遅すぎた恋、早すぎた春 学園

夏が終わり、高校生活もあと少し。そんなある日男子校から急に共学になる。女子との会話すらままならない諸星連。好きな子ができたのはいいが、なかなか話しかけられない。好きな子の友達は親友の事好きって言うし、親友とは好きな子が被ってる。 友情? それとも恋? どっち?? しかも好きな子は春から東京行くって言うし、どうすればいいの??
ヤブハラリョウ 17 0 0 05/08
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第一稿

登場人物
諸星連(もろぼしれん)(18) 法明高校三年生
朝井野々花(あさいののか)(18) 麗華女子高校三年生
沢口明宏(さわぐちあきひろ)(18) 法明高校三年生
倉田 ...続きを読む
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登場人物
諸星連(もろぼしれん)(18) 法明高校三年生
朝井野々花(あさいののか)(18) 麗華女子高校三年生
沢口明宏(さわぐちあきひろ)(18) 法明高校三年生
倉田美月(くらたみつき)(18) 麗華女子三年生

諸星勝之(もろぼしかつゆき)(46) 連の父親
諸星(もろぼし)梓(あずさ)(43) 連の母親
諸星(もろぼし)桜(さくら)(20) 連の姉
朝井(あさい)京子(きょうこ)(46) 野々花の母親
宮竹(みやたけ)真子(まこ)(32) 連の担任

三上(みかみ)麻衣(まい)(19) 野々花の大学の友達
男子生徒
女子生徒
校長
教員たち


➀ 法明高校・外観
  中高一貫校の男子校法明高校。
  男子校らしく全体的に汚い。

② 同・三年二組
  早弁をしてる生徒がいたり、着替えてる生徒がいたりする。
  諸星連(もろぼしれん)(18)が沢口(さわぐち)明宏(あきひろ)(18)に言い寄っている。クラスメートも見ている。
連「明宏。おまえいいかげんにしろよ」
  にやついてる明宏。
連「なんだよ。その顔」
  クラスメートが連を取り囲む。
連「邪魔すんな。俺は明宏に用があんだよ」
  クラスメートの「やめろ。やめろ」の声。
連「いい加減にしろ」
  クラスメートを吹き飛ばす連。パンツ一丁になってる。教室が笑いに包まれる。
  担任の宮竹(みやたけ)真子(まこ)(32)が入ってくる。
宮竹「ホームルーム始めるよ」
  連の姿に気づく宮竹。
宮竹「服着なさい。何回言えばわかるの?」
連「宮竹ちゃんのエッチ」
   ×   ×   ×
  チャイムの音。帰り支度をする生徒等。
明宏「夏休みなにすんの?」
連「家の手伝い」
明宏「そっか。来年から家手伝うんだよな?」
連「だから今年はいっぱい遊びたいのに」
明宏「俺も今年は受験勉強だしな」
連「合間見て遊ぼうぜ」
明宏「おう」

③ スター食堂(連の家の一階)・外観

④ 同・中
諸星勝之(もろぼしかつゆき)(46)が経営する定食屋。妻の諸星(もろぼし)梓(あずさ)(43)と二人でやっている。
  忙しそうに店の手伝いをしてる連。
連「ただいま持っていきます」
勝之「連」
連「何?」
勝之「これ買ってこい」
  連にメモを渡す。野菜が記載されてる。
連「行ってきます」

⑤ スーパー
  メモを見ながらかごに入れる連。
連「あとはトマトと玉ねぎ」
  トマトに手を伸ばす連。
  麗華女子高校の制服を着てる浅井野々(あさいのの)花(か)(18)の手に触れる。
連「すいません」
野々花「ごめんなさい」
連「(野々花に見とれて)……」
野々花「どうしました?」
  我に返る連。
連「あっあっこここちららこそ」
  うまくしゃべれない連。
野々花「(笑顔で)どうぞ」
  とトマトを渡す。
  連に手が触れないように指先でトマトの上の方を持って掴む連。
野々花「??」
  早歩きでその場を去る連。

⑥ スター食堂・中
  戻ってくる連。
勝之「遅かったな。ちゃんと買ってきたか?」
連「……」
袋を勝之に渡して足早に去る連。
勝之「どうしたんだあいつ」
梓「さあ」

⑦ 諸星家・連の部屋
  ベッドに飛びつく連。
連「めっちゃ可愛かったー」
   ×   ×   ×※フラッシュ
  スーパー。
  野々花の笑顔な姿。
   ×   ×   ×
連「名前ぐらい聞けばよかったー(叫ぶ)」
  部屋の外に姉の諸星(もろぼし)桜(さくら)(20)がいる。
桜「うるさい」
連「(おどろき)姉ちゃん?」
桜「店の手伝いは?」
連「忘れてた」
桜「お父さん下で待ってるよ」
  いきおいよく扉が開き桜にぶつかる。
桜「イタ」
連「(無視)」
桜「謝りなさいよ」

⑧ 法明高校・会議室
  教員が一堂に座っている。机には「学校改革」の資料が置いてある
校長「新年度よりこの体制に移行します。それに先立ち、新学期より三年生のクラスで新体制を導入します」
  ざわつく教員一同。

