Incomplete ファンタジー

未完成のままじゃやだよ。救えないなら造らないでよ!時代を超えた5人の高校生の物語
みさくらあれん 51 0 0 07/21
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第一稿

Incomplete

登場人物
•語り手1(白)
•語り手2(黒)
•ヒマリ(日葵)
•レン (錬)
•ミヨコ ...続きを読む
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Incomplete

登場人物
•語り手1(白)
•語り手2(黒)
•ヒマリ(日葵)
•レン (錬)
•ミヨコ (美代子)
•イサム (勇)
•チヨ (千夜)
・管理人
・馬1
・馬2
・馬3





















シーン1
語り手2人中心待機後ろ向き
スポット
語り手①「錆びついた遊具、錆びついた心。」
語り手❷「この回転木馬は100年前からここにずっと佇んでいる。多くの人々の錆びついた心を見てきたであろう。」
語り手①「そんな奴らの強さ。見てみたいな。」
語り手❷「強さ?そんなもの存在しない。」
語り手①「ほう、なぜそう思う。」
語り手❷「じゃあ見てみようじゃないか。」
マントひるがえし、前を向く
語り手①「誰を捕まえるんだ。」
語り手❷「アイツら5人にしよう。」
語り手①「本当の目的は?」
語り手❷「後にわかるさ。」
真ん中寄る

明転
語り手しゃがむ
上手から、ヒマリ走ってくる。
ヒマリ「助けてよ〜!!」
語り手立ち上がる
語り手①「ようこそ。」
語り手❷「若者たち。」
暗転
ヒマリひざまづく。真ん中で
語り手左右に行く
明転
ヒマリ「あれ?ここどこだろう。」
メリーゴーランドに気づく。
ヒマリ「え、メリーゴーランド……?」
語り手①「完全に迷い込んだね。」
語り手❷「迷える小娘だ。」
ヒマリ「あ、あなたたち何者よ。」
語り手①「何者と言われてもね。きみたちの光と影ってとこですかね。」
ヒマリ「君たちの?光と影?」
語り手❷「そうですよ。」
ヒマリ「全然わからないんだけど。」
下手から管理人
管理人「どうかしましたか?」
語り手2人上手へ
ヒマリ「あの、ここはどこなんですか?」
照明森みたいなやつ
管理人「迷子ですか。よくいるんですよね。ここはうちの名物、回転木馬の前ですよ。」
ヒマリ「回転木馬?」
管理人「あ、お嬢さんは現代の方ですか。こちらは今から100年前に造られた遊園地の回転木馬です。私はここの管理人です。」
ヒマリ「私はヒマリです。こんな所あるなんて知らなかったです。」
管理人「まあ、無理もないですね。」
ヒマリ「……?どういう意味ですか?」
管理人「ここに座ってくださいな。」
ヒマリ、メリーゴーランドの前に座る。
管理人「100年前、この遊園地は造られたと言いましたが、開園されたことは一度も    ありません。この回転木馬は一度も動かされぬまま100年が過ぎてしまいました。    約束が果たされることは無かったのです。」
ヒマリ「管理人さんはこのメリーゴーランドをどうしたいんですか?」
管理人「この私の願いは回転木馬を動かしてあげたいんです。」
暗転
スポット
シーン2
SE(嵐)(A・R A・SH I)
レン「あーやっぱ嵐っていいよな〜。大野くんみたいにかっこよくなって、ダンス踊れるようになりて〜。」
語り手上手から出てくる
語り手①「こんにちは。」
レン「だっ誰だよ!」
語り手❷「ちょっと来てもらいますね。」
レン「は?」

