妖怪の医者の仕事 ギャグ

ちょっとエッチな高校生魔術師の唯人と一個上の彼女、美雪。 いつものように唯人の晩御飯を買っていると不思議な少年と出会う。 だけどその少年はキツネの妖怪で……。 妖怪すら虜にする恋人を持つ主人公とキツネのバトルはいかに
神埼隼人 8 0 0 12/22
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第一稿

美雪「今日の夕飯は何作ろうかな~っと」
少年「わわっ」
美雪「ん?おっと」
少年「あ、すいません。つまずいちゃって」
美雪「ううん。ジュース、落とさなくて良かったね」
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美雪「今日の夕飯は何作ろうかな~っと」
少年「わわっ」
美雪「ん?おっと」
少年「あ、すいません。つまずいちゃって」
美雪「ううん。ジュース、落とさなくて良かったね」
少年「ありがとうございます。……」
美雪「ん?あたしの顔に何かついてる?」
少年「あ、すいません。きれいなお姉さんだなと」
美雪「え?あはは。ありがと」
少年「あ、突然すいません。それじゃ」
美雪「ふふ、気をつけてね。……揚げでも買ってうどんにするか」

小妖怪「じゃあ、せんせー、おせわになりやしたー」
唯人「ああ。ちゃんと発散の仕方教えてやれよ?でもまあ、またいつでも来な」
美雪「また妖怪を見える様にして。いい加減アパートから出ていけって言われない?」
唯人「今のところ大丈夫。いらっしゃい美雪さん」
美雪「上がるわよ?夕飯、作っちゃうから」
唯人「いつも助かってます。どっか寄ってきたの?」
美雪「コンビニにね。唯人は?さっきのは仕事?」
唯人「妖怪から直接だから無報酬だけどね。新入りがちょくちょくいるから、魔力の使い方をね」
美雪「まるでお医者さんね。さっきも『先生』って呼ばれたし」
唯人「俺はただの魔術師だよ。ま、妖怪から慕われるのも、変な気分だけど」
美雪「先生どころか、学生。高校2年生だしね」
唯人「そうだよぉ。1こ上の先輩~」
美雪「こら、抱きつくな。ごはん用意するんだから」
唯人「もうちょっとー、充電したい」
美雪「ダメ。食べた後なら相手してあげるから」
唯人「さすが俺の彼女、じゃあ靴下脱いで」
美雪「はいはい」
唯人「あれ、素直に聞いてくれるんだ?」
美雪「だって、脱いだのまた履きたくないって言っても、どうせ替えの靴下あるからとか言うんでしょ?」
唯人「うん」
美雪「満面の笑みで答えないでよ。いろいろツッコミたいのガマンしてるんだから。んしょ」
唯人「おお~」
美雪「まったく、裸足になっただけなのに何がいいんだか」
唯人「いや、ふとももから下が見えるって、いい。エロいよ」
美雪「~~~~~~~~。と、とにかく準備するから、テレビでも見てて」
唯人「は~い。今日は何?」
美雪「きつねうどん」

部屋のチャイムが鳴る
唯人「あ、来たか。はーい」
宅配「こちら、藤崎さんでよろしいですか。サインお願いします。ありがとうございましたー」
美雪「通販?」
唯人「うん。宝石をね」
美雪「ずいぶん雰囲気の無い話ね」
唯人「プロポーズみたいな色気のある話じゃないからね。魔石用なんだ」
美雪「魔石って?仕事の話?」
唯人「ああ。今日もそうだったんだけど、最近、魔力の発散が上手く出来ない新参の妖怪が増えてきててさ」
美雪「ああ、アパートの前で言ってた」
唯人「そ。魔石に魔力を吸わせるやり方が、一番手っ取り早いんだ」
美雪「お金のかかる方法ね」
唯人「まあ、使い捨てでもないからね。けど、依頼の頻度が高いと魔石から魔力を放出する間隔が間に合わなくてさ」
美雪「あ、そういう事?形、指輪なのね」
唯人「ま、右手の人差し指にでも付けるかな」
美雪「え、仕舞っておかないの?」
唯人「明日にでも学校で慣らす。昼休憩ぐらいがいいかな」
美雪「ふ~ん」
唯人「だってそうすれば、美雪さんともいられるから」
美雪「もう、そういうの良いから。じゃあ、そろそろ帰るね」
唯人「え、まだ早くない?」
美雪「2年のキミと違って忙しいの」
唯人「ふーん?」
美雪「なによ、手をわきわきさせて……」
唯人「いやー、さっきまでくっついてたでしょ?本音はどこかな?と思って」
美雪「うっ、と、とにかく帰るから」
唯人「あ、靴下持った?」
美雪「持ったから。じゃあまた明日ね」
唯人「おやすみの挨拶くらいしようよ」
美雪「お、おやすみ?」
唯人「じゃなくて」
美雪「~~~~、ん。これでいいでしょ?」
唯人「うん。おやすみ」
美雪「じゃ、じゃあ、戸締りはしっかりね」
唯人「行っちゃった。おーっし、これでまたあしたも頑張れる!」

