今夜、月が沈む前に 恋愛

10歳年上のショーパブダンサーに恋をするボーイ。憧れの彼女が道ならぬ恋愛をしている事を知ったボーイは、彼女に決しの告白をする。しかし、彼女は取り合ってくれず……。
葵カズハ 6 0 0 08/16
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第一稿

〇ショーパブ「Moon」 外(夜)
   「Moon」のネオンサインが光る。

〇同 フロア 中(夜)
   満席の店内。大音量の音楽。
   中央のステージでは ...続きを読む
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〇ショーパブ「Moon」 外(夜)
   「Moon」のネオンサインが光る。

〇同 フロア 中(夜)
   満席の店内。大音量の音楽。
   中央のステージでは瑠奈(36)が 怪し
   いライトの中で踊っている。 客は誰も
   瑠奈を見ていない。
   客席の一番後ろで瑠奈を見ている。
   野島綾人(26)野島の悲し気な横顔。
   音楽が止まり、瑠奈が舞台袖に去る。
   野島、歩き出す。

〇同 舞台裏 中(夜)
   瑠奈がタオルで汗を拭いている。
   野島が水を持って入ってくる。瑠奈、
   野島を見るが、すぐに視線を外す。
   野島、瑠奈に近づき、水を渡す。
野島「お疲れ様です。今日も素敵でした」
   野島、満面の笑み。
野島「俺も今日終わりなのでよかったら……」
   瑠奈、歩きだす。野島、瑠奈を追う。
野島「瑠奈さん」
   瑠奈、野島を見るがすぐに視線を外す。
   野島、足を止める。
野島「オーナーの所ですか」
   瑠奈、足を止める。
   瑠奈、振り返る。
瑠奈「野島君、だっけ。いくつ?」
野島「26です」
   瑠奈、笑う。
野島「年齢なんて関係ないです。俺、瑠奈さ
 んに憧れてMoonに入ったんです。いつか
 俺の店で、瑠奈さんに踊ってほしくて」
瑠奈「その店ができる頃は40ね」
野島「そんなにかからないです。たぶん」
   瑠奈、歩き出し、ドアを開け出ていく。
野島「瑠奈さん!」

〇同 オーナー室 外(夜)
   ドアに「オーナー室」と書かれた札。

〇同 中(夜)
   社長机が置かれている室内。 椅子に腰
   かけている神田俊彦(42)
   瑠奈、机の隅に寄りかかっている。
   神田、ため息をついて瑠奈を見る。
   瑠奈、神田を見て悲しげな表情。
瑠奈「奥さんは、どう?」
神田「……」
   瑠奈、立ち上がる。
瑠奈「ここができて5年か」
神田「……すまない」
瑠奈「いいのよ、もう。年齢的にもね」
   瑠奈、振り返り神田を見て微笑む。

〇「Moon」裏口の道(夜)
   裏口のドアが開き、瑠奈が出てくる。
   野島、壁に寄りかかっている。 瑠奈、
   野島を見てため息をつく。 野島とは逆
   方向に歩き出す。
野島「待ってください」
   野島、小走りで瑠奈を追いかける。

〇道(夜)
   瑠奈、野島、並んで歩いている。
   瑠奈、鞄から取り出した煙草を吸う。
野島「オーナーの所、行ってたんですね。
 あ、つけてないですよ!窓から影が見えて」
   瑠奈、笑う。
野島「本当ですってば!」
   瑠奈、路肩で立ち止まり手を上げる。
   タクシーが止まり、ドアが開く。
瑠奈「乗りなさい。私は歩いて帰るから」
野島「じゃあ、送ります」
   瑠奈、目を伏せる。
野島「……迷惑、ですか」
瑠奈「……いいから」
   瑠奈、野島をタクシーの方に押す。
野島「辞めちゃう原因ってオーナーの奥さん
 ですか」
瑠奈「貴方ねぇ」
野島「野島です」
瑠奈「……」
野島「次で最後なんて、急すぎですよ。
 俺、ずっと瑠奈さんの事見てました。瑠奈
 さんの事、ずっと前から……」
   瑠奈、野島を押してタクシーに乗せる。
   瑠奈、運転手に向かって
瑠奈「出してください」
   ドアが閉まる。野島、ドアを叩き、
野島「瑠奈さん!」
   タクシー走り出す。それを見る瑠奈。

