ボクに10円の価値しかないとしても ドラマ

かつて自分を大事にしてくれながらも、親友の山崎友汰と離れ離れになってしまった10円(25)。彼は友汰と再会できるのだろうか? そして再会できた時、彼は何をするのだろうか?
マヤマ 山本 25 0 0 01/12
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第一稿

<登場人物表>
10円(25)一〇円玉
山崎 友汰(5)~(30)10円の持ち主
三ツ谷(25)旅人

古物商
店員

500円(30)五百円玉
1銭  (20) ...続きを読む
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<登場人物表>
10円(25)一〇円玉
山崎 友汰(5)~(30)10円の持ち主
三ツ谷(25)旅人

古物商
店員

500円(30)五百円玉
1銭  (20)一銭玉
ギザ10(28)ギザギザの一〇円玉



<本編>
○山崎家
   向かい合う山崎友汰(5)と山崎の祖父。祖父の隣には成人男性の姿をした10円(25)。以下、擬人化した姿の場合は「10円」、硬貨の姿の場合は「一〇円」と表記する。
10円M「どうやらボクには、一〇円の価値しかないらしい」
   祖父から山崎に差し出される10円。受け取り、笑顔を見せる山崎。
山崎「ありがとう、おじいちゃん。僕、大事にするね」
   10円を抱え、まじまじと見つめる山崎。
10円M「それもそのハズ」
   10円の姿は消え、手に持った一〇円をまじまじと見つめる山崎。
10円M「ボクは一〇円玉なのだから」

○メインタイトル『ボクに10円の価値しかないとしても』

○地方の大通り
   自動販売機で飲み物を買い、おつりを手に取る三ツ谷(25)。その中に一〇円。
三ツ谷「ん?」
   自動販売機の脇、薄汚れた格好の10円。
    ×     ×     ×
   一〇円を磨く三ツ谷。
10円の声「ボクの事、見えるんですか?」

○走るバイク
   二人乗り用のスクーター。三ツ谷が運転し、後ろに10円。綺麗な姿。
三ツ谷の声「あぁ、まぁな」

○コンビニ・前
   駐車場にバイクを止め、スマホを操作する三ツ谷と、その様子を見ている10円。
三ツ谷「あ、居た。コイツだろ?」
   スマホの画面を10円に見せる三ツ谷。そこに表示された山崎(30)のSNS。
10円「山崎友汰……はい、間違いありません」
三ツ谷の声「しっかし『元の持ち主に会いたい』なんて言う小銭、初めて会ったぜ」

○走るスクーター
   運転する三ツ谷と後ろに座る10円。
10円「昔、約束したんです。『ずっと一緒にいようね』って」
三ツ谷「でも、離れ離れになったんだろ?」
10円「それは……」

○(回想)中学校・裏
   不良生徒にカツアゲされる山崎(13)。
    ×     ×     ×
   ボコボコにされ倒れている山崎と、不良生徒に連れ去られる10円。
山崎「10円~!」
10円「友汰君~!」
三ツ谷の声「カツアゲ、か」

○(回想)不良生徒の家
   広い家。
   両親と口論が絶えない不良生徒。その様子を見守る10円。
10円の声「その人は、凄くお金持ちの家の子だったんですけど……」

○公園(夜)
   寝袋等、野宿の準備をする三ツ谷と、その様子を見守る10円。
10円「『お金がある事が幸せではない』というのが、ちょっと衝撃的で」
三ツ谷「確かに、お金側からしたら、それ以上のショックはないよな」
10円「いや、ありましたよ。それ以上」
三ツ谷「え、そうなの?」
10円「その後しばらくして、ある人の家で珍しい方とお会いしまして」

