脱ぐから脱いでよ 恋愛

セックスレスに悩む原田美希(27)、クリスマスという絶好の機会で脱出できるのか?
橘ゆづは 43 0 0 01/31
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第一稿

人 物

原田美希(27)塾講師
大崎博昭(25)美希の同棲相手・専業主夫
岡本梨絵(27)美希の幼なじみ
岡本隆良(たから)(2)梨絵の息子

〇岡本家・リビング ...続きを読む
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人 物

原田美希(27)塾講師
大崎博昭(25)美希の同棲相手・専業主夫
岡本梨絵(27)美希の幼なじみ
岡本隆良(たから)(2)梨絵の息子

〇岡本家・リビング
   テーブルにクッキーが盛られた皿があり、原田美希(27)と岡本隆(たか)良(ら)(2)を抱いた岡本梨絵(27)が紅茶をすすっている。
梨絵「何も美希が遠慮することないじゃない。生活費だって全部稼いでんでしょ?」
美希「それはそうだけど……。それとこれは別っていうか」
梨絵「言いたいこと言わないと、結婚しても
すぐ破綻するよ?てかまだ結婚もしてないか。え、結婚してないのに?終わってない?」
美希「言わないで。それは私が一番思ってることだから」
梨絵「ごめんごめん。あの坊主何考えてんだかね。殴り込み行こうか」
美希「梨絵はほんとに殴りそうだからやめて」
梨絵「なに、私ほどの清純派もなかなかいないわ」
美希「清純派?どこにいる?清純派の人どこかなー?」
   美希、とぼけてキョロキョロする。
隆良「ここー!」
   隆良、元気よく手を挙げる。
   隆良の手が梨絵の顎に当たる。
美希「隆良くん清純派で行くらしいよ」
梨絵「間違いなく私の子ね」
隆良「ここー!」
   隆良、また手を挙げる。
美希「でもさ、私と博昭の性別が逆だったら、むしろ責められるのは拒まれる側じゃない?例えば博昭が外で働いてて私が家でご飯作って待ってるとするでしょ?で、夜」
   梨絵、持っていたカップを素早く置く。
梨絵「待って。逆転の発想は今いらないの。だいたいあんたたちは頭良すぎんのよ。ごちゃごちゃ考えるまでもなく、博昭は男で美希は女。男として生きたい男と女として生きたい女ってことを意識しないからこうなるんじゃない?」
美希「言われてみればそうかもしれない」
梨絵「とにかく、まずは話題にしないと」
   クッキーをつまむ梨絵。
   隆良、梨絵から降りておもちゃを取りに行く。
美希「ちょっと練習させて」

〇岡本家・寝室
   オレンジ色のムーデーィーな照明が点いている。
   服を着たままダブルベッドに横たわっている梨絵と、腕を立てて覆いかぶさっている美希。
   ベッドの横で隆良、ミニカーを走らせている。
梨絵「ずいぶん強引ね」
美希「ここまでされたらさすがの博昭も」
梨絵「いや、もっとかわいく誘わないと。むしろ興ざめするわ」
美希「だよね……」
   美希、梨絵の横にどさっと仰向けに横たわる。
美希「私なんでこんなこともできないんだろ」
   梨絵、美希に体を向ける。
梨絵「不思議よねー。勉強ならあんなにできるのに」
美希「嫌味?」
梨絵「ぜんぜん!むしろうらやましいくらい」
美希「私の?どこが?」
梨絵「んー。必死で勉強してきた人って、自分と向き合うことができる人だと思うの。だからコツさえ分かれば、他人と向き合うことだってできるわ。ていうか何だってできるわ」
   梨絵、遊んでいる隆良を見て、
梨絵「ねー、隆良!」
   隆良、梨絵を見てニッと笑う。
   美希、驚きつつも難しい顔。

〇美希の家・キッチン(夜)
   大崎博昭(25)、料理をしている。
   ガチャ、と鍵の開く音がして、美希、帰ってくる。
美希「ただいま。あ、シチュー!」
大崎「そ、寒くなってきたから」
美希、鍋を覗き込む。
美希「おいしそー!」
大崎「味見する?」
   大崎、スプーンを取ってシチューを掬う。
   その姿を嬉しそうに見ている美希。

