絶望の暗闇の中で一筋の光を見た ドラマ

絶望的な悲しみに遭遇した主人公。 彼の深い深い悲しみを癒したものは⁈
緒方充林 65 0 0 08/20
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第一稿

   人物
浜坂良一(32)(33)(34)
浜坂景子(30)浜坂の妻
浜坂綾(6)浜坂の娘

宮田礼(30)(31)(32)浜坂の友人
宮田遥(6)(7)(8)礼の娘 ...続きを読む
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   人物
浜坂良一(32)(33)(34)
浜坂景子(30)浜坂の妻
浜坂綾(6)浜坂の娘

宮田礼(30)(31)(32)浜坂の友人
宮田遥(6)(7)(8)礼の娘

警察官A(50)
田辺恵(27)綾の幼稚園の先生

子供A(5)

課長(40)






○ マンション全景

○浜坂家・キッチン(朝)
   浜坂景子(30)浜坂綾(6)が朝食
   を食べている。スーツ姿の浜坂良一(3
   2)がテーブルに座る。置き時計が午
   前8時をさしている。
浜坂「おはよう」
綾「おはよう」
景子「綾、牛乳もちゃんと飲んで」
   景子がスーツ姿の良一を見て、
景子「今日、綾の幼稚園の参観日、行ってく
 れるんじゃなかったの?」
浜坂「だから、土曜日は仕事だって言っただ
 ろ」
景子「なんとかするって言ってたじゃない?」
良一「無理になったんだよ」
綾「パパ来てくれるって言ったたのに、パパ
 の嘘つき」
景子「私、パートがあるから、幼稚園連れて
 行くだけ連れてってよ」
浜坂「無理なんだよ、やばい、行くわ。
 綾、ごめんな」   
景子「ちょっと」
   浜坂、急いで出て行く。
景子「綾、行こ、急がなきゃ」
   
○ 住宅街
  景子が自転車の後ろに綾を乗せて走
  っている。景子が腕時計を見る。
  横断歩道の点滅青信号が赤に変わる。
  景子は渡ろうとする。そこにトラック
  が猛スピードで走ってきて、きて景子
  と綾の乗った自転車にぶつかる。
   救急車のサイレンの音。

○ 会社オフィス・中
  誰もいないオフィスで、浜坂が一人、 
  デスクでパソコン作業をしている。
  壁時計が午前12時をさしている。
   浜坂の携帯電話が鳴り、電話に出る。
浜坂「もしもし」
電話の声「品川警察のものですが、浜坂良一
 さんですか?」
浜坂「はい、そうですが」
電話の声「浜坂景子さんは、あなたの奥様で
 すか?」
浜坂「はい、それがなにか?」
電話の声「奥様が交通事故に合われまして、
 いま、品川東病院にすぐ来ていただきたい
 のですが」
浜坂「ええ?それで妻は無事なんですか?」
電話の声「亡くなられました」
   浜坂、愕然とする。

○ 品川東病院・霊安室・中
  霊安室に横たわる景子と綾の遺体。
  周りに警察官が立っている。
  浜坂が霊安室に入ってくる。
浜坂「浜坂ですが」
警察官A「こちらです」
   景子と綾の遺体に駆け寄り、二人の顔
   を確かめる浜坂。
浜坂「景子、綾、どうしたの?うそだろ?
 起きてくれよ。ねえ、起きてくれよ!」
   泣き叫ぶ浜坂。
警察官A「奥様は1時間ほどに亡くなられま
 した。お子さんはほぼ即死だったそうです」
浜坂「そんな・・・」
   泣き叫ぶ浜坂。

○ 公民館・中(夜)
  祭壇に景子と綾の遺影が掲げられて
  いる。祭壇の前に親戚に混じって、
  良一が俯いて座っている。田辺恵(2
  7)がやってきて浜坂に頭を下げ
  る。浜坂も恵に頭を下げる。恵が浜坂
  に話しかける。
恵「私、綾ちゃんの幼稚園の教諭の田辺と
 申します。この度は大変ご愁傷様です。
 綾ちゃん、参観日にお父さんが来られるの
 を楽しみにしてたのに」
   恵が泣く。
浜坂「そうですか・・・」
   浜坂は声を詰まらせ泣き崩れる。
   

