好きだって言わせてくれよ 学園

保健室から始まる恋。 それは、保健室のベッドでたまたま隣になった普段あまり喋らないあの子でも、 ちょっと憧れの保健室のセンセーでもない。それは、天井なのだ。 保健室の天井こそが、恋の始まりなのである。 【15~20分ほどのショートショートシナリオです。あまり身構えることなく、さくっと読めます】
クニマサアンナ(脚本家志望/日本脚本家連盟スクール在籍) 13 0 0 08/05
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第一稿

【登場人物表】

俺(17)不良少年
担任(31)俺のクラスの女先生
センセー(37)保健室の先生
天井(17)保健室の天井

【本文】

〇学校の廊下
 教室 ...続きを読む
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【登場人物表】

俺(17)不良少年
担任(31)俺のクラスの女先生
センセー(37)保健室の先生
天井(17)保健室の天井

【本文】

〇学校の廊下
 教室の窓ガラスが割れて、破片が飛び散る。
 と、俺(17)が割れた窓ガラスから飛び出る。
俺「やってられねぇんだよ! 死ね! クソ担任っ!」
 俺、廊下を走る。
 と、担任(31)が俺を追うように出てきて、
担任「待ちなさいっ! まだ授業中ですっ!」

〇保健室
 俺、ガラッとドアを開けて入ってくる。
俺「センセー、献血希望~」
 と、センセー(37)が、ガラスの破片で血が出ている俺の腕を見て、
センセー「うわっ! お前…ガラス修理でまた校長が泣くぞ」
俺「学校が流れるくらい泣けばいい」
センセー「じゃあ保健室も流れて、お前が隠したエロ本も出てくるな」
俺「え! 何で俺がエロ本隠してるの…」
センセー「男同士だからな…さ、止血するから手出して」
俺「…」
     ×  ×  ×
 センセー、俺の傷の手当てをしている。
俺「…エロ本の隠し場所変えるからな!」
センセー「ここはお前の部屋じゃないんだぞ」
 と、保健室に近づく誰かの足音が聞こえる。
俺「!?」
 俺、急いでベッドに潜り込む。
 と、担任が入ってくる。
担任「先生! あの子、ここにいますよね!?」
センセー「…ガラス片が腕に刺さって、血が多量に出てました…今は少し休んでます」
担任「嘘です! また授業サボって…ねぇっ! 聞こえてるんでしょっ!」
俺「うるせぇーんだよっ! 死ねっ! クソばばあっ!」
担任「死ね死ねと、汚い言葉使うんじゃありませんっ!」
 担任、ベッドへ行こうとして、センセーに止められる。
センセー「まあまあ、先生…興奮させると、治療になりませんから…ここは私に任せてくださ い」
担任「…」
 と、担任、渋々出ていく。
俺「…」

〇保健室(別日)
 ベッドで寝転ぶ俺と、センセーがいる。
センセー「ちょっと出ていくけど…大丈夫だよな?」
俺「エロ本読んでるから、その方が都合いい」
センセー「へいへい」
 と、センセーが出ていく。
 俺、眠気で瞼を下す。
俺「(寝ている)…」
     ×  ×  ×
 俺、寝ているが、どこからか声が聞こえて目を覚ます。
声「ちょっと! 寝たふりしてんじゃないわよ!」
俺「…あ? 何だ…?」
声「だから、あんたの左耳のピアス、どこで買ったのって聞いてんじゃん」
俺「…え? 誰かいんの?…おいっ! 姿見せろよ!」
 俺、声の主をキョロキョロと探す。
声「ここだって!」
 と、俺、声がする方を見るとーそれは、ベッド上の天井である。
俺「いやいやいや…天井は喋んねぇから!」
 と、俺、ベッドから起き上がり、部屋中を歩き回る。
声「同じようなやつ、前にあたしも持ってたんだけど…担任に没収されてさ…マジ最悪」
 天井は、ずっと喋り続けている。
俺「おいおい…いよいよ頭が狂っちまったか…」
声「あんたが担任から逃げる気持ち…あたし、分かる!」
俺「…」

