蒼光のピアス 恋愛

時計の音だけがその部屋でチクタクと鳴っている。男と女が黙って下を向いたままお互い向き合って座っている。もう何分、いや何時間このような感じなのかは分からない。お互いが目を合わすこともなく、下を向き、唇をかみしめている。最後に発した言葉は恐らく男の別れの言葉だろう。その証拠に男が置いたであろう、この部屋の女の目の前に、鍵が1本置かれ、座ったままではポケットにしまうことができず、行き場を失った男物のキーケースが男の手元に置かれていた。 この物語は、ピアスを巡るカップルの最後の1時間の話である
松永柚月 10 0 0 02/07
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第一稿

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「蒼光のピアス」(PDFファイル:347.63 KB)
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