〇登場人物
〇森川京太郎(47)
〇佐田真澄(50)
〇森川渉(18)
〇森川さくら(15)
〇桂川斗馬(31)
〇タカコ(49)
〇ツバサママ(45)
〇望月颯(18)
〇山田(49)
〇森川京子(54)
〇マンション・森川家・京太郎の部屋・中(朝)
ベッドで眠っている森川京太郎(47)
目覚まし時計が鳴る。
京太郎「ん…」
時計を止め目を覚ます京太郎。
× × ×
起き上がり、窓のカーテンを開ける京太郎。
冷たい空気が街中を張り詰めている。
京太郎「寒いなあ…あぁ今日も一日が始まるか」
部屋の傍らに亡くなった妻、凛の遺影と小さな祭壇が置いてある。
〇高層マンション・外観(朝)
〇同・佐田家・リビング(早朝)
字幕「数時間前」
佐田真澄(50)が厚着をし毛糸の帽子をかぶり血眼になって荷物を纏めている。
段ボールを重ねて奥がバランスを崩し中身が流出してしまう。
真澄「あーっ!もう!!!」
真澄のスマホに着信がある。
画面を見ると編集担当の桂川斗馬(31)の名前が出ている。
舌打ちをしスマホを放り投げる真澄。
インターホンが鳴る。
真澄「(イライラして)はいっ!」
〇同・玄関・前(早朝)
真澄が走って来てドアを開けると引っ越しスタッフが数名立っている。
引っ越しスタッフ「おはようございます。八木さんマークの引越社の者ですが」
真澄「待ってました!お願いします!」
〇マンション・森川家・京太郎の部屋・中(朝)
京太郎が窓を開けると冷たい空気が入って来る。
街並みの景色を見る京太郎。
京太郎「何も変わらない平凡な一日が…あぁやっぱ寒いな」
窓を閉める京太郎。
〇同・同・ダイニングキッチン(朝)
京太郎が来る。
息子の渉(18)と娘のさくら(15)が朝食を取っている。
京太郎「おはよう」
渉「おはよう」
さくら「おはようございます」
京太郎「今日は、さくらが料理当番か。ありがとう」
さくら「どういたしまして。大したものは作れませんが」
京太郎「ああ。大した物作らなくていいんだよ。これで充分。温かいスープもあるし」
さくら「インスタントですけど」
渉「俺はもうちょっと、ボリュームあった方がいいけど」
さくら「だったら自分で作って」
渉「はい…」
京太郎「父さん当番制辞めてもいいぞ。二人共大学高校の受験にラストスパートだろ」
さくら「お父さんは店もあるし家事全般はお願いしてるからせめて私達は料理だけでもやって」
渉「(時計を見て)あっ学校遅れる!行ってきます」
京太郎「気を付けて行って来いよ」
京太郎を見ているさくら。
京太郎「さくら、どうした?お前も学校だろ?あとは父さん片付けとくから」
さくら「お父さん」
京太郎「ん?」
さくら「まだ、淋しいですか?悲しいですか?」
京太郎「え?何?何?突然、何?」
さくら「お母さんの事」
京太郎「あ…」
さくら「普通にしているように見えて、私分かるから…」
京太郎「だ、大丈夫だよ…」
さくら「行ってきます」
京太郎「い、行ってらっしゃい…」
溜息を付く京太郎。
〇同・同・遼太郎の部屋・中(朝)
凛の祭壇の前で、目を閉じ、手を合わせている京太郎。
京太郎「(目を開け)じゃあ、行ってきます」
〇同・同・玄関・中(朝)
京太郎が来る。
外で何か騒々しい音がしている。
京太郎「ん?何だ?」
ドアを開けようとする京太郎だが少ししか開かない。
京太郎「え?何で?」
ドアの隙間から外の様子を覗く京太郎。
家の前の廊下が大きな荷物が置いてあ
るのが見える。
京太郎「は?どうなってんの?」
京太郎が見ていた隙間から急に京太郎を見る目が出て来る。
京太郎「うわぁ!」
驚き床に尻餅をつく京太郎。
男の声「あの…」
京太郎「え?」
立ち上がり、ドアを開ける京太郎。
