エイチアイ 学園

初夏。日々を楽しむ山崎慎吾(14)と青木健人(14)。無意識のうち微かな性に目覚め始める多感な年頃。知らず知らず少年時代の幕を閉じようとしている。
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第一稿

「エイチアイ」

人 物

山崎慎吾(14)中学2年生
青木健人(14)中学2年生
石川美鈴(14)中学2年生
遠藤佳織(27)教師


○海岸 ...続きを読む
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「エイチアイ」

人 物

山崎慎吾(14)中学2年生
青木健人(14)中学2年生
石川美鈴(14)中学2年生
遠藤佳織(27)教師


○海岸

海面がキラめく。砂浜にまばらな人影。

○海面

仰向けに浮かぶ山崎慎吾(14)と青木健人(14)。

慎吾が頭を水の中に入れる。

ゴポッゴポッと水中の音。

頭を出す。セミの声。

○道路

海岸沿いの県道。道沿いに歩道。

二人乗りの自転車が走って来る。

運転する半袖シャツの慎吾。後ろに健人が座っている。

曇り空を仰ぐ健人、雨粒が一つ落ちる。

直後、激しく降り注ぐ大粒の雨。

健人「(大声で)やばい。降ってきた」

慎吾「(大声で)痛ってぇ、雨粒が痛い」

豪雨の中、走り続けるズブ濡れの2人。

健人「何だよ、この豪雨、あっちの空は晴れてんのに。絶対俺達を狙って降ってるって」

慎吾「日頃の行いだってさ。健ちゃん」

健人「あぁ慎吾を狙って降ってるってことね」

慎吾、ふざけて蛇行運転を始める。

健人「危ないって」

慎吾「何か、一周回って超気持ち良くない?」

二人の横をトラックが通り過ぎる。

水溜まりの水を大量に浴びる二人。

一瞬の間が開き、大声で笑う慎吾。

つられて健人も大声で笑い出す。

○葉山南中学・正門(朝)

『葉山南中学校』のプレート。

半袖シャツ姿の学生達が登校してくる。

○同・2年A組教室・中

黒板に答えを書いている男子生徒。

窓際、一番前の席に座る健人。

健人の目の前に立ち、黒板を見ている白いブラウス姿の遠藤佳織(27)。

健人、無意識に佳織を見つめる。佳織のブラウス越しの胸元。艶のある唇。

廊下側の席に座っている慎吾、健人の視線に気付いて微笑んでいる。

健人の斜め後ろの席、半袖シャツにベスト姿の石川美鈴(14)が座っている。呆けた健人を呆れた表情で見ている。

○同・屋上

慎吾と健人、水着姿ではしゃぐ女子生徒達で賑わうプールを見下ろしている。

慎吾「健ちゃんは、誰推し?」

食い入るように見つめる健人。

健人「うーん、迷うなぁ」

慎吾「俺はね、沙也加ちゃん。あの美乳はね、もう奇跡の産物ですよ」

健人「(嬉しそうに)あっ、そこ行くの?行っちゃうんだ?じゃあ俺はねぇ……」

笑顔で悩み続ける健人。

慎吾、何かに気付き、鉄柵に近付く。

校舎裏側の校庭隅を見つめる。

慎吾「あれ、佳織先生じゃない?」

健人「えっ?佳織先生も水着になってんの?」

慎吾「(笑って)違うって。あそこに佳織先生がいてね、何しに行ったのかなぁって」

慎吾、校庭隅を指差す。

健人、慎吾の指指す先を見つめる。

○同・校庭隅

古びた焼却炉。塗装の剥がれたベンチ。

佳織がポーチを手にやって来る。

ポーチから煙草を取り出し火を点ける。

白く細い煙草を咥える佳織の唇。

煙草のフィルター部分に付いた口紅。

○同・グラウンド

校舎から聴こえてくるチャイムの音。

○同・2年A組教室・中

休憩時間。賑やかな教室内。

健人と美鈴が楽しげに会話している。

○同・教室前・廊下

歩いて来る慎吾、扉の前で立ち止まる。

健人と美鈴の楽しげな姿を見つめる。

○同・屋上

慎吾、一人ぼんやりしている。

佳織が校庭隅に歩いて行くのに気付く。

慎吾、佳織の様子を見続ける。

○空(夕)

○土手(夕)