暗転
語り手上手へ
ヒマリ、真ん中
明転
ヒマリ・レン「うわっ!」
レン「誰だあんた……。」
ヒマリ「そっちこそ誰よ。」
レン「ったく、嵐の曲聴いてたら、変な2人組に邪魔されたんだよ。」
ヒマリ「あなたも……?あれ?管理人さんがいない。」
レン「あ?あーもう。電話しよう。」
ヒマリ「えっ?ガラケー?」
レン「なんだお前は持ってないのか?ジャニーズ界の今人気を集めている嵐ぐらいは知ってるよな?」
ヒマリ「……。」
レン「どうした?」
ヒマリ「ここ令和の世界だよ?嵐だって、今活動休止じゃん。」
レン「は?だって、3年くらい前にデビューしただろ。」
ヒマリ「もしかして、タイムスリップしちゃったの?」
レン「なんだよそれ。んなわけあるか。」

語り手❷出てくる
語り手❷「ヒマリさんレンさん、あなた達にはここで生き延びてもらいますよ。」
レン「おい、生き延びるって……。」
ヒマリ「私たち死ぬの?」
語り手❷「どうでしょう、あなた達の実力次第ですよ。」
マントひるがえして、はける 上手へ
レン「ちょっと待てよ!」
跳ね返るようなSE
レン倒れる
ヒマリ「大丈夫……?」
レン「くっそ!あの黒づくめ、覚えてろよ」
ヒマリ「レンくんでいいんだよね?どこの世界から来たの?」
レン「お前何言ってるの?今は平成。そんでここはどこだ?」
ヒマリ「私とレンくんは世界が違うことが分かった。ここは、私もよく分かってないけど遊園地らしい。それも、開園することのなかった。」
レン「どうしたらいいんだ……。」
暗転

シーン3 スポット
SE(松田聖子)(青い珊瑚礁)
ミヨコ、ダンス踊っている。
ミヨコ「ここはこう上げて、うーん難しいな。」
上手から語り手、ミヨコの腕つかむ
語り手①「ミヨコさん、あなたも仲間に入って貰いますよ。」
語り手❷「アイツらの中で上手く生きていけるのか。」
ミヨコ「あなた達は何者?急になんなの!」
語り手①「私たちは君たちの強さを確かめに来た。」
語り手❷「若者の心を試す。」
ミヨコ「どういうこと……?」

暗転
ヒマリ、レン、ミヨコ、ステージ
明転
ミヨコ「うわっ?!」
ヒマリ「え?!」
レン「ビビった……。なんだよ。」
ミヨコ「ここは?」
ヒマリ「きっとあなたも変なふたりに連れてこられたの?」
ミヨコ「そうです。どういうことだか分からないですし。」
レン「昭和……?」
ミヨコ「昭和ですよ?それが何か問題でも?」
ヒマリ「昭和、平成、令和となると、大正も来そうじゃない?」
レン「何言ってんだよ。」
ミヨコ「知らない時代の方?」
ヒマリ「そうだと思う、昭和の次がレンくんが住んでる時代、その次が私の住んでる時代。」
レン「あーもう、全然意味わかんねえ。」
ミヨコ「私は理解しました、さっきの2人が原因なんですよね?改めて私はミヨコです。」
ヒマリ「ミヨコちゃんのその理解力に尊敬する。」
レン「とりあえずアイツら捕まえてボコボコにしてやりてぇ。」
ミヨコ「あれ、これはなにかしら。」
ミヨコ回転木馬の前に行く。
ヒマリ「あっ、それは!」
暗転
3人はける

シーン4
照明森
イサム、本を持つ歩き回る
イサム「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪にも夏の暑さにも負けぬ、丈夫な体を持ち、欲はなく、決していばらず、いつも静かに笑っている。」
語り手出てくる
語り手❷「おまえは真面目そうだな。」
語り手①「こんなやつがいても面白そうだ。」
イサム「なんだお前たちは!」
語り手❷「4番目のメンバーとなる。」
語り手①「楽しみだな。」
語り手❷イサムから本を取り上げる。
イサム「あ、おい!」
暗転

