AppaRition GraveMarker 第6話 ドラマ

AppaRition GraveMarker 妖怪の墓標。 第1章完結。ついに、善の体内に潜んでいる妖No.1が判明。 父、福弥津と先祖も時を超えて、善は10年前、誤ちを何故起こしたのか・・・? そして、新たなる敵の予感。真逆の・・・
非露亞貴(令和2年8月5日開業届。脚本執筆、シナリオ代行) 20 0 0 01/13
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第一稿

【登場人物】

良心寺善 《りょうしんじぜん》(19) 妖怪ハンター。体内に最強の妖怪を宿している

Rain  相棒の傘お化け

良心寺福弥津 《ふくみつ》(44) ...続きを読む
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【登場人物】

良心寺善 《りょうしんじぜん》(19) 妖怪ハンター。体内に最強の妖怪を宿している

Rain  相棒の傘お化け

良心寺福弥津 《ふくみつ》(44) 住職、父親

赤子  福弥津の相棒。ごぎゃ泣き(子泣き)じじい。善とRainは見えない

あやこ (27) キャバ嬢=藻女《みくずめ》あやこ 九尾、女狐。バツイチ。

化け狸=阪西大学演劇部員3  第1話で出て来た部員。狸が化けた姿。善とRainに戦いを挑む

神=良心寺牛頭《ごず》 古代に存在する。良心寺家の先祖にあたる

良心寺親鸞  《しんらん》 良心寺家の先祖

良心寺美海《みみ》  (享年32) 善の母親

良心寺幸蔵《こうぞう》(享年63) 善の祖父

良心寺穂枝《ほのえ》(享年60) 善の祖母

良心寺曽福《そうふく》(享年33) 福弥津の弟で善の叔父
   
良心寺岐依《きい》(享年36) 曽福の妻。善の叔母

良心寺千木郎《ちぎろう》(享年13) 曽福の子。善の従兄弟

神八代舞理《かみやしろまいり》(享年39) 美海の姉。善の叔母

神八代岐丸《きがん》(享年42) 舞理の夫。善の叔父

*以上8人は善の体にいる妖となっている。

野槌  野の精霊だが、腹を空かせると人を喰うとされる

ヤマタノオロチ 第1形態、赤漆黒、第2形態、炎、第3形態は闇。
        No.1の妖。溶岩流を吐く

閻魔大王・倶生神・イスカリオテのユダ 三巴の神呪で現れる神霊

ペンタチコロオヤシ 松明を持った鴉の妖

謎の男 草履にパーカー付きトレーナーにサングラスにマスク姿。
    正体不明。善を師と仰ぐ。2番目に強い

サブタイトル「善を取り戻せ!遂に判明最強の妖怪は流れる?」

 ○善の夢の中での闇の中
 
 此処でも無数の魂が飛ぶ。家族との再会。

良心寺福弥津   「オヤ」
良心寺幸蔵    「ったくもうちょっとなのにの」
良心寺穂枝    「態々、福弥津馬鹿じゃないのかい」
良心寺福弥津   「ジ、お袋・・・」

 目が潤む。

良心寺牛頭    「子孫よ」
良心寺曽福    「久しぶり兄さん。そっちは年をとりましたね」
良心寺千木郎   「おう!じじいお前とこの、クソカギがよーー」

 眉間に皺を寄せ、ポケットに手を突っ込む。

良心寺岐依    「千木郎、言葉は悪いよ。でも、あんたの言う通り」
良心寺福弥津   「うっ、すまん」
神八代舞理    「ホント、美海、あんたがちゃんと見てなかったからだよ」
神八代岐丸    「美海さんを責めても仕方がないだろ。そこの、福弥津さんも
          俺も、なんか失敗してこのザマだ。あーあ死に損ないだ」
良心寺福弥津   「み、美海、ひ久しぶりだな」
良心寺美海    「会いたかった。あ・な・た。こっちへ来て。ほらっ早くぅ」
良心寺福弥津   「ああ、ああっ」
良心寺牛頭    「子孫よ!!惑わされるではない!」

 美海に向かって腕を広げる福弥津を止める。

良心寺福弥津   「そうだ、牛頭様の仰る通りです。仏の道を歩む者が、煩悩に負けては」

 両手で顔を叩く。

良心寺福弥津   「シャーー!お前達家族はもう妖。善を救いますぞ。牛頭様!」
良心寺牛頭    「だからそれをやるんだ。子孫よ馬鹿は辱めだ」
良心寺美海    「作戦しっぱぁーーい。どうする皆んな」
良心寺幸蔵    「決まっておるじゃろ。堕とすんじゃ。此奴らを地獄にな」
良心寺曽福    「邪魔だよ」

