12月31日の夜、街は年越しのざわめきに包まれていた。
朝倉湊は人混みを抜け、冷えた空気を吸い込む。
その瞬間、スマホが震え、画面に見慣れない日付が浮かび上がった。
──12月32日。
湊は思わず立ち止まる。
冗談のような数字なのに、通知は確かに“明日の予定”として表示されていた。
翌朝、目を覚ました湊は、世界の“微妙な違和感”に気づく。
家具の位置、家族の口調、街の空気。
そして、亡くなったはずの友人が、何事もなかったように笑っていた。
「ここは……どこなんだ」
湊の胸に、言いようのない不安が広がっていく。
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