<登場人物>
服部 朱雀(17)剣士
巽 蒼龍(22)同、朱雀の許嫁
三瓶 玄武(26)同
トラスト 白虎(30)同、白虎隊隊長
服部 雲雀(9)朱雀の妹
巽 青龍(22)剣士、蒼龍の双子の弟
艮 黒龍(55)同、腕売り
乾 白龍(28)同、トラストの部下
坤 赤龍(41)同
服部 鳳凰(39)同、朱雀の父、故人
<本編>
○(回想)服部邸・外観(夜)
三年前。
刀と刀のぶつかる音。
○(回想)同・中
やってくる服部朱雀(14)。まだ二本腕。
朱雀「父上、何かありましたか……」
目を見開く朱雀。そこには右腕を狩られた上、絶命している服部鳳凰(39)の遺体。
朱雀「父上!?」
服部に駆け寄る朱雀。
朱雀「父上、一体何が……」
朱雀の背後に姿を見せる坤赤龍(38)。刀を振り下ろし、朱雀の右腕を狩る坤。
朱雀「ぐああぁ!?」
倒れ、意識もうろうとする中、坤の赤い目だけがはっきりと映る。
朱雀「返せ……僕の……」
意識を失う朱雀。
○道中
並んで歩く朱雀(17)と服部雲雀(9)。何もない右腕の袖部分を掴む朱雀。
雲雀「? 姉上?」
朱雀「……やっと掴んだんだな。赤い目の男の手がかりを」
雲雀「はい。でも……」
朱雀「……あぁ。わかっている。上等だ」
朱雀達の背後に人影。
○メインタイトル『腕狩り朱雀』
T「第二話 敏腕」
○町B・白虎隊本部・前
手錠をかけられた罪人達を連行する白虎隊の面々。
それを迎える野次馬の面々。
町人A「白虎隊がまた、腕狩りを捕まえたぞ!」
町人B「いいぞ、白虎隊!」
○同・同・玄関
続々と入ってくる白虎隊の面々と連行されてくる罪人達、その様子を見ているトラスト白虎(30)と乾白龍(28)。
トラスト「ヘイ、ミス白龍。そろそろ牢屋もいっぱいだと思うんだけど?」
T「乾 白龍」
白龍「新しい土地を探している、とは聞いています」
トラスト「そんな予算があるなら、マンパワーを増やしてくれないものかね?」
白龍「上に伝えておきます」
トラスト「OK、君に一任するよ、ミス白龍。じゃあ、いよいよ朱雀退治か」
白龍「はい。先発隊が既に配置に付いており、我々が到着し次第……」
○道中
やってくるトラスト、白龍ら白虎隊の面々。
白龍の声「いつでも作戦を開始できる状態となっております」
朱雀の周囲に倒れている白虎隊の先発隊の面々。
白龍「なっ……」
トラスト「どうやら、作戦の立て直しが必要なようだね。……ヘイ、ミス朱雀」
朱雀「君達が、彼らの言っていた本隊かい?」
トラスト「いかにも。僕の名前は、トラスト白虎だ」
朱雀「白虎隊の『白虎』……偶然の一致か、あるいは今の隊長職という意味かな?」
トラスト「それは君の想像に一任するとして」
トラスト、白龍を除く白虎隊の面々が刀を構える。
トラスト「ミス朱雀。腕狩り及び白虎隊への敵対行為の容疑で、おとなしく同行する気はあるかな?」
刀を構える朱雀。
朱雀「君達の想像にお任せしよう」
トラスト「OK。(隊員達に)ヘイ、エブリワン。GO!」
朱雀に向かっていく白虎隊の面々。その様子を後方からタブレット端末で撮影する白龍。
× × ×
白虎隊の面々を次々とあしらっていく朱雀。
トラスト「ヘイ、エブリワン。STOP」
動きを止め、下がる白虎隊の面々。
トラスト「どうやら、君の実力は本物のようだね。僕のお墨付きをあげよう」