唯人「何だろうな、空が淀んで見える……」
美雪「おはよ、唯人」
唯人「美雪さん、おはよ」
美雪「どうしたの?しかめっ面して」
唯人「ん~。美雪さん、今通学路の空、どんなふうに見える?」
美雪「え?快晴」
唯人「やっぱりか~」
美雪「違うの?」
唯人「俺には淀んで見えるんだよ」
美雪「え?何で?」
唯人「多分、魔力がどっかから変な感じに出てんだな」
美雪「妖怪ってこと?」
唯人「今の時点ではなんとも。ちょっと今日は気を付けた方が良いかもね。何かありそうなら俺んとこ来て」
美雪「あんたがそう言うと、なんか怖いんだけど」
唯人「(魔力が淀むってさ、妖怪がどうとかより、魔術師の側に原因があることが多いんだよな。けど俺には今んとこ何もない。じゃあ……)」


「おねえさん、おねえさん、おねえさん……くんくん、感じる。おねえさんの匂いだ。こっちからだ……」

学校のチャイム
唯人「あ、美雪さん。早いね。俺より先に中庭にいる」
美雪「でも急いではないわよ?それより、購買、行ってないわよね?」
唯人「授業終了直後のタイミングでLIME送ってきといて良く言うよ。でも、大丈夫なの?弁当、負担になってない?」
美雪「それは平気。早起きとか、辛くないから」
唯人「いや、それもだけど、お金だよ」
美雪「大丈夫よ。あんたから貰ってる範囲内で買ってるから」
唯人「いや、それも後付けだよね?美雪さんのお母さんと話すと目が怖いんだから。美雪さんの弁当がおいしいかって、聞かれたときの圧力は忘れないよ」
美雪「それを言ったらバイトさせてくれないじゃん」
唯人「だから俺の仕事を手伝ってくれればいいじゃんか」
美雪「それはなんか違う」
唯人「てわけで今の状態です」
美雪「何が、て訳でなのか分かんないけど」
唯人「だって学外でも一緒にいたいんだもん」
美雪「これにほだされるんだから、あたしもたいがいよね」
唯人「じゃ、いっただっきまーす」
美雪「あ、こら、あたしも食べる」
中庭で彼女の弁当を食べる主人公
唯人「じゃ、そろそろやるか」
美雪「やっぱり魔石持ってきたの?」
唯人「なるべく試運転は放課後までに済ませておきたいからね」
美雪「危なくない?」
唯人「魔力を込める量をごく少量にするから大丈夫だよ」
美雪「それで試運転になるの?」
唯人「うん。ほら、もう込めた」
美雪「あ、なんか、微妙に宝石が光ってる様な……」
唯人「んで、放出」
美雪「特に何もないのね」
唯人「魔力をただ放出するだけなら、霧みたいに広がって大気中に散らばっちゃうんだ」
美雪「なんか、魔力を無駄にしてる様な気が……」
唯人「こういうものなの!」
美雪「あ、うん、分かった。……て、あれ?」
唯人「……美雪さんも見えてる?」
美雪「見えてる。……てゆーか、昨日の」
唯人「会ったの?」
美雪「コンビニでペットボトル買ってた……」
唯人「その時点から実体化してたのか。危なくなかった?」
美雪「うん。全然、てゆーか。あれ、何?」
唯人「……魔力の暴走状態だよ」
美雪「魔力?暴走?え?あの子、妖怪なの?」
唯人「え?うん……」
美雪「え?昨日はなんか、全然、普通だったんだけど?」
唯人「昨日は普通?そんなバカな。美雪さん、『あれ』とコンビニで会ったのって、何時の話?」
美雪「昨日の夕方6時くらい。あんたの夕飯作る前」
唯人「……その時普通だった?」
美雪「うん……」
唯人「(なんだ?てことは美雪さんと別れた後、何かあったのか?)」
狐 「…さん……さん…けた」
唯人「何か言ってるけど、美雪さん聞こえる?」
