XenoMessiaN 第4界 ホメラレタイ SF

東京の街に突如出現した凶悪な罪獣バビロンに立ち向かった巨人の正体は愛に飢えた青年だった。 皆が憧れるヒーローのように活躍すればまだ知らぬ愛を得られると意気込み奮闘するのだが…… これは現実から目を背けながらも一方的に他者からの愛を待ち続ける者たちの物語。
甲斐てつろう 9 0 0 08/11
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第一稿

【主な登場人物】
創快:主人公の高校生
瀬川抗矢:快の友人
与方愛里:快のクラスメイト
河島咲希:愛里の友人
創美宇:快の姉
横山純希:バイト先で再会した苛めっ子
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【主な登場人物】
創快:主人公の高校生
瀬川抗矢:快の友人
与方愛里:快のクラスメイト
河島咲希:愛里の友人
創美宇:快の姉
横山純希:バイト先で再会した苛めっ子
河島多恵子:咲希の叔母
ルシフェル:謎の男
ゼノメサイア:快が変身した巨人
サブノック:細身の罪獣

その他



○与方家 愛里の部屋
  与方愛里(16)と河島咲希(17)、寝転がる。
  咲希、漫画を読んでいた。
咲希「やば、泣けるわ」
  咲希、涙は出ていない。
  愛里、嬉しそうにスマホを見る。
咲希「またアイツ?」
愛里「うん」
  愛里、創快(16)とのメッセージ画面を見て
  いる。
咲希「アンタもうやめときな? 無理してるよ
 うにしか見えないよ」
愛里「何で? そんな事ないよ」
  愛里、クッションに顔を半分埋める。
愛里「ずっと探してた出来る事だから、お兄ち
 ゃん……」

○メインタイトル
【XenoMessiaN 第4界 ホメラレタイ】

○電車(朝)
  快、吊り革に掴まりながらスマホでSNSを
  見る。
アカウント1『またゼノメサイアと罪獣がやっ
 てくれたよ』
アカウント2『バス助けたように見えたの俺だ
 け?』
  快、浮かない表情。
  ふいに電車の揺れで隣のサラリーマンの足
  を踏んでしまう。
  サラリーマン、嫌な顔をする。
  快、人が多くて離れられない。

○駅 ホーム(朝)
  快、電車を降りて立ち止まる。
快「はぁ……」
  大きく溜息を吐き呟いた。
快「俺自身がダメだなぁ……」

○高校 2-B教室(朝)
  担任、ホームルームを行う。
担任「来月に控えた体育祭ではーー」
  快、担任の話が耳に入らない。
担任「では個人競技を決めようと思います、因
 みにそれとは別にクラス対抗リレーは全員参
 加だから」
  クラス、盛り上がる。
  快と瀬川抗矢(17)、黙っている。
担任「創、今年は風邪引かないといいな」
快「え……あ、はい」
担任「瀬川はサボるなよ」
瀬川「ふん……」

