〇登場人物
〇森川京太郎
〇佐田真澄
〇森川渉
〇森川さくら
〇才田正平(54)
〇才田志保(44)
〇タカコ
〇ツバサママ
〇森川京子
〇マンション・佐田家・書斎・中(夜)
煙草を吸いながら、パソコンで原稿を書く画面は出してるものの一言も書いてない状態で
画面を見ている真澄。。
真澄「(溜息)あぁ、ダメだ」
立ち上がる真澄。
〇同・同・前・廊下(夜)
真澄が出て来る。
京太郎の家の前で立ち止まる真澄。
真澄「寝てるよな…」
家の前を通りすぎる真澄。
〇新宿二丁目・街
〇同・ゲイバー・「ブルースカイ」・中(夜)
カウンターで飲んでいる真澄とタカコ。
ツバサがビールを二つ持って来る。
ツバサ「はい、お待たせ」
タカコ「サンキュ」
真澄「ツバサも飲めよ」
ツバサ「そう言ってくれると思って用意してました!」
下からビールを出すツバサに苦笑する真澄。
タカコ「はい、じゃあお疲れー」
グラスを合わせる真澄、タカコ、ツバサ。
ツバサ「ねぇねぇ。あれからどうなのお隣さん」
真澄「は?別に…どうもないけど。あっ何か隣の子供達が俺に興味持ってくれたみたいで」
タカコ「子供がアンタみたいなおっさんに興味?変わってるわねぇ」
真澄「そう、変わってんだよ。何かゲイに会ったのが初めてとか何とかで」
ツバサ「興味津々なのね。何か可愛いわね」
真澄「まぁね。でもあの父親はダメだ」
タカコ「父親?お隣さんって事よね」
真澄「あぁ。まどろこしいし、なんか神経質であの父親からどうやってあの子供二人産まれてき
たんだって位に」
笑っているタカコとツバサ。
真澄「何…何笑ってんだよ」
タカコ「そう言ってる割には」
ツバサ「結構、良い感じだったんじゃない?」
真澄「良い感じ?はぁ?」
タカコがニヤニヤしながらスマホを出す。
真澄「何?」
タカコ「これ」
タカコが動画を再生し真澄に見せる。
真澄「!」
動画は、先日の部屋で飲んでた真澄と京太郎が酔っ払って楽しそうにしている姿である。
真澄「いつこんなの撮ったんだよ」
ツバサ「いつってアタシ達に撮れって言ったの真澄だよ」
真澄「んなわけ」
動画の中で真澄が動画を撮れとタカコとツバサに言っている。
タカコ「ほらね。酔ってるとは言え、何か二人お似合いだったよ」
動画の中でゲラゲラ笑い抱き合っている京太郎と真澄。
真澄「あぁ…」
ツバサ「真澄、本当はお隣さん好きなんじゃないの?」
真澄「無い…ありえない」
〇マンション・森川家・京太郎の部屋。中(夜)
京太郎が急に起き上がる。
京太郎「あぁっ!(息が荒い)夢か…何なんだ。悪夢だったな…」
〇同・同・ダイニングキッチン(朝)
朝食を取っている、京太郎、渉、さくら。
さくら「お父さん、今日はお店手伝えないのでごめんなさい」
京太郎「別にそんな謝らなくていいよ。でも、何かあるのか?」
さくら「はい。イラストのコンクールがありまして(大声で)私それに懸けてるんで
す!」
京太郎「うわっびっくりした…そ、そうか…でも、あんまり根詰めすぎないようにな…あと勉強
も」
さくら「分かってます。ちゃんとやります」
京太郎「はい…渉は」
渉「俺、今日は学校終わったらサッカー部に顔出す」
京太郎「あれ、もう部活は引退したんじゃないのか?」
渉「うん。後輩達がちょっと練習試合に付き合ってって言われたから少しだけ顔出してくる」
京太郎「そうか。でもあんまり遅くなるなよ。受験生なんだから」
渉「う、うん…じゃ、行ってきます」
さくら「私も行ってきます」
京太郎「行ってらっしゃい。二人共気を付けて行って来いよ」
優しく微笑むように渉とさくらを送り出す京太郎。
〇同・同・京太郎の部屋・中(朝)
支度した京太郎が凛の祭壇で手を合わせている。
凛の写真。
京太郎「今日も一日平凡に…いやなんか最近平凡な毎日じゃなくって来てるような(笑って)気
のせいだよな…じゃ行ってきます」