 一部の魂が変化。現れるのは、野槌。無数にまだ居る。

タイトルバック『AppaRition GraveMarker 第一章完結』

良心寺千木郎   「槌の子か」
良心寺幸蔵    「野槌だ」
良心寺千木郎  「何?のづっ?ち?整いましたの?善の中で見てたぞ」
良心寺岐依    「言うと思ったよ」
良心寺曽福    「いや、繰り返すこのポリリズムの」

 岐依から拳骨をくらう2人。

良心寺牛頭    「野槌、野の精霊とも言われているが、腹を空かせていると、
          時に、人を喰うとされる妖だ」
良心寺福弥津  「流石です。牛頭様。ただ、煩悩に捉われては」

 掌を見ている。カンニングしている。筆筆。

良心寺幸蔵    「神、先祖と戦うのに光栄ですの」
良心寺穂枝    「もう直ぐ始まるよ」
神八代岐丸    「お義父さんとこの良心寺家とウチは、神の師弟同士だったそうだ」
神八代舞理    「言ってたね。結婚の挨拶の時。なんで、ウチが下なんだろって」
良心寺千木郎   「婆ちゃん、Coming soonって言って欲しいんだろ」
良心寺穂枝    「座布団何枚だい」
良心寺美海    「使徒ってわけだ!さあ、おっ始めよ。神と旦那、地獄へ逝っきまーーす」
良心寺牛頭    「来るぞ!子孫!!」
良心寺福弥津   「はい牛頭様」

 数珠と経本を構える。


 ○採石場

藻女あやこ   「あやこーんビーフ!」

 九尾が缶詰めになる。開けて食べる。

化け狸     「こんな時に食事とはな。それに狐が牛かよククククク、おっ?」
藻女あやこ   「(腰を曲げ、両拳を握り)うううううーーん」
化け狸     「ほう。視界が縦に重複しやがる。九尾!」
藻女あやこ   「私だってなれるんだからね。(両手を広げ)せいっ!やっ!とっ!」


 ○大通り

 車が数台、急停止する。鳴るクラクション。立ち止まる歩行者。

運転手1     「うわっ」
歩行者1     「ホンモノ?」
運転手2     「危ねえだろうが!いきなり止まんじゃ・・・ひっ!」
歩行者2    「夢だこれは夢だ。まだ、朝を迎えて」
Rain 「いますよ。貴方起きてますから〜」
赤子      「うんしょ、うんしょ、ホスピタルへGO」

 横断歩道を渡る2人。歩行者2慌てて煙草に火をつける。

Rain 「煙草をふかすな!除霊の効果なんてない!邪気は、はれないのよ。
        悪霊じゃないし」

 一台の単車が車を交わして走って来る。

赤子     「わわっ、単車に喰われる? ばいくう!」
Rain 「ピエッ」


 ○善の夢の中での闇の中

 野槌が唾液を垂らし襲って来る。

良心寺福弥津・牛頭  「キイサアンフーサ、消滅、印!」

 8人が笑う。

良心寺牛頭      「第3形態か」
良心寺福弥津     「闇の中で闇か。本体は採石場に、完全体で」
良心寺牛頭      「分身だ。目を凝らして、見極めろ」
闇          「グギャギャギャギャギャーー」
良心寺牛頭      「早まるなよ!子孫」


 ○採石場
 
完全体・善      「グガ、オオ、エエ」
化け狸        「ジャイアント・コーン、インターバルは終わりだな!来いよ」
藻女あやこ      「上手いこと言うわね。スポンサーかってーの!このっ、
            蕎麦!あれは、私達だかんねーー」

 拳と拳を打つける。空振が起こる。


 ○善の夢の中での闇の中

 狭まる第3形態、闇。竜巻の様に向かって来る。

良心寺牛頭      「何?」
良心寺福弥津     「分身、いや分離。キイサアン・・・消えっ」
良心寺牛頭      「子孫!お前のは背後だーー」

 振り返る福弥津。闇の中に現る生首。

良心寺千木郎     「後ろの正面は俺だーー!息子に殺された恨みをはらしてやるーー」
良心寺牛頭      「しそっ、ぐあっ、あああーー」

 竜巻に飲まれる。その中で稲妻が飛ぶ。

良心寺福弥津     「牛頭様!」
良心寺千木郎     「どこ見てんだじじい!」

 竜巻が囲い福弥津の姿が見えなくなる。


 ○採石場

 ポタポタ落ちる血。緑と赤。

化け狸       「馬鹿し合いの続きだ。人並みに血が出るのか赤い・・・」
藻女あやこ     「あんた、ほんと心の底から、悪人ね、緑の・・・」
化け狸       「煩えよ!半妖か?女狐!」  
藻女あやこ     「もう一つあったわ。茶色くて太っちょだから、と、豚カレー!」
化け狸       「何だと?クク言うじゃねえか。お前、何が嫌いだっけ?」
藻女あやこ     「大人同士だから、平気だけど」
化け狸       「そう、小狐だったら狸が天敵だが、変身!」
 
