君に名前を呼ばれるたび僕は 学園

高校卒業の日、雄一は、学校中のマドンナの塩崎綾音に、入学時から秘めていた思いを告白することを決意する。
あさこ 8 0 0 04/06
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第一稿

雄一……主人公。(15)(17)
塩崎綾音……学校一の美女。(15)(17)
向井……雄一の友達。(15)(17)



◯学校・校門
満開の桜の木。
『◯ ...続きを読む
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雄一……主人公。(15)(17)
塩崎綾音……学校一の美女。(15)(17)
向井……雄一の友達。(15)(17)



◯学校・校門
満開の桜の木。
『◯◯高校入学式』の立て看板。

◯同・校舎内
雄一(15)、俯きながら歩いている。
生徒1・2、その横を通りすぎ。
生徒1「なあ、聞いたか?3組にめっちゃ可愛い子いるんだって」
生徒2「マジ?」
生徒1「読モやってるって噂だぜ。式始まる前に見に行こうぜ」
生徒1・2、駆けていく。
雄一「……」

◯同・3組・前
生徒1・2、教室の中を覗いている。
生徒1「いたか?」
生徒2「あの子だろ。ほら、前から3番目の」
雄一、後ろのドアから教室に入る。
塩崎綾音(15)、廊下に振り返る。
生徒1・2か「うぉーっ!」
雄一(N)「塩崎綾音、学校一の美女。いわゆる、マドンナ的な存在」

◯同・講堂
生徒と保護者が座っている。
雄一(N)「そんな彼女は、明るくて、勉強もでき」
新入生代表の挨拶をする、綾音。
雄一(N)「自分には、触れることすら出来ない存在だと思っていた」

◯同・3組・中
授業を受ける生徒たち。
綾音「ねぇ、山田」
雄一「……僕?」
綾音「山田、悪いんだけど、消しゴム貸して?忘れてきちゃって」
雄一「良いけど……」
雄一、消しゴムを渡す。
綾音「サンキュー、山田」
雄一「……」
雄一(N)「おっちょこちょいなのか、彼女は何かと僕に物を借りることが多かった。だが、それがまた、かわいかった」

◯同・体育館
チーム決めをする生徒たち。
綾音「山田、ウチ男子一人足りないんだよね。良かったら入って」
雄一「あ……でも」
隣に、向井(15)、立っていて。
向井「あ、俺……あっちのチームに入れてもらうわ」
綾音「さ、山田。こっちこっち」
雄一(N)「彼女に名前を呼ばれるたび、僕の心の奥でくすぶるものがあった」

◯同・校舎内
つぼみの桜の木。
雄一(N)「彼女とは3年間同じクラスで、気付けば卒業の日を迎えていた」

◯同・教室内
綾音「山田、3年間ありがとね。これ書いて」
綾音(18)、卒業アルバムのフリースペース
のページを開き、雄一(18)に渡す。
ページはすでに、ほぼ埋められている。
雄一、空いてるスペースに、
『3年間ありがとう』と書く。
雄一、少し悩んで。
雄一、苗字を書く。
綾音、他の生徒にメッセージを書いており、
見ておらず。
雄一「はい」
綾音「ありがと、山田」
雄一「……」
向井「お前、このままで良いのか?」
雄一「……良いわけ、ない」
雄一(N)「初めて声を掛けられたあの日から、ずっと伝えたかったことがある」

◯同・講堂
生徒と保護者が座っている。
曲と共に、退場していく生徒たち。

◯同・教室内
雄一、そわそわしている。
綾音「よ、山田」
綾音、入ってきて。
雄一「……」
綾音「どうしたの?教室に来てほしいだなんて」
雄一「あの、実は……塩崎さんに、伝えたいことがあって」
綾音「(緊張して)……何?」
雄一「初めて、声を掛けられた時から、ずっと思ってたんだけど……」
綾音「……」
雄一「……」
綾音「……」
雄一「僕、実は……」
綾音「(期待して)……」
雄一「山田じゃなくて、田中なんだよね」
綾音「……」
雄一「あまりにも、はっきり『山田』って言われるから、言い辛かったんだけど」
綾音「……」
雄一「ほら、アルバムの写真も、『田中雄一』」
雄一の顔写真の下、『田中雄一』の表記。
雄一「これで、悔いなく卒業できる」
綾音「……」
雄一「じゃあ塩崎さん、元気で」
雄一、そそくさと去っていく。
綾音、その背中を見つめて。
綾音「……知ってたよ、バカ」

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