明日は我が身に ミステリー

大学4年生の木村幹也は、就職先が決まらず悩んでいた。 ある日、いつも受けている講義室に行ってしまった木村。彼を待っていたのは全身を黒で身に纏ったマスク姿の謎の男。その男は、木村の明日を知っていた。 なぜ、明日を知っているのか?そして、我が身には何が起きるのか? そこには、謎の男の目的が隠されていた…。
名鳥 佑飛 46 0 0 10/10
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第一稿

◯廊下
▼木村 幹也(きむら みきや)、俯いて歩いている。
木村N「俺は4年の木村幹也。就職で悩んでいた。単位を取り逃してしまい、周りが就職活動をしていても、俺はこうして講義を ...続きを読む
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◯廊下
▼木村 幹也(きむら みきや)、俯いて歩いている。
木村N「俺は4年の木村幹也。就職で悩んでいた。単位を取り逃してしまい、周りが就職活動をしていても、俺はこうして講義を受けるために、大学まで来ていた。そんな俺は、先日受けた「トクダ自動車」の結果を待っていた。これが決まらなければ、最悪就活浪人、不安と焦りが俺の心の中で渦巻いていると、いつもと違う講義室に来ていた。」

T「明日は我が身に」

◯講義室・中
▼木村、講義室に入ってくる。
木村「あー、間違えたか…」
男「やっと…やっと来たな」
▼講義室の中には、深く帽子を被り、タブレットを持ち、マスクをした怪しい男が現れる。
木村「すみません、間違えました。」
▼木村、帰ろうとする。
男「まぁまぁ、お前がここに来たのは…」
木村「すみません、話している時間がなくて」
男「ここは明日の世界だ」
木村「…は?、何言ってるんだ」
男「ここはな…明日の世界なんだよ」
木村「…お前大丈夫か?」
男「どうだ?明日を知りたくないか?」
木村M「めんどくさいな〜」
木村「…じゃあ、俺は明日どうなるんだ?」
▼男、黙る。
木村「なんだよ…じゃあな、俺には時間がないんだよ」
▼木村、文句を言いながら帰ろうとする。
男「友達」
木村「友達?」
▼男、持っているタブレットを見ながら答える。
男「明日は友達に会える、そう出ているな」
木村「それはないね、俺の友達は皆就活で忙しんだよ」
男「昨日までのお前は知らないが、良いことじゃないか、はーっ!」
木村「うわっ!」
▼木村、視界が真っ暗になる。

◯大学内・ベンチ
▼木村、目が覚めるとベンチにいた。
▼そこに男の姿はなかった。
▼木村、ため息をついた後、時計を見る。
木村「やっべ、またサボっちゃたよ…あいつー」

◯次の日・講義室・中
▼木村、1人で講義を受けている。

◯廊下
▼木村、帰ろうとする。
▼目の前から脇谷 大雅(わきや たいが)が木村を呼ぶ。
脇谷「おー幹也、久しぶり」
木村「あれっ?脇谷、どうしたの?」
木村N「彼は脇谷大雅、俺と同じ学年で前はよく2人で遊んだ仲だ。ただ、脇谷が自分から話しかけてくるのは初めてだ。」
脇谷「いやー僕も単位が必要でね」
木村「へーそうか、意外だね」
脇谷「凄い久々だよね、会えて嬉しいよ」
木村「妙に明るいな…あっ!」

◯講義室・中(回想)
男「明日は友達に会える、そう出ているな」
(回想終わり)

◯廊下
木村「いるかな…」
木村N「あいつが言っていたことは本当だ、俺はもう1度不気味な男に会いに行くことにした。」

◯講義室・中
▼木村、入ってくる。
木村「いた…おい!」
男「やっと…やっと来たな」
木村「お前…あれどうやって分かったんだよ」
男「何の話だ」
木村「さっき、友達と会えたんだよ」
男「友達…何の話だ?」
木村「えー…」
男「ここは明日の世界だ、どうだ?明日を知りたくないか?」
木村「知りたい!教えてくれ!」
男「まぁそう急かすな…明日はな…電話」
木村「電話?」
男「電話で何かが決まるな…」
▼木村、考えている。
男「とにかく明日何かが決まる…良いことじゃないか、はっ!」
木村「うわっ!」
▼木村、視界が真っ暗になる。