〇岡本家・リビング
   テーブルにクッキーが盛られた皿があり、美希と梨絵が紅茶をすすっている。
梨絵「なんて平和なのかしら」
美希「そうなの!でもダメだった……」
梨絵「どうして?ラブラブじゃない?むしろそれ以上の愛の形を私は知らないわ」
美希「梨絵、それは盛りすぎ」
梨絵「で、どう切り出したのさ?」
   美希、カップを置いて咳払いをする。
美希「私ね、どんな人にも必ず、その人に向いている職業っていうのが、用意されてると思うの」
梨絵「なんか急に壮大だけど、うん」
美希「それは外で働くってことに限らず、働いている誰かを支えるのだって天職だと思うし。だから博昭、あなたに働いてくれ!だなんて思わないの」
梨絵「ストップ。前振りが長すぎ。それじゃ何が言いたいか意味不明だよ」
美希「大丈夫。ここからが本題だから」
梨絵「おお。それで?」
美希「何が言いたいかっていうと、働いてなんて言うつもりない。でも、子孫くらいは残したいと思わない?」
   梨絵、絶句する。
梨絵「デタ、それ何が言いたいかっていうと、
   っていう枕詞の後すらストレートに言わないやつ」
美希「うっそ」
   美希、本気で驚いた顔。
   梨絵、ため息をつく。
梨絵「いい?確かにあなたの男は東大卒で、ヒモとは言えトップクラスの賢さかもしれないけど、紛れもなく男なの」
美希「はい」
梨絵「男っていうのは、言われたことをそのまま受け止めるの。その裏にあることをなんとなく察して~?みたいなことはないの、基本」
美希「まさか。博昭に限ってはそんなこと」
梨絵「あー!それよくある身内バカよ」
美希「何身内バカって」
梨絵「うちの子に限っていじめにあうはずがないとか、うちの夫に限って娘を虐待するはずがないとか」
   美希、しんみり頷く。
美希「言われてみれば」
梨絵「そうなる可能性はいくらでもあるのに見えなくなっちゃうの。とにかく、美希が今伝えたいことは『抱いて』のたった3文字でしょ?それを長々としゃべっちゃだめ」
美希「ええ、もう少しオブラートに包もうよ」
   と不満そう。
梨絵「いや、こうなったらクリスマスっていう絶好のチャンスがあるから、作戦を考えるのよ」
美希「そっかクリスマス……。どうすればいいかな?」
梨絵「それは、私の言うとおりにしたってしょうがないでしょ」
美希「だって梨絵、知ってるでしょ?私は何も決められないの。今まで勉強ばっかしてたのだって、他に何をするべきか分からなかっただけなんだから」
   梨絵、少し考えて、
梨絵「そうねえ。じゃあ、ベタだけど……」
   美希、うんうんと頷く。

〇生鮮業務スーパー
   かごを持った大崎、食品を物色しながら歩いている。
   『今日まで!』と書いたポップに目を止めると、クリスマス仕様のケーキやタルト。
   立ち止まって少し考えるが、買わずに通り過ぎる。

〇美希の家・部屋(夜)
   ピンクのもこもこのパジャマを着て、サンタ帽をかぶった美希、赤いリボンを体に巻き付けている。
   Justin Bieber Duet with Mariah Careyの『All I Want For Christmas Is You』が流れている。
   美希、リボンが絡まって変な体勢になっている。
   曲が終わり静かになる。
   絡まったリボンから体を抜いて、サイドテーブルのスピーカーを押しリピート再生する。
絡まったリボンと格闘する。
   大崎、髪を拭きながら入ってくる。
   美希を見て目を丸くする、
大崎「え……どうしたの?」
   美希、あちゃーという顔でリボンを持ったまま、
美希「これはその、あの……クリスマス、プレゼント?」
   大崎、固まっている。
美希「うまく巻けなくて」
大崎「夢みたいだ」
美希「え?」
大崎「最高だよ。これを待ってた」
   大崎、美希に抱きつく。
   曲がサビに達する。
   美希、嬉しそうな笑顔。
<終>

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