○高校 渡り廊下
  快と瀬川、床に座り弁当を広げる。
  瀬川、伸びながら言う。
瀬川「体育祭ダリぃなぁ」
快「今年も一緒に休むつもりだろ?」
瀬川「ま、そうだけどよ」
  瀬川、缶コーヒーを啜る。
瀬川「去年の練習の時みんな快のこと悪く言っ
 たろ? 今年もそうなら休むぜ、そんなヤツ
 らのために頑張りたくねぇ」
  瀬川、快の顔を覗き込む。
瀬川「お前も休むか?」
快「うん、今年も多分……」
  快、弁当を食べる手が止まる。
快「どうしても運動は苦手だ、下手なとこ見せ
 たらヒーローになんか……」
瀬川「無理は禁物だな。ま、一緒に休んでやる
 から安心しろよ」
  瀬川、快の肩を叩く。
快「休んだら何か言われるかな? 先生も催促
 してたし、二年連続は流石に……」
瀬川「気にしすぎじゃねぇか?」
快「怖いな、あの人たち何考えてるか分かんな
 いから……」
瀬川「所謂陽キャって人種な? あんま細かい
 こと考えてなさそうだな、今を楽しむ事ばっ
 か考えてそれ以外の奴には見向きもしねぇ」
快「そいえば純希がそんな感じだったな……」
瀬川「そうだバ先に入ったんだってな、嫌な事
 されてないか?」
快「いや特には、怖かったけど……」
瀬川「俺もそこ入ろうかな、アイツがお前に何
 かしないように!」
快「いいよ無理しなくて……」
瀬川「本当に最近余計暗いぞ、やっぱヒーロー
 になれないって気にしてんのか?」
快「そうだよ、もっと創快としてヒーローにな
 って……」
  快、箸を置いてしまう。
快「でも何も出来ないからさ、嫌な目で見られ
 たりして本当キツいよ……」
瀬川「いやお前にだってさ、出来る事くらいあ 
 るって!」
快「例えば……?」
瀬川「えっ……あっ、いや」
快「ホラ、無いだろ?」
瀬川「うーんと……あ、そうだ。お前中学の時
 コーヒー淹れるのハマってたろ、アレ美味か
 ったぞ」
快「あぁ……」
瀬川「でもお前頑張ってるじゃねーか。この間
 だって溺れかけた良を誰よりも早く助けよう
 としてさ、あれカッコよかったぜ」
  快、瀬川に聞こえない程度に呟く。
快「そーゆーのはその時に言ってくれよ……」

○創家 居間(夕)
  快、バイトの準備をする。
  ふとキッチンにコーヒーのセットが置かれ
  ているのを見つけた。
快「豆はある、時間もまだあるな」
  快、コーヒーを淹れてみる。
快「……案外覚えてるもんだな」
  創美宇(24)、コーヒーが出来たタイミング
  で帰宅。
美宇「はぁー疲れたぁ」
  美宇、ソファに鞄を置きコーヒーの香りに
  気付く。
美宇「あ、コーヒー淹れたの? 久々だね」
快「うん、俺そろそろバイトだから感想だけ聞
 かせて」
  美宇、コーヒーを飲もうとするがキッチン
  を見て絶句。
  コーヒーを淹れて増えた洗い物があった。
美宇「ちょっと、これ洗い物はやってくの?」
快「え? あ、時間もう無い……」
美宇「時間考えてよー、ただでさえ疲れてるの
 にー」
快「あ、ごめん……」
  快、俯いたままバイトに向かった。

○チキン店 厨房(夕)
  快、横山純希(17)、先輩の三人が暇そうに
  作業している。
  快、一人で黙々と洗い物をしていた。
先輩「そっか、お母さんが働けないからバイト
 してんのか」
純希「生活保護だけじゃキツくて、はは」
先輩「めっちゃ良い息子じゃん」
  快、横目で純希と先輩を一瞬見る。
  そして溜息を吐いた。
先輩「そうだ、そろそろ創とダンボール片付け
 て来いよ」
純希「分かりましたー。ホラ、行くぞ快」
快「あぁ……」
  快と純希、店裏のゴミ捨て場に向かう。

