晴れ、然るに…にわか雨  ドラマ

マッチをコレクションしていた木村貴志(30)とマッチ箱でドミノにして遊んでいた木村海斗(4)。そんな子ども時代を思い出す海斗(24)は空を見上げ、泣き出す。なぜ泣いたのか。貴志に何があったのか。
森 音 23 0 0 10/16
本棚のご利用には ログイン が必要です。

第一稿

登場人物

木村海斗(4)幼稚園児
海斗(24)成長した海斗
木村貴志(30)父
木村桜(29)(49)母
車掌
 

 
◯走るバイク(夜)
 
◯木村家 ...続きを読む
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
 

登場人物

木村海斗(4)幼稚園児
海斗(24)成長した海斗
木村貴志(30)父
木村桜(29)(49)母
車掌
 

 
◯走るバイク(夜)
 
◯木村家・居間・中(夜)
ちゃぶ台の上にマッチ棒がばら撒かれている。
   
◯走るバイク(夜)
   
◯木村家・居間・中(夜)
   畳にマッチ箱が落ちている。
 
◯同・外観(夜)
   月が家を照らしている。
 
◯走るバイク(夜)
 
◯木村家・台所・中(夜)
   コンロの火を点火させ、包丁で白菜を切っている木村桜(29)。
桜「海ちゃん、もうすぐご飯だから、テーブ
ル片付けて」
 
◯同・居間・中(夜)
   ちゃぶ台の上にマッチ箱をジグザグに並べ、ドミノを作っていく木村海斗(4)。
   メーカーや柄が違うマッチ箱。
 
◯同・玄関・外(夜)
   木村貴志(30)、バイクのエンジン音を鳴らしながら、ライトを消し、ヘルメットを外す。
 
◯同・台所・中(夜)
   鍋には豚汁が入っている。
   桜、豚汁に切った白菜を入れる。
   バイクのエンジン音が響く。
   桜、目を大きく開く。
桜「お父さんだわ。海ちゃん、お父さん帰ってくるわよ~! テーブルの上片付けなさい」

◯同・居間・中(夜)
   海斗、黙々とマッチ箱を並べている。
海斗「もう少しなの」
 
◯同・外観(夜)
   静寂な夜。
   小さな庭がある。
 
◯同・玄関・外(夜)
   貴志、チャイムを鳴らす。
 
◯同・台所・中(夜)
   チャイムが鳴り響く。
桜「鍵あるでしょ、自分で開けて~!」
   桜、ため息をつき、豚汁を混ぜる。

 
◯同・玄関・外(夜)
   貴志、肩を落としながら、鍵を開ける。
貴志「はい、はい」
   
◯同・居間・中(夜)
   ちゃぶ台の上、全体にジグザグに並べられたマッチ箱のドミノ。
 
◯同・玄関・中(夜)
   靴を脱ぐ貴志。
貴志「ただいま〜!」
 
◯同・廊下(夜)
   静まり返っている。
 
◯同・玄関・中(夜)
   ため息をつく貴志。
 
◯同・台所・中(夜)
   桜、鍋を見つめている。
桜「ねえ、海斗聞いてんの!」
 
◯同・居間・中(夜)
   海斗、マッチ箱のドミノを見て、ニコッと微笑む。
海斗「お母さん、できたよ! 見て、ほらっ」
   貴志、居間のドアを開ける。
貴志「ただいま!」
   ちゃぶ台の上に立てたマッチ箱が1箱倒れる。
   海斗、目を大きく見開き、口を大きく開ける。
   次から次へとマッチ箱が倒れていく。
   海斗、両手で頭を触り、涙目になる。
海斗「僕の……」
   貴志、倒れていくマッチ箱を見つめ、指差す。
貴志「俺の大事なコレクションに何してんだよ!」
   ショーケースの蓋が開いている。
   ケースの中は空っぽ。
   海斗、泣きじゃくる。
海斗「僕のドミノ。僕が倒したかったの」
   貴志、足をバタバタさせ、マッチ箱とマッチ棒を掴み、じーっと見つめ、ため息を漏らす。
貴志「よかった。無事で」
海斗「良くないもん。お父さんのせいだ。お父さんがいなければこんなこと起きなかったもん」
貴志「海斗! お前なんて言った!」
海斗「お父さんがいなくなれば……」
   海斗の口を抑えて、脇腹をくすぐる貴志。
貴志「このやろう」
   笑い泣きをする海斗。
貴志「そんな奴はこちょこちょの刑だ」
海斗「お、お母さん、助けて〜」
貴志「これでどうだ」
 
◯同・台所・中(夜)
   桜、ニコッと微笑みながら、お椀に豚汁をよそう。
桜「バカ親子ね」
 
◯同・居間・中(夜)
   大笑いをして騒ぐ海斗と貴志。
   ちゃぶ台の上、マッチ棒とマッチ箱が散乱している。
   畳にマッチ棒が転がっている。
 
◯交差点
   信号が青色。
 
◯木村家・外観(夜)
   静寂に包まれる。
 
◯交差点
   信号が黄色になる。
 
◯走る電車
 
◯走る電車の中(朝)
   マスクをして、携帯を触っている人た
ち。
 
◯渋谷駅・山手線・ホーム(朝)
   電光掲示板「電車がまいります」
   マスクをして、並んでいる人たち。
車掌の声「危ないので黄色い線の内側までお
下がりください」
   
◯居酒屋・入口・外
   扉に張り紙が貼られている。
   張り紙「緊急事態宣言により当面の間、営業を自粛いたします」
 
◯商店街(夜)
   人通りが少ない。
 
◯交差点
   信号は赤になる。
 
◯走る救急車
 
◯木村家・外観(夕)
 
◯同・居間(夕)
   新聞が置かれている。
   記事「東京でコロナウイルス感染者1万人越え」
 
◯同・台所・中(夕)
   水道の蛇口から水滴がポタっと落ちる。
 
◯同・居間・中(夕)
   仏壇と貴志の遺影が置いてある。
   桜(49)、仏壇の前に座り、手で顔を隠して泣いている。
桜「なんでお父さんが」
   遺影を見つめる桜。
 
◯同・縁側(夕)
   海斗(24)、煙草を吸いながら、縁側に座っている。
   コーヒーの入った缶を隣に置いている。
   海斗、コーヒーを一口飲み、煙草を缶に入れ、火を消して、ゆっくり立ち上がる。
 
◯同・居間・中(夕)
   埃被ったショーケースが置かれ、ショーケースの中には色々な柄のマッチが飾られている。
   海斗、ちゃぶ台に煙草を入れた缶を置き、泣いている桜の隣で目を瞑り、手を合わせる。
海斗「お父さん……お父さん」
   海斗、肩を落とし、涙を流す。

この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
本棚のご利用には ログイン が必要です。

コメント

  • まだコメントが投稿されていません。
コメントをするには会員登録・ログインが必要です。