朱雀「君に褒められてもうれしくはないが、ありがたく受け取っておこう」
鋭いかぎ爪を両手に装着するトラスト。
トラスト「NEXTの相手は、僕だ」
朱雀「上等だ」
駆け出す朱雀とトラスト。互角の勝負。
朱雀「さすが、隊長職を務めるだけの事はあるな」
トラスト「なに、まだまださ」
左手のかぎ爪の爪と爪の間に朱雀の刀を挟んで動きを封じ、右手のかぎ爪で攻撃するトラスト。
朱雀「くっ」
刀を抜こうとするも上手くいかず、トラストの攻撃をよけながら下がっていく朱雀。背後に迫る大きな岩。
朱雀「これでどうだ!」
何とか刀をかぎ爪の間から抜く朱雀。勢いそのままに、トラストと距離を取る(結果、大きな岩の目の前に立つ)。
トラスト「では、FINISHだ」
駆け出すトラスト。
トラスト「タイガー会心の一撃!」
朱雀に向けかぎ爪を大きく振りかぶるトラスト。
朱雀「そんな攻撃……(背後の大きい岩に気付き)ちっ」
刀でトラストの攻撃を受け止める朱雀。
朱雀「うおおおっ!」
トラスト「Haaa!」
トラストの攻撃で吹っ飛ばされ、岩に激突する朱雀。こぼれ落ちる刀。岩が砕け、その陰に隠れていた雲雀も巻き込まれる。
雲雀「きゃっ」
雲雀に歩み寄るトラスト。
朱雀「くっ……」
刀に手を伸ばす朱雀。それを察し、刀を白龍の方へ蹴飛ばすトラスト。
トラスト「ヘイ、ミス白龍」
白龍「(刀を拾い上げ)承知しました」
雲雀にかぎ爪を向けるトラスト。
トラスト「ヘイ、ミス朱雀。どうする?」
朱雀「……白虎隊ともあろう者が、卑怯な手を」
トラスト「言いたい事は、取調室で聞くよ」
手錠をかけられ、連行される朱雀。その朱雀の背中を涙目で見送る雲雀。
雲雀「姉上~!」
○町B・白虎隊本部・外観
○同・同・玄関
連行される朱雀。周囲を見回す。
朱雀「ここが白虎隊の本部か」
トラスト「Yes。そして入る前には必ず、手荷物検査をさせてもらっている」
朱雀の首飾りを取り上げるトラスト。
トラスト「ヘイ、ミス朱雀。コレは?」
朱雀「君達が警戒するような代物ではない」
トラスト「その判断は、僕らに一任してもらおう」
首飾りの飾り部分を開くトラスト。中には青髪の青年、巽蒼龍(19)の写真。ただし、この時点ではまだその顔は見えていない。
トラスト「仲間か?」
朱雀「僕の許嫁だ」
トラスト「預かっておこう」
朱雀「……上等だ」
○同・同・地下牢
檻の中に多数の囚人。
白龍に連れられ、そこに入れられる朱雀。朱雀が入ると施錠される。
朱雀「相部屋とは初耳だね」
白龍「ご協力をお願いします」
朱雀「断ったら?」
白龍「ご協力をお願いします」
朱雀「……」
その場を立ち去る白龍。
囚人達が「女?」「一本腕?」などと興味深げに朱雀を見ている。囚人一人一人の顔を確認するように、周囲を見回す朱雀。
トラストの声「ヘイ、ミス白龍。お疲れ様」
○同・同・事務所
白龍に朱雀の首飾りを手渡すトラスト。
トラスト「すまないが、今度はこの男について調べてもらってもいいかな?」
白龍「承知しました。それにしても、今日はお見事でしたね」
トラスト「サンキュー。……ただ、あまりにもあっさりしすぎていた気がしてね」
白龍「あの女が、まだ何かを企んでいる、と?」
トラスト「気のせいだといいんだけどね」
○同・同・地下牢
壁際に腰を下ろす艮黒龍(55)。そこにやってくる朱雀。
朱雀「君が艮黒龍だな?」
T「艮 黒龍」
