拝啓 全ての神様へ
クラシック音楽が流れる。
神様が出てくる。白い服を着ている。
周りより高いところにいる。
神 どーもーこんにちはー!
あなたの心を救っちゃうぞ!?みんなのアイドル、神様でーす!!いえい☆
ちょっとー……神様が挨拶してるんだから、歓声ぐらい上げなさいよ。もう、これだか
ら最近の人間は……。
あっ!わかった!みんな、この美しい私を前にして、声も出なくなっちゃったんでしょ
!ったく、しょうがないなー。しょうがないから、次ね。次私が挨拶したら、みんな、フォ
ー!!とか、神様ー!!かわいいー!!とか、美しすぎワロタ、マジ召されるンゴ、みたい
なこと言うんだぞー!たのむぞー?
(咳払い)えー、前話はここまでにして、本題に入ります。
なんとこの度私神様は、神様を一人、増やそうと思いまーす!『えー!?!?二人にな
っちゃうのー!?ソロのほうがいいって!!一人で自由奔放な神様が好きだったのに、もう
ファンやめます』とか思ってないー?大丈夫ー?
まあ、いろいろありますが、改めて、私は同業者を一人増やします。つまり…、スタッ
フ募集中!ってこと。一緒に働きましょー!年中無休だけど。
そんなこんなで、今、神様になれそうな人間を探してるんだよね。あ、言ってなかった
けど、神様は人間の中から排出されます。だから、みんなが神様になれるポテンシャルを持
ってるってことなんだよねー。スターの原石☆
でも、なかなかなり手がいないんだよねー
うーん…どこかにいい感じの子いないかなー?
主人公と友達が歩いて来る
神 お!かわい子ちゃんみっけ!
神様、聞き耳を立てる
友 そういえば主人公、進路決まった?
主 え、あー……進学?かな……将来の夢もないし
友 ふーん
主 友達は、バンド、続けるの?
友 うん。卒業したら学校に縛られなくて住むから練習し放題だし、ライブにももっと出た
いなー!
主 目指すはー?
友 武道館!
主 ははは、じゃあ私は友達のファン1号だね!
友 会員ナンバー00000001
二人、笑う
友 来年の今頃は、上京して事務所入って、デビューするぞー!
主 応援してる!
友達のスマホがなる。
友達、スマホを確認する
友 えー!?!?
主 どうしたの?
友 ベースの弦が切れたからついでに買ってこいだって
主 あら
友 ごめん主人公、私こっち行かなきゃだから駅まで一緒に行けないや。ごめんね
主 ううん、大丈夫だよ
友 じゃあまた明日ねー!!
主 うん、また明日
主 …………
神 迷ってるでしょ
主 わあー!!え、誰!?
神 そんなことどうでもいい。君、今の私何者でもないなーとか思ってるでしょ
主 え
神 友達は高校時代からバンド活動して、将来武道館に立つことを見据えている。なのに私
はなんにもしてないなー。
主 …………
神 私も、輝きたい、特別になりたいって
主 ……うん
神 なら話は早い。私が救ってあげる
主 は?
神 ではここで問題です。私は誰でしょーか!
主 ………突然高校生に声をかけてくる怪しくて変な人
神 うーん……、正解!
主 なんなのよ
神 じゃあ、自己紹介、しちゃいまーす!!
(咳払い)あなたの心を救っちゃうぞ!?みんなのアイドル、神様でーす!いえい☆
主 やっぱ変な人だ
神 おーいー、ノリ悪いなあ……
主 どう反応すればよかったのよ
神 え、神様って、あの神様!?!?始めて見た!!ってゆうか、こんなに可愛いんだー!
主 えー神様って、あの神様ー。始めて見たーこんなに変人なんだー
神 ひどい!
主 神様っていうのも何?
神 神様は神様だよ
主 ふざけてるの?
神 ふざけてないよ真面目だよ
主 …………
神 めっちゃ真面目、ガチのマジで神様
主 …………
神 ほんとに神様なんですううう!!!信じてくださああああい……!!!
主 ちょっ、泣かないでよ
神 神様はいつも泣いてるんですううう
主 さっきまで泣いてなかったでしょ
神 そっか!(泣き止む)
主 はあ
神 で、信じた?
主 いや、神自体の存在はいるのかなーって思ってたけど、まさかこんなんとは思ってなか
ったっていうか……私のイメージとは結びつかないっていうか……
神 ごめんねー髭生えたおじいちゃんじゃなくて
主 いまいち納得できない……
神 しょうがないなー……
じゃあ、君に神のパワー、オーラを見せてあげる
主 え!?
って、ちょっと何この音楽!?!?
神 言ったでしょ!救ってあげるって!!
主 は、はあああ!?!?
神様、アイドルソングを歌って踊る
主人公、だんだんとノリノリになる
神 ありがとーー!!!
主 やば……
すごい!なんか、ほんとうに、すごい!!
神 でしょー
主 なんか、涙が止まんなくて……やばい……
神 元気出た?
主 (頷く)救われるって、こういうことを言うんだなって……
神 それはよかった……
主 私! あなたみたいになりたい!!
