○タクシー・内
唐木英一(31)と安村琴(29)が並んで座っている。
琴「なんで唐木君も一緒なのかなぁ」
唐木「この期に及んでまだ言うんすか」
琴「実績もちゃんとあるし、クライアントからクレーム来た事なんか一度もないし」
唐木「そういう問題じゃないらしいっすよ」
琴「じゃあ何!?」
唐木「(小声で)男女の問題」
唐木が呆れ顔で窓から外を見つめる。
窓外には高層ビル。
タクシーが停まる。
○高層ビル・会議室・前
社員がお辞儀をして去っていく。
琴「いい、私の案件だからね」
と唐木を睨み、ノックして入室する。
○同・内
端正な顔立ちの顧客が立ち上がり、手を差し出しながら近づいてくる。
顧客「これはどうもご足労いただきまして」
一瞬固まってしまう琴。
琴「すみません、ちょっと」
と出ていく。
唖然としている顧客。
顧客を冷たく見つめる唐木。
○同・廊下
澄ました顔で足早に歩く琴。
琴M「やばい!」
○同・女子トイレ・内
澄まし顔の琴が鏡に映っている。
隣で女性が手を洗っている。
琴、次第に慌てたような表情になる。
琴「ずっきゅうぅん!」
隣で手を洗っていた女性が大仰に驚いて琴を見る。
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