人間模様 ポケモン野郎 コメディ

ヒロシが電車に乗り座ると横でゲームに熱中する男性がいた。男性の肘がヒロシの脇腹あたり、そのマナー違反行為に普段は鈍感なヒロシも怒り浸透になる。ヒロシが怒ろうとするとその前に男性を挟んで判断側に座っていた若い女性がヒロシよりも先にゲームをする男性に注意をする。電車内の乗客も一斉に振り向き、ヒロシは怒りよりも注目される恥ずかしさにドキマギしてしまう。
山田浩 9 0 0 11/04
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第一稿

【エピソード3】
人間模様 ポケモン野郎

<登場人物一覧>
ヒロシ(50) サラリーマン 部長
ポケモン野郎(40前後) サラリーマン
若い女性(25前後) 活動的な ...続きを読む
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【エピソード3】
人間模様 ポケモン野郎

<登場人物一覧>
ヒロシ(50) サラリーマン 部長
ポケモン野郎(40前後) サラリーマン
若い女性(25前後) 活動的なビジネスウーマン
電車内の乗客 エキストラ多数

◯東京駅山手線ホーム 晩秋の昼
   ヒロシ、スーツ姿、仕事で移動中。
   電車がホームに入ってきて停車。
   ヒロシ、乗車する。

◯山手線車内
   ヒロシ、入って左側手前のシートの
   一番ドアよりが運良く空いており座る。
   ヒロシ、座った時、隣のサラリーマン
   風の男性に電車の発車の揺れとともに
   少し寄りかかり身体が接触する。
ヒロシ「あっ、すいません。」
   ポケモン野郎、何も言わず黙々とスマ
   ホを操作している。
   ヒロシ、ちらっとスマホを視る。

T『このサラリーマン、ゲームに夢中だな。
ポケモンかぁ。』

   若い女性、ビジネスウェアを小綺麗に
   着こなして、ポケモン野郎の左隣に静
   かに座っている。

   ポケモン野郎、ゲームに夢中、両肘を
   少し横開いてスマホを操作している。
   電車が少し揺れる。
   ポケモン野郎、揺れとともにヒロシの
   方に傾く。
   ポケモン野郎の右肘が隣に座るヒロシ
   の左脇腹に当たる。
   ヒロシ、思わず小さい声に出る。
ヒロシ「痛っ・・」
   ヒロシ、痛がりながら左横をチラ見す
   る。
   ポケモン野郎、何も言わず黙々とゲー
   ムを続けている。

T『こいつ、人に当たっているの気がついて
ないな。まぁ、俺も横に広い体型しているか
ら仕方がない。』

   ヒロシ、まだ冷静。
暫く少揺れしながら走る電車。
   ヒロシ、しばらくして脇腹あたりを気
   にする。
   そこにはとなりのポケモン野郎の右肘
   が当りっぱなしになっている。
   ポケモン野郎、ゲームに夢中で両肘を
   広げてやっている。

   ヒロシ、段々と怒りの表情をしてくる。

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T『非常識だろ、でも・・最初に注意すれば
よかったな、タイミングわるー。こういう時
の俺はちょっと鈍感なんだ・・。』

   ワンテンポおいて電車が強めに揺れる。
   ポケモン野郎の右肘が強めにヒロシの
   脇腹にのめり込む。
ヒロシ「うっ、痛ー」
   ヒロシ、苦痛に顔を歪める。

T『 「💢カチン」 と僕の頭の中で音がした。
フザケンナッよ!』 

   ヒロシ、怒りに満ちた顔する。
   ヒロシ、左横を向き口を開けて怒りを
   ぶちまけわようと口を開ける。
   そのタイミングで・・
   若い女性、ヒロシより先にポケモン野
   郎に向かってキッとして叫ぶ。

若い女性「いい加減にしてくださいっ!ゲー
ムをやるのは勝手ですけどずぅーっと肘が当
たっていますよっ!」

   車内の乗客、一斉に彼女を見る。
   ポケモン野郎、ギョッとした表情をす
   る。

T『ありゃ、先に言われた・・』 

   ポケモン野郎、すぐに(小娘かよ)と
   いうような表情。

ポケモン野郎「そっちこそ、後から狭い所に
座ってきてそんなこと言うなんて失礼じゃな
いかっ」

T『このポケモン野郎、なんと開き直った!』

   睨み合うポケモン野郎と若い女性

T『その時でした。自分でもびっくりしたの
だけれども、僕の口から勝手に言葉が出てま
した。』

ヒロシ「あのさっ!、俺も迷惑なんだけどっ
!」

   ヒロシ、怒り浸透の顔をした。
   車内の乗客、一斉にヒロシを視る。
   ヒロシ、車内の皆が自分に視線を寄せた
   ことを感じてたじろぐ。

   ポケモン野郎、若い女性を向いていたが
   反対側から怒鳴られてギョッとして振り
   返る。
   ポケモン野郎、今度は男であり年上だと
   認識して罰悪そうにする。

   ポケモン野郎、その時に到着した駅です
   ごすごと降りて行く。

   車内の乗客、残ったヒロシと若い女性を
   注目している。
   若い女性、何事もなかったように静かに
   座っている。
   ヒロシ、車内の視線を感じて恥ずかしそ
   うにソワソワしている。

   電車が次の駅に着く。
   若い女性、立ち上がり、ヒロシの前に立
   つ。そして深いお辞儀をする。

若い女性「ありがとうございました。お世話様
でした。」

若い女性、そのまま電車を降りて行く。
乗客、残ったヒロシだけに注目している。

  ヒロシ、つぶやく。
ヒロシ「えー、俺一人残るのかよ・・。」

T『いやいや、言えなかったことを言っても
らったのは僕で、というか先に彼を注意した
彼女に対して煮え切らなかった自分が恥ずか
しいのだが・・。』
T『さらに、「お世話様でした。」と古風に話
す若い女性に感心して・・』
T『気がついたら車内の当事者が自分一人に
なっいる。おいおい、みんな俺を見ないでく
れ。ヒーローでもなんなでもない・・。』

T『なんか自分を小さく思った出来事だった。』

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