〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太(23)カフェ店員
・松本一樹(23)カフェ店員
・古川紘
・長谷川なつき
・レナ(20)琉華の客
・聖川琉華
・ツバサ(36)バーのママ
・竹野内亮(33)カフェ店員
〇回想・シェアハウス・部屋・中(朝)
眉間に皺を寄せながら、目を覚ます宗介。
体を起こし辺りを見渡す宗介。
宗介N「前から、倒産の噂があった弁当屋があっけなく潰れ…家に帰れ
ば両親が借金残して夜逃げ…家は借金取りにもってかれ…」
寝起きの宗介を囲んでいる男達。
千秋は見とれ、紘となつきはニヤニヤと笑い七緒は手で目を隠し
つつ指の隙間から見ている。
宗介N「ここのシェアハウスの家主、沢城千秋に拾われて住むようにな
った…皆がゲイだと聞いた時は、驚いたし、引いたけど…でも、悪い
奴らじゃなさそうだし、出ても行くとこないし当分の間世話になる事
にした」
F.O
〇『PART7』・前
千秋と宗介。
千秋「ここ」
宗介「ここ?」
千秋「うん、ここ。ここで、料理担当してもらいたいんだ」
宗介「え?マジで?いいのか?」
笑顔で頷く千秋。
宗介「ここが、俺の新しい職場…」
〇同・中
千秋が宗介を連れてくる。
店内に数名の客が居て食事をしている
千秋を見て店員の三柴雄太(23)が来る。
雄太「千秋さん!お疲れ様です」
千秋「お疲れー」
宗介を見ている雄太。
千秋「あっ彼、今度厨房に入ってもらう事になった櫻庭宗介さん。あっ
一樹居る?」
雄太「居ますよ。一樹ー」
奥から店員の松本一樹(23)が出てくる。
一樹「あっ、千秋さん。お疲れっす」
千秋「お疲れ。こちら厨房に入ってもらう事になった櫻庭宗介さん」
宗介「どうも、櫻庭です」
雄太「三柴雄太です。よろしくお願いします」
一樹「松本一樹です。よろしくお願いします」
宗介「よろしくお願いします」
千秋「亮さんは奥だよね?」
雄太「うっす」
千秋「じゃ、宗ちゃん。奥に」
千秋が宗介を厨房に連れて行く。
雄太「新人さん入れたんだ。カッコいい」
一樹「なんだ、雄太タイプなのかよ」
雄太「フフフ」
〇同・厨房
パスタの盛り付けをしている竹野内亮(33)
亮「よしっ」
千秋「亮さんお疲れー」
亮「おぅ、オーナーお疲れ様です」
千秋「もうオーナーってやめてよ。千秋でいいから」
亮「雄太ーパスタ出来たぞ」
雄太「はーい」
雄太が来てパスタを持って行く。
千秋「こちら、櫻庭宗介さん。今度ここで亮さんと一緒に厨房に入って
もらおうと思って(宗介に)こちら竹野内亮さんここで厨房やってく
れてる」
宗介「櫻庭です。よろしくお願いします」
亮「竹野内です。よろしく」
宗介と亮が握手をする。
亮「いやぁ、オーナー助かった。厨房一人で回すの正直大変だったか
ら」
千秋「ごめんね。大変な思いさせちゃってて…時間があれば俺も手伝
ってたんだけど、毎日って訳にはいかなかったから」
亮「いつから入ってくれるんすか?」
千秋「どうしよっかな…じゃ明日から…(宗介に)で、いい?」
宗介「あ、あぁ」
亮「じゃ、明日からよろしくお願いします」
宗介「は、はい」
千秋「じゃ、そういう事で、よろしくお願いします!」
〇道
宗介と千秋が歩いている。
千秋「良かったー。これで宗ちゃんの仕事が無事に決まった」
宗介「ありがとな。あっあのさ店の名前なんだけど、PART7って
なってるけど、あの店七号店とかなのか?」
千秋「違うよ。俺が経営してる店一軒しかないよ」
宗介「は?じゃあ、何でPART7なんだ?」
千秋「七ちゃんが占いで数字の七を入れろって言われてPARTは俺
がつけたの。七号店もあると思わせて実は一軒しかなかったってな
んか面白くない?」
宗介M「はぁ…全然面白くない」
千秋「七軒も店回せる自信なんてないし(笑う)まっ皆優しい人達だ
から宗ちゃんもすぐなじめると思うから、よろしくお願いします」
〇シェアハウス・リビング(夕)
紘がノートパソコンでコスプレイベントを確認している。
宗介と千秋が帰ってくる。
千秋「ただいまー」
宗介「ただいま」
紘「おかえりー」
千秋「紘、居たんだ」
紘「あぁ…コスプレのイベントチェックしてた」
千秋「あれ、皆は?」
ホワイトボードを指さす紘。
千秋「琉華は同伴。なっちゃんは二丁目に出稼ぎ…七ちゃんは出張鑑定
…」
宗介「なぁ琉華の仕事ってホストだろ。それって相手女だろ?」
千秋「うん」
宗介「でも、あいつ…ゲイだろ?」
千秋「そこは仕事で割り切ってるみたいだよ」
宗介「ふぅん…なつきの出稼ぎって」
千秋「ゲイバー」
宗介「え?マンガ描いてるんじゃないのか?」
千秋「収入が無い時はゲイバーに行って出稼ぎしてるの。あっ今度一緒
に行く?ママも面白い人なんだよ」
宗介「あ…(少し引き気味)」
紘「俺出かけてくる」