4人ステージ
明転
レン「ええ?!また、いる。」
ヒマリ「ほんとに、来た……?」
イサム、レンの肩を揺らす。
イサム「また知らないやつがいる!おい、あの二人は何処だ。吾輩の書物を奪った奴らはどこだ。」
レン「知らねぇ、離せ!」
ミヨコ「急にそんなことしては危ないですよ。」
ヒマリ「私たちは一体なぜこんな所にいるんだろう。」
レン「早く抜け出さねぇと。」
ミヨコ「元の世界に戻りたいです。」
イサム「お前ら、何者だ。」
ヒマリ「だから!私たちも分かんないの!」
レン「こいつらとは仲良くなれそうにない。」
ミヨコ「皆さん取り乱さずに!落ち着いて考えましょうよ。」
イサム「変な格好のお前達は何者だと聞いているのだ。早く答えろ。」

暗転スポット上手側
4人騒いでいる
語り手2人はスポット側に来る
語り手①「喧嘩が始まったぞ。」
語り手❷「早く最後の一人を連れてきた方が良さそうだな。」
暗転

シーン5
チヨのみ出てくる後ろ向いたまま
明転
チヨ「こんな回転木馬に、わたくし達の大切な物を……。」
語り手出てくる
語り手①「恨んでいるのか。」
語り手❷「チヨさん、さぁあなたも━。」
チヨ「わたくしの大切な物を全て奪うな!」
暗転

5人ステージへ
明転
ミヨコ座り込む。
ヒマリ「え?」 
レン「1人増えてる。」
ミヨコ「大丈夫?」
イサム「あ、お前。」
チヨ「わたくしはこんなことしたくないのです。ご無礼をお許しください。」
語り手登場
本を持つ
5人は座り込む、後ろ向く
ヒマリ「勝手に力が抜けてく……。」
レン「なんで立てないんだよ!」
ミヨコ「あっ、あなたたちは!」
イサム「吾輩の書物を返せ!」
チヨ「わたくしはあなた達を永遠に恨みます。」
語り手出てくる。
SE(未完成ピアノver)(家入レオ)
照明B1
語り手①「ヒマリ。令和の世界を生きる18歳、同級生から毒として扱われ、たった少しのすれ違いで友を失い、弱い人間となって生きている。」
語り手❷「そんなお前は存在ごと消えてしまえばいい、忘れられれば楽になるんだろう。」
ヒマリ立つ、
語り手①「レン。平成を生きる18歳、親からの愛情を捨てられ、自由に生きる。そんな孤独なお前を誰も救ってくれない。暴れ回っているだけの弱い人間だ。」
語り手❷「必要とされない弱い人間は消えても、誰も悲しまないだろう。」
レン立つ
語り手①「ミヨコ。昭和を生きる18歳。ダンスの才能もなく、社会から必要とされなくなった。何もできないアイドルなんて存在意義が感じられない。」
語り手❷「努力も身を結ばない弱い人間は諦めて別の次元で生きる方がいいだろう。」
ミヨコ立つ
語り手❷「イサム。大正を生きる18歳。学問を極め、自分の患っている不治の病を治そうと懸命に生きているが、所詮は貧乏で低レベルな知識しか持てない弱い人間。」
語り手①「何もせず静かに消えていくがいい。」
イサム立つ
語り手❷「チヨ。明治を生きる18歳。私たちに居場所を奪われ、彷徨って生きている可哀想で弱い人間。」
語り手①「我らに反抗しても所詮は何もすることはできない。残念だったな。」
チヨ立つ
舞台袖から声だけ
馬1「戦え、辛い門を乗り越えろ。」
馬2「お前ら5人なら乗り越えられる。」
馬3「インコンプリートのままではダメだ。」
暗転