神 ……え?
主 流石にあんなふうに歌って踊ってじゃないけど、悲しんでる人を救えて、背中を押せる
ような、そんなキラキラした存在になりたい
神 ……ふーん、言ったね?
主 言いました!
神 そっか……、君がそう言うなら、いいよ。どうすればいいか教えてあげる
主 ほんとですか!?
神 ちょうど私も神様探してたんだよねー。
主 あ、そうなんですね!って、私、神様になるんですか!?
神 うん。でも言ったのは君だからねー?
主 ……はい、後悔はありません
神 ほんっとうに言ったね?結構しんどいよ?
主 大丈夫です!体力には自信があるので
神 そっか……、じゃあ、人間から神様になる特訓だね
主 はい!よろしくお願いします!
神 それじゃあ、特訓1日目、いってみょー!!
主 よろしくお願いします!
神 ごめんねー一ヶ月も待たせちゃって
主 ホントですよ、何してたんですか?
神 いろいろ準備があってね……
主 はあ……
神 まあ気を取り直して、まずは神様になる第一条件から教えます
主 はい!
神 じゃあちょっと見ててね
主 は、はい
神様が両手を広げると、音楽とともに舞台が明るくなる
神様、手を下ろす
主 お、おお……
神 これはオーラって行って、まあ、人々に『私神様ですよー』って強調させるもの
主 なるほど
神 まあ私はこういう真面目なやつより……
アイドルソングが流れる
神 こういうののほうが性に合ってるから、そうしてるんだけどね
主 なんか雰囲気台無しですね
神 あーそれ言うー?誰かさんはこれ見てすっごい感動してましたけど
主 うっ……
神 ま、オーラなんて人それぞれならぬ神それぞれってことで
じゃあ、やってみよっか
主 え!?
神 自分のオーラを引き出すの!行くよ!!
主 えっ……、ええっと……
主人公、試行錯誤する
神 もっと堂々と!胸張って!!いいよいいよ!!かわいいよお!!
じゃあ次大胆なのいっちゃおっか!!
はい!クルッと回って〜〜〜はいハート♡
かわいいい!!!!
主 バカにしてますよね!!
神 いいじゃんか可愛かったから
主 こんなのなんの意味があるんですかー!!っていうか、全然オーラ出てないし
神 まあ練習あるのみかなーそのうち出るようになるよ
主 はぁ……これの準備に一ヶ月かかったんですか?
神 ちがうよー
はい
主 重っ……、なんですかこれ
神 神様のマニュアル
主 マニュアル?
神 それ読んどいてー
主 急になげやり!?
神 だってそれ読んで理解したらだいたい大丈夫だもん
主 はあ、(ページを捲る)ってこれ、世界史…?
神 そ、今日までの人間の歴史
主 そんなの読んでどうするんですか?
神 大事だよー歴史は。っていうか、自分が立っている場所を誰が作ったかぐらい知らない
と
主 そうなんですかね?
神 だって不安じゃない?例えば君が住んでいる家、それを作ったのは大工さんだ。でもそ
の大工さんが適当な仕事をして、できた家が床が抜けまくる欠陥住宅だったら?
主 いやですね
神 でしょ?だから君のお父さんお母さんは信用できる大工さんを自分たちで選んだ。で、
その大工さんに作ってもらうんだよ。
うーん……、もっとわかりやすくするなら、スーパーに売っている野菜に、私達が作り
ましたって農家さんの写真があったら安心じゃない?
主 たしかに……そうですね
神 それと一緒だよ
主 うーん……でも、いまいち歴史と結びつかないような……
神 あとはねえ、(ページを捲る)あったあった、人間のタイプ
主 タイプ?
神 そ、世の中色んな人がいるじゃん?
主 はい
神 優しい人、余裕がない人、寂しがりな人……いろんな人がいるね。それら種類?のまと
めが載ってる。これをぜーんぶ頭に入れまーす
主 ひゃあー……大変ですね……。
あ、でも、MBTI診断みたいな感じですか?
神 なにそれ
主 いくつかの質問によって、その人がどのタイプの人間か分かるんです
神 へー
主 たしか16タイプあったきがします
神 ふーん。たしかにわかりやすいね、そんなかんじ。
でも、ここに載ってるのは16よりもっと多いから、覚悟しとけよー
主 ちなみにどれくらい……?
神 うーん……、めっちゃ!
主 めっちゃですか……
神 現代だけじゃなくて、昔の人の分まであるからねー
主 え!?
神 あたりまえじゃん。神様になるんだから。でも、流石に私も鬼じゃないから、昔の人の
ぶんは、歴史の部分と一緒に書かれてるよ
主 (ページを捲る)確かに。こっちのほうが歴史も入ってきやすそう
神 でしょ
主 はい
神 時代によって考え方は変わるし、その考えによって時代が変わる。
これで、難しい年表や流れも、物語みたいに読めるはずだよ!
主 ……ありがとうございます!
神 ま、受験勉強のついでだと思って頑張れー
主 はい!……でも私、受験で世界史使わないんですけど……
って、どこ行くんです?