○チキン店裏 ゴミ捨て場(夜)
  快と純希、ダンボールを畳む。
純希「暇で助かったな、こんなに早くダンボー
 ル片付けられるなんて」
快「うん……」
純希「どうした、元気ないぞ?」
快「別にいいだろ……」
純希「にしてもお前変わったよなぁ」
快「またかよ……」
純希「昔は常に怒っててよ、誰も手ぇ付けられ
 ない感じだったけど落ち着いた」
  純希、顔面を殴るような素振りを見せる。
純希「アレ結構根に持ってんだぜ?」
  純希、冗談めかしく言う。
  快、ストレスで力みダンボールを破く。
純希「おいおい気を付けてくれよー」
快「……ごめん、気を付けるよ」
  快、力みながら作業を続ける。
  そこへ愛里と咲希がやって来る。
愛里「あ、やっぱ快くんじゃん!」
  愛里、飼い犬のロンと散歩に来ていた。
  咲希も同行している。
快「えっと、何でここに……?」
愛里「ロンの散歩してたらさっちゃんとチキン
 食べたいねって話になったの。そしたら快く
 んがバイトしてたよねってなって」
快「そっか……あ、俺も作ってるから良ければ」
  純希、顔を赤くしながら割って入る。
純希「どうも、快と一緒にバイトさせてもらっ
 てますっ。横山純希といいます!」
  純希、快の肩を組み耳打ちをする。
純希「おい誰だよこの可愛い子っ……⁈」
快「ただの同級生だよ……」
  愛里、純希に頭を下げる。
愛里「いつも快くんがお世話になってますー」
純希「いえいえこちらこそお世話になってます
 よ、ここのチキン俺も揚げてますんで食べる
 時は俺を思い出して下さい!」
  純希、親指を立てる。
愛里「あはは、面白いね快くんのお友達!」
  快、ショックが顔に出る。
純希「俺もう上がりなんで案内しますよ! オ
 ススメとか教えましょうか?」
愛里「良いの? 助かるーねぇさっちゃん?」
咲希「え、まぁ……」
  咲希、乗り気では無さそう。
  純希、そのまま快より先に上がる。
  × × ×
  純希、愛里たちを案内した。
  快の背後で愛里と仲を深めている。
純希「実は俺レスキュー隊目指しててー」
愛里「すご! ヒーローじゃん!」
  愛里、上を見上げる。
愛里「親友がヒーローだったから重なるなぁ」
純希「それは嬉しいなー」
  快、何も出来ない。
愛里「じゃあね、バイバイー!」
  愛里と咲希、帰る。
  純希、二人の去った後を見つめていた。
純希「あの子めちゃくちゃ可愛いな」
快「え……?」
純希「じゃーん! なんと連絡先交換しまし
 た!」
  純希、愛里のメッセージを開いたスマホを
  快に見せる。
純希「お、さっそくメッセ来た!」
  純希、はしゃいでいる。
  快、逆に落ち込んでいた。
純希「んじゃ俺も帰るわ、お疲れー」
  純希、スキップしながら去る。
  快、その場で立ち尽くしていた。

○河島家 外観(夜)
  愛里、チキンを食べた後咲希を家まで送っ
  た。
  愛里、大きく手を振る。
愛里「じゃあねさっちゃん!」
咲希「ん」
  咲希、無言で自宅に入る。

○河島家 居間(夜)
  咲希、叔母である河島多恵子(48)に挨拶
  をした。
咲希「ただいま叔母さん」
多恵子「おかえり咲希……」
  咲希、そのまま階段を登る。
  多恵子、多数の請求書を机に抱えていた。

○河島家 真っ暗な空間(夜)
  咲希、自室の扉を開けると真っ暗な空間が
  広がっていた。
  空間の中央には巨大な聖杯が聳えている。
  咲希、椅子に座り爪を噛む。
咲希「あの男、愛里に近付いた……」
  謎の男ルシフェル(?)、咲希の背後から現
  れ問う。
ルシフェル「どうした、また困り事か?」
咲希「ルシフェル……」
ルシフェル「大好きな愛里ちゃん、男に取られ
 ちまうなぁ」
咲希「何言ってんの、そんな事させない」
  咲希、スマホを起動する。
咲希「愛里はアタシと新世界に成るんだからっ」
ルシフェル「ヒヒヒ、それじゃあ殺っちゃう?」
咲希「……殺っちゃおう」
ルシフェル「ヒヒ! そう来なくちゃなぁ!」
  咲希、SINNERと書かれたアプリを起動し
  多くのリストの中から一つを選ぶ。
咲希「コイツで行こう、サブノック……!」
  咲希、召喚ボタンをタップすると画面には
  GATE OPENと表示された。