レン、イサム真ん中
明転
レン「あれ、お前だけか。」
イサム「イサムだ。どうなっている、早く帰らないといけねぇってのに。どうしたら帰れるんだ。」
レン「イサム、お前は病気なんだってな。自分で治そうとしてるなんてすげぇな。その病気、今なら治せるかもよ。」
イサム「結核。死ぬのを待つだけだ。何をどう足掻こうと金もない、吾輩の存在なんてほんとに意味が無いんだろうな。」
レン「いや俺もさ、自由に生きてて辛いことあるけど結構楽しいよ。親から見放されても辛くはないんだぜ。」
イサム「何もかも壊して過去も忘れて、笑って生きていたい。」
レン「あ、ちょっと待ってろ?」
レン、舞台袖からピコピコハンマー持ってくる。
イサムを叩く
イサム「痛っ!!!な、なんだこれは!」
レン「ピコピコハンマーとか言うおもちゃ。」
イサム「ぴよぴよヤンマー?恐ろしい生き物だ。吾輩に近づかせるな。」
レン「へっ(笑)」
ピコンっ
イサム「うわぁぁぁくせ者!」
レン「待ておらぁ!」
イサム、レン走り回る。
下手へ
上手からミヨコ、チヨ
ミヨコ「こっちに男子二人が来たはずなんだけど、どこに行っちゃったんだろうね。」
チヨ「ミヨコさん、あなたはどうするんですか?」
ミヨコ「どうするもこうするも出る方法を探すのが先手でしょ?」
チヨ「あの回転木馬を作らせる前に止めていれば、こんなことにはならなかったんでしょうね。」
ミヨコ「それってどういう……?」
チヨ「ここに回転木馬があります。」
ミヨコ「メリーゴーランドのことよね?」
チヨ「そう呼ばれているなら、メリーゴーランドと言いますね。元はわたくしのお家でしたのに、ある日の夜燃やされましたの。わたくしが近くのお嬢さんと外出していた時でした。お家には父と母がいました。もうお分かりかと思いますが、何者かに家もろとも両親も失ってしまったんです。」
ミヨコ「もしかして、私たちを攫ったあの2人が犯人?」
チヨ「わたくしはそう思っています。このメリーゴーランドを作るために私たちの居場所を奪った。そして、口止めのためにわたくしの命も狙っているでしょう。」
バンっ
SE銃の音
ミヨコ「きゃあっ!」
語り手2人出てくる。左右から
語り手❷「バレては困りますね。私たちの目的は回転木馬を動かすこと。そのためにお前ら5人を利用してやろうと思った、私たちの裏を知られては困りますよ。」
語り手①「どうするんだ?」
語り手❷「2人まとめてやってしまおう。」

銃口を向ける。
ミヨコ「どうしよう、」
チヨ「ミヨコさん、3、2、1で白い方の後ろに下がってください。」
ミヨコ「えぇ!」
語り手①「なんか、言ったか?」
チヨ「いいですね?」
語り手❷「ごちゃごちゃ何話してるんだ。」
チヨ「3、2、1」
照明線のやつ
語り手①「なっ!」
チヨ「ミヨコさん拾ってください!」
語り手とミヨコ、チヨはポジション交代
暗転
語り手はける
明転
ミヨコ「え?いない。」
チヨ「逃げられちゃいました。」
ミヨコ、銃落とす
ミヨコ「え!なんでこんなの私が?真剣になってて意識してなかったみたい。」
チヨ「もうちょっとだったのに……。」
上手からヒマリ
ヒマリ「すごい音したけど。え?どうしたの!」
ミヨコ「白と黒の私たちを攫った2人が私たちを殺そうとしてきて、それで逃げられちゃったってとこかな。」
ヒマリ銃を拾う。
ヒマリ「銃を使うなんて、なんてことを。」
ミヨコ「ヒマリちゃん、それ持ってていいよ。私が持っていても使いこなせないから。」
ヒマリ「え、あ、わかった。頑張ってみるね。」
ミヨコ「チヨちゃんはめっちゃかっこよかったけど、まさか慣れてる?」
チヨ「それはないですけど、命を狙われることは多々あるので怖いものはないです。」
ヒマリ「男子2人を早く見つけないとやばくない?」
ミヨコ「行こうか。」
3人下手へ
語り手上手から
語り手①「危なかった、チヨってやつどうしたらいいんだ。」
語り手❷「元はといえば、私たちは管理人の願いを叶えるために色々やってるんだ。」
語り手①「全部否定されても、このままじゃ私たちごと回転木馬も消えてしまう。どうしたらいいかわからないんだ。」
語り手❷「こんな私たちが、愛してごめん。」
語り手①「あいつらがくる。そっちに行こう。」
語り手、回転木馬の影に隠れる。

