カッコウは毒をまく 日常

課題「別れ」 小学生の四十万拓真(しじまたくま)(10)は、夜中に、包丁を持った母親に起こされる。拓真の父親に殴られた後があり、母親に、拓真が勉強しないからと責められるが、拓真は、勉強するだけでは、解決できそうにない何かを感じ取っていた。
祥天音 148 1 0 04/03
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第一稿

     人 物
 
四十万(しじま)拓(たく)真(ま)(10) 小学生
四十万(しじま)拓(たく)真(ま)(22) 声のみ
四十万(しじま)真由子(まゆこ)(49) 主婦 ...続きを読む
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     人 物
 
四十万(しじま)拓(たく)真(ま)(10) 小学生
四十万(しじま)拓(たく)真(ま)(22) 声のみ
四十万(しじま)真由子(まゆこ)(49) 主婦
四十万みつ子(74) 拓真の祖母
四十万貴一(45) 特許庁勤務
矢島あやみ(49) 砧企画会社勤務
        真由子の双子の姉
 

○四十万(しじま)家・全景(深夜)
    三日月の静かな夜。
    家に駐車していたワゴン車に乗り、
    四十万(しじま)貴(き)一(いち)(45)が運転し、出て行く

○四十万家・子供部屋(深夜)
    水色を基調とした壁紙で、飛行機が
    飾ってある男の子らしい部屋。
    四十万(しじま)拓(たく)真(ま)(10)が
    ベッドでスヤスヤ
    と眠っている。

○四十万家・キッチン&リビング(深夜)
    四十万(しじま)真由子(まゆこ)(49)の
    泣き声がする
    広いリビングの中に、洋風の仏壇が
    あり、上には、祖父の写真がある。
    ローキャビネットの上には、家族の
    幸せそうな写真が沢山飾ってある。
    真由子の双子の姉の矢島あやみ(49)
    と真由子との姉妹写真もある。
    真由子は泣きながら包丁を取り出す

○四十万家・廊下・階段(深夜)
    真由子は、フラフラと廊下に出て、
    静かに階段を上って行く。

○四十万家・子供部屋(深夜)
    真由子が静かにドアを開け、拓真の
    顔が見えるベッド位置に座り込む。
真由子「・・拓真、拓真起きて・・?」
    拓真は、揺り動かされ起きる。
拓真「ママ、なぁに? 僕、眠いよ」
    拓真は、ママの顔に、アザがある事
    に気づく。
拓真「どうしたの? ママの顔が、青いよ?」
真由子「(アザを手で隠して)ママね、怒ら
    れちゃった」
拓真「・・ん? 誰に?」
真由子「おばあさまとパパに」
拓真「・・えっ」
真由子「たっくんの成績が悪いから、ママ
 が、たっくんを悪い子にしたって、怒ら
 れちゃったの」
拓真「・・・僕が悪いの?」
真由子「だって、たっくん、最近、TVゲ
 ームばっかりして遊んでたでしょう?」
  
   拓真が真由子をじっと見上げる

真由子「ママが、あんなに止めたのに、た
 っくん、聞かなかったよね?」
拓真「だって・・」
   布団から、キランッと光る包丁が目
   に入り、ビクッとする拓真。
真由子「だから、ママとお空に行こう?」
拓真「お空?お空って? 飛行機乗るの?」
   
   真由子が、小さく笑いながら、ゆっ
   くりと包丁を持ち出す。
   拓真は、体がこわばる。
 
拓真「・・ママ止めて? 僕、いい子になるよ! ちゃんと勉強するから!」
    
   拓真が泣きだす。

真由子「この前もそう言ったでしょう? で、ママとの約束守らなかったじゃな
 い? パパも出て行ったし、行こう?」
拓真「守る! ちゃんと勉強するよ。 だからもう、包丁なんてやめてよ(泣)」
    
   階下から、四十万みつ子(74)の声がす
   る。

みつ子の声「今日は、どうしたのー? 真
 由子さん、もう遅い時間よ! 拓真を早
 く静かに寝かせて、寝なさい?」
    
   真由子が、ふと我に返り、階下に会
   釈しに行く。
   包丁は、布団の上に置いたまま。
   拓真がじっと見ていると、真由子が
   何事も無かったように戻って来て、
   包丁を持ち、スマホを掛けながら、
   階下に降りて行く。
 
真由子「出て行っちゃったの・・あやみ、
 どうしよう・・うん・・うん・・。 帰
 って来るかな? あ、お客さん?ごめん、
 そうよね、ありがとう、おやすみ」
    
   拓真は、大きくため息を吐き、布団
   を頭まで被り、静かに泣き始める。
   嗚咽もせず、ママ達に見つからない
   ように、静かに、涙を零(こぼ)している。
 
拓真M(大人の声)「僕は、あの時の感情
 が未だに、整理できていない・・。 あ
 の頃の母は、宗教に盲信していたのに、
 僕に言っていた宗教の良い行いと母の
 良い行いは、全く一致しないどころか、
 正反対な命令と支配的な暴力だったと
 思う・・」