神 今日は終了、それ持って返っていいから
主 は、はい……
神 ちなみにそれ全200巻だから
主 え!?でも確かに話聞く限り多そうではあったんですけど……
神 頑張って〜私はこれからダンスの練習しなきゃだから〜
主 ちょっ、マイペースだなあ……
でも……よし、頑張るか……
主 神様ー……
神 な〜に〜?
主 なんか……
神 ……どしたん?話聞こか?
主 結構です!いや結構じゃありません!
神 どっちよ
主 神様が余計なこと言うからーもう
(咳払い)なんか……何も変わってなくないですか?
神 何が?
主 歴史が
神 お!それに気づいたのは偉いぞー!!
主 偉いんですかね
神 偉い!偉い!
主 ……(照れる)
神 もう少し、話を聞かせて
主 はい。なんか、昔の人がやっていることと、今の世界がやっていること。一緒な気がし
て……。簡単に言うと戦争とか……。もっと身近な話だと、意見の互い違いとか……
神 うんうん
主 一旦平和?っていうか、一件落着みたいになっても、また、争いが始まって……
神 ……そうだね。いつまでたっても喧嘩ばっか。やっと平和になったとしても、今度は生
きがいとかなんとかに飢えて希望がなくなる
主 …………
神 今持っているものに満足できない、わがままな人間だよ
主 ……神様は、そんな人間が嫌いなんですか……?
神 おーいー、ちゃんとマニュアル読んだかー?
主 え?
神 書いてあるのは歴史と人間のタイプだけじゃなかったでしょ
主 はい、ところどころ神様オリジナルソングの歌詞とか書いてありましたけど
神 そうそう!!あそこはめっちゃ頑張ってデコったんだよ!
主 他のに比べて力入ってるなーって思ってましたけど
神 いやーそりゃもう徹夜に徹夜を繰り返しましたからねー特にオリジナルMVの舞台裏な
んて
主 重要そうじゃなかったんで読んでません
神 ねええええ、読んでよおおお!!!!頑張ったんだよ!!!
主 はいはい、後で読みますよ
神 なんか神様の扱い雑になってない?
主 まあ三ヶ月以上一緒にいますし
神 ひどいよおお優しくして?
主 繊細なんですねー
神 まあそれは置いといて、一巻の一番最初
主 一番最初……読んだの前過ぎて…
神 復習だねー。よし、教えてあげる!
主 おねがいします
神 神様は、すべての人を愛し、すべての人の幸せを願っている
主 …………そんなこと
神 つーまーりー、私は人間だーいすきってこと!
ちゃんと、君のことも大好きだぞーー!!愛おしいぞーー!!
主 ちょ、やめてください
神 ツンデレめ〜。大丈夫だよ、どんなに孤独でも醜くても、誰からも愛されなくても、私
は君を愛してるよ
主 はい……
神 おっともうこんな時間だ!!今日は生配信があるんだよねー
主 本当になんでもしてますね
神 いやーそれほどでもー
じゃ、そういうことで!
主 はい、また
主 神様オリジナルソングの歌詞、意外と真面目なこと歌ってたんだ……
ふーん……(歌詞を読む)
これを知れば……あの人に近づけるのかな……
友 なんのこと?
主 え!? いや、なんでもないの
友 そう? ねえ、歌詞といえばさー、私の書いた歌詞も読んでよ
主 え?
友 頑張って書いたんだよねーぜひ主人公に読んでもらいたくてさ
主 私で良ければ
友 うん!じゃあ、今送るね(スマホで送る)
主 あ、きた(読む)
……うん、いいんじゃない?
友 ほんと!?
主 うん。なんか情景描写っていうか、比喩とかがあって
友 でしょー? ストーリー性を大切にしてるんだ
主 そ、そっか……
友 大丈夫? 最近元気ないよ……?
主 え、そ、そう?別に変なところなんてないと思うけど
友 ほんと?
主 うん、ちょっと……勉強のしすぎ、かな
友 え、わかんの。テスト前とか頭パンクするわって感じだよね!
主 うーん……それよりも受け止めきれないっていうか、愛せないっていうか、理解できな
いっていうか
友 なんか色々大変なんだねー
主 うん……
友 ま、なんかあったら相談してよ!
主 ありがとう
友 じゃあこれから練習だから、じゃあねー!!
主 (手を降る)
主 (神様の歌詞を読む)……やっぱり、ぜんぜん違う。友達の歌詞と、神様の歌詞。
なんだろう、この違和感…………。能天気で、なんか……
ちょっ、ダメだよ!こんな事考えたら!!友達が一生懸命書いたんだもん
でも、一生懸命書いても、あの子は私の気持ちを知らないんだ……。神様は、知ってた
のに……
いや、友達が知らないのは当たり前だよ!うん、大丈夫大丈夫。大丈夫……
スマホがなる
主 もしもし、主人公。うん、……うん、うん。わかった、今から行くね。大丈夫だよ〇〇
病院でしょ?何回も通ったことあるし。うん、そんな、縁起でもないよ。うん、はーい、じ
ゃあ今からそっち向かうね。
神 ねえねえねえ!