◯大学内・ベンチ
▼木村、目が覚めるとベンチで座っていた。
木村「あれ?…」

◯次の日・講義室・朝
▼木村、講義を受けている。
▼木村の携帯に電話が掛かってくる。
SE「携帯のバイブレーション」
▼木村、電話に気付き講義室から出る。

◯廊下・朝
▼木村、電話に応対する。
木村「もしもし?」
電話の声「トクダ自動車人事担当の中村です。木村幹也様でいらっしゃいますか?」
木村「はい、そうです!」
電話の声(中村)「この度は当社を受けていただき誠にありがとうございます。選考の結果、来年からあなたとご一緒にお仕事したいと思いますので、宜しくお願い致します。」
木村「えっ!本当ですか?ありがとうございます!」
▼木村、電話を切る。
木村「よし!」
▼木村、ガッツポーズをする。

◯講義室・中
▼講義が終わり、木村が笑顔で講義室を出ようとする。
▼木村、講義室にいた脇谷と出会う。
木村「おー!脇谷!お前いたのか!」
脇谷「…どうしたの?何かテンション高いけど」
木村「いやーさっきな、就職先が決まったんだよ」
脇谷「そうか…おめでとう」
木村「めっちゃ嬉しいよ」
脇谷「で、どこ?」
木村「トクダ自動車」
脇谷「えっ、トクダって秋山と一緒じゃん」
▼脇谷、前に座っていた秋山 徹朗(あきやま てつろう)に話し掛ける。
秋山「マジか!嬉しいな、これからも宜しく」
木村「宜しく!」
▼木村と秋山、握手をする。

◯廊下
▼木村、廊下を歩いている。
木村「行ってみるか…」

◯講義室・夕方
▼木村、入ってくる。
木村「おい!」
男「やっと…やっと来たな」
木村「お前最高だよ」
男「何の話だ」
木村「さっき、就職先が決まったんだよ!もー最高だ!」
男「就職…何の話だ?」
木村「…まぁいいよ、俺は覚えているから」
男「ここは」
男・木村「明日の世界だ」
木村「どうだ?明日を知りたくないか?だろ?」
男「…ならば話が早い」
木村「もっと知りたい!これからも宜しく!」
▼木村、握手を求める。
男「なんだお前?馴れ馴れしいな」
木村「早くしろよ!」
男「まぁそう急かすな…明日はな…しぼう」
木村「しぼう?なんだ、また何か決まるのか?」
男「死亡…明日お前は死ぬんだよ」
木村「…死ぬ?嘘だろ」
男「昨日までのことは知ら」
木村「お前…就職決まったのに、明日俺は…死ぬのか」
男「とにかく明日お前は死ぬ…良いこと…じゃないな、はっ!」
木村「うわっ!」
▼木村、視界が真っ暗になる。

◯大学内・ベンチ
▼木村、目覚めるとベンチに座っていた。
木村「…嘘だろ…」

◯次の日・大学内・道・朝
▼木村、俯いて歩いている。
木村N「本当に俺は今日死んでしまうのか」

◯廊下
▼木村、俯いて歩いている。
▼脇谷、木村を見つける。
脇谷「幹也、おい!どうしたんだよ!元気ないな」
木村「…最近、本当よくお前と会うな」
脇谷「そうかな…まぁ単位取れてない組だからね」
▼木村、考えている。
脇谷「どうしたの?」
木村「…実はな…」

