昨日のあの曲 日常

道ゆく全ての人が昨日聞いたあの曲。 その正体とは!!
KINOKOOO 11 0 0 04/06
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第一稿

登場人物

ブレインズ
ボーカル(19)...天才的ボーカリスト

ギター(33)...ボーカルに才能を見出しボーカルについてきた流浪のギタリスト

ベース(16). ...続きを読む
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登場人物

ブレインズ
ボーカル(19)...天才的ボーカリスト

ギター(33)...ボーカルに才能を見出しボーカルについてきた流浪のギタリスト

ベース(16)...気に入った曲は即座に練習。あらゆる曲を完璧にこなすペーシスト。格好つけだが実は努力家。

メロディ(18)...ボーカルの幼馴染。ボーカルと一緒にいたくてキーボードの練習をいっぱいしたのは秘密。

ドラム(23)...自分に自信がないドラマー。けど言われたことはきっちりこなす。

観客

おじさん(44)
女子高生1(16)
女子高生2(16)
観客1
観客2
観客3



~~~~~~~~~~~~

〇駅前(朝)
   老若男女様々な人で混雑している駅前。 
   
○同・花壇前
   駅前のちょっと離れたところの花壇。
   人通りが少ない。
   ブレインズ、通行の邪魔にならないように小さく楽器を展開し、各々楽器などのチューニングをしている。
   ・ボーカル、アンプの調子を見ている。
   ・ギター、ギターのチューニング。
   ・ドラム、ドラムの位置の調節、音色の調整
   ・ベース、ベースをアンプに繋がず夢中で何かの曲を演奏している。
   メロディ、重いキーボードをよいしょとキーボード台に乗せる。
   メロディ、一息ついて小声でドラムに話す
メロディ「ねぇ、今日なんの曲すんの?聞かされてないんだけどぉ?」
T「メロディ!!」
ドラム「俺も聞いてないよ。叩けなかったらどうしよう」
   ドラム、青ざめる。
T「ドラム!!」
   ギター、横目で2人の話を聞いている。
ギター「おい。ボーカル、今日の曲は?言わねーとみんなわかんねーぞ」
T「ギター!!」
   ボーカル、マイクをマイクスタンドに取り付け
ボーカル「うーん、そうだなぁ。昨日聴いた曲どう?あれ弾いてみたい」
T「ボーカル!!」
   ギター、メロディとドラムを見てニヤつく
ギター「だってよ」
   メロディ、ボーカルに怒る。
メロディ「あんた!!いつもそうなんだから!!ちゃんと曲決めてから路上ライブしなさいよ!」
   ボーカル、申し訳なさそうに頭を掻き
ボーカル「ごめんごめん」
   ドラム、優しくボーカルに微笑み
ドラム「でも俺もあの曲好きだ。いっぱい聴いたから叩けると思う」
ギター「俺も賛成だ」
メロディ「しょうがないわね〜。やってあげるわ」
   メロディ、ベースを小突く
ベース「いてっ」
メロディ「あんた聞いてんの?」
ベース「っせーな、おにばば、ヒステリックになるなよ。聴いてるよ。昨日のあの曲だろ。完璧に弾けるぜ、、あれ?痛い」
   ベース、額から血が流れる。
   メロディ、血のついたトンカチを握っている
メロディ「次言ったらもう一回同じとこ強めに殴るわよ」
   ベース、掠れた声で
ベース「なんでトンカチ持って、、」
   ベース倒れかけるが一歩足を踏み出し、ベースを握り片手を上げ決めポーズ
ベース「ベェエエス!!」
T「ベース!!」
   ドラム、拍手し
ドラム「おお、決まったね」
メロディ「始まってもないのに何キメてんのよ」
ギター「お前ら真面目にやれ」
   ボーカル、笑う
ボーカル「あはは。やっぱみんな最高だ!今日もみんな張り切ってこう!」
みんな「おう!」
   5人の目のアップショット。
   5人の姿の俯瞰ショット。
T「BRAINS!!」
   ボーカル、マイクの前に立ちにこやかに振り返る
ボーカル「じゃ、みんないい?」
   メロディ、ため息をつきながらも微笑む
   ドラム、ニコって感じの笑み
   ギター、フッと微笑む
   ベース、ニヤつく
   ボーカル、ドラムに目配せ
   ドラム、頷きスティックを叩いてカウント
ドラム「ワン、ツー、ワンツースリっフォー」

(音楽)

   前奏が始まる

○同・お兄さん
   お兄さん、演奏しているブレインズの前を通り過ぎようとするが、立ち止まりブレインズの音楽を聴く

○同・女子高生
   女子高生1、女子高生2と雑談しながら歩いている。
   ブレインズの音楽が聞こえてくる