聞いて聞いて!!!
主 どうしたんですか?
神 新曲ができたの!!
主 へーそうねんですね
神 反応薄〜い
主 まあいつも、新曲できたーって歌詞見せてくる友達いますし
神 じゃ、私もその友達と一緒ということで
はい!聞いて!
主 私マニュアル読んでて、って
神様、ヘッドフォンを無理やり被せる
主 ……いいんじゃないですか?
神 でしょー?
主 神様、めちゃくちゃ歌詞に愛してるって使いますよね
神 だって愛してるもん
主 どんくらい?
神 ば・く・れ・つ♡
(音楽がかかる)
主 ちょちょちょちょちょ、音楽止めて!!
神 なんだよーこれから盛り上がるのに
主 真面目に聞いて下さい!あと、こんなところでオーラ使わないで!
神 えー……爆裂LOVE&PEACE!
主 はあ……
神 爆裂愛してるのは本当
主 本当ですか
神 ……なんか引っかかってる?
主 いや、愛せるのかなって……
神 愛せるよ
主 でも、私、どれだけ愛そうとしても、愛せないんです
神 歴史読んで?
主 はい……。やっぱり、どうしても受け入れられません。ましてや、人を殺した人間も愛
するなんて……たとえその人の過去を知っても……
神 …………
主 それに
神 それに?
主 最近、友達の言葉や、親の言葉、先生の言葉に違和感を感じて
神 ほー
主 好きだった曲や、小説も、なんかしっくり来なくて……
信じるべきものがわからないっていうか……なんでしょう、これ……
神 それはー、君がマニュアルをよく読んでいる証拠だよ
主 まだ70巻までですけど
神 いやー半年でこれは頑張ったんじゃない?
主 そうですかねー
神 まあその違和感は自然なものだよ。大丈夫。
主 うーん……
神 なんとかなるって。
そんなことより、オーラ出た?
主 出ませんよ
神 えー早く出せるようになてよー
一緒に戦おうよー
主 なんで戦うんですか!?
神 え? だって、神々の決戦!!ってかっこよくない?
主 かっこよくないですよ……
神 シュバーンってなって、ドゴーンってなって!
主 地球壊さないでください
神 ははは、まあ君も順調に進んでるってことがわかって、なによりだよ
主 なにがですか?
神 神様への道を!
主 なんか自信ないですけど
神 うーん……、あと君に必要なのは、本当の愛を知ることかなー
主 本当の愛?
神 だって、愛せないんでしょ?じゃあ、お手本を見ないと
主 神様を見ちゃダメなんですか?
神 私はだーめ、カンニングだもん
主 残念……
神 自分で見つけなよ、その先はだいたい一緒だと思うからさ
主 はーい……
主 おばあちゃん、ついたよ。どう?おじいちゃん。うん、うん。そっか……。いいよ、無
理に起こさないで。大丈夫?おばあちゃん朝からずっといるんでしょ……?そんな、でも少
しぐらい休んだほうが……そっか。無理しないでね。……おばあちゃんって、本当におじい
ちゃんのことを……ううん、なんでもない。私ちょっと飲み物買ってくるね……
主 これが……本当の……(泣く)
友 主人公ー、あけましておめでとう〜。どうしたの?冬休み前学校来てなかったじゃん
主 いや、そんな大したことじゃなくて。ただの家の用事
友 そっか
あ!そうそう、渡そうと思ってたんだけど、はい!
主 これ……
友 ええっと……年賀状です
主 …………え?
友 いや、流石に遅すぎるよねーははは。住所書くのめんどくさかったから直接渡すね
主 私、これ……
友 頑張ってイラスト描いたんだよ! このキャラクター、前に好きだって言ってたよね
主 …………
友 どう?可愛くない?
主 ……私、今年は年賀状大丈夫だよって、前に言ったよね
友 うん。でも、私こういうの大好きだから、全然苦じゃないんだー
それに、主人公にだけあげないのもなんか嫌じゃん
主 …………そういう問題じゃないでしょ
友 なにが?
主 …………
いや、ありがとう。
嬉しい!こんなに頑張って描いてくれて
友 ほんとに?メンバーも、褒めてくれたんだよ!
主 そっか……よかったね
友 うん!
主 ははは
友 そうだ!また歌詞読んでよ、新しく書いたんだー
主 ああ、うん
(スマホを見る)
『この声よ、届け、未知なる旅へ』……
友 いいでしょー
主 『見たことない僕等の街に 伝えに行こうか 共に』
友 音読しないでよー恥ずかしい
主 『後悔も、迷いも見せないよ』
友 そこはね、聞いてる人を前向きにできるよう、前向きな気持を……
主 …………
友 どうしたの……?