◯大学内・ベンチ
▼木村と脇谷、ベンチに座っている。
脇谷「何それ?嘘に決まってんだろ」
木村「でも、そいつは俺が脇谷と会うこととか、就職が決まることも教えてくれたんだよ」
脇谷「3度目の正直だよ…そいつは多分もう来て欲しくないからじゃないの」
木村「2度あることは3度あるって言葉もあるだろ」
脇谷「そんなのたまたまだよ、だって友達、就職なんて在り来り、それなのに急に死ぬとかないない」
木村「大丈夫かな…」
脇谷「考えすぎだよ…せっかく就職も決まったんだからもっと明るく行こうぜ」
▼脇谷、時間を気にし貧乏ゆすりを始める。
脇谷「そうだ、明日飲みに行こうぜ」
木村「良いけど…」
脇谷「こうやって楽しい未来を作らないと人生やってらんねぇぞ」
木村「そうだね…ありがと」

◯大学内・正門前・夕方
脇谷「じゃあ俺急いでるから、また明日な」
木村「…そうだね…じゃあ」
▼脇谷、走って木村の前から去る。
▼木村、脇谷を見ている。
木村M「もう夕方か…さすがに死ぬのは外れたか、だよな」

◯歩道
▼木村、歩きながら携帯を触る。
SE「車のクラクションの音」
▼木村、後ろから轢かれてしまう。

◯講義室・中
▼木村、目覚めると男と出会った講義室にいた。
男「目が覚めたか?」
木村「ここは…」
男「ここは明日の世界だ、どうだ?明日を知りたくないか?と言いたいところだが…お前に明日はない」
木村「ってことはやっぱり俺は…」
男「そう、お前はもう」
木村「知らないんじゃないのかよ!何で、なんでそれは覚えてるんだよ」
男「俺はな…やっと役目を終えることが出来るんだ」
木村「役目?」
男「俺はこの世界の番人、その後釜が現れたんだよ」
木村「後釜って」
男「お前だよ」
木村「俺?」
男「そうだ、こう言っては難だが、お前が死んでくれたおかげでな」
▼木村、驚いている。
男「この世界は、明日の世界だ、つまり明日のお前を見ていた」
木村「明日、明日って…何で俺なんだよ」
男「それはお前がここに来たからだ…。俺はその瞬間、ようやくこの孤独な空間からずっと抜け出せると思った」
木村「誰か来れば、出られるのか?」
男「そうだ、ただ今までの記憶は無くなってしまうがな…」
木村「記憶…」
男「いいか、この世界の番人にはやるべきことがある、それはここに尋ねて来た者を必ず三日以内で抹殺しろ」
木村「三日以内?」
男「そうだ、転生には時間がないからな。その間が最後のチャンスだ。この世界に誰かが来れば、番人には三日の内一度だけこの世界を出られる。その内に相手を抹殺するよう誘導するんだ」
木村「一度だけ?」
男「とにかく、自分の命だけを残すために人を待て!分かったな」
木村「お前はどうなるんだよ」
男「俺はお前の姿で生きていく、ただ中身は僕だからね」
▼男、帽子とマスクを取る。
木村「…脇谷…」
▼男は、脇谷であった。
脇谷(男)「今までの記憶を無くしちゃうのは残念だけど、止まった命をもう一度スタートすることが出来る。お前も早く誰かの姿になって生きられるようにしろよ、ハハハハハ!」
▼講義室に脇谷の笑い声が響く。
▼木村、絶望の顔をする。

木村N「脇谷大雅の命は、木村幹也の身へと転移した。俺の命は一体誰の姿になるのか…」

◯講義室・中
▼木村、講義室で待っている。その姿は帽子を深く被り、タブレットを持ち、マスクをした怪しい姿であった。
▼講義室の扉が開く。誰かがやってくる。
木村「やっと…やっと来た…」
▼講義室に入ってきたのは、かつて出会った秋山であった。
秋山「あー間違えたか」
木村N「尋ねて来たのは、同じトクダ自動車に就職するはずの秋山だった」
木村「ここは明日の世界だ」
秋山「何だお前」
木村M「俺はこいつを3日以内に抹殺しなければならない…」

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