⑨ 諸星家・連の部屋
  携帯の画面が9月1日、8時30分。
  ベッドで寝てる連。

⑩ 法明高校・三年二組
  教室の扉が勢いよく開く。扉側を見て教室の片隅に集まる一同。

⑪ 諸星家・連の部屋
  梓が入ってきて、連の布団を奪い取る。
連「(寝言)トマトよく買うんですか?」
梓「起きろ!(たたきおこす)」
連「何すんだよ。気持ちよく寝てんのに」
梓「何時だと思ってるの」
  連、時計を見る。
梓「新学期初日から遅刻?」
連「もっと早く起こしてよ」
  急いで準備をする連。

⑫ 法明高校・三年二組
  教室の隅で怯えてる一同。

⑬ 諸星家・リビング
  朝食を食べてる桜。
  ぼさぼさの髪の連。制服に着替えてる。
勝之「朝ごはんちょっと待ってろ」
連「食ってる時間ない」
桜「あんた髪の毛どうにかしなよ」
連「(鏡を見る)大丈夫だろ」
桜「女の子にもてないよ」
連「学校にいねえからいんだよ」
  家を出る連。

⑭ 通学路
  走る連。

⑮ 法明高校・三年二組
  連に電話する明宏。が繋がらない
明宏「連出てくれ。学校で大変なことが……」

⑯ 諸星家・連の部屋
  連の携帯が鳴っている。

⑰ 法明高校。校門
  校門を走って入る連。

⑱ 同・三年二組
  教室の前で固まってる男子。
  連に気づく明宏。
明宏「連!」
連「なんで外居るの?」
  教室に入る連。
明宏「今はダメ」
連「え?」
開けると女子たちが着替えてる。
女子「きゃあーー」
  鞄が飛んでくる。倒れる連。
明宏「だから言ったのに」
連「なななんで。おお女が……」
明宏「携帯見た?」
連「携帯??」
  と意識が飛ぶ。

⑲ 諸星家・連の部屋
  連の携帯画面に「速報 麗華女子と共学!!」

⑳ 同・体育館
  全校生徒が集まっている。
  女子生徒も交ざっている。
校長「つきましては新学期より三年生のクラスは共学となります。女子生徒には来年度の制服を着用してもらいます。……」
  校長の説明が続く。
  女子生徒の方ばかりみる男子生徒たち。
連「だからさっき着替えてたの?」
明宏「うん」
連「止めてよ」
明宏「止めたよ。でもおまえが」
男子生徒「パンツ見た?」
連「見てねえよ」
男子生徒「嘘だ」
連「俺だって見たかったよ」
男子生徒「どの子の見たい?」
連「そうだな」
  女子を物色する連。
  野々花と倉田(くらた)美(み)月(つき)(18)が話してる。
美月「野々花」
野々花「何?」
美月「男子がこっち見てんだけど」
野々花「気のせいだよ」
  手を振る美月。歓喜する連たち。
美月「男ってバカだねえ」
  連に気づく野々花。
野々花「あの人見たことある」
美月「変態くそ野郎のこと?」
野々花「そういう事言わないの」
連「(野々花に気づく)あっ」
明宏「どうした?」
連「いや、ちょっと」
美月「あの人かっこよくない?」
  視線の先に明宏。
野々花「そう?」
美月「あたし決めた。あの人と付き合う」
野々花「え?」
美月「イケメンは正義!」
野々花「……」

㉑ 同・廊下
  女子生徒が歩いているのを横目に見ながら歩く連と明宏。
連「共学サイコー」
明宏「おまえはしゃぎすぎ」
連「これが落ち着いていられるかよ。女子にもてまくったらどうしよう」
  美月と野々花が二人を見つける。
美月「そこのイケメン」
  振り返る連。
連「俺?」
美月が近寄ってくる。にやついてる連を無視して明宏の方に行く。
美月「あたしたちこの学校のことよくわないから案内してほしいの」
連「……」
明宏「いいけど」
美月「じゃあ早速お願い」
明宏「連行くぞ」
連「おう」
美月「変態くそ野郎はこなくて大丈夫」
連「変態くそ野郎?」
美月「まずは一階からね」
  強引に連れていく美月。
野々花「あの子強引なんだ」
連「(緊張して)……」
野々花「???」
美月「ノノ行くよ」
野々花「うん」
明宏「れーん。お前も来いよ」
野々花「呼んでるよ」
野々花を無視して明宏の方に向かう連。
野々花「……」
  ×  ×   ×
  美月と野々花と仲良く話しながら校内を案内する明宏。連も後ろをついてきている。連の視線の先には常に野々花。野々花の鞄にはペンギンのキーホルダーが付いている。連の様子を見てる美月。
  ×  ×   ×
  案内が終わり教室に戻る4人。
美月「ありがとう。あたし倉田美月」
明宏「倉田さんね」
美月「美月って呼んで」
明宏「あっうん……」
美月「こっちが」
野々花「浅井です」
美月「ノノって呼んであげて」
野々花「別に何て呼んでもいいよ」
明宏「俺は」
美月「明宏君」
明宏「覚えてくれてるんだ」
美月「もちろん」
明宏「こいつが」
美月「変態くそ野郎」
野々花「ちょっと美月」
美月「だって、名前わかんないし、共学初日から着替え覗いてきたし」
明宏「あれは誤解だよ。なあ」
連「あああううん」
明宏「連?」
美月「これからよろしくね」
  美月と野々花が教室から出ていく。

