豪悦同舟 学園

石田輝久(12)が夏休み明け、髪を金髪にして登校してきた。それを見て2、3年生の不良達が黙ってるはずもなく……。
マヤマ 山本 26 0 0 11/24
本棚のご利用には ログイン が必要です。

第一稿

<登場人物>
石田 輝久(12)
高木 理央(12)
安田 健司(12)
熊野 武(12)

長瀬 豪毅(14)不良生徒、元番長
薩川 悦郎(14)同、長瀬のライバル ...続きを読む
この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
 

<登場人物>
石田 輝久(12)
高木 理央(12)
安田 健司(12)
熊野 武(12)

長瀬 豪毅(14)不良生徒、元番長
薩川 悦郎(14)同、長瀬のライバル
佐野(13)同、長瀬派
塩屋(13)同、同
長瀬 竜二(12)同、長瀬の弟



<本編>
○メインタイトル『豪悦同舟』

○中学校・前
   登校する生徒達。皆、何かに注目している。

○同・廊下
   長瀬竜二(12)に何かを告げる生徒。
竜二「何?」

○同・前
   登校する高木理央(12)。周囲からの視線を感じている。

○同・教室
   佐野(13)と塩屋(13)に何かを告げる生徒。
佐野「一年の?」

○同・前
   高木の後ろを歩く髪を金色にした石田輝久(12)。尚、この時点では髪の毛しか映っていない。

○同・体育館・裏
   長瀬豪毅(14)に何かを告げる生徒。
長瀬「石田が?」

○同・前
   登校する高木と石田。
高木「何つーか、今日やけに見られてんな」
石田「そりゃ、俺金髪だし」

○同・廊下
   集まる佐野、塩屋、竜二。
佐野「くそ、調子ん乗りやがって。シメてやろうぜ」
塩屋「出来んのかよ?」
佐野「ナメてんのか? あ?」
塩屋「相手は高木理央のツレだぞ?」
佐野「う……」
竜二「こんな大事な時に、兄貴はどこ行っちゃったんスかね?」
佐野「仲間集めじゃね? 総力戦で、高木を潰そうって」
塩屋「でもそんな戦力、この学校に……」
   顔を見合わせる佐野と塩屋。
佐野&塩屋「……薩川先輩? いやいやいや」
竜二「薩川先輩? 誰っスか、その人?」
塩屋「薩川悦郎……」

○同・屋上
   寝転がる薩川悦郎(14)。その周囲には取り巻き(=薩川派)の不良達。
塩屋の声「長瀬先輩とこの学校のトップを争ってた人だよ」
   そこにやってくる長瀬。薩川以外の不良達に緊張が走る。
長瀬「よう、悦郎」
薩川「何じゃ、随分と珍しい客じゃのう」
長瀬「聞いたぜ。せっかくサッカー部に復帰したのに、結局一回戦で負けて引退したって」
薩川「……」
長瀬「結局俺らは、喧嘩でしか生きていけねぇって事だな」
薩川「ほな、豪毅。お前はどうなんじゃ、ボケ。高木とかいう一年坊主に喧嘩で負けて、おかげでワシら三年全員がナメられとるじゃろうが」
   立ち上がり、長瀬を睨む薩川。
薩川「何なら、今ここでトップの決め直ししてもええんじゃぞ?」
   薩川に続いて長瀬を威嚇する不良達。
長瀬「落ち着けよ。俺は今日、悦郎に喧嘩を売りに来たんじゃねぇ」
薩川「だったら、何の用じゃ?」
長瀬「三年総出で、高木を潰しに行かねぇか?」
薩川「ほう……」
長瀬「悦郎がさっき言った通り、三年全体の問題でもある。俺らが対立してる場合じゃ……」
薩川「何、格好つけとんじゃ、ボケ。要は『一人じゃ勝てないから力貸してください』って事じゃろが」
長瀬「そう思うなら、勝手にしろ。で、どうなんだ?」
薩川「……なら、豪毅。お前、今日からワシの下につけ。それでどうじゃ?」
   ざわつく周囲の不良達。
薩川「そうじゃろ、豪毅? お前が頼んでる立場なんじゃからのう」
長瀬「……わかった」
薩川「まぁ、無理なら無理で……って、え?」
   さらにざわつく周囲の不良達。
薩川「のう、豪毅。本気か?」
長瀬「あぁ。どうせナメられんなら、一年より悦郎の方が百倍マシだ。だから、頼む。力貸してくれ」
   頭を下げる長瀬。
薩川「(笑って)面白うなってきたな」