○四十万家・キッチン&リビング(朝)
   真由子は静かに仏壇に手を合わせ、
   ご供養を唱えている。

拓真M(大人の声)「でも母は、次の朝も拝
 んでいた。 一体母は、何を拝んでいた
 んだろう?」

○小学校・保健室(朝)
   拓真がお腹を押さえてやって来る。
 
拓真「先生、お腹痛い・・」
保健室の先生(以下 保で表示)「あら、
 四十万くん珍しいわね。何か悪いモノ
 でも食べた?(笑) ちょっと横になる?」
    
   拓真は頷き、ベッドに横になる。
   背を向けたまま話し出す拓真。

拓真「僕の友達なんだけどね、あ、塾のね。
 その子のお母さんが、その子の成績が
 悪いって、お父さんに殴られたんだって
 ・・どうしたらいいんだろうね?」
保「家庭内の事はねー、んー、その子は、
 殴られたりしたの?」
拓真「ううん・・・」
保「殴られたら、警察に言わなきゃね?」
拓真「警察?(拓真の眼が驚く)・・うん」
   拓真が布団を頭から被る。

○小学校・保健室・布団の中
   青白いシーツに包まれた毛布の中で
   悩んでいる拓真。

拓真M「考えなくちゃ、僕が勉強すればい
 いだけの話じゃないような気がする・・」

○砧公園(夕)
   拓真は、あやみを見かけ、声を掛け
   ようとするが、四十万とあやみが親
   しげに腕を組んで、真由子の悪口を
   言っているので、物陰に隠れる。
 
あやみ「真由のそういうとこ大嫌いー(笑)」

○四十万家・子供部屋(夜)
   PCで、調べものをしてる拓真の眼
   鏡にブルーライトが映り込んでる。
 
拓真「考えなくちゃ、僕は、早く大人にな
 って、ママを守らなくちゃ・・」

   拓真は、泣きながら、PCを打つ。

拓真「パパと伯母ちゃんが毒をまいてたな
 んて、誰が信じてくれる・・?」
 
○四十万家・階段下(夜)
    真由子が2階の拓真に向かって叫ぶ
 真由子「たっくーん、ご飯よー?」
 
○四十万家・子供部屋(夜)
   拓真が、乱暴にPCを閉じて毒づく。

拓真「もう! わっかんねぇーよ!」
 
 
○四十万家・キッチン&リビング(夜)
   拓真が、降りてこない。
   料理を前に、テーブルに座って、待
   っているみつ子が、文句を言う。
 
みつ子「真由子さんが、甘いから・・」
真由子「すみません・・」
みつ子「本当、お姉さんのあやみさんが、
 嫁に来てくれれば良かったのにねぇ」
    
   降りて来ていた拓真が文句を言う。
 
拓真「おばあちゃんが、喧嘩の種をばらま
 くから、この家は、ずっと、喧嘩ばっ
 かりだ!」
みつ子「私は、お前たちの為を思って・・」
拓真「それが余計なお世話なんだよ!」
みつ子「言いたい事があるなら、はっきり
 言いなさい!」
拓真「・・パパが、あやみ伯母ちゃんと浮
 気してた!」
真由子「嘘、何言ってるの、お姉ちゃんが?」 
拓真「砧公園で腕組んで歩いてたの見た」
真由子「お姉ちゃんが? 嘘よ・・(泣)」
拓真「パパ、おばあちゃんが嫌味を言うと
 いつも嫌そうで、悲しそうだったもん」
真由子「・・拓真もう止めて!」
拓真「それに! ママ、殴られてた!」
みつ子「この前の青あざ?まさか貴一が?」
真由子「私が悪かったんです、すみません」
拓真「ママが謝る事なんてない! ママ、
 なんで謝るの?」
   
   みつ子が立ち上がり、自室に行き、
   戻ってきて、分厚い封筒を差し出す。
 
みつ子「真由子さん、明日の朝一番に、こ
 れで家中と車も、全ての鍵を変えてきて」
真由子「・・お義母さん?」
みつ子「跡取りですからね、大目に見て来
 たけど、今日から息子とは縁を切ります」
真由子「お義母さん!」
   
   みつ子は、拓真を抱きしめて言う。
 
みつ子「拓真もつらかったね、おばあちゃ
 んが、悪かったねー、悪かった・・(泣)」
拓真「おばあちゃん・・(泣)」
みつ子「拓真の言う通り、私の子育てが一番、
 失敗しちゃったわ。 ごめんなさいね(泣)」

   玄関のチャイムが鳴る。
   ご機嫌な貴一が、帰ってドアを叩く。

貴一「パパだー、帰ったぞー、開けろー?」
    
   3人とも決意した表情で、みつ子が
   ガチャンと、ドアの内鍵をかける。
 
みつ子「貴一、あんたの家は無くなったの!」
貴一「おい! 俺の家だぞ!」

   泣きながらドアの隙間から、真由子
   が包丁を見せ、黙らせる。
貴一「おい! 俺の家だぞ!」「ここは、俺の家だからな!」

   貴一の靴音が遠のく。
   拓真と真由子とみつ子が泣いて抱
   き合う。
    















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