川沿いの土手に真っ直ぐ延びる遊歩道。

美鈴が一人で歩いている。

慎吾と健人が乗る二人乗りの自転車。

美鈴の横をゆっくりと追い越す。

後ろに座る健人、美鈴と目が合う。

○葉山南中学・下駄箱前(朝)

慎吾と健人が靴を履き替えている。

慎吾「そうだ。言うの忘れてた。佳織先生があそこで何やってるか分かったよ」

健人「マジで?何、何なの?」

美鈴がやって来て二人の会話に加わる。

美鈴「君達、いつも一緒だよね」

慎吾、美鈴を無視して健人に向かって、

慎吾「一緒に行けば分かる」

美鈴「……」

健人「行く。絶対行く!」

美鈴「何なに?どこ行くの?」

美鈴、健人を見る。

健人「(笑って)男同士の秘密」

慎吾「(嬉しそうに)そういうこと」

美鈴「何それ。つまんないの」

慎吾と健人、歩き去る。

人差し指で銃口を作る美鈴。

歩いていく健人に照準を合わせる。

片目を閉じ、親指を曲げて撃つ仕草。

美鈴「パンっ!」

健人が振り返って美鈴を見る。

美鈴、右腕をグルグル回して慌てて誤魔化す。

○夜空

雲の切れ間に星が瞬いている。

○駐車場(夜)

丘の上。町の灯りが見える。

入口が閉まり、一台の車も無い。

慎吾と健人が仰向けに寝転がっている。

慎吾「アスファルトがまだ暖かいね」

健人「うん、気持ちいい」

慎吾「今日も楽しかったなぁ」

健人「だね」

慎吾「これからもずっと歳取らないで、毎日こんなんだったら最高なんだけとなぁ」

健人「マジで?俺は早く大人になりたいかな」

慎吾「そうなんだ」

慎吾と健人、目を閉じる。

アスファルトの下、配水管に水が流れ込んでゴーっと音がする。

健人「夜の音がするね」

慎吾「だね」

沈黙。慎吾の心臓が鼓動する音。

慎吾「そういえばさぁ、石川いるじゃん?石川美鈴。あいつさぁ、B組の松井のこと好きらしいぜ」

健人が目を開き、チラっと慎吾を見る。

目を閉じた慎吾。高なる心臓の鼓動音。

○葉山南中学・2年A組教室・中

授業中。教壇に立つ佳織。

佳織に見とれる健人。

美鈴、健人を見ている。

二人を交互に見ている慎吾。

○同・校庭隅

佳織がポーチ手にやって来る。煙草を取り出す。火を点け、ゆっくり味わう。

慎吾と健人、隠れて様子を見ている。

佳織のスマホにメッセージ着信。

『会議が始まるよ』の文字。

佳織、溜息をつく。ベンチ足元にある缶の灰皿を手に取って煙草の火を消す。

灰皿をベンチの足元に戻して歩き去る。

慎吾と健人、ベンチ傍にやって来る。慎吾、吸い殻を大事そうに手に取る。

フィルター部分に付いた口紅。

健人に手渡す。じっと見つめる健人。

慎吾「ってことです」

健人「佳織先生、これを吸ってたんだよな」

煙草をゆっくりと口元に近付ける。

凝視する慎吾。生唾を飲み込む。

焼却炉でゴミがパンッとはじける音。

健人ハッとする。

○(フラッシュ)土手(夕)

川沿いの土手に真っ直ぐ延びる遊歩道。

慎吾と健人が乗る2人乗り自転車。

美鈴の横をゆっくりと追い越す。

健人と美鈴、目が合う。

ペロッと下を出して笑う美鈴。

下駄箱前。不思議な動きの美鈴。

教室。笑顔で話し掛けてくる美鈴。

人差し指で銃口を作る美鈴。

○(元の)校庭隅

口元の煙草を見つめる健人。

煙草を口元から離す。

健人「俺、気が付いちゃった。行かなきゃ」

健人、煙草を慎吾に手渡して走り出す。

慎吾「えっ?行くって、どこへ?」

走って行く健人。慎吾、大声で叫ぶ。

慎吾「一緒に楽しまないのかよ!勿体ないじゃん!何なんだよ!おい、健ちゃん!」

健人、走り去り見えなくなる。

慎吾「(小声で)ったく、何だよ」

口紅付の煙草をまじまじと見つめる。

慎吾「2人で楽しむんじゃないのかよ」

煙草のフィルター部分を口に含む。

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