12月32日:選ばれなかった未来 SF

存在しないはずの「12月32日」に迷い込んだ朝倉湊は、失ったはずの友人や別れた恋人が生きる“もう一つの世界”と出会う。だがその幸福には代償があり、元の世界の記憶を失うか、この世界に永遠に留まるかを選ばねばならない。湊が最後に選ぶ未来とは。
ころすけ 12 0 0 03/11
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第一稿

12月31日の夜、街は年越しのざわめきに包まれていた。
朝倉湊は人混みを抜け、冷えた空気を吸い込む。
その瞬間、スマホが震え、画面に見慣れない日付が浮かび上がった。
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12月31日の夜、街は年越しのざわめきに包まれていた。
朝倉湊は人混みを抜け、冷えた空気を吸い込む。
その瞬間、スマホが震え、画面に見慣れない日付が浮かび上がった。

──12月32日。

湊は思わず立ち止まる。
冗談のような数字なのに、通知は確かに“明日の予定”として表示されていた。

翌朝、目を覚ました湊は、世界の“微妙な違和感”に気づく。
家具の位置、家族の口調、街の空気。
そして、亡くなったはずの友人が、何事もなかったように笑っていた。

「ここは……どこなんだ」

湊の胸に、言いようのない不安が広がっていく。

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