○同・廊下
   並んで歩く長瀬と薩川。その後ろには長瀬派と薩川派の不良達。その様子を見て驚く佐野と塩屋。
佐野「おいおい、どうなってんだよ? あ?」
塩屋「歴史が変わるぞ……」

○同・外観(夕)

○同・体育館・裏(夕)
   並んで立つ高木と石田。
石田「あ~、緊張する。理央、マジ頼むし」
高木「めんどくせぇ。つーか、何で俺まで」
   そこにやってくる長瀬率いる、佐野、塩屋、竜二ら長瀬派の不良達。
竜二「逃げずに良く来たな」
長瀬「やれ」
   高木と石田に向かっていく不良達。
石田「なぁ、理央。弟の方は俺でいいか?」
高木「好きにすれば?」
   不良達を迎え撃つ高木と石田。
長瀬の声「いいか、悦郎。まず俺達が真正面からアイツらとやり合う」

○同・同・脇(夕)
   体育館裏に抜ける細道を歩く薩川率いる薩川派の不良達。
長瀬の声「その間にお前らは背後に回って、アイツらを挟み撃ちにしてやろう」
薩川「随分卑怯な作戦じゃのう……ん?」
   薩川達の前方、待ち構える安田健司(12)と熊野武(12)。
安田「うわわっ、本当に来た」
熊野「まぁ、そんな事だろうと思った」
薩川「何じゃ、一年坊主? 邪魔じゃ、さっさとどけや、ボケ」

○同・同・裏(夕)
   一対一で殴り合う石田と竜二。
竜二「くそっ、高木の腰巾着野郎のクセに……」
石田「うるせぇし。俺はな、お前が大っ嫌いなんだよ!」
   石田の渾身のパンチが決まり、倒れる竜二。
石田「やった、勝ったし」
   その近く、高木にやられて倒れた佐野、塩屋ら不良達。立っているのは高木と長瀬のみ。その長瀬も高木の蹴りを食らって倒れる。
高木「テル、終わった? なら、帰ろうぜ」
石田「おう。(竜二に)二度と調子に乗るんじゃねぇし」
   その場を立ち去る高木と石田。
長瀬「何で……こんなハズじゃ……」
   気を失う長瀬。

○同・同・脇(夕)
   倒れている薩川ら不良達。
薩川「何じゃ、今年の一年はどうなっとんじゃ……」
   気を失う薩川。

○同・同・前(夕)
   裏からやってくる高木と石田。脇からやってくる安田と熊野。合流する。
石田「おう、クマ、ヤス。そっちも終わった?」
安田「俺っちにかかりゃ、余裕だって」
熊野「まぁ、そういう事にしておこう」
高木「つーか、また髪型乱れちまったじゃねぇかよ。師匠、まだ居るかな?」
石田「いや、もう帰るんだから別にいいし」
   笑い合う四人。

○同・外観

○同・屋上
   並んで座る長瀬と薩川。
薩川「完敗、じゃな」
長瀬「まさか悦郎が、高木以外の一年にやられちまうとはな」
薩川「何じゃ、馬鹿にしとんのか、ボケ」
長瀬「してねぇよ。悦郎が負けんなら、多分俺も負けただろうさ」
薩川「……ふん」
長瀬「結局俺らは、喧嘩すら中途半端だったのかもな」
薩川「これから、どうすんじゃ?」
長瀬「受験勉強でもするか?」
薩川「悪あがきした所で、ワシらみたいなんが入れる学校なんてたかがしれとるじゃろ」
長瀬「だよな。俺も悦郎も高木達も……」
   ハッとし、互いを見合う長瀬と薩川。
長瀬「そうか。少しでも頭のいい高校入っておねぇと……」
薩川「三年後にまた高木達が入ってきたら、同じ事じゃのう」
   立ち上がる長瀬と薩川。
長瀬&薩川「今から、勉強だ(じゃ)」
                   (完)

この脚本を購入・交渉したいなら
buyするには会員登録・ログインが必要です。
※ ライターにメールを送ります。
※ buyしても購入確定ではありません。
本棚のご利用には ログイン が必要です。

コメント

  • まだコメントが投稿されていません。
コメントを投稿するには会員登録・ログインが必要です。