   女子高生1&2、話をやめブレインズをみる
   
○同・おじさん
   おじさんが俯いて歩いている。
   おじさん、独り言を呟く
おじさん「今日も朝まで残業だった。もう頑張れない。ほんとにギリギリだった。」
   ブレインズの音楽がおじさんの元へ聞こえて来る
   おじさん、顔をあげる
おじさん「き、昨日の曲だ」
   おじさんの後ろに女子高生1&2。
女子高生1「これ昨日の曲じゃない?」
女子高生2「ほんとだ!いこいこ!!」
   女子高生1&2、おじさんの横を通り過ぎブレインズの元へいく。
   おじさん、ブレインズの曲に聴き入り、導かれるようにブレインズの元へ歩いていく。 
   ブレインズは光り輝いているように見え、あたりには人だかりができている。
おじさん「ああ、この曲。ずっと聴きたかった、、、」
   おじさん、ブレインズの光に飲まれる

○同・花壇前
   ブレインズ、輝く汗をかきながら演奏している
   ボーカル、まだ歌わず下を向いている。
   ブレインズの周りには人だかりができている。
   ・スマホで映像を撮る者
   ・腕を上げ盛り上げる者
   ・静かに聴く者
   女子高生1&2、人だかりの外で背伸びして見ている。
   おじさん、人だかりを押しのけて前列へ
   おじさんの周りの観客うざったいなという顔
   おじさん、ボソリと呟く
おじさん「くるぞ、、、」
   ボーカル、前を向きマイクをぎゅっと握る。
ボーカル「シャンプー!シャンプー!ショウガ根エキスで痒み抑え!!」
   ボーカルが入ることでドッと盛り上がる観客。
ボーカル「保湿成分わすれてなぁい!!いぇえええええ!!」
   ボーカルの叫び声が駅内を響き渡り
   空に響く

○アパート・リビング
   男、リビングのソファに寝転がりボーッと天井をみている
   男の頭に響くボーカルの声
ボーカルの声「いぇええええい」
   男、続きをボソボソと歌う
男「サイコー!サイコー!今日から始める頭皮ケア。サイコーサイコー、、、」
   男、起き上がり
男「ああ、だめだ。昨日聴いたシャンプーのCMがキャッチーすぎて頭から離れない」
   男、スマホを取り出しイヤホンを装着。
   男、スマホを操作しYouTubeからシャンプーを検索、再生。
   シャンプーのCMが流れ始める

○駅前
   空から爆音で流れてくるシャンプーのCMの伴奏

○駅前・花壇前
   cmの音楽が流れてきて演奏が止まる。
観客1「なんか聞こえてこないか」
観客2「まさか、、こいつらが呼び寄せたのか、、昨日の曲を」
観客3「おいおいマジかよ。」
   ざわつく観客。
   メロディ、困惑しながら
メロディ「ねぇこれって、、」
   ドラム、青ざめる
ドラム「ひええぇ」
ベース「おいおいまじかよ。あの昨日の伝説のベースだ」
   冷や汗かいて笑う
ギター「すげーなこりゃ」
   ボーカル、ニヤリと笑う
ボーカル「みんな。これに合わせていくよ」
   ドラムが慌てて空から聞こえるリズムを聞きカウント。
   ドラム「ワン、ツー、ワンツースリっフォー」
   メロディ、ギター、ベース、ドラム演奏を始める。
ボーカル&CM「シャンプー!シャンプー!!ショウガ根エキスで痒み抑え!!」
   ドラム、叩くたびに飛び散る光る汗
ボーカル&CM 「保湿成分わすれてなぁい!!いぇえええええ!!」
   気づけばブレインズの周りには大量の観客。
   大盛り上がり。
   おじさん、かなり盛り上がっている
ボーカル&CM 「サイコー!サイコー!今日から始める頭皮ケア!!」
   荒ぶるギターソロ、隣にベース。
ボーカル&CM 「サイコー!サイコー!痒くない俺の頭ぁ!」
   空から聞こえる演奏もブレインズの演奏もピタリと止む。
   観客も黙る。
ボーカル&CM「痒い頭にgoodbye」
   盛り上がり拍手している観客。
   おじさん、泣いている
おじさん「ありがとう。ありがとう」
   ブレインズ、演奏をやりきり頭を下げている。

○ アパート・リビング
   男、ソファの前で歌い切ったように立っている
   男の手にはスマホ。
   スマホには再生終了の文字
男「ふぅ(一息)思わず踊り狂っちまったぜ」
   男、汗を拭う。スマホを見る
男「やっぱ頭の中で曲が流れ続ける時は原曲聴くのが1番だな」
   少しの間
男「もっかいきくか」
   スマホの再生ボタンをおし、曲を流れ始める
   男、頭を振って踊る
   
〈おしまい〉

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