誘拐記念日② ドラマ

『誘拐記念日』続編 なぜか誘拐されることになった宗太。 一日連れまわされた挙句に、女性の住むアパートに連れてこられる。 ハイスペックな仕様に怯える宗太だったが、女性から渡されたのは……まさかの家のカギ?!
石ノ森椿@ノベルバ♯ 67 0 0 01/15
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第一稿

―誘拐部屋―
3. 影子のアパート(夜)
影子、駐車場に車を止める。
影子      「よっし、着いた!!」
        【車が止まって、やっと僕は息をついた。
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―誘拐部屋―
3. 影子のアパート(夜)
影子、駐車場に車を止める。
影子      「よっし、着いた!!」
        【車が止まって、やっと僕は息をついた。
         地下の駐車場に入ったから、きっとどこかのビルなんだろうけど……。】
宗太      「ここは?」
影子      「我が城へようこそ~!!ヒュ~!!」
宗太      「」
影子、アパートに入っていく。

        【あれから本当に引っ張りまわされて水族館にカラオケにショッピング……
         他にもいろいろ回ってた気がするけどあまりに忙しなくてここ数日の記憶
         ごと飛びそうだった。】
影子      「こっちだよ~!」
宗太      「あ、はい。」
宗太、慌てて追いかける
影子、宗太が近づけたのを確認してから部屋番号を押す。
宗太      「315……。」
影子      「最高!!ってね。」
宗太      「へぇ……。」
        【僕は、突っ込む気力もないまま女性の後をついていくしかなかった。】

影子      「ちょっと待ってね。」
影子、カードを手にとって、扉にかざす。
(SE:解錠の音。)
宗太      「スゲ……。」
影子      「でしょ?」
影子、扉を開ける。
影子      「どうぞ~。」
宗太      「え?」
影子      「ほら、先入って!!そっちの方が重いでしょ?」

        【そんなこと言われてもどのこの人かもわからない人の家に……しかも女性の
         部屋に入るのはさすがに躊躇する。】
宗太      「いや、でも……」
影子      「さぁさぁ!!」
宗太      「ッちょ、痛ッ押さないでください……えぇ……。」
宗太、玄関を上がって暗い部屋を覗き込む。
影子      「ちょっと待ってね、電気つけるから。」
影子、スマホを取り出して、軽く操作をする。
部屋、明かりがつく。
        【いや、どれだけ金持ちなんだこの女性(ひと)! 】
影子      「意外とハイテクで驚いた?」
宗太      「まぁ……。」
影子      「ここの大家がセキュリティ大好きでさ~、ここの部屋の鍵から電気まで私
         以外は操作できないのよ。面倒くさいったらないよね~。」
        【マジですか……?それって本当に誘拐するための部屋なんじゃ……。】
宗太、固まる。
影子、奥の部屋に入っていく。
宗太、影子の後を追って、部屋に入ってきょろきょろする。
         
影子      「リビングの奥の鏡貼ってあるところが君の部屋で~、廊下通ってくるときに
         合った部屋が、私の部屋だから覗き禁止ね。」
宗太      「覗きませんよ。」
影子      「あ、これ合いカギと操作キーのスペアね!
         無くさないでよ?」
宗太      「え……。」
宗太、きょとんと影子の目を見入る。
        【誘拐するって本人に伝えてくるだけでもおかしな話なのに、部屋の鍵まで
         渡してしまうなんて……ある?】

宗太      「正気の沙汰ですか?」
影子      「ん?んふふ、うん。」
        【何でそんなバカにしたような目されたのかもわからない。】
宗太      「何で?」
影子      「……鍵街で玄関に立ち尽くすのってつらいでしょ?」
宗太      「は?いや、別に僕の家に帰れますけど。」
影子      「駄目だよ。帰っても一人でしょ。」
宗太      「は?」

        【何で僕の家事情知ってるんでしょうか……?】
影子      「あ、とちったね~私。」
宗太      「とちりましたよ……、誰ですかあなた。」
影子      「私?影子。名字は橘。あなたとは初対面。お~けぇ~?」
宗太      「……いや、全然OKじゃないです!!何で僕の事知ってるんですか?さっき
         から名前も言ってないのに……何者ですか?」
影子      「ほら、さっきも言ったでしょ?誰でもないよって。ほら、箸選んで!!」
宗太      「チェック柄でお願いします!!」
影子      「はいは~い。」
宗太      「いや、そうじゃなくって!!」
影子      「ハイハイ、次はお茶碗!!」
宗太      「~~ッ!!」(歯痒い)

宗太、タオルを首にかけてリビングに置いておいたスマホを手に取る。
影子、入れ替わりで入浴の準備をして通り過ぎる直前に宗太のスマホの前に手をかざす。
影子      「宗太。」
        【名前を呼ばれてももう驚くこともできない。どこまでも知られているん
         だろうし。】
宗太、顔を上げる。

宗太      「何ですか?」
影子      「8時以降は朝まで部屋から出ない事ね。」
宗太      「はい?」
影子      「怖~いお化けが徘徊するから!!」
宗太      「……何ですかそれ、馬鹿馬鹿し」
影子      「うわぁ!!」
宗太      「おぉっ……。」
影子      「きゃっははは!!びっくりしたっしょ?」
宗太      「……脅かされたくないのでもう寝ます。」
影子      「あはは、お休み~。8時以降は」
宗太      「部屋から出ませんから。」
影子      「いいね~。」

宗太、ため息をつきながら部屋に向かう。
         【とりあえず何も持ってきてないけど、体操服はあるし、部屋って言われる
          位だから最低限毛布くらいはあるかな……。
          この鏡も……なんとなく胡散臭い……。
         宗太、部屋を開ける。
宗太      「嘘だろ……。これ、全部僕の物じゃん。」
        【僕の私物はすべてきっちり整理整頓され設置されていた。ベッドはもとより
         自室のタンスの果てまでとか……。
宗太、ドアを振り返ってドアの異変に気が付き、ドアをきょろきょろする。
         

宗太      「これって……マジックミラー……」
        【ここで、号まで口走らなかった僕はまだ健全だろう。】
宗太       「……馬鹿らしい……。もう寝よう。」

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