千秋「えぇ、出かけるの?」
紘「今度、大きなコスプレのイベントがあってさ、仲間とその打ち合わ
せ。夜遅くなると思うけど帰っては来るから」
千秋「分かったー」
紘「宗ちゃん、ちーちゃんと二人でごゆっくり」
宗介「は?」
紘「行ってきまーす」
宗介「なんだ、あいつ」
千秋「さぁ…晩御飯食べようか」
宗介「そうだな。何か作るかあ」
千秋「お願いしまぁす」
〇ゲイバー『ブルースカイ』・中(夜)
なつきとママのツバサ(36)が接客をしている。
雄太と一樹が来る。
ツバサ「あらー!二人ともぉ、いらっしゃーい」
なつき「いらっしゃい。今日は二人で?」
雄太「うん」
ツバサ「今日はじゃないわ。今日もよ!」
雄太「ちょっとツバサさん!(笑う)」
席に着く雄太と一樹。
なつき「何、飲む?」
一樹「ビール」
雄太「俺もー」
ツバサ「あんた達いっつも一緒に来てるけどさぁ、恋人とかいないの
ぉ?」
一樹「居ないっすよー」
雄太「同じくーツバサさん、誰か紹介して下さいよー」
ツバサ「あんた達、若いんだから自分で探しなさいよねぇ」
雄太「えー…あっでも今日店に新しい人が入ったんですよー。千秋さ
んが連れてきてくれたんだ」
ツバサ「ちょっとぉイケメンだった?」
一樹「俺はそんなタイプでもなかったっすけど、雄太の方が」
雄太が照れている。
なつき「あぁ、宗ちゃん働く事になったんだよねー」
ツバサ「え?何、なつき知り合いなの?」
雄太「知り合いなんすか?」
なつき「シェアハウスで一緒に住んでる」
雄太「えー!いいなぁ!羨ましい!!」
ツバサ「私も今度、店に顔出してみようかしら?イケメンならチェッ
クしとかなきゃ」
なつき「あー、でも宗ちゃん」
雄太「え?」
なつき「ノンケですよ?」
一同「(なつきを見て)え…」
〇歌舞伎町・ホストクラブ『STARLIGHT』・前(夜)
琉華と酔っぱらいの常連客のレナ(20)が出てくる。
琉華「おい、足がふらついてるって」
レナ「大丈夫だってば」
琉華「全然大丈夫じゃねぇじゃん」
レナ「ねぇ、もう今日は上りなんでしょ?」
琉華「あぁ、そうだけど」
レナ「じゃあ、
朝まで付き合ってよぉ」
琉華「何、俺に枕ホストやれって言うの?」
レナ「いいじゃん…お金はあるよ?」
二人のやり取りを角に隠れてみている七緒。
琉華「だったら、今度店に来た時に使ってくれよ。それで(耳元で)俺
をナンバーワンにさせてくれよ」
レナ「(恥ずかしくて)もぅ…」
二人の前にタクシーが止まる。
ドアが開き、レナをタクシーに乗せる琉華。
琉華「今日はありがとうな」
レナにキスをする琉華。
レナ「琉華…」
琉華「(運転手に)じゃ、お願いします」
ドアが閉まり、淋しそうに琉華を見ているレナに手を振る琉華。
タクシーが発進し溜息を付く琉華。
琉華「(七緒を見つけ)あっ」
七緒「別にずっと見てたわけではありませんよ」
琉華「何も言ってねぇだろ…ってか何でここに居んだよ」
七緒「仕事帰りですが何か?」
琉華「あぁ、そうか…俺も上がるし、一緒に帰るか?」
七緒「はい。そうします」
琉華「じゃ、ちょっと待ってろ。何か飯食って帰ろうぜ。腹減ったし」
七緒「奢ってくれるのですか?」
琉華「あ?分かったよ奢るよ。セブンだって稼いでんだろ」
七緒「そちらには負けます。あっ今導きがありました。天一のラーメン
にしましょう」
琉華「分かったよ。じゃ待ってろよ」
七緒「はい…」
店に飾ってある琉華の写真を見る七緒
NO.5の所に琉華の写真がある。
〇『PART.7』・前(朝)
宗介が来る。
宗介「いざ、一人で来ると緊張するな」
両手で、頬をパンと叩く宗介。
宗介「よし、頑張るぞ!」
店の中に入っていく宗介。
〇同・中(朝)
宗介が入ってくる。
宗介「おはようございます」
一樹「おはようっす」
雄太は、挨拶をせずテーブルを拭いている。
宗介「三柴君、おはよう」
雄太「(小さな声)おはようございます」
宗介M「どした…何か怒ってるのか?」
厨房へ入っていく宗介。
〇同・厨房
亮が野菜の下ごしらえをしている。
宗介「おはようございます」
亮「あぁ宗ちゃん、おはよう」
宗介「宗ちゃん…?」
亮「あぁ、オーナーが言ってたから俺もそう呼ぼうかなって。まず
い?」
宗介「いや、別にいいですけど」
亮「俺も、名前で呼んでくれていいから」
宗介「はい…じゃあ亮さん。今日からよろしくお願いします」
亮「はい。よろしくー」
雄太が来る。
雄太「そろそろ、店開けますけどいいですか?」
亮「おぅ、いいよ」
雄太「あ、でもその前に」
宗介を見る雄太。
宗介「?」
雄太「あの、宗介さんって…ノンケなんですか?」
宗介「え?あぁ…そうだけど…」
一樹「おい、雄太」
雄太「ゲイじゃないんだ…」
宗介「?」
続。
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