レン、イサム下手から
レン「女たちどこ行ったんだ?」
イサム「お前、走るの早いな。」
ヒマリ、ミヨコ、チヨ下手から
ヒマリ「あ、いた!大丈夫だった?」
レン「まあ、遊んでたというか、仲良くなってたよな?」

ミヨコ「それなら良かったのかな?私たちなんて、殺されかけたんだよ。」
イサム「あいつらに?」
チヨ「何かあったら、逃げてくださいね。」
ヒマリ「私は、チヨちゃんと一緒に立ち向かうから。」
語り手出てくる。
語り手❷「ヒマリ、チヨ、私たちの銃を返せ。お前らは所詮、闇に呑まれもう後戻りはできなくなるだろう。」
レン「それを決めるのは俺たちだろう。これからどう頑張るかによって俺らの人生は変わっていくんだ。お前達に決められてたまるもんか。」
語り手①「親に捨てられても?いらない人間として生きてるお前が言えることなのか?」
レン「……」
語り手❷「言うこと無しか。必要ないなんて言われたら、なーんにも役に立たないもんな。笑けてくるわ。」
レン「じゃねぇ……。」
語り手①「ん?」
レン「救えないなら産むんじゃねぇ!」
ヒマリ「レンくん…。」
語り手❷「勝手にしろ。」
チヨ、銃を語り手に向ける。
SE銃の音
暗転
シルエット演出
背景赤とか
SE戦闘シーンみたいなやつ
語り手①チヨを倒す
ミヨコ、ヒマリ助けに行こうとするが、跳ね返される
ここは臨機応変に戦いのシーンにしたい。
30秒くらい
暗転
馬、3人舞台上へ
照明森
あちらこちら動く
馬1「管理人さんは僕たちを作るために頑張ってくれた。」
馬2「光と影たちはあの子達をどうするんだろう。」
馬3「早く動かしてよ。もう100年も待ってるんだよ。」
馬1「早く早く早く。」
馬2「100年前で私たちを救ってよ。」
馬3「私たちを幸せにしてよ。」
チヨ上手から出てくる
チヨ「え?」
馬1「あ、チヨだ。」
馬2「チヨ、何とかしてよ。」
馬3「私たちのこと助けてくれるよね?」
チヨ「誰なの……?」
馬1「俺たち回転木馬の妖精だよ。」
馬2「ちゃんと動かすように伝えてよ。」
馬3「チヨならできる!」
チヨ「何をおっしゃってるの、私は恨んでいるんです。そんなことしたくないのです。今すぐにでもあの二人をこの世の中から消し去ってやりたい。」
馬1「そんなことしても解決しないよ。自分がまた苦労するだけ。」
馬2「傷つけられたから、やり返してまた奪うなんてそんなの意味無いよ。」
馬3「人を殺めても平和になるわけじゃないんだよ。」
馬1「チヨの大切な物を奪ったあの2人は自分たちも苦しくなってるはず。」
馬2「チヨも本当はしたくないんでしょ?」
馬3「チヨはこれを踏まえてどうするの?」
チヨ「わたくしは。……良いですよ。きっとあなた達を救います。結果はどうなっても知らない。さようなら。」
チヨ去る
馬3人手を振る。
暗転
ヒマリ、レン、ミヨコ、イサム舞台上倒れている。
明転
ヒマリ「眩しい……」
起き上がる
ヒマリ「あれ?!みんな、大丈夫?」
レン「ったく、痛ぇ……。」
ミヨコ「何が起きたんだろう。」
イサム「あやつら、またもや許さぬ。」
ヒマリ「ん?チヨちゃんは?」
レン「さっきまで居たんじゃないのか?」
ミヨコ「まさか、また連れ去られた?」
イサム「よく分からぬ…なぜ吾輩達だけが残っている。」
ヒマリ「チヨちゃんを助けに行かないと!」
レン「行くってどこに?」
ミヨコ「そんなの分からないじゃない!だけど、ほっとけるわけないでしょ!」
イサム「吾輩は行かぬ。」
ヒマリ「どうして?」
イサム「……。」
イサム、走って上手へ
レン「あ、おい。」
ミヨコ「私が追いかけてくるわ。二人は先に行ってて。」
ヒマリ「え、でも……。」
ミヨコ「必ず戻るわ。」
ミヨコ上手へ
ヒマリ「レンくん、こうしちゃいられない。私たちも探しに行こう。」
レン「俺たちを攫った奴らを探すのが俺の目的だけどな。」
ヒマリ、レン下手へ
語り手出てくる
語り手①「木馬たちは自分でチヨを説得しちゃったってことになるね。」
語り手❷「勝手にやらせておけばいい。私たちの手間が省けた。まぁ、そんな状態で完成するのかは分からないけど。」
語り手①「お前はとことん冷たい奴だな。」
語り手❷「結局は誰のことも助けるつもりは無いからな。」
管理人出てくる