㉒ 諸星家・リビング
  桜がリビングにいる。
  連が帰って来る。
連「ただいま」
桜「連聞いたよ。共学になったんだって」
連「うん」
桜「連のクラスにも女の子いるの?」
連「当たり前だろ」
桜「女の子と話せた?」
連「別に興味ないし」
桜「話せなかったんだ」
連「はっ。ちげえし」
桜「そうだよね。お姉ちゃん以外の女の子と話したことないもんね」
連「だからちがうって言ってんだろ」
桜「緊張して女子と話せないとか可愛いね」
連「うるせえ。ブス」
桜「怖い怖い。女子そういう人嫌い」
連「何女ぶってんだよ」
桜「女の子と話す方法知りたかったらいつでも聞いてきな」
連「だから」
  連の肩をポンポンと叩く桜。
桜「頑張れ。わが弟よ」
  桜の手を振り払う連。
  クスクス笑う桜。

㉓ 法明高校・三年二組
  男子学生と話してる野々花。それを遠目に見ている連。
  連の席にくる美月。
美月「変態くそ野郎」
連「ははははい」
美月「ツラかしな」

㉔ 同・屋上
  対峙する連と美月。
連「なんでしょうか」
美月「変態はさ」
連「変態とは僕のことですか」
美月「あたしの下着見たでしょ」
連「それは誤解です」
美月「変態って明宏と仲いいよね」
連「まあ小学校から一緒なんで」
美月「あたし、明宏と付き合いたいんだ」
連「え?」
美月「協力して」
連「協力?」
美月「そう」
連「なんで僕が」
美月「変態はノノのこと好きでしょ」
連「(戸惑い)は。ち、ちげえし」
美月「昨日ずっとノノの事見てたでしょ」
連「……」
美月「わかりやす」
連「違うから」
美月「ノノと付き合いたいでしょ?」
連「べつにそういうのじゃない」
美月「手伝ってあげてもいいよ」
連「え。マジ??」
美月「やっぱ付き合いたいんじゃん」
連「……」
美月「あたしに協力してくれたら、変態に協力してあげる」
連「別に好きじゃねえし」
美月「嘘つかなくていいから。好きなら好きでいいじゃん」
  去っていく連。
美月「振られるのが怖いんだ」
連「……」
美月「そうやって何もしなかったらノノにあっという間に彼氏できるよ。そしたら手遅れだから」

㉕ 同・廊下
  廊下を歩く連。
  野々花が男子たちと笑いながら歩く。
  別の男子から「あの子可愛い」や「告白しようかな」の声。
連「……」

㉖ 同・屋上
  屋上から明宏を眺めてる美月。
  連が戻ってくる。
美月「変態か…」
連「さっきの話だけど」
美月「忘れて忘れて。変態に相談したあたしがバカだった」
連「おまえに協力したら、僕の事も協力してくれるんだよね?」
美月「えっ」
連「おまえに協力するよ」
美月「急にどうした?」
連「……いや別に」
美月「他の男たちがノノの話しててあせったんだろ」
連「……ちがうし」
美月「変態ってホントわかりやすいな」
連「だからちがう」
美月「しょうがない。このあたしがあんたの力になってあげよう」
連「なんかむかつくな」
美月「あんたはあたしの恋を全力でサポートしてね。あんたに協力してあげるかは成果次第」
連「えっ。さっきと話し違う……」
美月「そもそもあたしみたいな美人があんたと話してあげてるだけでも感謝してほしいくらい」
連「……」
美月「あたしのために頑張れよ」
連「……」
美月「返事は」
連「……はい」

㉗ 浅井家・野々花の部屋
  勉強してる野々花。東京の大学の赤本が置いてある。浅井(あさい)京子(きょうこ)(46)が様子を見に来る。
京子「夜食持ってきたよ」
  机におにぎりを置く京子。
野々花「ありがとう」
京子「お父さんから連絡があって新しいお家の申し込みしたって」
野々花「そうなんだ」
京子「楽しい大学生活が待ってるよ」
野々花「あたしまだみんなに言ってないんだ」
京子「そうなの?」
野々花「……うん」
京子「早めに言った方がいいわよ」
野々花「わかってる」
京子「じゃあ勉強の邪魔しちゃ悪いから」
  部屋を出る京子。
  美月と写ってる写真を見る野々花。
野々花「……」