艮「……最近の若いもんは、敬語というものを知らないのか?」
朱雀「三瓶玄武という男に、武器と腕を売ったのは、君だな?」
艮「(朱雀の腕を見て)あぁ、お前さんも腕を売って欲しいのかい?」
朱雀「いいや。僕が聞きたいのは、君の扱っている商品の中に、僕の腕があったかどうか、という事だ」
艮「お前さんの腕?」
朱雀「僕の名は、服部朱雀。この名前に聞き覚えは?」
艮「……」
朱雀「誰に売った?」
艮「年寄りを急かすな。名前に聞き覚えがあるかどうかと、その腕を商品として取り扱ったかは、別じゃろう?」
朱雀「じゃあ、何故僕の名前を?」
艮「お前さん、服部鳳凰の娘じゃろう?」
朱雀「確かに、父上は有名な剣士だった」
艮「そうじゃろう?」
朱雀「そして、その娘の名が『朱雀』であると、坤(ひつじさる)赤龍から聞いた、という訳か」
艮「……」
朱雀「やはり、仲間なんだな」
艮「どこでその名を?」
朱雀「名前は、ついさっきだ」
○(フラッシュ)同・同・玄関
周囲を見回す朱雀。壁に貼られた多数の手配書。その中に坤のものを見つける。
朱雀の声「ここの玄関で、赤い目の男の手配書を見つけた」
○同・同・地下牢
腰を下ろす艮の前に立つ朱雀。
朱雀「それで、カマをかけただけだ」
艮「年寄りをいじめると、罰が当たるよ?」
朱雀「だからここにいるんじゃないのか?」
艮「で? お前さんの目的は何なんだい?」
朱雀「会わせろ。坤赤龍に」
艮「無理だね、色々と。まず、儂の口から『その男を知っている』とは言っていないし、知っていたとして紹介してやる理由もないし、何より……」
檻を指す艮。
艮「儂らは囚われの身じゃ」
朱雀「そうだな。だが、もしココから出られるとしたら?」
艮「何?」
朱雀「腕狩りは重罪だ。君の年齢だと、刑期を終えるまで体がもつかどうか、そうだろう?」
艮「体よく脱獄に協力させようって魂胆か?」
朱雀「いいや。君がどう答えようと、僕は間もなくココから出る。その時、君を連れていくかどうか、という話だ」
艮「間もなく、じゃと?」
朱雀「だから、答えて欲しい。ココから出してやるから、僕を坤赤龍の元に連れていけ。考える時間は……あと数秒だ」
艮「何?」
天井が崩壊する。崩壊した隙間から顔を出す三瓶玄武(25)。
三瓶「おう。待たせたな」
朱雀「いや、時間通りだよ。上等だ」
三瓶「(艮の姿を確認し)見つけたようだな」
朱雀「あぁ。(艮に)さぁ、どうする?」
三瓶が投げ入れたロープを掴む朱雀。
朱雀「玄武がロープを投げ入れるのはこの一回きりだ。僕に協力する? しない?」
艮「……」
○同・同・裏
地面に開いた穴からロープを引きずり出す三瓶(尚、薙刀を背負っている)。ロープにつかまっている朱雀、続いて艮が姿を見せる。そこに駆け寄る雲雀。
雲雀「姉上」
朱雀「待たせたな、雲雀。さぁ、玄武」
三瓶「おう」
巨大な岩を持ち上げる三瓶。穴から逃げ出そうと殺到する囚人たちを尻目に岩で穴を塞ぐ三瓶。
朱雀「上等だ」
艮「……まさか、こんな形で外に出る事になるとはの」
朱雀「? 何か言ったか?」
艮「年寄りの戯言じゃよ」
○同・同・地下牢
檻の中、巨大な岩で塞がれた穴に尚も群がる囚人達。その様子を、檻の外から見ている白龍。ふっと笑う。
白龍「(無線で)緊急事態発生です」
○同・広場
トラストら白虎隊の面々に囲まれる朱雀、三瓶、雲雀、艮。