〇喫茶店「Rin」・前・道
京太郎が来ると店の中をうかがっている男を見つける京太郎。
京太郎「え、誰…」
男に近付く京太郎。
京太郎「あの…」
振り返ると男は斗馬だった。
京太郎「あ、貴方…」
斗馬「どうも、まだ店って開かないんですか?」
京太郎「今から開けますけど」
斗馬「じゃ、中で失礼します」
京太郎「え?何か御用で?」
斗馬「きゃ、客ですよ。客です!」
京太郎「…」
〇同・中
京太郎と斗馬が入って来る。
京太郎「空いてる席どうぞ」
席に着く斗馬。
京太郎「コーヒーでいいですか?」
斗馬「はい、あの…」
京太郎「はい?」
斗馬「今日はお姉さん」
京太郎「来ませんよ」
裏口から京子が入って来る。
京子「京太郎、おはよう」
斗馬「来たじゃないですか!」
うんざりする京太郎。
京子「ねぇ、これ見て」
派手に着飾った京子がポーズを取って見せる。
斗馬「き、奇麗…」
京太郎「(斗馬に)はぁ?(京子に)またそんなミニスカート履いて歳考えてよ恥ずかしい。しか
も寒そうだし」
京子「恥ずかしいとは何よ。あのねぇ私はこの先六十なっても七十になっても女なのよ。女性が
男性に会うために奇麗にするのが何がいけないのよ。ミニスカート彼気に入ってくれてるし、
パンスト履いてるから寒くないの」
斗馬「ミニスカートとてもセクシーで似合ってます」
京子「でしょ?ありがとう。あぁ今日やっと彼に会えるんだよなあ」
斗馬「彼?」
京子「そう、ジョージクルーニー顔負けの」
京太郎「早くその人に会いに行ってくれ」
京子「え?」
京太郎「聞こえなかった?」
京子「聞こえてたわよ」
京太郎「聞こえてんじゃん…これから会う人とせいぜい仲良くなって一緒に幸せに暮らしてく
れ」
京子「ほんと、あんたってどうしてそんなひねくれた事しか言えないのかねえ。ねぇ京太郎。あ
んたも出会い系アプリでもやって新しい恋人探しなさいよ」
京太郎「はぁ?」
京子「(時計を見て)あ、もう時間だ。じゃあ行ってくるね(斗馬に)ごゆっくり」
出て行く京子を悲しそうな顔で見送っている斗馬、それを見る京太郎。
京太郎「あの…」
斗馬「行っちゃいましたね…僕の入る余地は無さそうです」
京太郎「姉の事本当に好みだったんですか?」
力なく頷く斗馬。
京太郎「変わってる…」
真澄が店に入って来る。
京太郎「いらっしゃいませ(真澄を見て)あっ…」
真澄「あって何?客なんだけど」
京太郎「空いてる席どうぞ」
真澄が斗馬を見つける。
真澄「何で居るんだよ」
京太郎「なんか、うちの姉の事が気になってるみたいで」
真澄「あぁ、そう言えばさっきお姉さんと店の前で会いましたよ。ミニスカなんか履いてデー
ト?」
京太郎「みたいですよ。ジョージクルーニー顔負けの」
斗馬「(大声で)よしっ!俺も決めました!」
京太郎「あぁ、ビックリした」
斗馬「俺もまた新しい恋人作ります」
京太郎「何の宣言なんですか…」
真澄「よしっ!斗馬その調子だ。出会い系アプリで新しい彼女ゲットだ!」
斗馬「真澄さん、ありがとうございます」
真澄の手を握る斗馬。
真澄「よしよし!いい女すぐ見つかるぞ」
斗馬の肩を叩く真澄。
良く分からない京太郎が首を傾げる。
〇道
京子がウキウキで歩いている。
スマホを取り出し、今までのメールのやり取りを見る京子。
京子「ハニーに早く会いたい…ってもうほんと」
相手の顔写真を出す京子。
京子「もうちょっとで会えるからね。ダーリン!」
ニヤニヤが止まらない京子。
スマホの画面にはいかにも胡散臭そうに笑っている外国人男性の写真。
その男性からメールが来る。
メールを確認する京子。
京子「ん?」
〇喫茶店「Rin」・中
斗馬が帰り清々とした顔をしている真澄。
京太郎がコーヒーを持って来る。
京太郎「どうぞ」
真澄「どうも」
京太郎「何か顔がっスッキリとしてません?あの編集者さん帰ってから」
真澄「だって、あいつ面倒くさいんだもん」