管理人「お前たち、あまり荒手のことはしないでおくれ。」
語り手①「元はあなたが頼んで来たんじゃないですか。あそこに遊園地を作りたいって。」
語り手❷「結局アイツら5人それぞれが自分の弱みを解決していくんだろうな。」
管理人「そんな人同士を集めて解決させようとしているなんてお前達はいい人じゃないか。確かにそれも含めて私が見込んだ通りだ。」
語り手①「なんかいい事言ったつもりでいるだろうけど全然良くないからね。」
語り手❷「あの五人の中で全員解決できるとは限らない。」
管理人「と言うと?」
語り手❷「なんでもない。これで取引は終わりだ。もう私たちに関わるな。」
管理人「わかった。ありがとう。名前の無い光と影の君達。」
語り手①「皮肉だな、ずっと完成することのない場所で永遠と彷徨うがいい。」
語り手❷「死んだことに気づいてないなんて無念だな。」
スポット
語り手去る
管理人、回転木馬を倒す。
管理人「一生懸命がんばったのに。」
暗転

明転
イサム走って入ってくる
ミヨコ追いかける
ミヨコ「イサムさん待ってください!」
イサム「なんで追いかけてきた。」
ミヨコ「なんでって、こんな状況でほっとけるわけないでしょ。」
イサム「吾輩はもう何もすることはないんだ。お前は来なくていい。」
ミヨコ「病気でしょ?がんばって生きるとか考えないと。」
イサム「治らない。何をしても無駄。生きてる価値なんてない。吾輩は願った、なのに何故。」
イサム、回転木馬の方へ
ミヨコ「努力、しないと。確かに私もだめだったよ、だけどそれは人生かかってるじゃない。私は頑張って欲しいわ。」
イサム「医者になれと?俺に医者なんてもう出来ないんだ。」
ミヨコ「やりましょう。これも何かの縁だと思って、私もアイドルはもう出来ない。けど!何かほかにやれること探して努力して、夢叶えられるようにするから!だから、イサムさんも頑張ろう?」
イサム「……。」
ミヨコ「だから、前を向いて進んで欲しいです!」
イサム「……ありがとう 。」
ミヨコ、首かしげる
ミヨコ「うん!頑張ろうね!」
イサム「あぁ。」
イサム、ゆっくり歩いて下手
ミヨコ「ここで、お別れだったのかな。ヒマリちゃんとレンくんたちの所へ行かなくちゃね。」
ミヨコ下手へ