トラスト「ヘイ、ミス朱雀にミスター艮。そこまでだ。それと……」
手に持ったタブレット端末に目を落とすトラスト。
トラスト「隣に居るのはミスター三瓶だな?」
三瓶「この俺を知っているのか。いいぞ。もっと恐がれ」
トラスト「君らがグルだったとはね」
朱雀「別に。(艮を指し)ココは一時的に協力関係を結んでいるだけだ」
三瓶「この俺は、惚れた弱みって奴だな」
トラスト「そうか。なら面白い事を教えてあげよう」
朱雀の首飾りを、三瓶へ放って寄越すトラスト。蒼龍の写真を見る三瓶。
トラスト「残念だが、ミス朱雀には許嫁がいるそうだよ?」
三瓶「そうか。それがどうかしたか?」
トラスト「?」
朱雀「勘違いしているようだが、玄武が惚れた相手は、僕じゃないぞ?」
トラスト「WHAT?」
トラストの視線の先、三瓶を恐れるような眼で見る雲雀。
三瓶「(笑って)いい目だ」
トラスト「……もういい。全員まとめて、捕まえるだけだ」
両手にかぎ爪を装着するトラストと、刀を構える白虎隊の面々。
トラスト「ヘイ、エブリワン。GO!」
駆け出す白虎隊の面々。
朱雀に刀を渡しつつ、自らも刀を構える三瓶。
三瓶「使え」
朱雀「上等だ。二人を頼むぞ」
駆け出す朱雀。次々と白虎隊の面々を斬りながら進み、トラストの前までやってくる朱雀。
トラスト「ここまであっさりとやられるとは、白虎隊が聞いてあきれるね」
朱雀「仕方ないさ。君だって認めていただろう? 僕の強さは、お墨付きだ!」
戦い始める朱雀とトラスト。互角。
トラスト「ヘイ、ミス朱雀。さっきは、ミスター艮に近づくために、わざと負けたとでも言うつもりか?」
朱雀「つもりも何も、それが事実だ」
トラスト「ならば……」
左手のかぎ爪の爪と爪の間に朱雀の刀を挟んで動きを封じ、右手のかぎ爪で攻撃するトラスト。
朱雀「同じ手は通用しないよ」
刀から手を離し、トラストに体当たりする朱雀。
トラスト「WHAT!?」
軽く吹っ飛ばされるトラスト。地面に落ちた刀を拾い、再びトラストに斬りかかる朱雀。
朱雀「どうした? やはり雲雀を盾にでもしないと、僕には勝てないか?」
トラスト「ガッデム」
× × ×
艮を狙う白虎隊の面々に応戦する三瓶。その陰に隠れる雲雀。
三瓶「こんの、ちょこまかと……」
艮「(薙刀に気付き)お前さん、こんな重いもん背負っとるから動きづらいんじゃろ? 二本腕じゃ使えん武器など、手放して……」
三瓶「うるせぇ。これは、この俺の意地だ」
艮「何と、まぁ……」
雲雀「でもたくさんいますよ? 大丈夫ですか?」
三瓶「何、この程度の数、恐れるに足らんわ」
次々と白虎隊の面々を斬っていく三瓶。
× × ×
戦う朱雀とトラスト。
トラスト「さすがの強さだね、ミス朱雀。罪人でなければ、ウチに欲しいくらいだ」
朱雀「それはどうも。だが、そもそも、何故僕が罪になる? 僕は三本腕から腕を奪っているにすぎないのだぞ?」
トラスト「確かに、はたから見れば君の行為は正義かもしれない。しかし、ミス朱雀。君は大事なことを忘れているよ」
朱雀「大事なこと?」
トラスト「一般ピーポーに、人を裁く資格などないのだ」
○(イメージ)
揉める人々。仲裁する人々。
トラストの声「人を裁いていいのは、人を裁く事を公的に一任された人間だけだ。例えば、白虎隊のようにね」
○町B・広場
戦う朱雀とトラスト。