㉘ 法明高校・三年二組
  美月と連だけが教室にいる。
美月「(かわいく笑顔)あたしケーキバイキングに行きたいの」
連「……」
美月「もしよかったら一緒に行かない??」
連「……」
美月「ダメ??」
連「……」
美月「(態度が変わり)全然ダメ。変態全然ダメ」
連「え?」
美月「あたししかしゃべってない。なんで無視するの?」
連「別に無視してるわけじゃ」
美月「もう一回やるよ」
  また笑顔になり、
美月「ケーキバイキング行きたいの」
連「……」
  何か言えと目線の美月。
連「はい」
美月「もしよかったら一緒に行かない??」
連「えっと」
美月「(連の手を取って)ダメ??」
連「(手を振り払い)何すんだよ」
美月「は?」
連「いきなり手触んなよ」
美月「何?ドキッとした?」
連「ちげえし」
美月「手触れるだけでドキッとするとか可愛いな変態は」
連「だからちげえって」
美月「変態はまずそこからだよね。全然ノノとしゃべれないもんな」
連「しゃべれるから」
美月「いつも、ははい。ああああ。じゃん」
連「そんな風になってねえし」
美月「じゃあやってみて」
連「えっ?」
美月「野々花を思い浮かべて」
連「あたしケーキバイキング行きたいの」
美月「口調まで真似しなくていいから」
連「もももしよかったらいしょに」
美月「(笑う)ほらなってんじゃん」
連「……」
美月「ホントくそだね。そんなんじゃ絶対ノノ振り向かない。あんたに恋とか100年早い。ノートだして」
  「美月先生直伝恋愛ノート」と書かれたノートをとりだす連。美月から教わった恋愛マニュアルが書いてある。
美月「まずは相手の目を見て、ゆっくりと相手に聞きやすい声で話す」
  ノートに書く連。
美月「はい。声に出して」
連「まずは相手の目を見て、ゆっくりと相手に聞きやすい声で話す」
美月「声が小さい。もう一回」
連「まずは相手の目を見て、ゆっくりと相手に聞きやすい声で話す」
美月「先生の目を見ながら」
連「まずは相手の目を見て、ゆっくりと相手に聞きやすい声で話す」
  明宏入ってくる。
明宏「連。何やってるの?」
美月「明宏君♪」
明宏「先帰ったんじゃないの?」
連「ちょっとね」
明宏「ふーん」
  美月を見る明宏。
美月「連君に数学でわからないところあるから教えてほしいって言われて。ね」
  連をものすごい形相で見る美月。
連「……そうなんだよ」
  明宏の目を見てゆっくり話す美月。
美月「明宏君は何してたの?」
明宏「映画のタダ券今日までなの忘れててだれか一緒に行く人いないかなって思って」
美月「あたし一緒に行く」
明宏「勉強は?」
美月「もう終わったもんね」
  先ほどと同じ形相で連を見る美月。
連「……うん」
明宏「なら連と(行く)」
  断れという目の美月。
連「……俺まだ勉強していく」
明宏「終わるまで待つけど」
連「……いいよ別に」
美月「勉強の邪魔しちゃ悪いよ。行こ」
明宏「それもそっか」
美月「帰ろ帰ろ」
  強引に連れてかれる明宏。
明宏「また明日な」
連「うん」
  連のもとに戻る美月。
美月「変態にしてはよくやった」
連「それ褒めてる?」
美月「褒美としてこれをあげよう」
  水族館のチケットを渡す。
連「なにこれ?」
美月「ホントは明宏君とデートするために使おうと思ってたんだけど必要ないから変態にあげる」
連「もらっても行かないんだけど」
美月「バカだね。ノノ誘って行くんだよ」
連「えええ」
明宏「美月ちゃん?」
美月「今行く♪ お前も頑張れよ」
  教室に一人取り残される連。

㉙ 通学路
  水族館のチケットを握りしめる連。
連「誘えたら苦労しねえよ」
  ノートがないことに気づく連。
連「あ。やべえ」

㉚ 法明高校・三年二組
  教室で探し物をしてる野々花。
  連の机の上に恋愛ノートが開いたまま置いてある。
  教室に入る連。野々花に気づく。
連「……」
野々花「こんな時間にどうしたの?」
連「ちょちょちょっとね」
  野々花にバレないように恋愛ノートを回収する連。開いてあるページに「まずは相手の目を見て、ゆっくりと相手に聞きやすい声で話す」と書いてある。
  連、野々花の方を向いて、
連「……ノノこそ何してるの?」
野々花「鞄につけてたキーホルダー無くしちゃって」
  ノノの鞄を見るとペンギンのキーホルダーが無くなっている。
連「ペンギンの?」
野々花「そう。ここじゃないのかな」
  あたりを探し出す連。
連「俺も探すよ」
野々花「大丈夫だよ。もう少し探したら帰るから」
  机などを動かして探す連。
  その一生懸命な姿を見ている野々花。
野々花「……」
  キーホルダーが見つかる。
連「あった」
  手を伸ばす連。野々花も手を伸ばしていて二人の手が触れる。
野々花「あ」
連「ごめん」
野々花「前もこんなことあったね」
連「……」
野々花「覚えてないか」
連「えっいや……」
野々花「帰るね。一緒に探してくれてありがとう」
  帰ろうとする野々花。
  握りしめた水族館のチケットを見る連。
連「……」
野々花「また明日」
連「あの」
野々花「何?」
連「水族館行かない?」
野々花「えっ?」
連「ちがうんだよ。たまたま。そうたまたま水族館のチケットもらって、でも行く人いないから誰か行かないかなって」
野々花「行く」
連「えっ」
野々花「あたし水族館好きなの。特にペンギンが」
連「だから」
  ペンギンのキーホルダーを見る。
野々花「あたしが一緒に行っていいの?」
連「迷惑じゃないかな?」
野々花「なんで? 行こ」
  野々花に見えないように拳を握りしめて喜ぶ連。