スポット
ヒマリ、レン中心に
ヒマリ「もうどこにも行けないようになっててこのメリーゴーランドから出られないよ。」
レン「なぁ、このメリーゴーランド、最初に見た時より壊れてね?」
明転
ヒマリ「あ、ほんとだ。なんかこう、誰かが倒したみたいな。」
レン「これじゃ修復不能なんじゃないか?」
ヒマリ「ねぇ、このままじゃ治らないんじゃないの?」
レン「いや、大丈夫だろう。」
レン触る、余計壊れる。
ヒマリ「あ。」
レン「ヤベェ、どうしよーねー。」
レン逃げようとする。ヒマリ捕まえる。
ヒマリ「ちょっと、逃げないの。」
レン「これが壊れたとしても、俺らにはなんの影響もないでしょ。」
ミヨコ下手から
ミヨコ「あ!いた!」
ヒマリ「ミヨコちゃん!よかった……」
レン「あれ?あの、大正のやつは見つかったのか?」
ミヨコ「それが……見つかったんだけど、私がめちゃめちゃ説得して、なんとか元気になってくれたんだけど。」
ヒマリ「けど?」
ミヨコ「どこかへ行っちゃったというか、お医者さんになるために行っちゃったよ。」
レン「そうか、やっと進んでくれたんだな。」
ヒマリ「もしかして、自分の弱い心を克服した時ここから解放されるんじゃないかな。」
レン「だとしたら、黒づくめに反抗してたあの女や病気のあいつも元の時代に戻ったってことか?」
ミヨコ「おそらく、そう言うことになるんじゃないかな。」
ヒマリ「チヨちゃんあんなに怒ってだけど、どうやって誰が説得したんだろう。」
レン「納得して帰ったから、今ここにいないんだろ?俺らが心配するほどでもないだろう。」
ミヨコ「弱い心……。」
ヒマリ「ミヨコちゃん?どうかした?」
ミヨコ「私、アイドル辞めて人を救う仕事に就きたい。イサムくんみたいに病気の人を助けて社会に貢献できるような人間になりたい!二人はどう思う?」
ヒマリ「いいと思う!やりたいこと見つけて頑張れるのは立派なことだと思うよ!」
レン「いいんじゃねーか?いいことだと思うぜ。」
ミヨコ「こんなに決心することができたのは出会えた四人のおかげだよ!一時は本当に不安だったけどありがとう。」
ヒマリ「じゃあ、ミヨコちゃんも行っちゃうの?」
レン「寂しくなるな。」
ミヨコ「ごめんね。二人にまた会えるって信じてるよ。」
ヒマリ「私も!手を振って迎えるね!」
ミヨコ「私もそうする!」
ミヨコ下手へ
暗転
背景の色変えれたら変えたいな。
馬3人本持ちながら出てくる。
馬1「残るはレンとヒマリだね。ここに書いてあるのを見ると、レンは自分で解決できそうだけど。」
馬2「ヒマリはどうなんだろう。」
馬3「あー見てよここ。」
馬1「どうした?」
馬2「あれ?この名前って、イサムじゃない?」
馬3「そう!これは、結核の治療法を解明した人の名前が載っているリストだよ!」
馬1「ってことは……?」
馬2「これは、現代のリストだから、イサムは医者になれたってことでいいんだよね!」
馬3「おめでたいことじゃん。」
馬1「チヨのことはまだわからないよね。」
馬2「わからない。ミヨコは?」
馬3「あ、小児科の看護師を担当してるって。」
メリーゴーランドに近づいて
馬1「この僕たちが見守っているからね!」
馬2「他の二人の健闘を祈って私たちも戻ろっか!」
馬3「そうしよう!」
馬3人、メリーゴーランドを直す。
馬3人「完成しますように。」
暗転

