生きるということ(訂正線) 演じるということ 舞台

芸事をやってる人、何かを目指してる人の生きづらさを書きました。だれか、形にしてください。 10分以内に終わります。
久瀬。 28 0 0 03/24
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第一稿

生きるということ  演じるということ    久瀬。
 
  雨の音 黒い服の女(あや)が立ってる
  口々に 愚痴を言いながらすれ違う群衆
  だんだん 激しくなり 次第に ...続きを読む
「生きるということ(訂正線) 演じるということ」(PDFファイル:699.80 KB)
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生きるということ  演じるということ    久瀬。
 
  雨の音 黒い服の女(あや)が立ってる
  口々に 愚痴を言いながらすれ違う群衆
  だんだん 激しくなり 次第にあやに対する愚痴になる
  あや 呼吸が荒くなり発狂して倒れる 群衆気づかず、すれ違っていく
 あやだけ舞台に残される
M メタメメントinst. in
半音低い 学校のチャイムの音がなる

  群衆 また出てくる
  その中で 麻央と亜季が机と椅子を持って出てくる
(群衆は袖で学校のガヤ(腹減ったーとかおはよーとか))
  麻央 亜季 群衆よりちょっと聞こえるくらいの声の大きさで
  アドリブ 中身の無い(具体的に名前など出さず)たわいのない会話
麻央「いやー、流石にそれはないっしょ」
亜季「いやいや!無いとはいいきれない!」
麻央「とか言って〜笑、薄々勘付いてる癖に!」
亜季「そう言われるとそんな気がしてきちゃう」
あや「うん…私もそんな気がしてきた」
  あや 椅子に座る
麻央「あやに言われるってことは相当だな〜」
亜季「ちょっとやめてよ〜!」
  ガヤ大きく 麻央 亜季 好きに話す
SE 半音低い 学校のチャイム
  あや たちあがる 作文を読む 周りは無反応
あや「私について。三年A組。伊藤あや。
私は、自分の意思のない空っぽで面白みの無い人間だ。
語ることもない。部活も…、辞める勇気も無く、ダラダラ喋ってなんとなく続けてる。
麻央ちゃんみたいな個性的なひとになりたくて、麻央ちゃんの真似をして、亜季ちゃんみたいに面白い人になりたくて、亜季ちゃんの真似をよくする。気づいたら自分らしいなんてなく、誰かが求める私になっていた。以上」
   亜季だけ反応 えー!すごーいー
亜季「え!じゃあさ!私が通ってるボイトレスクールいかない?」 
あや「…ボイトレ?」
亜季「そうそう!楽しいよ!試しにさ〜」
あや「…確かに楽しそう。うん。試しに…」
  ピアノをバーーンと叩く音
せんせい「まだ若いんだから!何にでもなれるよ!ほら!なにがやりたいか言ってみな!」
あや「…えと、その…」
せんせい「ほら!」
あや「え、えっと…その…」
  せんせいの押しに負けて
あや「か、歌手に…なりたい…です?」
せんせい「うんうん!良いと思うよ!若いからなんにでもなれる!挑戦してみな!」
あや「あ、はい…」
さわやかなM 群衆はいってくる
  群衆 アイドルっぽい動きの人 オタクっぽい動きの人
真紀「えー!今日は来てくれてありがと〜!うん!またね!
   あやちゃん!どう?もうだいぶ慣れた?」
あや「あ、真紀さん…はい、だいぶ…」
真紀「どう?ステージ!楽しい?」
あや「あ、楽しいっちゃ楽しいかも…です。頭真っ白になるし、ちょっと自分の価値みたいなの見つけれる…かな」
  隣で別のアイドルと写真撮ってた男ヲタクが近づく
ヲタク「あ、あやちゃーん!チェキ!いい??」
あや「…あ、はい。」
ヲタク「ハート!ハートお願い!はい、500円!あやちゃんかわいいねぇ〜」
  あや ヲタクとチェキを撮る 握手する
真紀「よしくん、よしくーん、明日のライブなんだけどさ、(ノルマきつくて私で予約してくれない?あーチェキ!一枚つけるから〜)」
  真紀 ヲタクと話し始める
  あや 椅子に座る 二人を眺めつつ モノローグ
あや「…こんなことして何になるんだろう…。人に応援されるのが気持ち悪いと思い始めてしまった。期待に応えれないから?ううん、離れないように頑張るのとか、自分じゃ無い自分を演じるのに疲れるから…きもちわるい。自分も、周りも」 
ヲタク「あー!ももちゃん、おつされさまー!いやー、今日も超かわいー!明日のライブね、プレミアで予約しといたから〜!30秒動画!考えといてよね!」
  あや そのやりとりを見て モノローグ
あや「…明日のライブのノルマ…、……誰かにラインするの、疲れたな。だんだん自分が嫌になる。人前で…自分を曝け出すのは、辛いけど…楽しい。けど、自分らしく見て欲しいって思った途端にわからなくなる。」
  ヲタク、真紀 はける あやだけのこされる
  あや 中央で倒れ込む
あや「綺麗に、応援してもらえるように。私に価値を見出して愛してもらえるように…
って思うと、急に気持ち悪くて、消えたくて…わからなくなる。これって、普通?」
  SE マイクが落ちてプーという音 とドアが開く音
  扉1から マネが入ってくる
マネ「(さりげなく)あ、座って」
  あや 座る
マネ「えーと、伊藤あやさん、23歳ね。顔は…まあいいんじゃない。体型はもうちょっと痩せようか。へー音楽活動してたんだ。面白そうだし、採用でいいよ。うち、厳しいけど振り落とされないようにがんばってねー」
  マネ 興味なさそうに出てく それに入れ替えでマネ2 入ってくる
あや(頭を下げて)「…はい!ありがとうございます。」
マネB「ねぇ!もっとがんばんなきゃ!何のために事務所にいるの?口開いてるだけで仕事なんか来ないよ?ちゃんとコミュニケーション取らなきゃ!…は?怖いって?あのさぁ!ここ!学校じゃないんだけど!あなたじゃなくても、他に仕事回すことだってできるんだよ!…はぁ。とりあえず。この書類明日までだから出しといて。」
あや「…はい。ご迷惑おかけして申し訳ございません。次から…気をつけ…ます。」
  マネBを締め出して 鍵を閉める 扉1に背を預けながら書類を見つめる
あや「…あ、明日バイト。明後日は…ワークショップだ。…嫌だ。
自分の何もできなくて迷惑かけるところ、本当に嫌だ。変わりないのに、変われない。
あのマネージャーさんに、話しかけ辛くなっちゃった」
  反対側の扉から 人が入ってくる
M(着信ありチックな)
えんしゅつか「いやぁ…なんていうか。悪くはないけど人間味がないっていうか。
もっと面白くできないの?」(言いながら中央の皿に何かを注ぐ)
あや「…はい、がんばります。」
かんとく「綺麗過ぎてつまんないかな。個性がないって言うか。ダメ出ししても面白くならないね。あー、別に才能がとは言わないけどさ。」(言いながら中央の皿に何かを注ぐ)
あや「すみません。そもそも自分の良さが分からないから何からしたら良いかわからないです、1から教えてください。」
 扉2 からせんせいBが勢いよく入ってくる
せんせいB「自分の感性をあてにするな!教えたとーりにやればいいから!
現場で使えるやつってのはな!なんでもやります!って言う、明るいやつだけ残る!」
あや「はい!わかりました!ありがとうございます!仕事ください!」
 扉1からえんしゅつかB その言葉を聞きながら、あや中央へ
えんしゅつかB「きっも。そもそもあなた、頭が悪い。容量悪すぎ。でも、勢いと顔だけでなんとかしてきたんだね。やる気もあんのかないのかわかんないし。端的に、口先だけで何を言いたいかわかんない。なにがしたいの?」(言いながら中央の皿に何かを注ぐ)
あや「…自分が、分かりません。言われたことだけを受け止めて、みんなの良いを集めて、出来上がった空っぽの人間。だってわからないんです。みんなの良いが、私の良いでしょ?自分のどこか良いのかわかんないからっぽ。わかんない。誰か教えて。その通りで行くから。でも、ずっと教えてくれないとわからない。気持ち悪い。気持ち悪い。」
  かんとく えんしゅつかA、B あやに飲ませるのを強要
  あや ぐちゃぐちゃの気持ち悪い液体を飲む 激しく嗚咽、吐く