 重たく一回転。

藻女あやこ     「いやっ、鷲っ」

 化け狸の鷲が羽をバタつかせる。

藻女あやこ     「ううんもう、鳴き声も。ピィーって」
化け狸       「これで終いだーー犬っころ、I'm hungry 」


 飛び掛かる化け狸。


 ○戻って・善の夢の中での闇の中

「ぐあっ、あああーー」

 響き渡る声。第3形態の闇に経本が巻かれている。人の姿に戻る8人。

良心寺千木郎    「くそっ」
良心寺岐依     「大丈夫かい!千木郎」
良心寺幸蔵     「ほう。あんたも」

 善にそっくりな坊主が居る。

良心寺福弥津   「貴方は、江戸時代、良心寺を営みながら、瓦版を読売して貧者に財施した、
          ウチの誇り高き親鸞(しんらん)様で」
良心寺親鸞    「ああ。妖の事件を読んで、嘘つき呼ばわりされたけどな」
良心寺牛頭    「すまぬ。もう1人の子孫よ。読売は違法だぞ。まぁ良い。危険を顧みず、
          頑張っておるのだ。民の為に」
良心寺親鸞    「ったく。呼んでくれてもの〜。自分で来たわいの」

 親鸞も、放射線が現れ、具現化している。

良心寺曽福    「兄さんは兎に角、そっくりだ。残りの2人も善に」
良心寺親鸞    「福弥津だっけか?大変だの!お前のせがれも」  
良心寺幸蔵    「そう言えば、そこの神が、古代に封じ込めたにも関わらず、
          江戸の世に置いて、親鸞とこの息子も封印を解いたんじゃ」
良心寺美海    「情けない。良心寺の家系は先祖代々子供が、災をもたらすのね」 
良心寺穂枝    「生まれ変わっても、中身は変わってないんだよ」
良心寺幸蔵    「長男とその嫁との間の子になったら、らしいぞ」
良心寺曽福    「くそっそれで」
良心寺千木郎   「だから、善の所為なんだよ」
良心寺福弥津   「それを、利用して、封印を解かしたのは、外に居る・・・」
良心寺親鸞    「ウチのせがれものう」
良心寺岐依    「煩いんだよ!千木郎が。こんな事になるんだったら、嫁に来なきゃ」
良心寺牛頭    「何を言っておる。もしお主がいなかったら、千木郎と言う奴は世に・・・」

 数秒沈黙。

良心寺千木郎   「・・・母ちゃん、神の言う通りならっ」
良心寺岐依    「うっ煩い!どこの言葉だよっ!ねえ皆んな、喋ってないで」


 ○採石場

 反射波の中で逃げ回る藻女あやこ。追い掛ける、鷲の化け狸。

藻女あやこ  「逃げても、逃げても、体がっ。持ってかれる?」
化け狸    「ククククク、風だ。俺の羽の。だが、お前の、闘争本能もそうさせる。
        半妖のケモノ!」
藻女あやこM 「考えろ!思い出す。あやは出来る。ビビるな私。確か、狸の天敵は」
化け狸   「何してんだ、隙があるなら」
藻女あやこ 「えっ?ちょ、やだ」

 鷲の嘴が突き刺さる。

藻女あやこ 「腰が、立てない」

 俯せに倒れる。巨大な狐の姿が、萎み人間に戻る。九尾は残ったまま。

藻女あやこ 「くたばるものかっ」
化け狸   「(巨体のまま狸に戻り)地獄へのカウントダウンだ。1」
藻女あやこ 「地獄に堕ちるのはあんただって!」
化け狸   「2、3、4」
化け狸M 「人間化してやがるのに何故、九尾が残ってんだ?」
藻女あやこ 「福ちゃん、早く、善君を」
化け狸   「5、6、アンラッキー7だ。8」
藻女あやこ 「あと2つ」
化け狸   「9・・・何?」
藻女あやこ 「掛かったね!私も、再生能力はあるのよ。テーーン、私の尻尾イケーー」

 傷跡が再生する。九尾が尻から外れ飛ぶ。

化け狸   「ぐふっ・・・」

 冷汗を掻く。九尾が変化する。鼬のテンが現れる。一旦着地。

藻女あやこ 「本当きゃわたんだよね〜。よちよーーし!テンちゃん、やっちゃってよね」


 テンが親指を立てる。砂かきをする。


藻女あやこ 「イケーー、誠司!今思いついたって!」
化け狸   「せいじ?ああ、テンと10を掛けたからか!掛け算じゃなくて。
       ローカルチャンネルだなって」