トラスト「誰もかれもが人を裁けば、それはただの無法地帯になる。そうだろう?」
朱雀「確かにそうだが、一つ大きな問題がある」
トラスト「問題?」
朱雀「その法という名のルールが、ルールを作った人間にとって都合の良いルールになっていやしないかい?」
トラスト「そんな事は……」
朱雀「腕狩り事件は増えているのに、予算も人員も全く増やしてもらえない。そんな事はないかい?」
トラスト「……」
朱雀「少なくとも今この世界は、一本腕には住みづらい世界だよ。だから僕は戦う」
トラストから距離を取る朱雀。
朱雀「服部流奥義、上等朱段の一撃!」
駆け出すトラスト。
トラスト「何の。タイガー会心の一撃!」
ぶつかる両者の技。
朱雀「うおおおお!」
トラスト「Haaa!」
トラストのかぎ爪が砕ける。
トラスト「SHIT」
トラストの首元に刀を突き付ける朱雀。
朱雀「僕の勝ちだ。この場は、引いてもらえるね?」
トラスト「……」
○同・白虎隊本部・前
続々と戻ってくる白虎隊の面々。
○同・同・事務所
悔し気に机を叩くトラスト。
トラスト「SHIT! ヘイ、ミス朱雀。このままで済むと思うなよ!」
その様子を遠巻きに見ている白龍。
白龍「……まったく、面倒な真似を」
○同・広場
並んで立つ朱雀、三瓶、雲雀、艮。
朱雀「さぁ、約束だ。坤赤龍の元に案内してもらうぞ」
三瓶「坤?」
雲雀「赤龍?」
朱雀「あぁ。例の、赤い目の男の名前……」
隙をついて駆け出す艮。
朱雀「待て、逃がしは……」
朱雀の前に立ちはだかる謎の影。
朱雀「!?」
不意を突かれ、謎の影の攻撃に吹っ飛ばされる朱雀。
朱雀「仲間か?」
艮の前に立つ影の正体は巽青龍(22)。蒼龍とうり二つの青年。
艮「遅いぞ、巽殿」
T「巽 青龍」
青龍「知るか。そもそも、白虎隊なんぞに捕まるアンタが悪い。気合が足んねぇんだよ、気合が」
艮「まったく、誰か敬語を使える若者は居らんのか」
三瓶「(青龍を見て)あの男……」
青龍「ほら、とっとと行くぞ」
朱雀「待て」
立ち上がる朱雀。
朱雀「誰が勝手に行っていい、と言った?」
青龍「……ったく」
朱雀「坤赤龍の元に案内すると……」
刀を構える青龍。
青龍「気合紺青(きあいこんじょう)の一撃!」
地面に向け剣撃を放つ青龍。衝撃波が朱雀達に向かっていく。
朱雀「なっ!?」
吹っ飛ばされる朱雀、三瓶、雲雀。
朱雀「ぐあっ!?」
雲雀「きゃっ!?」
三瓶「くっ……」
青龍「どいつもこいつも。気合が足んねぇんだよ、気合が」
土煙が舞う間に姿を消す青龍と艮。
× × ×
その場に立ち尽くす朱雀、三瓶、雲雀。
朱雀「ちっ。せっかくの手がかりを……」
雲雀「残念です。私も一生懸命演技したんですけど」
朱雀「あれは上等な演技だったな」
雲雀「本当ですか?」
朱雀「あぁ。(三瓶に)なぁ?」
三瓶「(心ここにあらず)」
朱雀「おい、玄武?」
三瓶「ん? あぁ、すまん。というか、この俺が居なかった現場の話をされても困る」
雲雀「確かに、そうですね」
朱雀「まぁ、相手の名前がわかっただけでも上等な結果としよう」
朱雀を見やる三瓶。首飾りを取り出し、中の写真を見る。
三瓶「さっきの、あの男……」
ここで初めて蒼龍の写真の顔が映る。
三瓶「あれは、朱雀の許嫁……?」
(第二話 完)
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