㉛ 水族館
  次々と水槽に興味を示す野々花。
野々花「あたしお魚も好きなんだ。だからこういうところ一日中いれる」
連「そうなんだ」
野々花「あっちはサメだって」
  美月に手を掴まれる。
連「え?」
  連にお構いなく進んでいく野々花。
  ペンギンの場所に着く二人。
野々花「可愛い」
  ペンギンを観察する野々花。
  野々花に手を掴まれてドキドキしてる連。
連「……」
  手を掴んでることに気づき慌てて離す野々花。
野々花「ごめん。つい夢中になって」
連「ペンギンホント好きなんだね」
野々花「鳴き声が可愛い」
  ペンギンの鳴き声。
連「これが?」
野々花「可愛いでしょ。小さい頃は毎週会いに来てたの」
連「そんなに好きなんだ」
野々花「だからもう少しで会えなくなると思うと寂しいんだ」
連「会えなくなる?」
野々花「あっ」
連「どうして会えなくなるの?」
野々花「……私のお父さんが今、東京に単身赴任で行ってるの。だから高校卒業したらあたしも東京に行くんだ」
連「知らなかった」
野々花「誰にも言ってないから」
連「美月にも?」
野々花「うん」
連「さみしいね」
野々花「せっかく共学になって出会えたのに残念」
連「……」
野々花「(寂しそうに)ホントはもっとここにいたい」
連「……」
  ×  ×  ×
  水族館の出口にいる二人。
野々花「今日は誘ってくれてありがとう」
連「……うん」
野々花「また学校でね」
  と立ち去る。
連「……あ」
  と野々花の背中を見つめる。
連「……また」
野々花「(振り向き)うん?」
連「また水族館一緒に行こう」
野々花「えっ」
連「って言ったら来てくれる?」
野々花「(微笑みながら)もちろん」

㉜ 浅井家・野々花の部屋
  美月と電話をしてる野々花。
美月「手繋いできたの!」
野々花「ちがうよ。あたしが気づいたら手繋いじゃってたの」
美月「じゃあノノから手繋いだってこと」
野々花「それもちがう」
美月「なんかドキドキしちゃう」
野々花「からかわないでよ」
美月「ノノはドキドキした」
野々花「……してない」
美月「何? 今の間。ドキドキしたんだ」
野々花「してない!」
美月「一生懸命探してくれたんだもんね」
野々花「あれはうれしかった」
美月「ふーん」
野々花「ちょっとやめてよ」
  京子が部屋のドアをノックする。
野々花「お母さん来た。切るね」
美月「逃げるの?」
野々花「ちがうよ。バイバイ」
  電話を切る野々花。
  夜食を持って部屋に入る京子。
京子「電話中だった?」
野々花「大丈夫」
京子「男の子?」
野々花「そんなわけないじゃん」
京子「勉強の邪魔になるし、東京行ったら会えなくなるんだからね」
野々花「わかってるよ。男子じゃないから」
京子「ならいいけど」
  部屋を出る京子。
  水族館の半券を見る野々花。
野々花「……」

㉝ 通学路
  連と歩く美月
美月「昨日上手くいったみたいじゃない」
連「なんで知ってるの?」
美月「ノノから電話で聞いた」
連「そうなんだ」
美月「このままガンガン押せば行ける」
連「そんなうまくいくか?」
美月「あたしにまかせてれば大丈夫」
  二人の前方で歩いている野々花と明宏。
連「あれ?」
美月「なんで?」
  楽し王に話す明宏と野々花。
連「なんか楽しそうだね」
美月「まさか明宏君の事好きなんじゃ」
連「どうしてそう思うの?」
美月「女のカンよ」

㉞ 法明高校・女子トイレ
  野々花と美月がいる。
美月「ノノって明宏君の事好きなの?」
野々花「なんで?」
美月「さっき仲良さそうだったから」
野々花「そう?」
美月「好きじゃないのね」
野々花「当たり前でしょ。美月が好きな男子のこと好きになったりしないよ」
美月「よかったー」

㉟ 同。男子トイレ
  手を洗っている連と明宏。
  美月から「ノノ明宏君の事好きじゃないって。よかったー」とメールが来る。
  安心する連。
明宏「なんかいいことあった?」
連「えっ」
明宏「携帯見てニヤニヤしてるから」
連「いや別に」
明宏「あっそう」
連「今日、ノノと歩いてるの見たよ」
明宏「声かけてくれれば良かったのに」
連「楽しそうだったから声かけれなかった」
明宏「そっか」
連「でもノノの事好きなわけじゃないもんな」
明宏「好きだよ」