 飛び掛かるテンに化け狸は、普通の狸になり焦る。

藻女あやこ  「そう!狸はテンが苦手よね」


 反射波の中を右往左往して逃げる狸。追い掛けるテン。


藻女あやこ  「噛め!誠司」

 飛び掛かるテン。交わして飛ぶ狸。見上げる藻女あやこ。
 完全体・善の頭上。

化け狸    「掛かったのはお前だ!逃げるが勝ちだ!ククククク」
藻女あやこ  「何ですって!輪っかで眩しい」
化け狸    「変身!(軽く一回転)」

 ハンマーになる。

藻女あやこ  「しまった・・・!!」
化け狸    「さあ、蘇れ!良心寺善。いや・・・マグマ妖怪・・・」
藻女あやこ  「だっ、ダメーーー」

 ハンマーに変身して、輪を砕く化け狸。


 ○ 善の夢の中での闇の中

 揺れている。

良心寺福弥津  「ま、真逆」
良心寺岐依   「やったよ!いよいよお出まし出来るんだ!あんた達」

 8人が闇になる。消える。

良心寺牛頭  「子孫よ!外へ出るぞ!」
良心寺親鸞  「我々は、時空をまた光速移動出来るが、福弥津は」
良心寺福弥津 「・・・」


 ○採石場

完全体・善  「グガガガガガガーー」

 闇、炎、闇、炎、第3形態、第2形態を繰り返す。

藻女あやこ  「くっ、そんなーー善君、ダメーー、起きてーー」

 テンは九尾に戻り、あやこの臀部に戻る。
 完全体・善は、闇と炎を己の体に吸い込ませる。全体に渦を巻く。反射波が消えていく。
 化け狸、部員3の人間になり、着地跪く。頭を下げ、肘を曲げ、手を胸に当てる。


化け狸    「お久しぶりで御座います。我ら妖No.1・・・」
完全体・善  「グギャギャギャギャーー」
化け狸    「赤漆黒のヤマタノオロチ!!」

 8首の大蛇が現れる。頭や顔、手足、首筋は黒い。首から胴体を周回しマグマが流れる。
 龍のようにも見える。其々の角と鋭い猫目。放射線が現れ具現化。

 ○山間

 同じ様に木の上で跪く謎の男。

謎の男    「狸、有言実行・・・か?此処からが、見せ場だ。善を、オロチを、完全体を     
        期すのだ。然もなくば、お前に待ち構えてるのは・・・ふっ見届けてやるよ
        狸!お前の近い未来をな!!」

 ○大通り

歩行者1 「何だあれは、怪獣か?」
運転手2 「馬鹿な・・・現実かこれよーー」
Rain 「とうとう、善が・・・」
赤子     「おい!」
運転手1 「有り得ない、スクリーンの中じゃないんだ逃げろーー」

 大勢の人が逃げる。

歩行者2 「お前が、山の方に居るのを、化物め!なんとかしろよ」
Rain 「違うって、なんとかって言っても」
赤子     「Rain、ちょっと降ろすぞ」
Rain 「何だ?痛てっ」
赤子     「ごぎゃ、ごぎゃ、イシガカタイ」
歩行者2 「うわっ、体が」

 大勢の人が、逃げ惑う中、全員が腕や、足から、全身石になる。

Rain 「これって?」
赤子    「ごぎゃ、ごぎゃ、ご・・・全員泣くおまじないで、石になった。
       頭の中の意思も固まって、記憶をフリーズさせる、再起動したら
       消える、何も覚えて無い。凄いぞ俺!自分よりも下しか使えないけど」
Rain 「この技、姿が見えてないけど、病院まで運んでるのも」


 ○採石場

藻女あやこ  「貴方達は?福ちゃんとこの」
良心寺牛頭  「これだ。目覚めおったか。オロチよ」
良心寺親鸞  「あっ、可愛い。正体は女狐じゃな」
藻女あやこ  「はい。御二方すいません」
良心寺牛頭  「謝る事はない。必死で善を救おうとしていた。勇敢だ!おなごよ」
化け狸    「てめえら、時を超えて来たか。善の夢を正しく・・・」
良心寺親鸞  「福弥津、福弥津!!」
ヤマタノオロチ「グオオ・・・」
良心寺福弥津OFF「聞こえますか?牛頭様、親鸞様」
藻女あやこ   「福ちゃん?えっ?声が聞こえるけど」
良心寺牛頭   「静かにするのだ」
良心寺福弥津OFF 「今まだ、善の中です。そこの化け狸に、聞かれないよう、心に話してます。
          声には出さぬよう・・・牛頭様、緊箍児は破壊されましたが、我々3人で、
          そうです。あれを使うのをお許し下さいませんか?」
化け狸    「また、インターバルか?それとも、クク、恐れを成してビビったか?」