主 ごめん、今日もう帰るわ
友 え……、うん……
主 はあ、はあ、はあ……
大丈夫、大丈夫悪気はない。あの子はそういう子。いつも真っすぐで、未来を夢見てい
る、誰よりもキラキラしている子。だから、愛さないと。今の幸せに満足していないと。傷
つけちゃダメ。悲しませちゃダメ。じゃないと、私は、過去の、あの人達と同じになる。ど
うしよう……。嫌だ。怖い。自分が怖い。気持ち悪い……
…………歴史なんか、知らなきゃよかった……。こんな!こんな!血で汚れた土なんか
!!悲しさから抜けられない世界なんか!!汚い!醜い!現実!私は、この場所で生きてい
かなきゃいけない!たまたまここに生まれただけなのに。こんな!こんな世界で……
……でも同時に……、この世界の美しさも知っている。失くならない、本当の愛を。人
間が持つ、永遠を……
私は……、私は……!どうしたらいいの……
主人公、神様が立っていた高いところに行く
主 はあ、はあ……きれいな景色……これ全部、人間が……
(泣きそうになる)
もう、好きなようにすればいい……
傷ついて、癒やされて、無様に、しぶとく、生きればいい……
神 (拍手)おめでとう!これで神様になれるね!
主 え……
神 私が言った、すべての人を愛すこと、幸せを願うことは、諦め。人間と同じ場所で生き
ることができなくなり、ただ無差別に世界を愛せずにはいられなくなる。でもそれは、同じ
目線ではなく、上から見下ろすから生まれるもの。
主 …………
神 約1年お疲れ様、これは形だけの許可証?みたいなもの。まあ、これをもらった今ここ
から、君は神様になることができる
主 …………
神 どう?結構しんどかったでしょ
主 …………
神 救われたから、私もこんなふうになりたいなんて、絶望が足りてなかった証拠だよ
神様、はける
主 全部……、私のせい……
旅立ちの日にが流れる
主人公は私服姿
B 主人公、主人公……!
主 え?
B ちょと、話聞いてた?
主 あ、ごめんごめん、もう一回お願い
B だから、私、好きな人ができたの!
主 そうなんだ。同じ大学の人?
B ううん。〇〇大学の人
主 え、どこで知り合ったの?
B サークルで他大学の人と交流があって、それで何回か会ううちに
主 へー
B 顔見てほしいんだけど、え、イケメンじゃない?
主 あーね
B しかも毎回BeRealリアクションくれるんだー
主 へー
B もし付き合っても、この人は絶対私のことを愛してくれるはず!
主 ……うん、そうかもね
B ところでさ、主人公は気になる人とかいないの?
主 え
B いや、せっかく大学生になったんだから、彼氏欲しいじゃん
主 うーん……私は別にいらないかな……
B ほんとにー?
主 なんていうんだろう……、彼氏じゃなくて、旦那が欲しい
B え、結婚したいってこと?
主 うーん……、そうなのかも
B へー恋愛ドラマとか見ても、彼氏欲しいとか思わない?ときめかない?
主 それはめっちゃ思うよ。幸せになって良かったねって。でも、
B でも……?
主 なんか、私が求めているものって、ずっと先の、老後の人生っていうか……
B あー友達同士みたいな関係ってことか
主 …………
B えーでも、ドラマでもなんでも、付き合うまでの過程が楽しいんじゃない?
主 そうだと思うけど……そういうのすっ飛ばして結婚したいっていうか……
B なんか変わってるね
主 そうかな
B まあ、いい感じの人ができたら教えてよ、相談にのるからさ
主 うん……、ありがとう
神 孤独?
主 えっ
神 だって高校卒業してから、活発じゃなくなったじゃん
主 どういうこと
神 サークルにも入らないし、バイトもしないし、人の輪を広げようとしてないじゃん
おまけに、恵まれた友達にだって壁を感じてる
主 それは…
神 変わってるって言われることが多くなった?
主 …………
神 もう、いつまで人間の世界にいるのさ。あの紙渡したでしょ?もう君は人間と関わらな
くていいんだよ?
主 でも……
神 邪魔しちゃいけないんだから、人の営みを
主 …………でも
神 よーし、じゃあ久々に神様が歌ってあげよう!弟子を元気づけるのも師匠の役目なんで
ねー!
主 私! もうやめます
神 …………
主 もう、耐えられない……
私は人間です!
人間として、生きて
神 そんなことできると思う?
主 え
神 もう君は皆と同じにはなれないよ。だってたどり着いちゃったもん、ここに。君もわか
ってるはず
主 でも、皆と孤立した自分なんて……
神 あれ、最初言ってたじゃん。特別になりたいって
皆が言うキラキラした人は、普通とは違うから輝いて見えるの
主 そんなの……
神 今の君にはオーラがあるよ。悲しみと、絶望。拒絶と愛情の
主 …………
神 ほら、誰にも自分を見せれないんでしょ?友達にも、家族にも、勇気を出して見せても
理解してもらえない
…………君は、この先一生、孤独を
主 やだ!!
ここにいる!だって私はまだ、皆と同じ場所で生きてるのに。同じ世界で生きてるのに
神 できない
主 やだ!
神 できないんだよ!!!
主 っ……
神 いい、もう誰からも理解されないの!愛されないの!