引っ越しの荷物が通り過ぎ、目の前に真澄が立っている。
京太郎「誰ですか?貴方」
真澄「あ、俺?隣に越してきた佐田だけど」
京太郎「え?あ、引っ越し?」
真澄「あぁ。引っ越し」
京太郎「あぁ、ってこんな時間からですか?」
真澄「こんな時間って、もう九時でしょ?別に普通でしょ」
真澄の後ろから、どんどん大きな荷物が通り過ぎて行き、隣の部屋で引っ越しスタッフが
指示出したり騒がしい。
京太郎「でも、ちょっと騒がしくないですか?」
真澄「仕方ないでしょ。荷物沢山あるんだから」
京太郎「そりゃ、そうですけど…ってかちょっとさっきから初対面なのに何か、突っかかる言い
方じゃないですか?」
真澄「だから、今こうして…」
スタッフの声「すみませーん。この台の配置、ここで大丈夫ですかー?」
真澄「はーい、今すぐ行きます(京太郎に)そういう事なんで」
京太郎「ちょ、ちょっと」
真澄「(嫌味っぽく)うるさいと思いますが、宜しくお願いします!」
自分の部屋に入っていく真澄。
玄関から出る京太郎。
京太郎「何なんだよ、あの挨拶の仕方!もう、ちょっと…」
後ろから、引っ越しスタッフが運んでいる大きなテーブルが運ばれ京太郎にぶつかる。
京太郎「イッてぇ…イッてぇ…」
〇喫茶店「Rin」・外観
裏口から、手に息を吹きかけながら京太郎が入って来て電気を点ける。
レトロ感ある店内。
椅子に座り溜息を付く京太郎。
京太郎「腰、痛てぇ…」
客席を見ると、幻で妻の凛が鼻歌を歌いながらテーブルを拭いている。
京太郎「凛…」
凛が京太郎の方を向いて笑顔で頷いている。
立ち上がる京太郎と同時に凛の幻は消える。
京太郎「…」
〇××高校・三年一組・中
授業が終わり、次の体育の授業の準備をしている渉達。
渉の幼馴染望月颯(18)が上着を脱ぎながら渉の所に来る。
渉が体操着に顔を通すと目の前に颯の腹筋が見えて驚く。
渉「わっ!」
颯「は?何、驚いてんの?」
渉「いや、だって急に裸が」
颯「裸がって」
渉「いや、何でもねぇよ。ってか早く着ろよ。寒いだろ?」
颯「(体操着を着ながら)今日の体育、リレーだろ?何でサッカーじゃねぇんだよ」
渉「サッカーは部活でやってるからいいだろ」
颯「まぁな。お前今日はちゃんと俺にバトン渡せよ」
渉「え?」
颯「だって、お前トップで走ってたのに俺にちゃんと渡さないから」
渉「あ…」
〇渉の回想・××高校・運動場
渉が授業のリレーでトップで走っている。
颯の声「おーい!渉!こっちこっち!」
手を上げ合図を送っている颯。
走っている渉、颯の顔を見るとキラキラ輝いているように見える。
渉「颯…」
颯の所まで行き、バトンを渡そうとするが颯の顔に見とれてバトンを上手く渡せず落とし
てしまう。
渉「!」
颯「渉!」
渉と颯の横を走りすぎて行く生徒達。
颯「もう、渉!」
地面に落ちたバトンを拾い走っていく颯。
渉「…」
〇回想戻り
颯「おい、渉」
渉「(我に返り)あ、あぁ」
颯「頼んだぞ」
渉「おぅ」
颯「じゃ、行こうぜ」
〇××中学・美術室・中
美術の授業で、デッサンを描いているさくら。
中央にクラスメイト(男子が)腕組みをしてポーズを決めている。
集中してデッサンを描いているさくら。
しかし集中しすぎてモデルのクラスメイトの隣にもう一人架空の男子を描いている。
さくら「もう少し」
モデルの男子とさくらの描いた男子がキスをしようとしている所を描いているさくら。
さくらの背後に見回りをしている教師の山田(49)が来る。
さくらの絵をみてぎょっとする山田。
山田「ちょ!森川さん!」
クラスメイトの視線がさくらに集中する。
さくら「はい」
山田「な、何を描いてるんだね!」
さくら「すみません…」