暗転
  ぱぉーん 車の音と電車の音 うるさいカラオケの音
  男女 5人入ってくる
あいと「女なんてさぁ!家で黙って家事してさぁ!男の事の言うこと聞いてんのが幸せでしょ!」
なおみ「ちょっと〜ひどいよ〜」
しょう「おま笑、飲み過ぎだってー笑」
いおり「いや、逆に飲み足りなくない?一気いっちゃう?一気!」
  一同 長い笑い あや 虚空を見つめて
あや「………きっも。まじでそう言う男、死ね。」
  空気が凍る
なおみ「あ、あはは!お、おもしろーい!」
しょう「あ、あやちゃ〜ん、まじでギャグ線あるわ!」
  再び空気が戻る あいと あやを見つめてる
  あや お酒を一気して 気持ち悪くてトイレへ駆け込む
  あや トイレで吐いてる あいと それを追いかける
あいと「ねぇ、おまえ、面白いね」
あや「は?」
あいと「俺、お前のこと好きだよ。顔とかタイプだし。磨けば光ると思う。」
あや「…ごめんなさい。私、人を好きになるってよく分からなくて。人のこと大事にできないし、誰かを愛することができません。それに、あなたみたいに性格悪い癖になぜか容量が良い人とは、相容れないと思うので、お付き合いできませ…」
  あいと 話の途中であやの手を掴んで
あいと「いーから!とりあえず!付き合お!」
あや「…はい。」
  ガッシャーン ガラスの割れる音 
  あいとがあやを突き放す
あいと「…いやいや。こんなのもできないの?低レベルすぎて話があわない。無理だわ。ここから出てって。」
あや「…はい。」
あいと「そっちから別れ切り出すと思ってたけど、俺からだったか。まじでおまえ、口先だけで中身なんもなくてつまんねーやつ」
  あいと 出てく あや 一人残されて
あや「…一人じゃ、生きられないんです。でも人の愛し方がわからない。違うなって思っても、もしかしたらで付き合ったらやっぱり上手くいかない。良い人だなって人も、自分が傷つくのが怖くてアタックできない。…自分に自信がないから。一生誰とも付き合えないと思う。だれか、私を必要としてる人と付き合いたい。そう思うよ。誰か私を、愛してくれないかな」
  群衆 出てくる あやの前を行き交う
  あや 立ち上がる 群衆に紛れてはける
  ナイフだけが残されてる

「生きるということ(訂正線) 演じるということ」(PDFファイル:699.80 KB)
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