 心の中で会話を交える。

良心寺牛頭  「わかった。だが、あれは、厄介だ。時が関係する」
良心寺親鸞  「一時期の秘策だ。それを福弥津、どうするのじゃ」
良心寺福弥津OFF「・・・奇跡を信じるしか」
良心寺牛頭   「奇跡か」
良心寺親鸞   「どうします?」
良心寺牛頭   「信じて望みみる栄光・・・それを言いたいのだな。子孫、いや、
         良心寺福弥津!!」
良心寺親鸞   「でも、時が、時ですよ」


 ○ 善の夢の中での闇の中 

良心寺牛頭OFF「良かろうやるぞ!子孫よ」
良心寺親鸞OFF「ええ?どうするんじゃ?失敗したら」
良心寺福弥津 「ありがとうございます。さあ、始めましょう!三種の神器を」

 数珠と経本を出す。

 T『三種の神器』


○採石場

良心寺牛頭 「ああ(数珠と経本を持つ)」
化け狸   「てめえらいい加減に・・・」
藻女あやこ 「煩い!黙れ!!」
良心寺親鸞 「いいっ?ええっ、おおっ?」


 ○採石場と善の夢の中での闇の中

良心寺牛頭・福弥津 「キイサアンフーサ」
良心寺牛頭     「何をしている!もう1人の子孫!早くお前も」
良心寺親鸞     「ええっ、はっはい、(数珠と経本を持ち)キイサアンフーサ、
           キイサアンフーサ」
ヤマタノオロチ   「グギャギャギャギャーー」
化け狸       「何を・・・?耳元で唱えんじゃ」

 襲って来るヤマタノオロチ。8首が伸びる。部員3から化け狸になり、殴りかかる。

藻女あやこ     「あやが援護します!あやこーん、蝋」
化け狸       「かか、体が」
ヤマタノオロチ   「グギャ、グギャギャ」

 蝋燭の様にゆっくりと垂れていく体。

良心寺牛頭・親鸞・福弥津 「キイサアンフーサ、出でよ三種の神器」

 其々の手に、剣、勾玉、鏡が現れる。

藻女あやこ     「それは、伝説の神剣、神玉、神鏡」

 T『神剣(しんけん)神玉(しんぎょく)神鏡(しんきょう)』

良心寺牛頭     「ああ。神とその一族が使う事を許される、神の武器」
化け狸       「ぐおっ、へへ、変身!」

 瓶に塩と書かれた塩に変身する。自分の蝋と、身が垂れるオロチに振る。

藻女あやこ     「ああ、こんにゃろ!」
ヤマタノオロチ   「グガガガガガガーー」
化け狸       「危なかった、蝋は、塩を加える事によって、垂れるのを防ぐ。
           させんぞ、貴様らーー」
藻女あやこ     「私が相手だ!(九尾がふわっと飛び)行け、テンの誠司」

 テンが狸の顔を引っ掻く。

化け狸        「ぐっ、くそっ」
藻女あやこ      「今です!」
良心寺牛頭      「でかした!」

 ヤマタノオロチの前へ空高く飛ぶ。

ヤマタノオロチ    「ガガーー」

 神剣を振りかざす。オロチとの間が歪む。切り裂かれる。空間が出来る。

良心寺牛頭      「せいっ!」
良心寺親鸞      「よし!裂け目が出来たぞ!福弥津照らすのだーー」

 裂け目に勾玉を投げ入れる。

 ○ 善の夢の中での闇の中

 闇の中が歪む。シンクロして裂け目が出来る。空間の中で勾玉が光っている。

良心寺牛頭OFF 「時を!」
良心寺親鸞OFF   「超えろ!仕方がない!!鏡を使え」
良心寺福弥津     「はい。(神鏡を勾玉に合わせる)」

 鏡と勾玉の間に筒状の光が現れる。

良心寺福弥津     「キイサアンフーサ・・・時よ導きたまえ」

 光が闇一面を照らす。光に飲み込まれる、福弥津の姿と、神鏡が散る様に、黒く消えていく。

 ○山間

 T『10年前』

 鴉が飛んでいる。その中の1匹、善と千木郎を注視している。(鴉からの目線)

良心寺千木郎     「ヒェッ、犬、犬だ。お、俺っ、犬嫌いなんだ」
良心寺善(9)      「犬じゃなくて、丸っこいから 」

 木陰から狸(化け狸)が姿を出す。

良心寺善        「僕、初めて見た。ねえねえ名前は何て言うの?マルちゃん?」
良心寺千木郎      「あっ?何しょうもねぇ事言ってんだ。其奴も犬じゃねえか!
             帰るぞ親父達のとこ!何か鴉が不気味だしよ。めっさ鳴いて。
             あっち行けっ!善、近づくなって、野生だぞ善!
             善、公園に帰るぞ。付いて来るのか、あっちに、い・・・」
良心寺善        「何言ってんの千木郎兄ちゃん。丸っこいからマルちゃんだって、
             た、あれ居ない。消えた?」
良心寺千木郎      「早くしろ!また出て来て食われっかもよ?行くぞ」
良心寺善        「お化けって事?そんな子供騙し、僕には通用しないからね」
良心寺千木郎      「子供だ!毛生えてねえし。いいから、走れ!」
             