美雪「ダメ。わかんない」
狐 「…だよ……つ……うう……わあああああ!!」
唯人「ちっ、俺か!美雪さんじゃなくて良かったけど!」
狐 「グウウウウウ!」
美雪「ゆ、唯人!!」
唯人「俺なら大丈夫!!魔力の壁があればこいつの攻撃を防ぐことは簡単だから!……さあーてぇ、お前は一体何なんだ?なんで暴走してる?」
美雪「ほ、ほんとに大丈夫なの!?」
唯人「ああ!!けど、こいつの目、何だ?恨みだとか憎しみじゃない?……嫉妬?は?」
狐 「ガウガウ!!」
唯人「えーと、何となくわかった……。美雪さんて、魔性の女なのかな」
美雪「ちょっと!何んか失礼なこと考えてない!!」
唯人「さーね!予定外だけど魔石の出番だな。オラ吸収しろおおおおおおおお!!」
狐 「ガアウウウウウウウウウ!!ウウウウウウウウウウウ」
美雪「……ど、どうなったの?」
唯人「ふう。落ち着いたはずだよ。これ」
美雪「あ、魔石が輝いてる」
唯人「暴走した魔力はこいつに吸収させた。でもって……」
美雪「え?何やってんの?」
唯人「ちょっと話を聞かないとだから。こいつの人格を保てる程度に魔力を戻す」
狐 「う、ううん……」
美雪「大丈夫なの?」
狐 「そもそもの疑問があるからね。この程度戻しただけじゃ暴走したりしないよ」
美雪「うん、それなら……」
狐 「ん、あれ、ぼくは」
唯人「おい、お前。話出来るか?」
美雪「て、狐?」
唯人「暴走してるとバケモンに見えるもんだね」
狐 「えっと、……」
美雪「ん?」
狐 「わ、あの時のきれいなお姉さん」
美雪「あ、うん。そんなこと言ってくれたね」
唯人「ほい。そのきれいなお姉さんの彼氏、恋人だ。よろしく」
狐 「へ?恋人?」
唯人「おう。よろしくな」
狐 「そ、そうなんですか……」
美雪「なんか、メッチャ落ち込んでない?」
唯人「まあ、そりゃねえ……。落ち込んでるとこワリイが、話聞かせてくれるか?」
狐 「あ、はい。なんですか?」
唯人「お前の魔力が暴走した原因だよ。昨日このお姉さんと会ったときはなんとも無かったんだろ?」
狐 「はい。その後、なんかこの時代にしては古めかしい着物を来た男の人に会って、そのお姉さんの話をしたんですけど、そしたら眠くなって、気づいたら今の状態です」
唯人「!?なんだと?くっ!」
美雪「え?何!どこ行くの!?」
唯人「(もしそうだとしたら!)」
狐 「どうしたんですか?あの人」
美雪「さ、さあ。とにかく追いかけましょう」
唯人「はあっはぁっ、くっ、空の色は……くそっ、もう戻ってる。淀んでない。これじゃ魔力追跡も……ダメか……」
美雪「ねえ!唯人!一体どうしたの?」
唯人「……あーはは、ごめん気のせいだった。何でもないや」
狐 「え?」
唯人「あ、そういやそろそろ昼休憩終わるよね、さ、教室戻ろう?」
美雪「ちょっと、あからさまなんだけど!」
唯人「え?何が?あ、おっぱい揉んで欲しい?いいよいいよ」
美雪「誰がそんなこと言ったー!もういい、また放課後ね!!」
唯人「(あーあ、空気読ませちゃった。……魔力の暴走は通常そうそう起こらねえ。その理由は本来持ちえない魔力量を持ち続けて上手く発散が出来ずに、その体が魔力に耐えられなかった場合にのみ起こるからだ。1日やまして昨日の夜から今朝にかけて?数時間で起こるような現象じゃない。でももしあの狐が何かの実験に使われたんだとしたら……やめやめ。メンドクセーのは無しだ)」

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