○ 駅のホーム(夕)
  浜坂が呆然してホームに立っている。
  そこに電車が入ってくる。ホームの端
  に近づく浜坂。電車の汽笛が鳴る。
  手が良一の腕を引っ張る。電車が通り
  過ぎる。はっと我に帰る浜坂。宮田礼 
 (30)が浜坂に声をかける。
礼「大丈夫ですか?」
   礼に手を繋がれた宮田遥(6)も
   浜坂に声をかける。
遥「おじちゃん、大丈夫?」
   浜坂は遥をじっとみつめ、答える。
浜坂「大丈夫だよ」
   浜坂が声を詰まらせ泣く。
遥「おじちゃん、なぜ泣いてるの?」
礼「すみません。何があったかはわかり
 ませんが、頑張ってください。きっといい
 ことありますから」
浜坂「ありがとうございます」

○ 東日本大震災被災地・風景
  タイトル「一年後」

○ プレハブ建物・中
  子供たちの前で、浜坂良一(33)が
  『百万回生きたねこ』の紙芝居をして
  いる。子供たちの中には遥(7)がい
  る。後ろには父兄たちが立っている。
  その中に、礼(31)がいる。

浜坂「白いねこが死んで、ねこは初めて泣き
 ました・・・おしまい」
   子供たちと父兄たちが帰っていく。
子供A「おじちゃん、さよなら」
浜坂「さよなら」
   浜坂の前に遥が座っている。
遥「おじちゃん、なんで、ねこは泣いた
 の?」
浜坂「白いねこが大好きだったからだよ。
 遥ちゃんも、大好きな人が死んじゃったら 
 泣くよね」
遥「うん、泣く」
浜坂「おじちゃんも大好きな人が死んじゃっ
 たときはすごく泣いたよ」
遥「どうして、死んじゃうの?」
「それはおじちゃんにもわからないよ」
   礼が浜坂に声をかける。
礼「浜坂さん、いつもありがとう」
浜坂「どうも、俺にはこれくらいしかでき
 ないから」
礼「でも、元気になってきた?」
浜坂「少しはね」
礼「でも、あのときは、びっくりしたよ」
浜坂「そうだったたね。礼さんにここのボラ
 ンティアを紹介してもらなかったら俺、も
 どうなっていたか」
礼「実はね。私も、あのとき、主人が震災で
 亡くなってこれからのことが考られなかっ
 た。でも、あのとき、あなたを見て、とっ
 さに体が動いた。そうでなきゃ、私も飛び
 込んでたかもしれない」
浜坂「そうだったんだ・・・」
礼「そうよ。でも不思議なもので、誰かのた
 めにがんばららなきゃ。と思ったら、悲し
 みが一瞬でも消えるのね」
浜坂「うん、俺もこの活動をしてるときは、
 少しは苦しくなくなるんだ。でも、すぐに
 また苦しくなる」
礼「それはみんな同じだから」
浜坂「・・・・・」
礼「遥、帰ろっか」
遥「うん。おじちゃん、またね」
浜坂「うん、遥ちゃんも、おじちゃんがまた
 来るまでがんばるんだよ」

○ 東日本大震災被災地・風景
  あたり一面に、桜が咲いている。
  プレハブで紙芝居をする浜坂。
  桜が緑樹になり蝉の声がする。子供た
  ちと虫取りをする浜坂。
   緑樹が紅葉になる。子供たちとハイキ
   ングする浜坂。浜坂の横には礼と遥。
   紅葉が枯れ木になり雪が積もる。そし
   て枯れ木が新緑になる。

○ 会社オフィス・中(夕)
  浜坂良一(34)がデスクでパソコン
  作業をしている。
  壁時計が午後6時を指す。浜坂が立ち
  上がって、課長(40)の所に行く。
浜坂「すみません。課長、今日は失礼します」
課長「おう、明日、例のあれか?」
浜坂「はい」
課長「最近ようやく元気になってきたな」

○ 浜坂家・居間(夜)
   仏壇に景子と綾の写真が立っている。
   浜坂、写真に手を合わせる。
浜坂「行ってきます」

○ 東日本大震災被災地・遠景
  あたりは五分咲きの桜。

○ 桜並木
   浜坂、宮田礼(32)、遥(8)の三人
   が歩いている。
礼「もう春ね」
浜坂「そうだね」
礼「ねえ、遥、おじちゃんのこと好き?」
遥「うん、大好き」
礼「ママも」    
  浜坂と礼が泣き出す。浜坂と礼の手が
  触れ、しっかりと握り合う。 (終)







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大阪市都島区中野町2の13の18の603  
  緒方充林
  電話番号 09038459316 

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