㊱ 同・屋上
美月の声「えーーーーーー」
  美月と連がいる。
連「声でけえよ」
美月「明宏君がそう言ってたの?」
連「うん」
  崩れ落ちる美月。
連「そんな落ち込まなくても」
美月「変態も他人事じゃないからね」
連「はい?」
美月「どうするの。明宏君とノノが付き合ったら」
連「(崩れ落ちる)そのパターンあるのか」
美月「変態ってほんとバカだね」
連「どうするどうするどうすればいい?」
美月「知らないわよ」
連「協力していくんじゃないの?」
美月「あんたの恋なんてどうでもいいんだよ。あたしの明宏君がああ」
  明宏が来る。
明宏「二人仲良いな」
美月「仲良くないよ」
  出ていく美月。
明宏「喧嘩した?」
連「いや……」
明宏「そっか。さっきのことなんだけど」
連「さっきのこと?」
明宏「俺がノノの事好きって話」
連「……」
明宏「内緒にしてくれる? 連にしか話してないんだ」
連「……わかった」
明宏「誰にも話してないよな?」
連「……もちろん」
明宏「お互い頑張ろうぜ」
連「お互い?」
明宏「連は美月の事が好きなんだろ」
連「ちがうちがうちがう」
明宏「仲良いだろ」
連「美月とは友達というか同士?」
明宏「何それ」
連「……」
明宏「まあそういうことだから頼むな」
  去っていく明宏。

㊲ 同・三年二組
  チャイムが鳴る。
授業終わりの連と明宏。
連「帰ろう」
明宏「今日はダメなんだ」
  足早に去る明宏。
連「……」

㊳ 通学路
  明宏と野々花が一緒に帰ってる。
  後ろから連が尾行してる。後ろから美月。
美月「なんであの二人が一緒に帰ってるの?」
  美月に驚く連。
連「いたの?」
美月「ノノの行動おかしいからつけてたの。変態こそなんでいるの?」
連「……同じようなもんかな」
美月「怪しい動きがないか見てないと」
  角を曲がる明宏と野々花。
  距離を取りながら尾行する連と美月。

㊴ ショッピングモール
  楽しそうな明宏と野々花。
美月「今絶対明宏君に色目使ってた」
連「別に今のは普通だろ。それよりさ」
美月「何」
  美月が奇抜な変装をしている。
連「そこまでする必要ある?」
美月「バレたら大変でしょ。あんたもこれ付けて」
  パーティグッズでよく見る鼻眼鏡。
連「これ付けるの?」
美月「早く早く」
  周りの人に不審な目で見られる連と美月。

㊵ 駅
  明宏と野々花が解散する。
  変装を解く連と美月。
美月「とりあえず何もなくてよかった」
連「ノノは明宏の事好きなのかな?」
美月「好きだったら困るのよ。明日も尾行するからね」
連「明日も??」
美月「二人の潔白が証明されるまでは続けるから」
連「容疑者かよ」

㊶ 法明高校・体育館(日替わり)
  体育の授業終わり。
  ボールを倉庫に片付けている野々花。
  美月が連に近づく。
美月「何してるの?」
連「何って?」
美月「ノノが片付けてるんだからあんたも手伝う。当たり前でしょ」
  倉庫に行く連。
連「手伝うよ」
美月「ありがとう」
  倉庫の扉を閉める美月。
  近づいてくる明宏。
明宏「連見なかった?」
美月「連君なら先に教室戻ってたよ」
  いなくなる明宏と美月。
  先生が倉庫のカギを閉める。
  片付けが終わり倉庫から出ようとする連と野々花。
野々花「開かない」
連「嘘」
  扉を開けようとするがびくともしない。
連「どうしよう」
野々花「誰かが来るの待つしかないね」
  マットに座る野々花。
野々花「連君も座ろうよ」
連「……」
  野々花と並んで座る連。

㊷ 同・三年二組
  休み時間の教室。
  連を探す明宏。
明宏「連知らない?」
男子生徒「知らない」
明宏「あいつどこ行ったんだ?」

㊸ 同・体育館・倉庫
  寒さで震える野々花。
野々花「……」
連「大丈夫?」
野々花「……うん」
  来ていたジャージを野々花に渡す連。
野々花「大丈夫だよ」
連「良いから着なよ」
野々花「ありがとう」
連「大変なことになったね」
野々花「でもこれも思い出だと思えば」
連「前向きだね」
野々花「みんなと離れ離れになる前に少しでも思い出創りたいから」
連「これ思い出になる?」
野々花「なるよ」
連「ホント?」
野々花「うん」

㊹ 同・教員室
  明宏が教員室から出てくる。
  美月が待っている。
美月「何だって?」
明宏「やっぱり倉庫のカギ閉めたって」
美月「もしかして」
体育館に向かう明宏。
美月「あたしもいく」
  と走り出す