良心寺善        「早っ、もうあっちの方に。狸さんが怖かったのかな」

 無数の鴉が威嚇する。

良心寺善        「(肩を震わせて)もも、もう待ってよ、千木郎にい・・・」
狸           「待って!君、善君だよね。まだ居るよ」    
良心寺善        「(振り向き)・・・(首を傾げる)」

 同・威嚇

良心寺善        「・・・(前を向き走ろうとする)」
狸           「怖がらなくていい。見たいんでしょ。公園から見たのを」
良心寺善        「(振り向き)うそ?」
良心寺千木郎      「ハァハァ、善、思ってんだろ?番長目指す俺が、犬ごときに
             ビビって情けねえってよ!なあ、だろ?聞いてんのか(振り向く)
             あれ?彼奴。ったくよ何してん・・・」

 空気が乱れ風が吹く。木が揺れ鴉は居ない。千木郎を風が抜ける。

良心寺千木郎       「お、悪寒がしやがる。(携帯を取り出す)アンテナが画面、
              一杯に。くそっ。(携帯を操作、発信音)もしもし、親父か
              大変だ!此処、居るぞ!何?知って?善が危ねえ!地蔵だ
        福弥津おじさんと・・・ああ、俺は先に善を助けに行ってから」
良心寺善        「(走りながら)ねぇ、狸さん、何で喋れるの?ねえって」
狸           「善、これだろ見たかったのは」

 野原に地蔵と古看板。鴉も付いてきて木に止まる。

良心寺善        「あ、うん。何でこんなとこにあるんだろ。一体だけ。然も、
             何か書いてある。所々消えて」

《この山は古代、か・・・が、あや・・・を、封じ、それから何百年も経った江戸、再び
 僧・・・の子が、・・・に騙されて封印を解き、父、しん・・・が封じ、二度の誤ちを
 犯した為、地蔵で平和を願ったのである》

良心寺善         「かがあやを封じってお父さん死んだの?平和?戦争?」
狸            「いいから、全ては地蔵を倒してみろって」
良心寺善         「駄目だよ。父ちゃんに怒られ」
狸            「開けろ、開けろ、開けろーー善!」
良心寺善         「お、お化けに。とうちゃ・・・」
化け狸          「(日本刀を突き付け)死にたくねえだろ。長男坊」
良心寺善         「・・・」
化け狸          「さあ早く平和を解け」
良心寺善         「ーー!!(地蔵を倒す)」

 地が揺れ、山に大穴が開く。岩や土砂が降り無数の魂が飛び出る。謎の男が現れるは視線から。

化け狸          「お久しぶりです」 
謎の男          「(口元のみ)よう、No.3。生き残り!」
良心寺千木郎       「早く!皆んな早く!何してんだよ!善!それ倒したら」
化け狸          「邪魔者が」
謎の男          「大丈夫お出ましだ」
良心寺善         「ごめんなさい、ごめんなさい」
良心寺福弥津       「キイサアンフーサ、キ」
謎の男          「出でよ!オロチ」
良心寺福弥津       「現れおったか。気を付けろ溶岩流を吐くぞ」
良心寺千木郎       「うわわわわーー」
良心寺岐依        「千木郎、そんなちぎゃああああ」
良心寺曽福        「千木郎、岐依、水、水だーー」
良心寺幸蔵        「(見て驚き)地蔵を倒させたな」
良心寺穂枝        「(同)奴だ狸め!福弥津落ち着くんだ」
神八代舞理        「貴方」
神八代岐丸        「キイサアンフーサ、キイサアンフーサ」

 空高くに草履が見える。浮かんでいる。

現世の福弥津       「(神鏡を持ち)そう、私と岐丸は、気が動転していた。次々に
              最愛の家族がやられて・・・ううっ、すまんほんとに」
良心寺福弥津(*10年前・34歳) 「キイサアンフーサ、キイサアン、来るな曽福」
良心寺曽福        「よくも、岐依と千木郎をーー」
神八代舞理        「いやーー曽福さん。えっ?」
良心寺曽福        「兄さん2人?」
良心寺福弥津       「お主!」
現世の福弥津      「(着地)10年後から来た。この後、曽福も・・・皆、ワシと善以外は」     
謎の男          「ほう。三種のか。厄病だ!狸」
化け狸          「三種?厄病?」
現世の福弥津       「ワシよ、未来を変える。協力頼む」
良心寺善         「うわーーん、皆んな死んだ。ごめんなさい、ごめん」
良心寺福弥津       「わかった・・・。実は、足が今にも竦みそうでな。岐丸」
神八代岐丸        「歴史を変えるのですね。でも、一時期で、時はまた0に針を指すん
              ですよ!!無理です!リセットされて。知ってるでしょ!」
神八代舞理        「きゃ、ああああーー」
神八代岐丸        「舞理そんな!」
 