〇保健室(別日)
 俺、ベッドに寝転がり、天井と話している。
天井「…でさ、髪を金ぱにしてガッコ行ったら、即停学」
俺「あはは!…そりゃそうだろ! 俺でもまだ赤髪止まりだよ」
天井「でも、せっかく金ぱにしたからさ、金髪記念写真を撮ったの!」
俺「…なんだそれ」
天井「だよね~…あたしも、ずっと保健室のベッドで寝てた…天井のシミは、238個ある」
俺「245個だよ」
天井「嘘…あたしは天井なんだから、分かる」
俺「(笑う)」
天井「(笑う)」
俺「…お前、可愛いんだろうな…顔が分からなくて残念」
天井「…口説いてんの? 悪いけど、あんたタイプじゃない」
俺「うるせぇ(と笑う)」
天井「(笑う)」

〇教室(別日)
 俺、担任に椅子を投げる。
俺「なっんで、俺が停学なんだよっ!!!」
 椅子、担任には当たらずに、黒板にぶつかる。
担任「鏡を見なさいっ! 何ですか、その金髪はっ!」
俺「俺の魂だよっ!」
 と、担任、俺をビンタする。
 俺、担任に掴みかかる。
俺「女だからって容赦しねぇからなっ!!!」
担任「…っ!!!」
 と、大勢の先生が入って来て、俺を羽交い絞めにする。
 担任、その隙に俺から離れる。
俺「逃げんなよっ! クソ担任っ!」

〇保健室
 俺とセンセーがいる。
センセー「…お前は、不良少年としては優等生なんだけどな」
俺「オール5くれる?」
センセー「少しは反省という言葉を知れ。そうそう…お前のエロ本、俺はまた見つけたぞ」
俺「はぁ!? エロ本ハンターかよ」
センセー「(笑う)…あと、お前にそっくりな古い写真も見つけた」
俺「あ?」
 と、センセーが古い写真を差し出す。
センセー「たぶん、お前のように隠してたんだろ。金髪不良少女が写ってる…だけど、問題は…」
俺「(写真を見て)…っ!?」
センセー「…」
 写真には、制服を着た、若い頃の担任が写っている。
俺「…これ、クソ担任じゃん」
センセー「…」

〇俺の家・外観(数日後)
 二階建ての一軒家。
 T「数日後」

〇同・俺の部屋
 俺、ベッドでうずくまっている。
俺N「…天井は、担任だった。担任で、金髪不良少女で…俺が、好きになった子…そんなことって、あるのか…?」
 と、俺の母親が、部屋をのぞく。
母親「…ちょっと! 表に担任の先生が来てるよ」
俺「!?」
母親「会わなくていいの…?」
俺「…」

〇同・表
 担任、じっと立っている。
担任「…」
 と、俺が玄関から出てくる。
担任「…!?」
俺「…」
担任「…」
俺「…」
担任「…体調は、どう?」
俺「…ただ、自主停学してるだけなんで」
担任「勉強に遅れないように、プリント持ってきたの」
俺「…なんでセンセーになってんの?」
担任「…え?」
俺「左耳にいかついピアスつけて、授業サボって、保健室の天井のシミを238個も数えてる金髪不良少女がっ!…なんで、センセーになってんの?」
担任「…」
俺「俺…あんたのことを…、クソ担任のことを…好きに…」
担任「もう、先生じゃないから」
俺「…」
担任「ほんとはね、プリントを渡しに来たんじゃなくて…お別れを言いに来たの」
俺「…え?」
担任「先生、結婚するから学校を辞めるの」
俺「え…だ、誰と…?」
担任「…保健室の先生」
俺「は…?」
担任「先生、保健室の先生と長い付き合いだから…そう、金髪不良少女の時からね」
俺「そんなことって…」
担任「…」
俺「…」
担任「…さようなら」
俺「…」
 と、担任、去っていく。
俺N「…そんなことって…あるのか?」
 俺の両の拳が、行き場のない思いを握りしめる。

(終わり)

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