が全部悪いの。既婚者ってことを隠して、彼と付き合ってたから。彼は何も悪くないの」
隆一「…帰るわ」
と、席を立つ。
耕助、席から立ち上がり
耕助「丸山さん、ちょっと待って下さい」
と、隆一を引き留める。
隆一「何ですか?」
耕助、自分のカバンから例の封筒を取り出す。
耕助「(隆一に)お見せしたいものがあるので」
隆一、しぶしぶ席に戻り、耕助も席に座る。
耕助、封筒から二枚の写真を取り出し
耕助「こちらなんですけど」
と、隆一に見せる。
隆一「⁉︎」
一枚目は、隆一と女性Aが路上で手を繋いでいる写真。
二枚目は、隆一と女性Aが路上でキスしている写真。
夏美「昨日ね、私もこの写真を見たんだけど、どうしても分からないことがあるの。(女性Aを指しながら)この女性、誰なの?」
隆一「いや、それは…」
耕助「これはあくまで、僕の推論なんですが。丸山さん、あなた自身も浮気されてますよね?」
隆一「…」
耕助「彼女(夏美)は自分の浮気のことを正直に話しました。丸山さんも正直に話してくれませんか?」
隆一「…」
美桜、ドーナツをもぐもぐ食べている。
隆一「(夏美に)俺も…浮気してる。すまん」
夏美「…いつから浮気してるの?」
隆一「一年…くらい前かな」
夏美「(目つきが変わる)…一年?」
隆一「うん、一年前」
夏美「私半年なんですけど」
隆一「え?」
夏美「私、半年しか浮気してないんだけど」
隆一「…いやいや」
夏美「あなた一年も浮気してるんでしょ? 私の二倍浮気してるじゃん!」
隆一「いや…問題は俺たち二人とも浮気をしていることであって、浮気の長さはそんなに関係ないんじゃない」
夏美「関係大アリなんですけど!」
隆一「…でもさ、お互い浮気をしているわけじゃん。だから、お互いだよね…っていう話じゃないの?」
夏美「私帰る!」
と、席を立つ。
隆一「夏美!」
夏美、ドアを勢いよく閉め、出て行く。
耕助と隆一、取り残される。
美桜、ドーナツを持って、隆一のもとへやって来る。
美桜「ドーナツ、食べます?」
隆一「…いただきます」
と、美桜からドーナツを受け取る。

〈了〉

この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
本棚のご利用には ログイン が必要です。

コメント

  • まだコメントが投稿されていません。
コメントを投稿するには会員登録・ログインが必要です。