 血飛沫が飛ぶ。

謎の男          「俺の技だ」
神八代岐丸        「くそっ」
現世の福弥津       「立ち向かうな!歴史を変えれば善人の死がリセットされて!!」
良心寺福弥津       「岐丸!」
神八代岐丸        「わかりました。やりましょう」
謎の男          「狸、お前もオロチと一緒に行け」
化け狸          「えっ?行くって何すか」
現世の福弥津       「やるぞ!三巴の神呪を」
良心寺曽福        「しんじゅか!望みみる栄光を信じて」
2人の福弥津・岐丸    「キイサアンフーサ、キイサアンフーサ、出る神霊達よ」
化け狸          「何だあれって」
謎の男          「だから、俺達にとっては厄病なんだよ。領域を超えてやがる」

3人の背後に、閻魔大王(現世の福弥津)女の倶生神(福弥津)使徒(岐丸)が現れる。
空間に結界が現れる。海が有り、巨大な妖怪・衣蛸が現れる。足と足の間に膜がある。

神八代岐丸M 「俺だけ何で、イスカリオテのユダ何だ。先祖は西洋から?」
ヤマタノオロチ      「(暴れて)グギャギャーー」
謎の男          「あばよ狸」
化け狸          「えっ、ええっ」

 閻魔が閻魔帳に『島流し』倶生神は『悪記録簿』に『罪状殺人』と書く。

ユダ           「・・・」

 衣蛸が、足で8首を締め上げ、膜で化け狸を襲う。

化け狸         「助けてーー、様ーー」
ヤマタノオロチ     「グガガガガガガーー」

謎の男         「死よりも最悪な所だ。じゃあな」
神八代岐丸       「待て!」

 姿を消す謎の男。強く引き込まれる、化け狸とヤマタノオロチ。結界が閉じて消える。
 神霊達も同様。跪く、10年前の福弥津。

良心寺福弥津      「無念。不徳の致すところだワシは。ワシよ、未来では何があった?」
現世の福弥津      「未来の現世では、善が、ヤマタノオロチに」
良心寺福弥津・曽福・神八代岐丸  「何だって?」
良心寺善(9) 「?」
神八代岐丸       「大丈夫ですか?曽福君」
良心寺曽福       「は、はい、何とか・・・未来の兄さん、信じますよ栄光。でも」
神八代岐丸       「ああ」
現世の福弥津      「そうじゃ、未来から時を超えると時間が地獄回りをする、反時計回り                
             だ。狸とオロチは、徒刑地獄へ行った。これは、死よりも大罪で、
          一生仏から体全体に念仏を彫られ、唱えを聞かなければならない」
良心寺福弥津      「気にする事はない!未来のワシよ」
神八代岐丸       「でも・・・」
良心寺曽福       「福弥津兄さんと死んだ親父が言ってたじゃないか!時を超えるのは
             、歴史改変に失敗したら、黄泉の国からの帰還が起きると」
神八代岐丸      「地獄に落ちた者が、そうなりゃこの世はパニックどころか、類を見ない
            戦争ですよ!悪人と生きる人での、新しい命の奪い合い」
良心寺曽福      「それに死者が、霊道を1歩歩くのに、1週間。生気がないから。時間で、
            168時間かかる。12週間で2016時間、まだ妖も出て来る。それに、No
            2の彼奴が何も仕掛けて来ないとは限らない。未来の善が覚醒したら」
現世の福弥津     「もう既に、だが」
良心寺福福・神八代岐丸 「だったら!」
良心寺福弥津     「喧しい!黙っておれ!奇跡を信じるんだ。3ヶ月以内に必ず」
現世の福弥津     「体が(下半身放射線になる)そろそろ。必ず成功させる。信じてくれ、
            ではな。Back to the future」
良心寺曽福・神八代岐丸 「ああもう!」
良心寺福弥津      「面白いぞワシ」

 ○採石場

ヤマタノオロチ    「グガガガガガガーー」

 溶岩流を吐く。避ける、良心寺牛頭と化け狸、神剣と日本刀で空中戦。剣と刀が交差。
 火花が飛ぶ。睨み合う。化け狸不気味な笑み。

藻女あやこ      「わわっ、わわっ」
良心寺親鸞      「ひやっ。こけ、(手をバタバタ、顔を谷間に、手で胸を押さえ)
            あっベリグ」          
藻女あやこ      「ちょっと、何、埋めてんの」
良心寺親鸞      「武器ないから戦えまへん」
藻女あやこ      「このっセクハラ」
良心寺親鸞      「痛っ、蹴るな股間・・・」
良心寺牛頭      「やるの狸、神に同等とはな」
化け狸        「もう一個、あるぜ」
良心寺牛頭      「真逆」
化け狸        「よーおっ」