○ある人の家
   机の上に並んだ一銭、五百円。そこに転がされる一〇円。いずれも硬貨。
    ×     ×     ×
   並んで座る10円、1銭(20)、500円(30)。いずれも擬人化した硬貨。
500円「よう、新入り。知ってるか? コイツ一銭しか価値ねぇんだよ」
10円「一銭? 一円の、百分の一の?」
1銭「いやぁ、お恥ずかしい」
500円「だから新入りの千分の一、俺様の五万分の一って事。笑えるよな」
    ×     ×     ×
   古物商が一銭を鑑定している。
古物商「おぉ、コレは素晴らしい」
    ×     ×     ×
   古物商にジロジロと見られている1銭と、その様子を見守る10円、500円。
古物商「(家主に向け)コチラ、一枚三万五千円で買い取りますが、いかがでしょう?」
   ばつが悪そうな500円。
三ツ谷の声「確かに、ソイツはきついな」

○都会の大通り
   スマホを片手にバイクを押して歩く三ツ谷と10円。
10円「でも良く考えれば、銅で出来た一〇円玉より紙で出来た一万円札の方が千倍も価値がある訳ですからね」
三ツ谷「その友汰君とやらにとっても、お前も一〇円以上の価値があった訳だしな。お金の価値って、何なんだろうな?」
10円「……『使われる事』ですかね?」
三ツ谷「使われる事?」
10円「ある一〇円からの受け売りですけど」
ギザ10の声「お金なんて、使われてなんぼなんだよ」

○(回想)とある人の家
   並んで座る10円とギザ10(28)。
ギザ10「ずっと一緒なんて、馬鹿のする事さ」
10円「でも……」
ギザ10「アタシらは使われなきゃ、錆びて朽ちていくだけだし、人間はお金を新しいものに変えたがる」
    ×     ×     ×
   並んで置かれた一〇円と、側面にギザギザがあるギザ一〇。
ギザ10の声「使えなくなったお金は、ただの鉄くずさ」

○オフィス街
   並んで立つ10円と三ツ谷。
ギザ10の声「自分が生まれた意味、忘れるんじゃないよ」
三ツ谷「おっ、来たか?」
   顔を上げる10円。やってくる山崎。
10円「友汰君……友汰君だ」
   どんどん近づいてくる山崎。
10円「友汰君、友汰君! 僕だよ!」
   10円に気付かず、通り過ぎていく山崎。
10円「あ……」
三ツ谷「まぁ、その……ドンマイ」
10円「友汰君……大人になったんだね……」
三ツ谷「どうする? もうアイツには、お前の姿は見えないぞ?」
10円「……うん」
三ツ谷「それでも、アイツの元に戻りたいか?」
10円「うん。戻りたい」

○(フラッシュ)山崎家・中
   初めて一〇円を手にした時の山崎。
10円「『ずっと一緒に居る』のは、もう無理かもしれない」

○オフィス街
   並んで立つ10円と三ツ谷。10円の目には涙。
10円「でも、だったらせめて、最後に友汰君に使ってもらいたい」
   涙を拭い、笑顔を見せる10円。
10円「だってボク、お金だから」
三ツ谷「そっか。じゃあ、任せとけ」
   駆け出す三ツ谷につられていく10円。
    ×     ×     ×
   歩いている山崎の肩を叩く三ツ谷。
三ツ谷「お兄さん、コレ落としましたよ」
山崎「え?」
   山崎に一〇円を渡し、去っていく三ツ谷。首をかしげながらも、受け取り、ポケットに入れる山崎。
    ×     ×     ×
   再び歩き出す山崎につられていく。10円。遠ざかる三ツ谷、後ろ手に手を振る。
10円「ありがとう!」

○コンビニ・外観
10円M「ありがとう、お兄さん」

○同・中
   買い物をし、レジで精算をする山崎。その隣に立つ10円。
10円M「ありがとう、今まで出会ったみんな」

○(フラッシュ)山崎家・中
   幼少期からの山崎と10円の思い出。
10円M「そしてありがとう、友汰君」

○コンビニ・中
   清算中の山崎を涙目で見つめる10円。
10円M「最後に、君に使われる事が出来て、ボクは嬉しかったよ」
   涙を拭い、笑顔を見せる10円。
10円M「さようなら、友汰君」
    ×     ×     ×
   店員にスマホを見せ、キャッシュレス決済する山崎。その様子を見ている10円。
店員「ありがとうございました~」
10円「キャッシュレス!?」
                   (完)

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