〇「Moon」 控室 前(夜)
   ドアに「ダンサー控え」の札

〇同 中(夜)
   複数のダンサーが準備をしている。
   ドアをノックする音。ドアが開き
   ボーイが顔を出す。
ボーイ「お願いしまーす」
   瑠奈以外のダンサーが出ていく。
   瑠奈、ボーイに向かって
瑠奈「今日は、野島って子いる?」
ボーイ「はい。いますけど」
瑠奈「ちょっと呼んできてくれる」
ボーイ「……わかりました」
   ボーイ出ていく。

〇同 フロア 中(夜)
   グラスを片づけている野島。
   ボーイが野島に近づいてくる。
ボーイ「お前なんかやったのか?」
野島「え?」
ボーイ「瑠奈さんが呼んでたぞ」
野島「……」

〇同 控室 中(夜)
   瑠奈、ドレスを着ている途中。
   ドアを叩く音。
瑠奈「入って」
   ドアが開き、野島が入ってくる。
   瑠奈の後ろ姿、ドレスのチャックが
   開きっぱなしで、背中が見えている。
野島「すすすみません!」
   野島、後ろを向く
瑠奈「上げてくれる?」
野島「へ?」
瑠奈「チャック」
野島「でも……」
瑠奈「マニキュア塗ったばっかりなの」
野島「……」
瑠奈「早く」
   瑠奈、手で髪をまとめる。
   野島、ゆっくり振り向き瑠奈に近づく。
   瑠奈の首から背中。野島がチャックに
   手をかけ、ゆっくり上げる。
   その様子を鏡ごしに見ている瑠奈。
   チャックを持つ野島の手。ゆっくり
   閉め終わる。野島、一歩下がる。
   瑠奈、振り返り野島を見上げる。
瑠奈「ありがと」
   野島、顔をそらす。
野島「いいえ」
   瑠奈、口紅を取って野島に渡す。
   野島、口紅を眺める。
野島「あの……」
瑠奈「言ったでしょ」
   瑠奈の爪。真っ赤なマニキュア。
野島「……分かりました」
   野島、口紅のキャップを外して瑠奈の
   顎を掴む。瑠奈の唇。野島、息をのむ。
   口紅が瑠奈の唇に触れる。鏡に映る二
   人の姿。瑠奈の足が野島の足に触れる。
野島「瑠奈さん」
瑠奈「早くして」
   野島、瑠奈の顎から手を放し、首の後
   に回す。瑠奈、野島の襟元を掴む。
   口紅がゆっくりと瑠奈の唇の上を移動。
   瑠奈の唇が赤くなる。
   瑠奈の目線、野島の唇を見ている。
   野島の目線、瑠奈の唇を見ている。
野島「……できま」
   瑠奈、野島の襟を引っ張りキスをする。
   鏡に移る二人。野島の手、瑠奈の
   腰に回る。瑠奈、野島を突き飛ばす。
野島「……瑠奈さん、俺!」
   瑠奈、野島に背を向ける。
野島「瑠奈さん!」
瑠奈「行って」
   瑠奈の手、入口を指さす
   野島、瑠奈に寄ろうとするがやめる。
   頭を垂れて、入口に向かい、振り返る
野島「瑠奈さんの事が好きです。瑠奈さんも
 そうならって、ずっと夢見てました」
瑠奈「……」
   野島、笑う。
野島「さよなら、またいつか」
野島、出ていく。瑠奈、泣き崩れる。

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