㊺ 同・体育館・倉庫
野々花「もう少し早く出会いたかった……」
連「えっ」
野々花「もっと早く仲良くなりたかったなあ。連君と明宏君と」
連「そういうこと……」
野々花「もっと早く出会ってもっと仲良くなれてたら……」
連「うん?」
野々花「……なんでもない」
連「俺も東京の大学目指そうかな」
野々花「連君成績悪いよね」
連「今から死ぬ気でやれば間に合うかもしれないだろ」
野々花「(笑う)東京いくまで仲良くしてね」
連「東京行ってからだって会えるでしょ」
野々花「離れちゃったらすぐお互いの事忘れちゃうよ」
連「俺は忘れない」
野々花「ありがとう」
連「……」
野々花「……」
連「俺さ、ノノの事」
野々花「……」
連「ずっと」
野々花「……」
連「す」
  倉庫の扉が開く。
  明宏と美月が現れる。
明宏「二人とも大丈夫か」
連「明宏」
美月「ノノー」
明宏「心配させんなよ」
連「ごめん」
  ノノが着ているジャージを見る明宏。
明宏「……」
美月「よかったー」

㊻ 諸星家・連の部屋
  勉強をしている連。
  桜が入ってくる。
桜「あんた何やってるの?」
連「受験勉強」
桜「頭おかしくなったの?」
連「勉強の邪魔だから出てって」
  勉強に励む連。

㊼ 同・リビング
  勝之と梓がいる。
  冷蔵庫に飲み物を取りに来る連。
梓「連ちょっと待て」
勝之「おまえ受験勉強してるらしいな」
連「そうだよ」
勝之「店はどうすんだよ」
連「大学卒業したら継ぐよ」
勝之「そんな適当な気持ちで店継ごうとしてたのか」
連「うるせえな」
勝之「親に向かってうるさいとはなんだ」
梓「二人ともよしなさい。連は本当に大学に行きたいの?」
連「うん」
梓「今度の模試の結果で判断しましょう」
勝之「母さん」
梓「いいじゃない。せっかく連が勉強しようと思ったんだから」
  部屋に戻る連。
勝之「まだ話終わってない」

㊽ 浅井家・野々花の部屋
  勉強してる野々花。
野々花「(手を止める)……」

㊾ 法明高校・体育館・倉庫(回想)
  閉じ込められてる連と野々花。
連「俺さ、ノノの事」
野々花「……」
連「ずっと」
野々花「……」
連「す」

㊿ 浅井家・野々花の部屋
  回想戻り
野々花「何言おうとしたんだろ……」

51 塾
  模試を受ける連。

52 公園(昼)
  明宏と美月がいる。
美月「好きです。付き合ってください」

53 同(夜)
  単語帳を呼んでる連。
連「あー。これいつも間違える」
  泣いている美月を見つける連。
美月「……」
連「美月?」
  走ってくる美月。
連「うん?」
連の胸に顔をうずめる美月。
連「……おい」
美月「振られた
連「え?」
美月「好きな人がいるからって振られたー」
連「それって」
美月「私これからどうすればいいんだろ」
  はげしく泣く美月。
連「……」
美月「あたしは一生一人なんだ」
  美月を抱擁する連。
連「そんな事言うなよ」
美月「一人なのーー」
連「俺がいる」
美月「え?」
連「あ」
美月「告白されたー」
連「そういう意味じゃねえよ。ばーか」
美月「変態のくせに優しい」
連「とりあえず離れろ」
美月「……もう少しこうさせて」
連「え?」
美月「お願い」
連「……わかった」
美月「変態の事好きになりそう」
連「それだけはやめてくれ」
美月「私が一番そう思ってるから大丈夫」
連「なんなんだよおまえ」
  美月の頭をなでる連。
  それを遠くから見てる野々花。

54 塾(日替わり)
  模試の結果が返ってくる連。
  どれもE判定。
連「……」

55 法明高校・廊下
  連とすれ違う野々花。どこかそっけない。
連「……」
  明宏が来る。
明宏「俺今日言おうと思ってる」
連「何を?」
明宏「ノノに告白する」
連「えっ?」

56 同・校舎脇
  明宏が野々花に告白している様子を見てる連と美月。
  笑っている野々花と明宏
美月「成功??成功しちゃった?」
連「……」
美月「変態邪魔してこい」
連「……邪魔しちゃ悪いよ」
  立ち去る連。
美月「おい……」

57 同・廊下
  連が歩いていると前から楽しそうに話す野々花と明宏の姿。
連「……」

58 同・屋上
  外を眺めてる連。
  そこに野々花がやってくる。
連「ノノ」
  連の隣に来る野々花。
連「……」
野々花「……」
連・野々花「あの」
連「何?」
野々花「先言っていいよ」
連「俺のはたいしたことないから」
野々花「この前見ちゃった。連君が美月といる所」
連「えっ?」
野々花「公園に二人でいたでしょ」
連「あれは」
野々花「美月と付き合ってるの?」
連「ないないない」
野々花「すごい距離近かったよね?」
連「あれは」
野々花「多分、美月は連君の事好きだよ」
連「それはない」
野々花「ずっと美月と友達だからわかる」
連「あいつはあきひ……」
野々花「美月の事嫌い?」
連「そうじゃないけど」
野々花「二人がが付き合うならあたし許せる」
連「いや、ないから」
野々花「連君が美月とだったら……」
連「うん?」
野々花「……なんでもない」
連「……」
野々花「……」
連「明宏の事よろしくね」
野々花「え」
連「さっき見てたよ」
野々花「あれは」
連「明宏の事よろしくね」
  チャイムが鳴る。
連「ヤバ。授業始まっちゃう」
  教室に戻る連。
野々花「あ……」
連「早くしないと先生に怒られるよ」
野々花「うん……」
  屋上から出る二人。