京太郎「面倒くさいって…一応貴方の仕事のパートナーでしょう」
真澄「そう、思ってるのは向こうだけ。あいつが俺にじゃなく他に目が行ったらその分俺も解放
されるからなぁ」
京太郎「(ボソボソと言う)そろそろ次回作出してもいいんじゃないんですか?待ってる人も居る
んだし」
真澄「(聞き取れず)何?」
京太郎「いえ、何でもないです。ごゆっくり」
〇コンビニ・外観
〇同・中
京子が慌てて入って来る。
ギフトカードが並んである所へ行く京子。
京子「大変。ジョーの弟が…」
カードを隅々まで見ている京子。
京子の行動を横目に不審な顔で通り過ぎる客達。
京子「これで、いいか」
カードを手に取りレジへ行く京子。
京子「お願いします」
店員「はい、お預かりします。金額おいくら分お入れしますか?」
京子「十万円分お願いします」
店員「じゅ、十万」
京子「はい。すみません急いでるので早めにお願いできますか?」
店員「早めに…」
京子「私の彼氏…いや、彼氏になる予定の人なんですけど、その弟が緊急の手術にする事になっ
たんです。それで、どうしてもお金が必要で、振り込みとかよりすぐにお金が届くようにしたい
ので」
店員「ちょ、ちょっとお待ち下さい」
店員が店長の所へ行きひそひそと話している。
京子「何話してるんだろう…急いでるのになぁ…」
店長が京子の所へ来る。
店長「お客様、申し訳ありません。このギフトカードの入金は十万で間違いないですか?」
京子「間違いないです。すみません急いでるんだけど…」
店長「あのすみません…これ詐欺の可能性があります」
京子「え?」
〇喫茶店「Rin」・中(夕)
京太郎が洗い物をしている。
京太郎「今日はもうお客さん来なそうだし、そろそろ閉めるかなあ」
京太郎のスマホが鳴る。
京太郎「誰だ?(電話に出て)もしもし?はい、私の電話番号ですが…はい?姉が?」
〇マンション・森川家・ダイニングキッチン(夕)
さくらが作り置きのカレーを温めている。
渉が帰って来る。
渉「あぁ、寒みぃ。ただいま」
さくら「おかえりなさい」
家の電話が鳴る。
さくら「お兄ちゃん、ちょっとカレーを見てて下さい」
渉「おぅ」
さくらと交代してカレーを温める渉。
さくら「(電話に出て)もしもし、あっお父さん…え?キョンさんが?」
渉「ん?キョンさん、どうかしたの?」
さくら「はい…はい、こっちは大丈夫です。お兄ちゃんも帰って来たし…はい、分かりました。
それじゃ」
電話を切るさくら。
渉「おい、さくら?」
さくら「キョンさんが警察署に居るみたいなのでお父さんが迎えに行くって」
渉「警察?何かしたのかな?」
さくら「詳しい事は教えてくれなかったけど、心配はしなくて大丈夫だからとだけ言ってまし
た」
渉「って言っても、心配…だよな」
さくら「はい…」
〇警察署・前(夜)
京太郎が来る。
署内から警察官に連れられ京子が出て来る。
京子が京太郎を見つける。
京太郎「…」
照れ笑いをしている京子。
〇公園・中(夜)
肩を落としベンチに座っている京子。
京太郎が缶コーヒーを買ってきて京子の隣に座り京子に渡す。
京子「ありがとう」
京太郎「うん」
京子「今度こそは、上手く行くと思ってたんだよね…それがまさか詐欺だなんて…私さ子供には
恵まれなかったから、一生捧げられる男の人見つけたかったの。でも、二回も離婚しちゃった
し、もうダメかなって。私はもう一人で最期を迎えるのかなって思ったの。その時に出会った
のが彼だったんだよなあ」
京太郎「ジョージクルーニー顔負けの?」
京子「そう。これを最後の恋にしようって…決めたのに…」
段々と鳴き声になる京子。
京子「私詐欺に…引っ掛かったんだよねえ。バカみたいだよねえ…」
京太郎が京子の肩に手を回す。
京太郎の胸で声を上げて泣く京子。
京太郎「最後の恋って決めつけなくていいんじゃないの?六十になっても七十になっても女なん
