〇登場人物
・櫻庭宗介
・沢城千秋
・星七緒
・三柴雄太
・松本一樹
・涼風アキラ
・古川紘
・長谷川なつき
・中島英二
・聖川琉華
・竹野内亮
・乾椿
・ツバサ
〇人気のない路地(朝)
千秋を壁に押し付けて英二がキスをする。
千秋の唇から離れる英二。
千秋「…」
英二「俺の事、忘れないでくれよ。また連絡する」
英二が行くのを見送っている千秋。
〇『PART7』・中・厨房
宗介と亮が料理の仕込みをしている。
宗介「千秋遅いなあ…」
雄太の声「あっ、千秋さんおはようございます」
一樹の声「おはようございます」
千秋が入ってくる。
千秋「おはよう。遅くなってごめんなさい」
亮「もうすぐ、開店ですけど、開けていいですか?」
千秋「うん」
雄太と一樹が来る。
雄太「開けていいですか?」
千秋「うん。じゃあ今日も皆宜しくお願いします!」
一樹「お願いします」
亮「お願いしまーす!」
千秋が手を洗っている所に来る宗介。
宗介「なぁ千秋」
千秋「ん?」
宗介「最近、よく会ってる…」
電話が鳴る。
千秋「あっちょっと…」
電話に出る千秋。
千秋「もしもし…あっツバサママ?うん。今日?時間…あるけど、
うん…分かった。お店終わったら行く。じゃあね」
電話を切る千秋。
千秋「ツバサママからだった」
宗介「何だって?」
千秋「招集がかかった」
宗介「招集?」
千秋「仕事終わったら店に来いって。しかも一人で…」
宗介「そ、そうなんだ」
千秋「断ってもしつこいし、面倒だから仕事終わったら行ってくる
ね。宗ちゃん先に帰ってて」
宗介「おぅ」
千秋「あっそういえば何か言ってなかった?」
宗介「いや、別に何でもない」
千秋「そう…」
〇『ブルースカイ』・中(夜)
千秋とツバサ。
千秋が飲んでたお酒が喉に詰まってむせる。
ツバサ「ちょっと…大丈夫なの?」
手で制する千秋。
千秋「え?何?見てたの?」
ツバサ「見てたわよ。しっかりと!なつきの…(言ってた通り)」
千秋「え…?」
ツバサ「いや、なんでもない。あのねぇ、どういうつもりなの?ノン
ケの宗ちゃんと付き合っておきなら、元カレと会ってるなんて…
まさか宗ちゃん」
千秋「は、知らない」
ツバサ「あ、そぅ…良かった…いや、良かったじゃないのよ。だから
何で今頃会ってるのよ」
千秋「別にこっちから会おうって言ったわけじゃないよ…」
ツバサ「いや、そういう問題じゃないでしょ。向こうから会おうって
言ってきても、会わなきゃいいだけでしょ」
千秋「そう思って、最初会った時にもう会わないでって言ったんだけ
ど…向こうがしつこくてさ」
ツバサ「しつこくても、会わなければいい話でしょ」
千秋「まぁ、そうなんだけどさ…」
ツバサ「何よ、昔の事思い出して、あぁやっぱ元カレの方が良いなと
か思ってるんじゃないんでしょうね?」
千秋「それはないけど…」
ツバサ「けど、なんなのよ…」
千秋「彼さぁ、結婚するって言って俺の事振ったじゃん?」
ツバサ「そうね。あの時ほんと腹が立ってグラス握りしめちゃったら
割れちゃったもん。覚えてる」
千秋「今度は、妻とは別れるから、また一緒にやり直したいって」
ツバサ「はぁ?」
ツバサが怒りでグラスを握りしめヒビが入る。
ツバサ「マジでムカつくわね。ここに連れてきて説教したいくらいだ
わ!」
溜息を付く千秋。
ツバサ「千秋…まさかそこまで言われて心が揺れてるとかじゃないよ
ね?」
千秋「違うよ…」
ツバサ「なら、いいけど。千秋…」
千秋「ん?」
ツバサ「宗ちゃん傷つけるような事したらアタシ…絶対に許さないか
らね」
千秋「そんな事するわけないじゃん」
〇シェアハウス・リビング(夜)
千秋が帰ってくる。
千秋「ただいまー」
風呂上がりの宗介が来る。
宗介「おぅ、おかえり」
千秋「ただいま…」
宗介「あれ、飲んでねぇの?」
千秋「え?」
宗介「えって…ツバサママんとこ行ってきたんだろ?」
千秋「そうだけど」
宗介「ママと飲んできたんじゃないかなって」
千秋「少しだけね」
宗介「そっか…腹減ってねぇか?」
千秋「ちょっと、空いたかも」
宗介「飯余ってるから、茶漬けでも食うか?」
仕事帰りの紘が来る。
紘「あぁ、疲れたー」
宗介「おぅ、紘。おかえり」
紘「ただいまー」
うなだれながらソファーに座る紘。
千秋「今日、遅くない?」
紘「今まで仕事だったんだ。荷物の片付け作業だったんだけどさ。終電
乗り遅れるとこだったよ」
宗介「飯食う?茶漬けならすぐ用意できるけど」