○繁華街(夜)
  純希、友人たちと合流する。
純希「うぇいお待たせー」
友人1「遅いぞー」
  純希たち、そのまま歩き出す。
友人2「んでどこ行く?」
純希「やっぱダーツとかビリヤード出来る所が
 良いよな」
  純希、背筋が震える。
純希「あれ、急に寒気が……」
  すると何処からか雄叫びが聞こえる。
純希「うるせぇぇーっ!」
  その場の者たち、耳を塞ぐ。
通行人「おいアレ!」
  通行人、ビルの上を指差す。
  そこには細身の罪獣サブノックの姿があっ
  た。
純希「マジかよ」
  サブノック、木を伝うようにビルからビル
  へと飛び移って行く。
通行人「罪獣だぁー!」
  通行人たち、一斉に走り出す。
  純希、人混みに揉まれ友人たちと離れてし
  まう。
純希「あ……」
  サブノック、純希のすぐ側に迫っていた。

○チキン店 厨房(夜)
  快、一人で在庫を数えている。
  スマホの電卓アプリで計算する。
  するとスマホに通知が。
快「え、また罪獣……」
  快、先輩の目を盗みグレイスフィアを取
  る。
  グレイスフィア、蒼く輝いていた。
快「よし、ここなら……」
  快、先輩から見えない所でゼノメサイアに
  変身した。

○繁華街(夜)
  咲希が操作するドローン、辺りを飛ぶ。
  ドローン、純希を見つけた。
咲希「いた、アイツだ……」
ルシフェル「よぉし、捻り潰せぇ!」
  サブノック、指示を出され純希を見る。
純希「え、嘘だろ……?」
  サブノック、純希に向かい爪を振り下ろし
  た。
純希「うわぁぁぁっ!」
  純希、尻餅をついて顔を覆った。
  ゼノメサイア、そこに駆けつけサブノック
  の爪を両手で受け止める。
快「おぉっ……」
  純希、驚き目を開けた。
  ゼノメサイア、振り向き純希に気付く。
快「え、純希っ……⁈」
  サブノック、一度ゼノメサイアから離れビ
  ルの上に飛び乗った。
快「くっ……」
  ゼノメサイア、腹を括り走り出す。
  その最中に周囲を見渡す。
  既に殆どの者が逃げていた。
快「これなら……!」
  サブノック、ゼノメサイアの方へ向かって
  跳ぶ。
  しかしゼノメサイアを無視し背後の純希へ
  向かった。
快「え、何で⁈」
純希「えぇっ⁈」
  ゼノメサイア、慌ててサブノックの背後か
  ら抱きつく。
  そのまま思い切り締め上げた。
  サブノック、暴れ回りゼノメサイアでも押
  さえ切れない。
  周囲のビルにサブノックの手足が当たり瓦
  礫が飛び散る。
快「クッソォ!」
  ゼノメサイア、そのまま反り返りサブノッ
  クを地面に叩き付けようとするがその勢い
  でサブノックは逃げてしまった。
  その慣性で体を捻りゼノメサイアの胸部を
  爪で切り裂く。
快「ぅぐっ……⁈」
  サブノック、そのまま猿のようにビルから
  ビルへと身軽に伝って行く。
  ゼノメサイア、翻弄され動けない。
  そのままゼノメサイア、回し蹴りを喰らい
  後方へ飛んでしまった。
  背後のビルに背中から突っ込み倒壊させて
  しまう。
快「あぁっ……⁈」
  ルシフェル、ドローンの映像を見ている。
  街はビル群が崩れ平地が出来ていた。
ルシフェル「ギャハハ! これで戦いやすくな
 ったろ?」
咲希「アンタ煽りすぎ。いくら罪獣に指示出せ
 るからって調子乗ってると失敗するよ」
ルシフェル「だってまたと無いチャンスなんだ
 ぜ? ゼノメサイアがこんな弱い事あるか
 よ!」
  ルシフェル、サブノックに指示を出す。
  サブノック、指示通りに瓦礫をゼノメサイ
  アに投げつける。
快「ぐっ、がっ……」
ルシフェル「おいおいこれでお終いかよ、そり
 ゃ流石につまらな過ぎるぜぇ」
  ルシフェル、周囲にもう瓦礫が無い事に気
  付く。
ルシフェル「って瓦礫ねぇじゃん、新しいの作
 るか」
  サブノック、新たなビルを破壊しようと手
  を伸ばす。
  すると純希が視界に入った。
ルシフェル「あ、コイツ忘れった」
  純希、サブノックと目が合い震える。
ルシフェル「元々コイツ殺す目的だったろ? 
 殺っちゃっていいか?」
  咲希、映像だけを見て答える。
咲希「いいよ、早く片付けちゃって」
ルシフェル「よぉし、そう来なくっちゃ……」
  サブノック、爪を立て純希目掛けて構え
  る。
  そのまま勢いよく振り下ろした。
純希「うわぁぁっ!」
  純希、再度目を瞑る。
  しかし何も起こらない。
  恐る恐る目を開け上を見た。
快「ぐふっ……」
  ゼノメサイア、身を乗り出し純希を庇う。
  爪が突き刺さった背中からは緑色の血液の
  ような光が漏れている。
快「お前に死なれちゃ困るんだよ、俺が立派な
 ヒーローになって見返すまでっ!」
  ゼノメサイア、勢いよく立ち上がりサブノ
  ックを跳ね除けた。
ルシフェル「うわマジかよ!」
咲希「だから言ったじゃん何やってんの!」
  ゼノメサイア、倒れたサブノック目掛けて
  エネルギーを溜める。
快「見てろよ純希、これがヒーローになる俺
 だ……!」
  ゼノメサイア、ライトニング・レイを放
  つ。
  サブノックに命中し爆散した。
  最初の頃より爆発の威力は抑えられてい
  た。
快「はぁ、はぁ……」
  ゼノメサイア、息を切らし純希の方を向
  く。
純希「すげぇ……」
  ゼノメサイア、純希と目が合ったまま光と
 なって消えた。