山田「前も、デッサンで違う事描いてたよね?」
さくら「…」
山田「次やったら…デッサンの時は森川さんは自習してもらうからね!」
さくら「すみません…」
〇喫茶店「Rin」・前
京太郎が店から出て来て、札を開店中に変え中に入っていく。
〇同・中
京太郎が入って来ると裏口から京太郎の姉京子(54)が来る。
京子「(大きな声で)京太郎―!おはよー!」
京子の顔を見てうんざりする京太郎。
京子「何よ、その顔」
京太郎「何しに来たんだよ!」
京子「何しにって、店手伝いに来たんでしょ。有難く思いなさいよ」
と、言いながら座ってスマホを弄っている。
京太郎「何が手伝いに来ただよ。もう座って出会い系アプリ使ってるじゃないか!ってかさぁ何
でこの歳になってまだ出会い系とかやってんの?」
京子「何でやってんの?って出会い探してるからでしょ!何よ五十過ぎた女はもう出会いとかあ
っちゃいけないっていうの?」
京太郎「いけなくはないけど…分かった出会い探して下さい。探していいから家でやって!」
無視してスマホを弄っている京子。
京太郎の苛立ちの顔。
京太郎「ほんと、朝からイライラする事ばっかり」
京子「何、イライラしてんの?更年期?男にもあるからね」
京太郎「違うよ!隣に引っ越して来た人なんだけど」
京子「うん」
京太郎「あぁもういいや!思い出しただけで腹が立つ」
〇道
真澄が疲れ切った顔で歩いている。
真澄「あぁ、お腹空いた」
歩いていると、喫茶店「Rin」を見つける。
真澄「喫茶店かぁ。まぁいいかお腹空いてるし、何でもいいや」
店の中に入っていく真澄。
その後ろ姿を男が見ている。
男「見つけた」
〇喫茶店「Rin」・中
真澄が入って来る。
京太郎「いらっしゃいませ(真澄を見て)あっ」
真澄「あ?」
京太郎「あぁ…」
京子「何々?誰よ?知ってる人?」
京太郎「あの…引っ越しの」
京子「あぁ、隣の人」
京太郎「うん」
真澄「何だ隣の人の店か」
京太郎「そうですよ。何か問題あります?」
京子「ちょっと、京太郎お客さんでしょ」
京太郎「あ…」
グラスに水を入れメニューと一緒に真澄に差し出す京太郎。
京太郎「ご注文は」
真澄「お腹空いてるんだよねえ。何かオスメある?」
京太郎「オススメ…あ、フレンチトーストとか(いかがでしょう)」
真澄「(遮って)いや、そういうお洒落なやつじゃなくて、ガッツリした物食べたいんだよね」
京太郎「(イラっとして)でしたら、オムライスは」
真澄「うん、じゃあオムライスで」
京太郎「かしこまりました」
乱暴にメニュー表を取りキッチンへ行く京太郎。
京太郎のスマホが振動している。
さくらの中学校からである。
京太郎「どした…(電話に出て)もしもし。はい、いつもお世話になっております。あっちょっ
と待って下さい」
電話を置き京子にオムライスを作るよう言おうと思うが京子は居ない。
京太郎「え、居ない…」
真澄「何か嬉しそうに出て行ったけど」
京太郎「ったくバカ姉!(電話を取り)もしもし…あっさくらが…はぁ申し訳ありません。家に
戻ったら注意しておきます。はい、はい…連絡ありがとうございました」
電話を切る京太郎。
京太郎「さくら…全く」
真澄「あの!オムライスまだですかね!!!」
京太郎「今作ります!」
慌ててオムライスを作っている京太郎。
その様子を見ている真澄。
× × ×(時間経過)
オムライスを食べ終わる真澄。
立ち上がり、京太郎のとこへ行きお金を渡す真澄。
真澄「ご馳走さん。美味かったよ」
京太郎「それはどうも有難うございました」
真澄「また来るわ」
店を出て行く真澄。
京太郎「(嫌味っぽく)どうもありがとうございました!」
〇同・前
「Rin」から出て来る真澄。