ヒマリ、レン、中心
明転
ヒマリ「あれ?なんか、メリーゴーランド直ってない?」
レン「あ、本当だ。」
ヒマリ「私たちとあの黒づくめの他に誰かいるってことじゃない?」
レン「まあ、それはそれで直ってくれたならいいよ。」
ヒマリ「レンくんは弱い心を解決できそう?」
スポットにレン
レン「もう、生まれてきたからには俺はくそ親の力を借りずに生きていくよ。」
ヒマリ「そっか!レンくんともお別れになっちゃうね。」
レン「短い時間だったけど、ありがとうな。」
ヒマリ「うん、私だけが解決できないのかもしれない。」
レン「大丈夫とははっきり言えないけど、きっとみんなが助けに来てくれるさ。だから、頑張れよ。」
ヒマリ「じゃあ、また会える日を願って。」
レン「またな。」
レン、下手へ
管理人上手から
ヒマリ「どうしよう、一人になっちゃった。」
管理人「お嬢さんお困りですか?」
ヒマリ「管理人さん!」
管理人「また。また会えましたね。」
ヒマリ「私、また一人になっちゃいました。みんな解決して元に戻って、私はどうしたらいいんでしょうか。」
管理人「解決ね……。私の願いも叶ってないですよ。」
ヒマリ「メリーゴーランドを動かす……でしたよね。」
管理人「きっと、叶わないんですよ。」
ヒマリ「そんなこと言わずとも!まだ希望はあるはずです。」
スポット
馬3人回転木馬に隠れるてさ
管理人「きっと、お嬢さんも……。」
ヒマリ「どうかしましたか?」
管理人「いえ、なんでもないですよ。」
ヒマリ「そうですか。」
管理人、メリーゴーランドの方へ
管理人「あれ、回転木馬直ってますね。お嬢さんが?」
ヒマリ「いえ、気づいた時には元に戻ってました。」
管理人「ですよね!……お前達、余計なことするな!」
馬3人「「救えないなら、造らないでよ!」」
暗転

ヒマリ倒れてる
語り手中心に
スポット
語り手①「結局、管理人も悪事を働かせただけあるね。」
語り手❷「まあ、チヨの大切なものを奪ったのは、あの管理人だからな。」
語り手①「回転木馬も修復されることを望んでいない。だから、馬たちも消滅させたいんだろうね。」
語り手❷「私たちを利用しやがって、完成しないんだよ。無駄な労力だった。錆びついた心では弱い気持ちを変えることはできないんだ。」
語り手①「私たちは巻き込んだ奴らを、助かる道へと導いた。ということになってしまうね。」
語り手❷「善人にはなりたくないな。最後の締めに悪を降らせて、任務を終わらせるか。」
語り手①「ヒマリ、残念だね。」

観客に向かって
語り手①「皆さん、私たちのことは謎の人物として認識していただければ結構です。」
語り手❷「自由気ままに皆さんの弱い心に漬け込みます。」
ヒマリ「んー。」
起き始めるのに気づき、語り手メリーゴーランドの方に隠れる。
明転
SE(未完成)ヴァイオリンVer.
ヒマリ倒れてる
ヒマリ「あれ、さっきまでここで管理人さんと話してたはずだけど。」
舞台に座る
ヒマリ「みんな元気にやってるのかなぁ、同じ時代で生きてたらまた会えたのに。」
レン、ミヨコ、イサム、チヨ制服で後ろ話しながら歩く
ヒマリ気づく
ヒマリ「あれってきっとみんなだよね⁉︎おーい!みんな!」
雪降らせることできたら降らせたいな。
スポット
ヒマリ「え……雪?よく見えなくなっちゃった」
語り手出てくる
照明線
ヒマリを後ろに突き飛ばす
語り手①「私たちにしか見えてないこの世界は脆すぎたみたい。」
語り手❷「もうお前は自由になれるぞ。」
ヒマリ起き上がるが、語り手二人に腕掴まれる。
ヒマリ「みんな……嫌だ!」
幕降りてくる
ヒマリ倒れる
レン、ミヨコ、イサム、チヨはヒマリの後ろでヒマリに手を振る。
マント、バサってやってヒマリのこと見えないようにしてから
語り手二人「インコンプリート」
幕閉じる?
SE1分25秒で止める



おしまい

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