 爆発する。黒煙が降る。

良心寺親鸞      「牛頭様」
藻女あやこ      「そんなっ」 

 良心寺牛頭が落ちて来る。煙がはれる。

化け狸        「どうだ腹爆弾はポンっと爆破だぜ」
良心寺親鸞      「しっかり牛頭様」
ヤマタノオロチ    「グガガガガガガーー」

 溶岩流を吐こうと一気に腹からマグマを吸い込む。

藻女あやこ      「終わったわ」
化け狸        「死ねっ、てめえ等」

 ヤマタノオロチが消える。放射線が現れる。

藻女あやこ      「福ちゃん」
良心寺親鸞      「帰って来たか子孫!」
化け狸        「貴様、何をした過去で。チッ善が」

 善が眠ったまま降下する。

藻女あやこ      「(手を広げ受け止めて)善君、起きて」
良心寺福弥津     「未来のお前は時を超えたのは知っているのか」
化け狸   「くそじ・・・何っ?」
藻女あやこ      「消えてる、奴の半分、体が」
良心寺牛頭      「ううっ、やりおったか。時間の問題。でも(善を見る)」
良心寺親鸞      「大丈夫ですか」
化け狸        「チッ。くっ、ぐぞーーー貴様ぁ」
良心寺福弥津     「おっと!無駄だ。今のお前に、殴りかかる力さえ衰えてる」
化け狸M 「(焦り)失敗、したら、失敗、したら、あの人に」
良心寺福弥津     「御二方、三巴の神呪を」
藻女あやこ      「あっ、普通に、体も」

 狸になり逃げる。消えていない体。

良心寺福弥津     「ほっておけ。もう、妖力はないただの犬」
藻女あやこ      「善君よろしく」
良心寺親鸞      「ええ?ああ(善を抱き抱える)」
藻女あやこ      「福ちゃん、降りておいで、早く!(手を広げる)」
良心寺福弥津     「モンモン!あやちゅわん!シュワッチ(ウルトラマンの様に降下する)」
良心寺牛頭・親鸞   「やめろ!」
良心寺親鸞      「どかっ」
藻女あやこ      「痛い!お尻蹴るな!こけた!あっ」
良心寺牛頭・親鸞・藻女あやこ「犬神家!」

 地面に頭が突き刺さる。

良心寺福弥津     「漫画かっ。よいっしょ(頭を抜き起き上がる)」
良心寺親鸞      「ほれっ、福弥津、息子だ」
良心寺牛頭      「(立ち上がり)難は逃れたな。子孫よ!これからが、正念場。時間だ。
  我々も体が」
 足元に、放射線。

良心寺親鸞      「諦めるなよ!何があっても。望みみる栄光だ」
藻女あやこ      「バイバイ」

 放射線が消える。姿消える。


○山間・全景(夜)

藻女あやこ     「さっ、帰ろ」
良心寺福弥津    「ああ」

 善を抱き抱えて帰路に着く。


○山間・別の山道(同)

 狸(化け狸)が走る。

謎の男       「何処へ行くんだ!狸」
化け狸       「ハァ、ハァ、まま、待ってください!もう、逃げませんからっ」
謎の男       「ほう。そうか」
化け狸       「ははっ、いっ!だだ、だから」
謎の男       「教えて欲しいか?」
謎の男       「俺達にも仲間がいるって事をな」
化け狸       「仲間?いるんですか!誰ですか」
謎の男       「ミステリーだ」
化け狸       「ミステリーって?何すか?」
謎の男       「居るんだよ!裏切り者が、あっち側にな」

 福弥津・あやこ・善・Rain・赤子・牛頭・親鸞・閻魔大王・倶生神・イスカリオテのユダ
 が映る。

 ○路地

Rain 「着いた病院!何て書いてあんの」

 看板の救急指定の部分のみが見える。

赤子        「それ、次な!タクシー使えば良かった」

 ○同・山道

 松明を持った鴉が飛んで来る。

化け狸       「此奴は?」
謎の男       「新しい仲間だが、もうお前は必要ねえんだよ!ただの犬」
化け狸       「ひっ、やや、やめてくれ!たた、頼みますから」

 謎の男サングラスとマスクを外し、落とす。


 ○同・山道・全景

化け狸      「ひぃやあああああーー」

 ○同・山道

 葉が散る。マスクをしてサングラスをかける。まだ正体不明。
 赤い血が落ちている。

謎の男      「順調か?ペンタチコロオヤシ。俺の探し物は見つけたか」
ペンタチコロオヤシ 「ええ。それはまだ」

 第6話了


  







         






































             
           














       


















              























 






































 


































      
           












     



  





        










   









   

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