真澄「さぁ、帰ってもうひと踏ん張りするか…(振り返って店を見て)いい店見つけたかも」
真澄が正面を向くと、先程の男、編集担当桂川斗馬(31)が立っている。
真澄「!!!」
斗馬「見つけましたよ!」
真澄「何で!」
真澄を抱きしめるように捕まえる斗馬。
真澄「ちょ!」
斗馬「はい、行きますよー!自宅に戻りますよ」
真澄「やだ!ってか俺を探すなって手紙に書いただろ」
斗馬「やだじゃない!あんな手紙だけ残して居なくなるなんて。認めません。さぁ帰りましょ
う」
真澄「…」
斗馬「家教えて下さいね」
真澄「必死こいて、逃亡計画立てたのに」
肩を落とす真澄。
斗馬「引っ越し片付いてないなら、僕も手伝いますから。はい、行きましょう」
真澄「分かったから、離れてくれ」
斗馬「仕方ないですね」
真澄から離れる斗馬。
その隙に逃げ出すふりをする真澄に引っ掛かりこけそうになる斗馬。
二人、笑う。
〇同・前(時間経過・夕)
学校帰りのさくらが店の中に入っていく。
〇同・中(夕)
数人の客がそれぞれのテーブルで過ごしている。
さくらが入って来るのに気付く京太郎。
さくら「ただいま、帰りました」
京太郎「おぅ、さくら」
さくら「少し手伝いましょうか」
京太郎「あ、ありがとう…いや、違う違うありがとうじゃない。さくら」
さくら「はい?」
京太郎「今日、学校から電話があったぞ」
さくら「…(察する)」
京太郎「あのなぁさくら」
お盆をテーブルに置きエプロンを脱ぎ捨て鞄を持つさくら。
京太郎「おい、さくら」
京太郎を見て、ダッシュで店を出るさくら。
京太郎「おい、こらさくら!」
さくらを追いかける京太郎。
〇同・外観(夕)
〇同・前(夕)
京太郎が出て来て、さくらを追いかけようとするが、もう大分先に行っている。
京太郎「何なんだ。あの逃げ足は」
その様子を後ろから見ていた渉。
渉「…」
振り返ると渉が居るのに気付く京太郎。
京太郎「おぅ、渉」
渉「ただいま。何かあったの?」
京太郎「いや、さくらが…」
店の中で、会計をしようとする客を見る京太郎。
京太郎「渉、帰ったらさくら、ちゃんと家に居るように言っといてくれ」
渉「あ、あぁ…」
京太郎が店の中に入っていく。
〇マンション・森川家・ダイニング~キッチン(夜)
京太郎、渉、さくらが夕食を取っている。
京太郎「さくら。さっき逃げたって事は、もう分かってるんだな」
頷くさくら。
京太郎「どうしてあんな事したんだ。ちゃんと授業は授業で受けないとダメだろ」
さくら「分かってます…分かってますけど、何て言うんでしょう…手が勝手に動いちゃうんです」
京太郎「(呆れて)はぁ?」
さくら「クラスメートのデッサンはもう描きあがってたんです。時間が余ったら知らないうちに
勝手に手が」
渉「さくら、怖いよそれ。ホラーだよ」
さくら「ホラーではありません。私の本能です。将来漫画家になるという私の夢はちゃんとあります。その為にいつでもどんな時でも絵を描いてないとダメだと思うのです」
呆れて物が言えない京太郎。
渉「さくらはもう将来の夢決まってんだよな」
さくら「はい」
渉「すげぇよなあ」
さくら「お兄ちゃんも、見つかりますよ」
京太郎「さくら。夢があるのはいい。お父さんだって否定はしない。でも今まだお前は義務教育
中の中学生なんだ。ちゃんと先生の言う事。学校のマナーを守ってだな」
さくら「お父さん」
京太郎「な、何だよ」
さくら「お父さんの言う通りだと思います」
京太郎「そうだろ?だったら」
さくら「でも、今は反抗期なので我慢して下さい!」
渉「自分で反抗期って言う(笑う)」
京太郎「さくら、あのなぁ」
インターホンが鳴る。
さくらはダッシュで自分の部屋へ入っていく。
京太郎「さくら!」