主 …………
神 こんなところにいる人間を、こんな感情を持った人間を、世界は許してくれないの
主 それは……
神 わかった……?君の中に入った私の思想が、君を蝕んで、道を塞いで、何をするにも足
を引っ張るの……。だから、もう戻れない
主 …………(紙を破く)
神 …………
主 ……今まで、ありがとうございました
神 ………はあ……
だめだな……人間と一緒にいると、醜い私が出てくる……
……やっぱり、神様なんか、一人で十分だ……
主 …………
やっちゃった……
でも、これで私は人間になれるんだよね
……うん、大丈夫。だって今まで孤独を感じず生きていけてたんだもん。もとの生活に
戻るだけ。
主 え……、別れるって、どういうこと?
男 いや、別に主人公が嫌になったとかじゃないんだ
主 うん……
男 でも、なんていうか……、俺のこと、本当に好き?
主 え……、うん、大好きだよ
男 なんか、実感がないっていうか……
主 …………
男 主人公、前に言ってただろ、誰とでも仲良くなれるって
主 うん……
男 俺は、好き嫌い無く皆を平等に接している姿が好きだった
でも、これ、俺だけじゃなくて他のやつにもやってるのかなって……
主 そんなことないよ。ちゃんと、あなたのことも大好きで
男 『も』ってなんだよ
主 っ……
男 それに、お前、やっぱ変だよ
主 へん……
男 考え方とか、いろいろ……
話してて、こっちが疲れるっていうか。俺、そんなに深く考えられないんだ
主 ……深くないよ、ただ、あなたになら話してもいいかなって
男 受け止めきれない。俺じゃ、お前の力になれない
主 …………
男 俺から告白しといて振るのもなんだけど、もう別れてほしい
主 …………、うん、今までありがとう
男 ごめん……
主 いいのいいの、気にしないで。でも、もう気まずいから二度と会わないってことでいい
?
男 ……ああ
主 うん!じゃあ、そういうことで。バイバイ!
男 バイバイ……
主 あーあ、振られちゃった……
まあ、大学生の恋愛なんてこんなもんでしょ……
そもそも、向こうから告白してきたんだし。私何も悪くないし……
完っ全に被害者じゃん!私!あんなやつに時間割いて馬鹿みたい!
…………はあ、一人ぼっちだ……
こんなにも人間を愛しているのに、人間は私のことを愛してくれないんだ……
…………えっ?
これって、私が神様にしたこととおんなじじゃん。勝手に憧れて好きになって、勝手に
傷ついて離れて……受け止めきれないからって……
神様も……一人ぼっちだったんだ……
そんなの、おかしい
だってあの人は、あんなに世界を愛しているのに……
すべての人の幸せに、自分が入っていないのはおかしい!
誰よりも寂しがりなあの人が、この先ずっと一人なんて……おかしい!
主人公、駆け出す
神 人間は、いくつもの層でできている
メイク、服、すっぴん、言葉、性格、本性。私は、どこまで見せられるんだろう。
(白い服を脱ぐ、中は黒い服をきている)
(ナイフを出して、ポケットに仕舞う)
……そっか、虐待か……。そんな大変なことがあったんだね。泣いて当然だよ、よく今
まで頑張ってきたね、話してくれてありがとう。私?私は、大丈夫だよ、普通の一般家庭。
うん、家族皆仲いいよ。生活に苦労もない。色んな人がいるんだから、いろんな親もいるよ。……私、あなたのそばにいてもいい?あなたの作る曲を聞いていたいの。……ありがとう
。私、優しいあなたが大好き!
頑張るあなたが好きだった。苦労してきた人生が、あなたを作って、あなたは皆から愛
された。私には、苦労してきた人生も、なにもなかった。
優しいあなたが、大好きだった。優しくない私が、大嫌いだった。
今日のライブ最高だったねー!私、もう緊張なのか興奮なのか、わかんない震え方して
たよ。それに、すっごくかっこよかった!おーいー、てれんなよー(笑う)。え?私の演奏
も、よかった……?ありがとう!
……ねえ、これから散歩でもしない?風に当たりながらさ、ゆっくり……え、次の演奏
見に行く?いや、ううん!全然気にしないで!行きなよ!ずっと、憧れてたバンドだもんね
。行って、刺激もらってきなよ!私は……、もう少し余韻に浸ってる。……わかってるじゃ
ん、こういうときは、一人になったほうがいいんだよねーはは。自分と見つめ合えるし、ね
。気い使ってくれてありがとう。じゃあねー。
好きになるってなんだろう。嫌いになるってなんだろう。大切って、必要って、……幸
せってなんだろう。愛ってなんだろう……。
崩れ始めた。少しずつ、あなたが嫌いになった。でも、どうしても、あなたが好きだっ
た。わからなくなって、壊れていった。こんな私を、私は見ていられなかった。あなたさえ
いなくなれば、私は、きっと……!
(ナイフを出す)
私は……、私が私であるために、あなたを……(ナイフで刺す)
私は、人間じゃない……。化物だ……
それから、曲を作った。作った曲たちは、私の味方で、わかるわかると共感してくれる
、友達みたいだった。ただ、曲を作るたびにあなたを思い出して、あなたを思い出さないと
曲が作れなくて、笑ってしまうくらいあなたで呪われていた。
人 すっごくいい曲ですね!あこがれます!!