だろ?だったら、もう一回笑える恋してみたらいいんじゃないのか?」
京太郎が優しく京子の肩をポンポンと叩く。
京太郎と京子の後姿。
〇沼袋駅・前(夜)
京太郎がさくらに電話をしている。
京太郎「そういう事だから、お父さん外でご飯食べて帰る。あれだったら先に寝ててもいいか
ら。戸締りだけは忘れないようにな。うん。じゃあ」
電話を切る京太郎。
京太郎「ちょっと久しぶりに才田さんとこでも行くか」
歩き出す京太郎の先に真澄が居る。
京太郎「あ…」
真澄「おぅ」
京太郎「どうしたんですか?」
真澄「いや、ちょっと腹減ったなあって。コンビニ飯って気分でもないしスーパーも食べたいお
惣菜も無かったし、自炊は全然出来ないし、何か美味しいとこ知らない?」
京太郎「普段何食べてるんですか…あっ丁度私もご飯食べに行こうと思ってたんですけど行きま
す?居酒屋ですけど?」
真澄「おぉ、行く」
〇居酒屋・「さいだ」・外観(夜)
〇同・中(夜)
京太郎と真澄が来る。
主人の才田正平(54)と妻の志保(44)が迎える。
志保「あぁ、京さんいらっしゃい。ちょっと久しぶりね」
京太郎「ごめんなさい、ちょっと色々忙しくて」
正平「京さん、いらっしゃい」
京太郎「どうも。ご無沙汰の代わりにって言ったらあれだけど、今日は一人連れて来ました」
志保「っまぁ、どうも。ご友人?」
京太郎「お隣さん。最近越してきたから、ここの常連になってもらえたらって思って」
正平「そうかぁ。じゃあ気に入ってもらえるように料理頑張るわ」
志保「どうぞ、座って」
カウンターに座る京太郎と真澄。
京太郎「ここの料理とても美味しいから気に行ってもらえると思います」
真澄「何か雰囲気良いし、すでにもう気にいってる。ありがと」
京太郎「いえいえ(メニュー表を取り)じゃあお任せしてもらっていいですか?」
真澄「は?自分で決めるよ」
京太郎「は?」
真澄「自分が食べたい物は自分で決めるんだよー」
京太郎「いや私はね、貴方がコンビニ飯は嫌、スーパーのお惣菜も嫌、自炊はしない我儘ばかり
の貴方が、ここは私が美味しい食べ物を紹介しようと思って気を使ってあげてるのに、何です
かそれ」
真澄「気を使ってあげてるって、恩着せがましい。じゃあ俺が何食べたいのか分かってるの?折
角頼んでくれたのに俺が嫌いな物、食べたくない物だったら嫌な思いさせるかなってこっちも
気を使ってんでしょう。分かってないなあ」
京太郎と真澄のやりとりを困惑な顔で見ている正平と志保。
二人に気付く京太郎と真澄。
京太郎「じゃ、じゃあ好きな物頼んで下さい。私から頼みます(志保に)注文いいですか?」
志保「はい、どうぞ」
京太郎「えっと、厚焼き玉子と、唐揚げ、ホルモン鉄板にビール」
志保「はい、かしこまりました」
京太郎「お先でした。どうぞ」
真澄「あ、いや…」
京太郎「どうぞ、好きなの頼んで下さい。どれも美味しいですから」
真澄「(小さく)同じの…」
京太郎「え?」
真澄「同じの食べたいんだよ…(志保に)同じのお願いします」
志保「は、はい(苦笑)かしこまりました。少々お待ち下さいね」
呆れて物が言えない京太郎と苦笑いする真澄。
× × ×(時間経過)
京子のネタで話をしている京太郎と真澄。少し酔っている。
真澄「(笑って)本当、京ちゃんの姉さん面白いな」
京太郎「真澄さんはね、他人だから笑ってられるんですよ。あんなの実際に姉で居てごらんなさ
いよ。たまったもんじゃないですよ…でも…」
真澄「でも…?」
京太郎「やっぱり姉ですからね…死ぬまで姉ですからね…」
真澄「面白い。姉弟揃って面白い!ここに越してきて初めて良かったって思ってる」
京太郎「何ですか、それ。絶対に馬鹿にしてるでしょ」
真澄「してないよ。俺は一人息子だからさ、なんかそういう姉弟喧嘩?憧れるんだよね。京ちゃ