紘「疲れて、あんま食欲ないけど…お茶漬けならいけるかなぁ。食べ
る」
宗介「じゃ、千秋の分も作るから、ちょっと待ってろ」
紘「はーい」
× × ×(時間経過)
お茶漬けを食っている千秋と紘。
それを見ている宗介、気まずい雰囲気
紘「ねぇ、二人さぁ」
宗介「あ?」
紘「何かあった?」
宗介「別に」
千秋「何も」
紘「あっそ」
お茶漬けをかきこむ紘。
紘「何か空気重たいなあって…」
千秋「気のせいでしょ」
紘「あっそ…あぁ美味かったー。宗ちゃんごちそうさん」
宗介「おぅ」
紘「じゃ、俺寝まーす。おやすみ」
宗介・千秋「おやすみー」
リビングを出て行く紘。
宗介「あのさぁ…」
千秋「俺も、寝ようかな。宗ちゃんありがとう」
宗介「お、おぅ」
逃げるようにリビングを出て行く千秋
〇同・千秋の部屋・中(夜)
千秋が入ってくる。
千秋M「宗ちゃんから逃げてしまった…」
ベッドに倒れ込むように横になる千秋
千秋「何で、今になって…」
〇同・二階・なつきの部屋・中(夜)
なつきがヘアバンドをして集中して原稿を描いている。
ドアノックの音がするがなつきは無視をしている。
ドアを開け顔だけ出す紘。
なつきの後姿を見て、空気を読んでそっとドアを閉める紘。
〇同・同・前(夜)
紘がなつきの部屋のドアを閉める。
ポケットから遊園地のチケットを二枚出す紘。
紘「あれじゃ、誘っても無理だろうなあ」
溜息を付いてチケットをポケットにしまう紘。
〇『STARLIGHT』・ホール(夜)
琉華が女性客とシャンパンタワーにシャンパンを注いでいる。
琉華「(客の耳元で)今日は、マジありがとう」
笑顔で頷いている女性客。
× × ×
他の席でテーブルに高級なお酒を沢山並べて飲んでいる琉華やヘ
ルプのホストと女性客。
アキラがイラつきながらウィスキーを飲んでいる。
〇同・休憩室・中(夜)
琉華が仕事を終え、着替えている。
ドアノックをし、椿が入ってくる。
椿「おぅ、琉華居た」
琉華「あ、椿さん」
椿「お疲れ」
琉華「お疲れ様…です」
椿「今日、結構頑張ったらしいな」
琉華「はい、片っ端から営業してたら、運良く沢山のお客さんが来てれ
て」
椿「運良くって…それが琉華の実力だろ?」
琉華「ま、まぁ…(照れる)」
椿「あっこれ…」
小さな紙袋を琉華に渡す椿。
琉華「何すか?これ…開けていいですか?」
椿「あぁ」
紙袋を開けて中身を取り出す琉華。
琉華「これ…腕時計」
椿「まぁ、そんなに高価な物じゃないけど、良かったら着けてくれ」
琉華「いいんですか?」
椿「これ、着けてたら、いつでも俺と一緒って気分になれるだろ?」
琉華「椿さん…」
椿「何て事言ってみたりしてな(笑う)じゃあな。お疲れ」
琉華「お疲れ様です」
〇同・同・前(夜)
椿が出てくるとアキラが立っている。
椿「おぉ。びっくりしたー」
アキラ「…」
椿「どした?何か怖い顔してるな?」
アキラ「オーナーは…どうして琉華の事が好きなんですか?
椿「は?どした?急に」
アキラ「急に何かじゃありません。俺は前から…前から」
椿「アキラ?」
アキラ「俺だって、オーナーの事が…」
椿「俺の事好きなのか?」
アキラ「…」
椿「悪い。その気持ちに応える事は出来ない」
アキラ「くっ…」
椿「じゃあな」
去っていく椿。
アキラ「くそっ…琉華さえ…琉華さえ居なければ」
〇同・前(夜)
琉華が出てくる。
店先で立っているアキラ。
琉華「おっ、お疲れ」
アキラ「琉華…ちょっと…」
琉華「ん?」
〇『STARLIGHT』近くの路地裏(夜 )
琉華とアキラ。
琉華「どしたんだ?」
アキラ「琉華」
琉華に近づいて行くアキラ。
〇新宿駅・片隅(夜)
七緒が水晶に手をかざしている。
七緒「今日はお客が来ない…」
身震いする七緒。
七緒「この寒気もずっと止まらない…風邪なのか…」
水晶を見ると笑顔の琉華の顔が映し出される。
七緒「ん?」
水晶を手に持つと、何かの力が動いて地面に落下し水晶が割れて
しまう。
七緒「あぁぁぁぁぁ!!!」
割れた水晶を手に取る七緒。
七緒「琉華さん…」
七緒の顔つきが真剣さを増して変化する。
〇『STARLIGHT』近くの路地裏(夜)
琉華とアキラが抱きあってるように立っている。
ゆっくりと琉華から離れるアキラ。
琉華の体が小刻みに震えている。
琉華が視線を下げると腹部にナイフが刺さっている。
琉華「な、何で…」
第八週「本当のキモチ」へ続く
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