神 ……ほんとですか?ありがとうございます
人 ……でも、この歌詞は、どういう意味なんだろう……(黒くなる)
神 !?
人 この人の言う愛は……(黒くなる)
神 ちょっと……!
人 ああ、世界はこんなにも……(黒くなる)
神 ダメだよ!呑まれちゃダメだよ!そのままでいて!!
人 (黒くなる)
神 …………
人 こんなのは、人間じゃない
神 っ……。これは、ひどいなあ……
(白い服を着る)
神 どーもー!みんなのアイドル、神様でーす!!
人 へえー結構かわいいじゃん。歌詞もいいし
人 すっごい!この人の曲元気でる!
人 私の心の支えです!
人 生きがい
人 今日も頑張ろうって思える!
人 救われた
人 大好き!!
人 ありがとう!!!
人々 神様!!!
神 愛されるには、愛したいと思える人間にならなくてはいけない。
何もせずに愛されたいなんて、そんなの我儘だ。
本当の私なんて、知らなくていい。
……みんな、すごいなあ……。
こんな私の歌で、救われるんだ……怖い怖い。
子 ママー!お菓子買って!!
母 だめよ、さっきアイス食べたでしょ?
子 えー、けちー
彼女 ねえ、明日どこ行く?
彼氏 水族館なんてどうかな?
彼女 さんせーい!
おばあさん 今日はいい天気ですねーおじいさん
おじいさん そうだな……幸せだよ、ばあさん
おばあさん まあ!私もですよ、私も幸せです
友達A ねえいっしょに写真とろー!
友達B いいねえー!
友達AB まじでうちらかわいいー!!
学生 もう学校なんて生きたくない
YouTuber うざい女あるあるー!!
JK ねえまじでキモいやついたんだけど
JK うざ、早く死ねよ
人 死にたい
人 生きろ!
家族 バッピーバースデイトゥーユー♪
おめでとう!!
女性 あの……付き合ってください!
男性 ……俺でよければ、よろしくお願いします
女性 !よかった……、私、あなたのことが大好き!
神 ああ……愛おしい
主 神様!!
神 わあっ!びっくりしたあ!
ど、どうしたの!?!?
主 わ、私……、私……!
神 ちょ、落ち着いて?急がなくても大丈夫だから
主 (息を整える)
私、神様に謝らなくちゃいけないんです!
神 えっ……
主 私、神様にひどいことした……。ううん、きっと今までも同じようなことがあって、私
も同じように神様を悲しませた……
神 …………
主 だから、ごめんなさい!
神 ……久々に顔を出して言うことがそれ?君はもう…
主 それだけじゃありません!
神様……、神様やめてください
神 …………は?
主 だから……、無職になってください
神 いや、いやいやいや、そんな定年退職ならまだしも、私はまだ現役バリバリで
主 いつ定年退職できるんですか……
神 そんなの、私も知らない……
主 じゃあ、いつまでも神様をし続けなくちゃいけないんですか?
神 ……そうかもね
主 ……そんなのダメです!
神 ……どうして?
主 神様が、人間だからです。
神 …………
主 あなたの書いた歌詞。あれは間違いなく人間の感情です
神 そう?醜さも汚さもない、純粋で潔白なラブレターだよ
主 じゃあ、どうして寂しいなんて書いてあるんですか?
神 …………
主 愛と同じくらい、寂しいも、悲しいも、書いてありました
あれは……、今の曲じゃないですよね?
神 ……そうだよ。あれは、昔書いた曲。よくわかったね
主 あれは、恐ろしいものです。理解しようとすればするほど、なにか黒いものが私の中に
入ってきた……
神 ……ごめんね……
主 でもその黒いものが、私自身から生まれたとき、あなたも同じ人間だったことに気づき
ました。
こんな感情をずっと独りで抱えていたんですね
神 だから、神様をやめろって?
主 はい
神 ……馬鹿じゃないの?
今更人間と一緒に生きれるわけ無いじゃない
主 …………
神 だって君前言ってたでしょ?「人を殺した人は愛せない」って。
世界はそうやって、私を拒んだの。お前が死ねばいいって。悪者は排除されてきた歴史
が、物語ってるよね。
でも不思議。本性を隠した私を、世界は簡単に受け入れた。
こんな馬鹿な話ある?
主 …………
神 それに、今ここでやめたら、私が作ってきた曲はどうするのさ
こんなにも頑張って、私は、『神様タイプ』を作ったんだよ?
今更捨てるなんてできないよ。
主 ……そうやって、寂しさを隠すんですか?
神 そう、そうしないと愛されない
主 …………
神 ニコニコしてればいいの。近づかなければいいの。
寂しさなんか、曲を作る材料に過ぎない。隠すものがあるから、蓋があるの。わかった
?
主 ……寂しさを、隠す……
まるで、それが美学みたいな……
寂しさから作られた作品が、芸術だとでも言うんですか!?!?