59 法明高校・三年二組
  月日が流れ卒業式。
  それぞれが別れの言葉を言っている。
美月「(泣いて)東京行っても友達だよ」
野々花「うん」
美月「会いに行くからね」
  東京に向かう野々花。

60 同・校門
  座ってる連に話しかける美月。
美月「変態は本当にこのままでいいの?」
連「何が」
美月「ノノとのこと」
連「ああ」
美月「結局受験してないし」
連「どうでもよくなったから」
美月「気持ちだけでも伝えれば」
連「もういいよ」
美月「(校門を見て)ノノ」
  校門を見る連。野々花の姿はない。
連「……」
美月「ほら好きなんじゃん」
連「……ちげえし」
美月「振られるのも悪くないよ」
連「え?」
美月「あたしは振られたけど告白してよかったと思ってる」
連「振られたのに?」
美月「言わなかったら後悔してた」
連「俺は別に後悔しない」
美月「もっと早く出会ってもっと仲良くなれてたら……」
連「え」
美月「付き合えてたかもしれないなあって思う」
   ×   ×   ×※フラッシュ
  体育館の廊下に閉じ込められてる連と野々花。
   ×   ×   ×
連「まさか……」
美月「どうした変態」
  立ち上がる連。
連「何時の電車で東京行くって言ってた?」
美月「13時」
  時計を見ると12時30分。
連「早く言えよ」
  走り出す連。
美月「変態が聞いてこないからじゃん」

61 駅・改札
  駅に着く連。明宏の姿がある。
明宏「連」
連「どこ行くの?」
明宏「ノノの見送り」
連「そっか」
明宏「おまえこそどこ行くの?」
連「ノノと付き合ってるの?」
明宏「……」
連「そっか……」
明宏「(首を振り)振られた」
連「え?」
明宏「だから最後に最後にもう一回告白(しようと思って)」
連「……」
  ホームに向かう明宏。
連「待って」
明宏「うん?」
連「俺がする」
明宏「え?」
連「告白」
明宏「連?」
連「ずっとずっと好きだった。もう遅いかもしれないけど、気持ち伝えたいんだ」
明宏「……」

62 法明高校・校舎脇(回想)
  野々花に告白してる明宏
野々花「(笑う)ありがとう。嬉しいよ」
  去っていく連と美月。
明宏「OKってこと?」
野々花「あたしずっと気になる人がいるんだ。もし付き合うならその人って思ってるから……。ごめんなさい」

63 駅・改札
回想戻り。
明宏「……」
連「頼む」
明宏「そういうことか」
連「えっ」
明宏「行ってこい」
  連の背中を押す明宏。
連「ありがとう。行ってくる」
  ホームに走る連。
明宏「(さみしげな表情)……」

64 同・ホーム
  電車を待つ野々花。
  ホームに着く連。
連「ノノ」
野々花「連君」
   ×   ×   ×
  反対側の電車が通る。
  ベンチに座ってる二人。
野々花「……」
連「……」
野々花「……きてくれてありがとう」
連「東京行っても頑張って」
野々花「うん」
連「……」
野々花「……」
  電車が到着するアナウンス。
野々花「電車来ちゃうね」
連「俺さ、ノノにずっと言えなかったことがあるんだ」
野々花「何?」
連「俺」
野々花「……」
連「俺、ノノの事がずっと好きだった」
野々花「え」
連「初めて見た時からずっと好きだった」
野々花「嬉しい」
連「だから俺と」
  電車がホームに着く。
  立ち上がる野々花。
野々花「もっと早く出会えてたらよかったのに。出会うのが遅かったよ」
連「……」
  鞄についてるペンギンのキーホルダーを連に渡す。
野々花「これあげる」
連「えっ」
野々花「今までの感謝の気持ち」
  電車に乗り込む野々花。ドアが閉まる。
  ドア越しに見る二人。
野々花「バイバイ。あたしの初恋の人」
連「何?なんて言ったの?」
  電車が発車する。
  キーホルダーを握りしめる連。
  電車の中で泣いている野々花。

65 立政大学・キャンバス内
  テロップ「一年後」
  野々花が同級生の三上麻衣(19)と一緒にペンギンサークルのビラを配る。
三上「全然新入生来ないね」
野々花「ペンギン好きな人いないのかな?」
  後ろから声をかける連。
連「ペンギンですか?」
三上「そうです。ペンギン好きですか?」
連「はい。好きです」
  連に気づく野々花。
野々花「え」
連「見つけた」
三上「やっとペンギン好きな人に会えた」
野々花「何で」
連「これは早く出会えたかな?」
三上「早すぎるくらいだよね」
野々花「うん」
見つめあう野々花と連。
連の鞄にはペンギンのキーホルダーがついている。

終わり

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