んの子供も二人兄妹だろ?なんかいいなぁって」
京太郎「…」
真澄「人間無いものねだりだよな」
京太郎「まぁ、そうですね」
真澄「よしっ。今日はもう飲もう」
京太郎「いやいやいや…もう飲みません。明日も仕事ですから」
真澄「出たよ。こうやってしらけさせるの日本一じゃないの?しらけチャンピオンなった事ある
でしょ」
京太郎「何ですかそのしらけチャンピオンって聞いた事無いですよ」
真澄「すみません、日本酒お願いします!」
京太郎「日本酒とかダメ!絶対にダメ!」
正平「あの二人、一体どうなってんだ?」
志保「なんか面白いわよね。はーい直ぐ日本酒お持ちします!」
〇喫茶店「Rin」・中・カウンター(朝)
顔をしかめて開店準備をしている京太郎。
京太郎「あぁ。頭痛い…もうあの人とお酒飲むのはダメだ」
真澄が入って来る。
京太郎「あ…」
真澄「あのさぁ、俺が入って来る度に、あって言うの止めてくんない?」
京太郎「すみません。いらっしゃいませ」
席に着く真澄。
真澄「酔い覚ましにコーヒー下さい」
京太郎「かしこまりました。でもブラックだと刺激が強いのでミルク多めに入れておきますね」
真澄「おぉ、気が利くね!」
京太郎「コーヒーの知識はある方なんで」
真澄「またそうやって嫌味な言い方」
京太郎「あのですね…いや、止めときます。今真澄さんと言い合う気になれないので」
真澄「そっちも二日酔いだ」
京太郎「もう、貴方とはお酒飲みません」
真澄「もう、京ちゃんは常に俺と酒飲む運命になってんだよ」
京太郎「はぁ?」
京子がスマホを弄りながら入って来る。
京子「(大声で)おっはよー」
京太郎「あぁ!もうそんな大きい声出さなくていいって!頭に響くから!」
京子「何よ、朝の挨拶は大きな声ではっきりと言わなきゃダメでしょ?気合入らないでしょ?」
京太郎「ってかさぁ、一つ聞いていい?」
京子「何よ?」
京太郎「何か、今スマホ触ってるけどさあ。これ何やってんの?」
京子「これ?出会い系」
吹き出す真澄。
京太郎「はぁ!!!!何で?昨日あんな事あって、今日また出会い系やってるって何で?」
京子「何でって、やっぱ私は生涯共に過ごす人が必要なのよ」
呆れて声が出ない京太郎。
京子「今度こそ、本当のいい男見つけるんだから!」
京太郎「昨日のアレは何だったんだよ…」
京子「アレはアレ。いつまでも泣いてなんてらんないわよ。こちとら二十代みたいに時間が有り
余ってる訳じゃないのに」
頭を抱える京太郎。
真澄「京子さん、頑張れ!」
京太郎「ちょっと!そこ!何焚き付けてんの」
真澄「焚きつけてるとか、聞こえが悪い。俺は純粋に応援してるんだから!」
京太郎「もう止めて、本当に止めて…」
京子「あぁ、真澄さん。ありがとう!あっ真澄さんは恋人居ないの?」
真澄「残念ながら、独り身なんです」
京子「そうなんだ。あっ真澄さんも出会い系始めたら?」
真澄「俺もですか?でもあの、俺ゲイなんですよ」
京子「あ、そうなんだ!何かそんな感じに見えないわ」
真澄「良く言われます」
京子「ねぇ。ゲイ専用の出会い系もあるんでしょ?」
真澄「まぁ、ありますけど…あぁちょっとやってみるのもいいかもしれないですね。長く恋人居
ないからそろそろ恋人でも…って思ってたし」
京子「いい!真澄さん、あんたその心意気よ。直ぐに見つかる!」
京子が京太郎の方を見る。
京太郎「え?何?止めて…」
京子が京太郎に近づいて来る。
京太郎「止めて止めて止めて…来ないで!」
京子「京太郎も、出会い系やってみなさいよ」
真澄「あぁ、いいっすね。京ちゃんも彼女出来たら、少しは更年期も治まるかもしれないよ」
京子「え?何、この子やっぱ更年期なの?」
京太郎「更年期じゃない!ってか俺を巻き込むのは止めてくれ!!!」
続。
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