神 芸術だよ!!
芸術だよ……、そうでもしないと、私の人生の価値がなくなる……
主 そんなの……痛々しいですよ
神 …………
主 おねがいだから、もう、そんな曲を作らないでください……
神 ……じゃあ、どんな曲を作ればいいの?こんな世界で、どうやって生きていけばいいの
?ねえ!見せてよ!愛を見せてよ!美しい世界を、天国を見せてよ!!
主 …………
神 ……私を、殺して……
主 …………
言い方を変えます。神様、そんなあなたが大好きです
神 …………
主 私は、あなたによって救われた。あの時のあなたは、本当に神々しかった。
だから、あなたを知りたくなりました。好奇心なのか、憧れなのか、恋なのか。あなた
を知る冒険に出ました。……その結果が、こんな汚れた私になってしまったんですけど。
でも、全てを知ったうえで、孤独だったあなたも知った。
神様、もう一人で生きるのをやめてください
神 …………
主 私は、あなたの一部しか知りません。でも、全てを受け入れる覚悟があります
神 そんな覚悟、持つ必要ないよ。もうこれ以上こっちに来ないで
主 っ!!! いつまでそう言ってるんですか!!
邪魔しちゃダメだとか、こっちは十分あなたに邪魔されました!!
神 それは……
主 そうです!私があなたみたいになりたいと言ったからです。私のせいです!!
真っ黒になった私は、もう怖いものなんてありません!
神 …………
主 わかりませんか……?
あなたの思想で作られた私が、あなたを愛していると言っているんです
神 ……!
主 もう一度言います、あなたを愛しています。
あなたの醜さも、汚さも。繕った姿も、愛情も、全てが大好きです。
神 …………でも、でも
主 本当に、本当に、大好きなんです。だからこそ、笑っていてほしいんです。今の私は、
あなたの望む存在じゃないかもしれない。でも
主人公、神様を抱きしめる
主 あなたが生きていることを感じることはできる。
こんなにも生きてるじゃないですか。ぼろぼろになって、苦しんで、泣きながら、頑張
って愛して、生きてるじゃないですか。それだけで、私にとって幸せなんです。あなたはこ
こにいていいんです。
神 こんな私が、生きてていいの……?
主 はい。何度あなたが死にたいと思っても、殺してくれと思っても、生きろと言い続けま
す。あなたが見ている世界を、幸せな世界にします。一人になんかもうさせません。絶対に
、一人じゃありません!
……愛しています
神 はあ、すごいなあ。敵わないなあ……
……愛おしいなあ……
主 …………
神 大好きだったなあ……。あの頃の、純粋な私も、あの人も。楽しかったなあ……。大好
きだったなあ……。
主 …………
神 ありがとう。私を愛してくれて。でも流石に神様はやめられないかなー
主 え……
神 だって生活の一部だから。これがなくなったら、私は生き方がわかんなくなっちゃう
主 …………
神 でも、今までみたいな曲は作らないよ。っていうか、作れないかなーもう。
正直、こうやって、全部否定してほしかったんだ。
それが正しくあってほしかった。
主 …………
神 君がいてくれる世界なら、新しい曲が作れるかもね
主 え
神 こんなにも、バカで、可愛くて、愛おしい人間がいるって、皆に伝えないと
うん!今の私なら、奇跡も愛も歌えるかもしれない!
主 !
神 世界は、捨てたもんじゃない。案外、悪くないんだぞって!
主 ……!
神 よーし、そうと決まれば、早速制作に取り掛かるぞー!引きこもるぞー!
主 はい!
神 新しい衣装も考えないと!あと、MVも作らなきゃだし、ダンスも考えなきゃ!
うわー!やることがいっぱいだー!!
主 ……よかったあああ!!!
神 おお、崩れた
主 だって、だってえ……!!
神 おおよしよし
主 すっごく、怖くて……、もし拒絶されたらって、迷惑だと思われたらって……
神 頑張ったねー。ありがとう
そうだよね……勇気がいるよね
主 (頷く)
神 …………(微笑む)
よし、じゃあ泣き止んでもらったらー……ここから出てって
主 え!?
神 だって今から曲を作るのに君がいたら集中できないっていうか、恥ずかしいよー。
それに、一人のほうが自分と見つめ合えるしねー
主 ……本当に大丈夫ですか?
神 大丈夫だよー。何年制作してきたと思ってんの?
主 ……はーい
神 ほら泣き止む泣き止む、せっかく今日のメイクかわいいのに全部落ちちゃうよ?
主 別に落ちてもいいですう……!
神 ははは………ウケる
主 ウケないでえ!
神 はい、じゃあ帰った帰ったー
主 うわああん、制作頑張ってくださあい!
神 はいはい頑張りますよー
主 うわあああん!!
神 うるさいなあ(笑う)
じゃあまたねー
…………
ああ、やっぱり待って!
主 ?
神 やっぱり、そばにいてほしい
主 ……はい!
主人公、神様の近くに行く
二人、楽しそうに話しながら曲を作り始める
音楽とともに緞帳が下がる
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