○河島家 真っ暗な空間(夜)
  ルシフェル、嘆く。
ルシフェル「あー殺せなかった!」
咲希「はぁ、お疲れ」
  咲希、立ち上がり空間から出ようと扉に手
  をかける。
ルシフェル「おい、もう良いのかよあの男は?」
咲希「いいよ、もうどうでもいい……」
  咲希、そのまま空間を出る。
  残されたルシフェル、咲希が座っていた椅
  子に座った。

○チキン店 厨房(日替わり)
  快、先輩に叱られる。
先輩「昨日は突然バックれやがって! どんだ
 け大変だったと思ってんだ!」
快「すみません、罪獣出たってニュース見たの
 で……」
先輩「遠くだろ、何でお前が逃げる必要あんだ
 よ!」
  純希、出勤する。
純希「おはようございまーす!」
  先輩、純希の心配をする。
先輩「お前大丈夫なのか? 昨日目の当たりに
 したんだろ……?」
純希「全然大丈夫っす! お陰様で!」
先輩「お陰様?」
純希「いやぁ誤解してましたわゼノメサイア! 
 アイツが助けてくれたんです、ヒーローっす
 よ!」
  純希、快に近付き耳打ちする。
純希「間近で見ちまった、迫力ヤバかったぜ」
快「そっか……」
純希「お前も頑張れよヒーロー、あんな風にな
 ってやれ!」
  純希、快の肩を叩く。
快「あぁ、頑張るよ……」
  快、複雑な表情を浮かべる。
純希「そいえばお前はキューピットだから伝え
 とかなきゃと思ってな」
  純希、スマホを取り出し画面を見せる。
純希「今度の休みになんと! 愛里ちゃんとデ
 ートする事になりました!」
快「え……」
  画面上には純希と愛里がデートの約束をす
  るやり取り。
純希「あれから話して意気投合してさ、勇気出
 して誘ってみたんだ。これって立派なデート
 だろ?」
  快、思考が停止しもう何も聞こえなかっ
  た。

                つづく

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