インターホンが何度も鳴る。
京太郎「(イラっとして)はい、行きます!」
〇同・玄関。中(夜)
京太郎が来て、ドアを開けると真澄が立っている。
京太郎「あ…」
真澄「よぅ」
京太郎「よぅって…」
真澄「あのさ…」
京太郎「何ですか?」
渉が来る。
渉「誰なの?」
京太郎「あ、あぁ…今日隣に引っ越して来たんだ。あっ名前は。名前伺ってなかった。ハハハ」
真澄「佐田です。宜しく。朝言いましたけどね」
渉「どうも」
京太郎「あ、そうでした?ハハハ…あっあれですか?引っ越しのご挨拶に来られたとか?」
真澄「あ、違います」
京太郎「は?じゃあ何しに?」
真澄「ちょっと」
京太郎の腕を掴み連れて行こうとする真澄。
京太郎「え?ちょ、ちょっと!」
真澄「(渉に)ちょっとお父さん借ります」
渉「どうぞ」
京太郎「おい!渉、どうぞって何だ!」
〇同・佐田家・玄関・中(夜)
真澄が京太郎を引っ張って連れて来る。
京太郎「ちょっと!何なんですか!」
真澄「手伝ってほしい!」
京太郎「何を!」
〇同・同・寝室・中(夜)
真澄と京太郎。
京太郎「ほんと、いい加減にして下さい」
真澄「これ動かすの手伝って」
大きなベッド(キングサイズ?)が置いてある。
京太郎「手伝ってって…」
真澄「やっぱこの配置気に入らなくて。俺、そういうのちゃんとしてないと寝付けないんだ」
京太郎「何で俺が」
真澄「もういいから手伝って。早くやった方がアンタも俺から解放されていいでしょ」
京太郎「アンタって…」
真澄「あ、名前何?聞いてなかった」
京太郎「森川です。森川京太郎です」
真澄「京太郎かぁ。京ちゃんだな。宜しく。さっ行くぞ!」
二人でベッドの角を持ち運ぼうとするがなかなか動かない。
真澄「あぁ、ダメかあ」
京太郎「(肩で息しながら)ダメですね」
真澄「えぇ、これじゃあ寝れないじゃん。俺ほんとクタクタなのに」
京太郎「我慢して、何とかならないんですか?」
真澄「(即答で)ならない」
京太郎「…」
真澄「よし、もう一度やろう」
京太郎「えぇ…」
真澄「えぇじゃないよ。ほら行くよ」
もう一度二人でベッドを動かそうとするが動かない。
京太郎「ダメです。もう諦めて下さい」
真澄「二回やったくらいで諦めるんじゃないよ」
京太郎「あの、そもそもこのベッド、どうやって運んだんですか?」
真澄「そりゃ、朝の引っ越しスタッフ若い連中ばっかだから、動かせたんだよ。まぁおっさん二
人だからなあ」
京太郎「おっさん…」
真澄「おっさんだろ?」
京太郎「え、えぇまぁ」
真澄「何、不服そうな顔してんの」
京太郎「そんな顔してましたかね?」
真澄「そんな顔してたから言ったんでしょ」
京太郎「もう諦めて下さい」
インターホンが鳴る。
真澄「あ、誰か来た」
〇同・同・玄関・中(夜)
真澄と京太郎が来る。
真澄がドアを開けると親友のゲイ、タカコ(49)とツバサママ(45)がお土産を持って来
ている。
タカコ「はぁい真澄!引っ越し祝いに来たわよ」
ツバサ「新居、どんな感じなのよ」
真澄「二人共来てくれたのか」
タカコ「そうよ!ちょっと遅くなったけど」
ツバサとタカコが京太郎を見る。
京太郎「え?何?(真澄に)誰なんですか?」
真澄「俺の親友。ゲイのタカコとゲイバーのママのツバサ」
京太郎「え…」
タカコ「何よ真澄引っ越し初日からもう男連れこんでるの?」
ツバサ「ほんと手が早いです事」
笑っているタカコとツバサ。
京太郎「違いますよ!(真澄に)ちょっとどういう事なんですか」
真澄「あ、俺ゲイだよ」
京太郎「はぁ?」
何が何だか分からなくなる京太郎。
続。
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